次の日曜日(10/6)、午前9時からNHK Eテレで「日曜美術館 智恵子に捧げた彫刻 ~詩人・高村光太郎の実像」。が放映されます。
日曜美術館 智恵子に捧げた彫刻 ~詩人・高村光太郎の実像
NHK Eテレ 2013年10月6日(日) 9時00分~9時45分
再放送 10月13日(日) 20時00分~20時45分
再放送 10月13日(日) 20時00分~20時45分
『智恵子抄』で知られる高村光太郎。今回は、日本の近代彫刻を切り拓いた偉大な彫刻家としての人生に注目する。傑作誕生の陰には、妻・智恵子との知られざる物語があった。
番組内容
まっすぐに天をさす人差し指。一瞬の動きを見事に捉えたブロンズ彫刻「手」。日本近代彫刻のれい明期を告げる作品の作者は、「智恵子抄」で知られる高村光太郎だ。明治彫刻界の巨人・高村光雲の長男として生まれ、フランス留学をきっかけに独自の彫刻を模索。そんな光太郎を支えたのが妻・智恵子の存在だった。最晩年の大作など傑作の数々を紹介しながら、生涯を智恵子の面影と共に生きた、彫刻家・高村光太郎の実像に迫る。
出演者
- 出演 芥川賞作家…平野啓一郎,
- 司会 井浦新,伊東敏恵
同番組の公式サイトにも詳細情報がアップされました。
まっすぐに天をさす人差し指、呼応するようにほかの指は内側に力強く折り込まれていく。一瞬の動きを見事に捉えたブロンズ彫刻『手』。日本近代彫刻のれい明期を告げるこの作品、作者は『智恵子抄』の詩で知られる高村光太郎(1883~1956)だ。
明治彫刻界の巨人・高村光雲の長男として生まれた光太郎は、将来を約束された日本彫刻界のプリンスだった。しかし、東京美術学校・彫刻科在学中に近代彫刻の父・オーギュスト・ロダンの存在を知り、日本独自の近代彫刻を創造する決意をする。フランス留学を経て帰国した光太郎は先鋭的な活動をスタート。旧態依然とした日本の美術界を徹底的に批判し、どこまでも理想を求める中で孤独を深めていくようになる。そんな光太郎を絶望の淵から救い出し、一変させたのが妻・智恵子との出会いだった。「智恵子の純愛に接し、退廃生活から救い出された」と語る光太郎は、以後、智恵子ともに手に手を取り合って、彫刻に打ち込み、数々の作品を生み出していく。
しかしその幸せは長くは続かなかった。智恵子の死、戦争、そして戦争賛美の詩人というレッテル・・・。さまざまな紆余曲折の中で、一生を通じて智恵子の面影とともに生きた彫刻家・高村光太郎。その実像に迫っていく。
明治彫刻界の巨人・高村光雲の長男として生まれた光太郎は、将来を約束された日本彫刻界のプリンスだった。しかし、東京美術学校・彫刻科在学中に近代彫刻の父・オーギュスト・ロダンの存在を知り、日本独自の近代彫刻を創造する決意をする。フランス留学を経て帰国した光太郎は先鋭的な活動をスタート。旧態依然とした日本の美術界を徹底的に批判し、どこまでも理想を求める中で孤独を深めていくようになる。そんな光太郎を絶望の淵から救い出し、一変させたのが妻・智恵子との出会いだった。「智恵子の純愛に接し、退廃生活から救い出された」と語る光太郎は、以後、智恵子ともに手に手を取り合って、彫刻に打ち込み、数々の作品を生み出していく。
しかしその幸せは長くは続かなかった。智恵子の死、戦争、そして戦争賛美の詩人というレッテル・・・。さまざまな紆余曲折の中で、一生を通じて智恵子の面影とともに生きた彫刻家・高村光太郎。その実像に迫っていく。
アドバイザーとして番組制作に関わらせていただきましたが、驚きました。何に驚いたかというと、45分の番組を制作するのにここまでこだわるか、という姿勢です。
担当ディレクター氏からは3日にあげずメールやら電話やらが入り、質問攻勢でした。たとえば……
・ 光太郎が生まれた旧下谷区西町3番地の現在の正確な番地は。
・ 光太郎がロダンの存在に衝撃を受けたことを示す文筆作品というと。
・ 光太郎が死んだはずの智恵子とビールを飲んだというエピソードがあるようだが、その出典は。
・ 光太郎の木彫作品の制作過程にどのような試行錯誤があったのか。
・ 木彫作品を入れていた袋や袱紗は智恵子が縫ったという説があるが本当か。
・ 智恵子が懐に入れて歩いたという木彫作品は特定できるか。
・ 『青鞜』創刊号の智恵子の表紙絵は何を描いたものか。
・ 光太郎がパリでロダンの「考える人」を実際に見た事が証明できるか。
・ 智恵子が好きだった花は。
などです。
担当ディレクター氏曰く「五月雨式」にそれらの質問が矢継ぎ早に来て、その都度分かる範囲のことはお答えしました。「豚もおだてりゃ木に登る」というわけで、「この度の番組制作では、そちらがいてくださるだけで、どれだけ心強いかわかりません。本当にありがとうございます。」という言葉にまんまとのせられてしまいました(笑)
それにしても、「事実ではないことは盛り込みたくない」ということで、かなり細かい点まで突っ込まれています。その姿勢には感心しました。昨今、番組制作の在り方についていろいろ批判が起こることがありますが、この番組については素晴らしいと思いました。
ぜひご覧下さい!
さて、明後日10/2にはスタジオ収録が行われます(放映直前に収録というのには驚きました)。当方、出演はしませんが、撮影に立ち会わせていただけることになりましたので、渋谷のNHKさんに行って参ります。
また、同じく10/2発行のNHKさんのPR誌「NHKウィークリーステラ」に今回の放送の紹介が載るそうです。一般書店で販売していますので、ぜひお買い求め下さい。
【今日は何の日・光太郎】 9月30日
1950(昭和25年)の今日、光太郎が部分的に解説を担当した『世界美術全集 第24巻 西洋十九世紀Ⅲ』が平凡社から刊行されました。
光太郎が担当したのはロダン作「考える人」「姉と弟」の解説。以後、断続的に昭和28年(19853)まで、『世界美術全集』の解説を手がけています。ロダン以外にはミケランジェロや古代エジプト彫刻、光雲などでした。