昨日は都内に出て参りました。
 
まずは4/2(水)の第58回連翹忌会場、日比谷松本楼様に。今回の連翹忌では、フルート奏者の吉川久子様が演奏と朗読で、華を添えてくださることになり、そのための打ち合わせでした。
 
吉川様は、昨年6月に横浜で、「こころに残る美しい日本のうた 智恵子抄の世界に遊ぶ」というコンサートを開かれました。連翹忌では、昨年のコンサートで伴奏を務められた海老原真二さん、三浦肇さんにも加わっていただき、昨年のコンサートのダイジェストをやっていただきます。ありがたいことです。
 
 
ちなみに日比谷公園の桜は7~8分咲きといったところでした。
 
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その後、上野に行きました。上野の桜も同じような感じでした。上野では、東京藝術大学大学美術館へ。先週始まった「藝大コレクション展―春の名品選―」を観て参りました。
 
 
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「2013年度新収品」ということで、光雲の木彫「鷹(寿老)」(昭和3年=1928)が展示されています。光雲は同一のモチーフで複数の作品を作ることも多かったのですが、これは他に類例が無く、非常に興味深いものでした。
 
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実際に観るまでどういうものかさっぱり解らなかったのですが、キャプションを読み、帰ってからネットで調べてみてよくわかりました。
 
元和7年(1621年)、徳川幕府二代将軍・秀忠の江戸城への帰途、その愛鷹「寿老」が、日本橋本町にあった「木屋」という雑貨屋の店内に舞い込み(「屋根にとまり」とする資料もありました)、そのまま戻らなかったため、この鷹を下賜されたという逸話があるそうです。
 
この彫刻は木屋の後裔が光雲に依頼して作らせたとのこと。鷹はもちろん「寿老」で、とまっている米俵は「寿老」の飼育のために毎年給されていた米を表しているそうです。
 
いつ見ても光雲の木彫は、その超絶技巧に舌を巻かされます。
 
他の出品リストは以下の通りです。
 
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チラシがこちら。
 
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厚冊の豪華図録は作られていませんが、無料の簡易図録が配布されていました。ありがたや。
 
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会期は来月13日(日)までです。その後、現在、仙台市博物館で開催中の「東日本大震災復興祈念・新潟県中越地震復興10年 法隆寺 祈りとかたち」展が巡回してきます。こちらは来月26日(土)~6月22日(日)まで。やはり光雲の木彫「聖徳太子像(摂政像)」(昭和2年=1927)、「佐伯定胤像」(昭和5年=1930)が展示されます。
 
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ぜひ足をお運び下さい。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 3月29日

昭和22年(1947)の今日、花巻郊外太田村で、地元の方が村長選挙に立候補、応援演説を頼まれましたが断りました。
 
戦時中の大政翼賛会文化部や日本文学報国会といった「前科」を自ら問題にしてのことです。同様の「前科」がありながら、そしらぬ顔をして、本人が国政選挙に打って出た文学者もいたのですが……。