井原市立田中美術館での「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の開会式が行われ、そちらに出席、先ほど、帰って参りました。そちらのレポートは明日以降書きます。
 
開会式が終わり、展示を観て、コインロッカーから荷物を出し、携帯を見ると、花巻の高村記念会様から着信が入っていました。折り返し電話してみると、「不動湯温泉が全焼したのをご存じですか?」とのこと。
 
実は開会式の後で、参加されていた方の一人が「そういえばニュースで光太郎ゆかりの旅館で火事だったそうですよ」とおっしゃっていて、「まさか不動湯じゃないだろうな」と思っていました。他の旅館ならいい、というわけではありませんが……。
 

旅館火災、2人不明 高村光太郎夫妻も宿泊の老舗 福島

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 29日午後9時半ごろ、福島市土湯温泉町大笹の老舗旅館「不動湯温泉」で火災があり、旅館がほぼ全焼した。市消防本部によると、宿泊客や旅館の従業員ら計9人のうち7人の無事が確認されたが、男性客と旅館関係者の女性で、いずれも50代の2人の行方が分からなくなっているという。
 旅館のホームページによると1917(大正6)年創業で、宿泊者名簿には療養のため訪れたとみられる詩人の高村光太郎、智恵子夫妻の名前も残る。大正時代に建築されたという旧館も焼失したという。
 土湯温泉街から山道を約4キロ入った、秘湯として知られる一軒宿。
(『朝日新聞』)
 
 その後、NHK福島放送局さんからも携帯に電話が入り、不動湯温泉と光太郎智恵子について質問されましたのでお答えしましたが、できればこのような報道に対してではなければ……との思いでした。
 
 結局、夕方の続報では、従業員とみられる方、一人の死亡が確認されたとのこと。謹んでご冥福をお祈りいたします。 

福島「不動湯温泉」火災で1遺体が見つかる

 29日午後9時30分ごろ、福島市土湯温泉町、不動湯温泉「白雲荘」=阿部久雄社長(80)=から出火、温泉旅館の木造2階、地下1階建て本館と棟続きの旧館約667平方メートル、隣接する木造平屋の物置約33平方メートルを全焼した。市消防本部によると、出火当時、旅館には宿泊客、従業員合わせて9人がいたが、焼け跡から1人の遺体が見つかった。所在が分からない従業員の50代女性とみられる。8人は逃げて無事だった。
 その後の調べで、阿部社長がけがを負っていたことが分かった。
(『福島民友新聞』)
 
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(『テレビ朝日』)
 
【今日は何の日・光太郎】 8月30日008

昭和40年(1965)の今日、社会思想社から現代教養文庫の一冊として『紙絵と詩 智恵子抄』が刊行されました。
 
不動湯を訪れた直後に回った裏磐梯での作、「山麓の二人」も含みます。

最近、新刊書店で「現代教養文庫」を見かけないな、と思って調べてみましたところ、平成14年(2002)に同社は事業停止だそうでした。なかなか硬派の出版社が生き残れない時代なのですね……。