名古屋在住の作曲家で、光太郎の詩を使った歌曲を作られている野村朗氏からご案内をいただきました。
11/1開幕で、先にご紹介した愛知碧南市藤井達吉現代美術館での「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の関連行事としてのコンサート以外に、下記のコンサートで光太郎の詩に作曲した歌曲が披露されるとのことです。
名古屋音楽大学同窓会演奏会 第6回”響きあう仲間たち”
日 時 : 2013年10月30日(水) 午後6:30~
会 場 : 電気文化会館ザ・コンサートホール
料 金 : 1000円
問い合わせ:名古屋音楽大学同窓会事務局 052-411-1111
以前からたびたび演奏されている「連作歌曲「智恵子抄」より」と、新作の「冬の言葉」が演奏されるそうです。
この演奏会を含め、名古屋音楽大学さんでは、10/29~11/4の1週間、同大学を中心に名古屋市内各所で「第1回めいおん音楽祭」を開催するとのこと。地方の小都市に住んでいる身にはうらやましい限りです。
話は変わりますが、「歌」つながりで。
明後日、10/19(土)にテレビのCS放送(有料)で、二代目コロムビア・ローズさんがご出演、昭和39年(1964)リリースの「智恵子抄」を歌われます。
わが心の演歌 #37 長崎
2013年10月19日(土) 17時30分~18時00分 歌謡ポップスチャンネル(CS329)
♪蜩/長山洋子 ♪命火/キム・ヨンジャ ♪命かれても/森進一 ♪智恵子抄/二代目コロムビア・ローズ ♪絶唱/舟木一夫 ♪命くれない/瀬川瑛子
【今日は何の日・光太郎】 10月17日
昭和20年(1945)の今日、花巻郊外太田村山口・現花巻市太田)の山小屋での生活を始めました。
この山小屋は現在も「高村山荘」として二重の套屋(とうおく)がかぶせられ(イメージ的には中尊寺金色堂)、保存されています。基本的に内部には入れません。
「山荘」というと何やらしゃれたイメージですが、元々は鉱山の飯場小屋だったのを譲り受け、村人の手を借りて移築したもの。屋根は杉皮、天井はなく、壁は粗壁。囲炉裏のまわりに畳三枚。もちろんガラス戸などはなく、障子です。3年以上電気もひいていませんでした。
当方、初めてここを訪れたのは学生時代。3月下旬でしたが日陰にはまだ膝まで雪が残り、低温のためカメラが凍り、正常に作動しませんでした。
夏は夏で山の麓のため湿気がひどく、光太郎自身「水牢」と称していました。
熊は出るマムシは出る鼠も出る、当方、近くの森で全長10㌢ぐらいの巨大ナメクジに遭遇して絶叫しかけたこともあります。特に熊は今でも危険で、夏期は熊よけに森の中でラジオをガンガン鳴らしています。
老人の一人暮らしにはあまりにも過酷すぎる環境でした。それを支えていたのが村の皆さんとの心温まる交流です。その生活に思いをはせる時、涙が出そうになります。
ここでの暮らしが丸7年、十和田湖畔の裸婦像制作のため上京するまで続きます。裸婦像完成後にはまたここに戻るつもりで住民票はそのままにしてありました。しかし、健康状態がそれを許しませんでしたが……。
この山荘近くに今年、高村光太郎記念館がリニューアルオープンしています。以前は冬期閉鎖でしたが、今年から通年開館となります。ぜひ足をお運びの上、光太郎に思いをはせて下さい。ここを訪れることによって光太郎観が変わることうけあいです。
ただし花巻駅からの路線バスは廃線となっていますのでご注意を。