都立高校教諭の野末明氏が主宰する「高村光太000郎研究会」という会があります。機関誌的に雑誌『高村光太郎研究』を発行しています。
 
過日、その35集が刊行されました。
 
目次は以下の通り。
 
高村光太郎・最後の年 1月(1) 北川 太一
高村光太郎考――直哉と光太郎 大島 龍彦
光太郎遺珠⑨ 平成二十六年  小山 弘明
高村光太郎没後年譜・未来事項 大島 裕子
高村光太郎文献目録      野末  明
研究会記録・寄贈資料紹介   野末  明
 
論考二本、読み応えがあります。
 
それから当方の連載「光太郎遺珠」。新しく見つけた『高村光太郎全集』未収録の文筆作品等を紹介しています。内容細目は、脱稿した際のブログに書きました。
 
頒価1,000円です。ご入用の方、仲介いたしますのでご連絡ください。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 4月10日
 
昭和20年(1945)の今日、駒込林町のアトリエを、渡辺正治氏が訪れました。
 
氏は女優・渡辺えりさんのお父さまで、今もご健在です。
 
戦時中に15歳で山形から上京、現・武蔵野市にあった中島飛行機の工場で働いていたそうです。
 
工場の先輩に、光太郎と手紙のやりとりをしていたという人がいて、都心方面の空襲のひどさから光太郎の身を案じ、光太郎の元に渡辺氏を遣わしたとのこと。
 
この際には光太郎もアトリエも無事で、氏は光太郎から署名入りの『道程 再訂版』をもらったそうです。
 
ところがその3日後の空襲でアトリエは炎上してしまいました。
 
戦後になっても氏と光太郎の交流は続き、そうした縁で渡辺えりさんも光太郎ファンに。画像は渡辺さん作の、光太郎を主人公とした舞台「月にぬれた手」のパンフレットです。

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