昨日、智恵子の故郷、二本松に行って参りました。数えてみたら今年に入って5回目でした。5回目にして初めてといっていいくらいの快晴で、安達太良山がよく見えました。
 
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まずは二本松駅前の市民交流センターでの「智恵子講座'13」の第4回。6月の第3回では当方が講師を務めましたが、昨日は受講の方に回りました。
 
昨日の講師は福島県立美術館・主任学芸員の久慈伸一氏。今年は講座全体のテーマが「高村光太郎に影響を与えた人々」という題で、昨日はロダンと荻原守衛についてのお話でした。
 
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その後、天気が良かったので、車は交流センターにおいたまま歩いて霞ヶ城(二本松城)まで行きました。有名な「二本松の菊人形」が開催されていたからです。
 
今年は地元・福島も舞台にしていたNHK大河ドラマ「八重の桜」がメインで、多くの観光客でにぎわっていました。
 
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綾瀬はるかさん演じる山本八重の人形、顔が綾瀬さんそっくりに作ってありました。
 
その後、市民交流センターまで戻りました。センター3階には二本松出身の日本画家・大山忠作の作品を集めた「大山忠作美術館」があります。「智恵子に扮する有馬稲子像」「霧(高村智恵子)」など、智恵子をモチーフにした絵も複数あり、以前にも何度か訪れたことがあります。
 
こちらでは先週の土曜日から企画展「五星山」展が開催されています。
 
「五星山」とは、東魁夷・高辰雄・平郁夫・加又造・大忠作。すべて文化勲章を受章した日本画家です(全て故人)。
 
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以下、同館のサイトから、大山忠作長女の大山采子さん(女優・一色采子さん)のメッセージです。
 
2011年3月11日、私達は日本人は未曾有の災害にみまわれました。
 
殊に福島県はあってはならない原発事故により、12市町村が生まれ育った郷里を追われ避難を余儀なくされました。
 
福島県にある人口約6万人の二本松市に建てられた小さな美術館も地震の被害を受け、その美術館が含まれている市民交流センターも被災者の一時避難場所となり、 今なお二本松市は浪江町をはじめ多くの方々の受け入れ地となっております。
 
この小さな美術館に”山”のつく現代の巨匠達の作品を一同に介し、それを被災された方々、福島の方々、そして日本の方々に見ていただくことが出来たら どんなに素敵だろうという夢を抱いて立ち上がった企画が、この「五星山展」です。
 
時代・団体を超えて小さな田舎の美術館に集まった作品は、まさに日本人としての「絆」の象徴であり、日本国から最高の栄を浴された先生方のお作品を 一同に味わえるこの幸せは、被災された方々また多くの日本の方々に強い感動と日本人としての誇りと希望を抱いていただけるものと確信しております。
 
どうかこの小さな田舎町から発信する想いにご賛同戴き、是非ともご支援・ご協力を賜りたく、伏してお願い申し上げる次第でございます。
                         「五星山展」実行委員会委員長 大山采子

関連行事として、以下の通りになっています。
 
記念講演会 「大山忠作と戦後日本画の巨星たち」
開催日時:平成25年10月27日(日) 午後2時~
講師:福島県立美術館館長 早川博明氏
 
トークショーⅠ
片岡鶴太郎トークショー「流れのままに」
平成25年10月19日(土) 午後2時~
 
トークショーⅡ
有馬稲子トークショー 「私と《智恵子に扮する有馬稲子像》」
平成25年11月4日(月・祝) 午後2時~

問い合わせ先 「五星山展」PR委員会二本松事務局(岳温泉観光協会) TEL:0243-24-2310
 
鶴太郎さんは上記チラシにも使われている「五星山」の題字を揮毫されました。有馬さんは昭和51年(1976)に新橋演舞場での公演「松竹女優名作シリーズ有馬稲子公演」で、北條秀司作「智恵子抄」の際に智恵子役を演じ、同館の目玉作品の一つで今回も展示されている「智恵子に扮する有馬稲子像」はこの際に描かれたものです。
トークショーは有馬さんと一色さんの豪華共演です。
 
当方、11/4のトークショーのチケットを手に入れ、そちらにうかがいます。そこで、昨日はオープン直後で人も多かったし、展覧会自体も11/4にゆっくり見ようと思っていたのですが、思いがけず昨日も一色さんがいらっしゃり、しかも一色さんによるギャラリートークがあるというので、予定を変更して拝見して参りました。
 
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一色さん曰く、「一粒で五度おいしい」。それぞれの画家の特色がよく表されている作が集められていること、同じモチーフ(富士山や牡丹)をどのように描きわけているかの比較ができることなどを指しています。そのとおりでした。全体の点数はあまり多くないものの、これだけのビッグネームの作品を一度に(しかも400円で(笑))観られるのはたしかにめったにない機会です。
 
しかし、一色さん、さすが女優さんです。人前で話すことには慣れていらっしゃいまして、ギャラリートークも非常にわかりやすく、面白く、さらにさすが大山画伯のお嬢さん、造詣の深さにも感心しました。
 
当方、ギャラリートーク終了後には、あつかましくも一色さんを呼び止め、いつものように連翹忌の営業をして参りました。
 
今年に入ってからも以下の方々に営業活動を行いましたが、来年の連翹忌で何人釣れるでしょうか(笑)。
フルート奏者の吉川久子さん宇宙飛行士の山崎直子さんNHKの伊東敏恵アナシンガーソングライターの北村隼兎さんなどなど。
 
ところで、「五星山展」。キャッチコピーは「心の復興支援」。経済的な部分だけでなく、と謳っているのが素晴らしいと思います。日展、院展、創画会と、会派も違う五人の巨匠の作品を集めるのにはいろいろ面倒な問題もあったと思いますが、出品作家それぞれのご遺族なども、「そういうことなら」と、こころよくご協力して下さったそうです。
 
「五星山展」PRサイトのキャッチコピーは「展覧会に行くという復興支援がある」。実際、昨日も二本松の街を歩いていて、まだまだ復興途上というのを痛感しました。
 
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 皆さんもぜひ足をお運び下さい。
 
【今日は何の日・光太郎】 10月15日

大正元年(1912)の今日、読売新聞社三階で第一回ヒユウザン会展覧会が開かれました。
 
光太郎は「食卓の一部」「つつじ」「自画像」「少女」の油絵四点を出品しました。智恵子の出品も予定されていましたが、実現しませんでした。一説によるとふさわしい額縁が入手できなかったとのこと。
 
同人には岸田劉生、木村荘八、万鉄五郎、斎藤与里らがおり、彼ら自身はあまり意識していなかったようですが、メディアでは「反文展美術家の大同団結」と騒がれました。結果的には、アカデミズムに依らない新しい美術の潮流を作ったという意味で美術史上重要な展覧会でした。