一昨日・10/5は智恵子命日「レモンの日」でしたが、昨日・10/6、智恵子の故郷福島県二本松市に於いて、智恵子を偲ぶ集い「第19回レモン忌」が開催され、行って参りました。
 
会場は智恵子生家に近い「ラポートあだち」さん。JAさんの施設です。参加された方の大半は地元の方でしたが、今年は青森は十和田から、社団法人十和田湖国立公園協会の方、十和田市役所の方をはじめ、現地で観光ボランティアをされている方など、総勢22名の皆さんが貸し切りバスで駆けつけられました。いろいろ貴重な情報等戴きましたが、スペースの都合上、明日、ご紹介します。
 
さて、午前10時半、開会のことばに続き、智恵子への献花・献果。献花はよく聞きますが、「献果」というのは珍しいですね。「果」は「果実」。ではなんの果実かというと、そう、レモンです。
 
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さらに参会者全員で光太郎詩「風に乗る智恵子」を朗読(群読)。その後、主催されているレモン会の会長・渡辺秀雄氏のご挨拶、二本松市の教育長さんなどの来賓祝辞と続きました。
 
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そして記念講演。昨年、『スケッチで訪ねる『智恵子抄』の旅 高村智恵子52年間の足跡』を刊行された坂本富江さんによる講演「~旅のエピソード そして紙絵からのメッセージ……」がありました。
 
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御著書を書かれるにあたって訪れられた光太郎智恵子ゆかりの地での思い出などを、時に感動的に、時にユーモラスに語られ、皆さん非常に興味深そうに聴き入っていました。
 
ちなみに坂本さんになりかわり宣伝いたしますが、呼ばれればどちらででも講演なさいますのでお声がけ下さい(笑)。こちらに連絡いただければ仲介致します。
 
ところで、坂本さんはかつて智恵子が通っていた太平洋画会の会員でいらっしゃり、そこで太平洋画会さんで発行した智恵子素描2点の複製をお土産に持参され、参会者全員に配布されました。レアなものをいただけて、サプライズでした。この素描は平成11年(1999)、九州のやはり太平洋画会会員だった方の遺品の中からひょっこり見つかったものです(このニュースも衝撃的でした)。太平洋画会さんで複製を発行しているというのも存じませんでした。
 
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その後は会食しながらのスピーチ。先述の十和田の方々、地元二本松で智恵子生家の復元にあたった方、二本松市教委が発行した『アルバム高村智恵子』製作に当たられた方、智恵子母校の油井小学校校長先生など、いろいろ興味深いお話が聞けました。当方も喋って参りました。
 
さらにアトラクションとして、シンガーソングライター・北村隼兎(はやと)さんによるギター弾き語り。「あどけない話」「レモン哀歌」にオリジナルの曲を附けて熱唱されました。当方と腐れ縁、もとい縁の深いシャンソン歌手・モンデンモモさんも光太郎詩に自作の曲を附けて歌われていますが、モモさんの「智恵子抄」とはまたちがった素晴らしさがありました。
 
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失礼ながらこういう方がいらっしゃるとは存じませんで、もっけの幸い、瓢箪から駒、棚からぼた餅、連翹忌にお誘いして参りました。西新井在住だそうで、日比谷にはそう遠くありません。いずれ連翹忌でも演奏していただきたいものです。ちなみに北村さん、光太郎以外にも宮澤賢治や中原中也などの詩に曲を附けて歌われているそうです。
 
先日の劇団空感エンジンさんにしてもそうですが、若い方々が光太郎智恵子の世界を取り上げてくださるのが非常に嬉しい限りです。そうしてさらに次の世代、その次の世代と、100年、200年、いや、永久に光太郎智恵子の世界が語り継がれていってほしいものです。
 
最後は十和田の皆さんによる「湖畔の乙女」(十和田湖畔の裸婦像へのオマージュとして、その建立に関わった詩人・佐藤春夫が作詞した歌です。後に本間千代子さんの歌唱でレコード化されました)、会場全員による二代目コロムビア・ローズさんの「智恵子抄」斉唱で幕を閉じました。
 
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いつもいつも同じことを書いていますが、こうした地域の取り組みには本当に頭が下がります。連翹忌同様、レモン忌も末永く続けていっていただきたいものです。
 
千葉の自宅に帰ってから、録画しておいたNHK Eテレさんの「日曜美術館」を観ました。ある意味手前味噌になってすみませんが、こちらも改めて素晴らしいと思いました。Vは先日渋谷の放送センターさんで見せていただいたとおりでしたが、何度観てもいいものだと思いました。スタジオでの伊東敏恵アナ・ARATA改め井浦新さん、ゲストの作家・平野啓一郎氏のトークもよかったです。
 
ただ、平野氏ご自身、ツイッターでつぶやかれていますが、スタジオ収録の段階では今日のオンエアの3倍位話されていまして、それが3分の1に編集されているのが残念です。45分という枠があるので仕方がないのですが……。それはVでも同様です。二本松や九十九里などの映像が入りませんでしたし。もう、それをいいだしたらきりがありませんね。
 
昨日の放送を見逃した方、次の日曜日(10/13)、午後8:00~やはりNHK Eテレさんで再放送があります。お見逃しなく。
 
【今日は何の日・光太郎】 10月7日

昭和23年(1948)の今日、『新岩手日報』に、石川啄木と高等小学校・盛岡中学校で同級生だった伊東圭一郎と光太郎の対談「清談を聴く」の後編が掲載されました。