福島県いわき市の山中にある、いわき市立草野心平記念文学館さんで以下の企画展が行われています。
 
気がつくのが遅れ、紹介するのが遅くなってしまいました。申し訳ありません。

冬の企画展 「草野心平コレクション展」

2014年1月18日(土)〜3月23日(日)  9時~17時 休館日/月曜日

 詩人・草野心平(くさのしんぺい 1903〜1988)は、詩、随筆をはじめ、書、画など多彩な創作活動を展開しました。それに伴い、高村光太郎(詩人、彫刻家 1883〜1956)をはじめ、朝井閑右衛門(画家 1901〜1983)、川端康成(小説家 1899〜1972)、高村豊周(鋳金家 1890〜1972)、辻まこと(画家、随筆家 1914〜1975)、棟方志功(版画家 1903〜1975)など様々な分野の芸術家と交友を結んでいます。
 本展では、それぞれの交流がきっかけで生前の心平が収蔵した絵画、書などの芸術品を中心に、いわば詩人の個人的コレクションを紹介し、そのかかわりと魅力にふれます。

イメージ 1
 
上記チラシの中央に写っている彫刻は、光太郎作の「大倉喜八郎の首」。大倉財閥を興した大倉喜八郎で、光雲が木彫で肖像を作るための原型として作りました。ただ、チラシのキャプションでは「老人の首」となっています。
 
他にも心平の手許には光太郎の書なども多数あったはずで、それらの中から展示品が選択されているのでしょう。それから館の公式サイトによれば、豊周の名も。鋳金作品でしょう。
 
さらに同館では、昨日からスポット展示「草野天平」も行っています。
 
天平は心平の弟にして、やはり詩人。明治43年(1910)の生まれですが、昭和27年(1952)に数え43歳の若さで歿しています。歿後に弥生書房から刊行された『定本草野天平詩集』により、昭和34年(1959)の第2回高村光太郎賞を受賞しています。
 
こちらは3月30日(日)まで。
 
時間を見つけて行ってこようと思っています。皆様もぜひどうぞ。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】2月2日

大正7年(1918)の今日、雑誌『美術』に「ロダンの死を聞いて」が掲載されました。
 
ロダンはこの前年11月に歿しています。
 
光太郎曰く、
 
私は今迄に経験した事のない淋しい鋭い苦痛の感情をしみじみと感じた。動乱と清粛と入りまざつた心の幾日かを空しく過した。さうしてロダンが立派にやり遂げるだけの事をやり遂げて、其の私的存在をかき消してしまつた事を思ふと、不思議な伝説的の偉大を感じる。ロダンの生きてゐた時代に自分も生きてゐたといふ事がまるで歴史のやうに意味深く、又貴く感ぜられる。