先日のブログでふれた光雲の高弟・米原雲海がらみの情報です。『北日本新聞』さんの記事から。  

「清宵」高岡に“里帰り” 光雲弟子・米原雲海の木彫像

 高岡市の美術品収集家、荒俣勝行さん(70)が所有し、3月まで国登録美術品として東京国立近代美術館に預けられていた木彫像「清宵(せいしょう)」が高岡に“里帰り”し、24、25の両日、同市で行われる「高岡山町筋土蔵造りフェスタ」(北日本新聞社後援)で展示される。高村光雲の高弟、米原雲海(1869-1925年)が1907年に制作し、東京と西欧で高く評価された作品で、荒俣さんは「優しい表情が何よりの魅力。多くの人に見てもらいたい」と話している。

 国登録美術品制度は、優れた価値を持つ作品に、美術館で広く公開の機会を設けるために国が実施している。登録されると、文化庁の推奨する全国の美術館で展示される。

 「清宵」は稚児天神像で、東京勧業博覧会で1等、日英博覧会で金賞となった雲海の出世作。文化庁の調査員は「どの方向から見ても欠点がない」と評価した。雲海は岡倉天心の教えを受けており、美術史上の価値も高いという。

 荒俣さんは2001年に県内の古物商から入手した。文化庁による鑑定を受け、翌年、国登録美術品に選ばれた。島根県立美術館に5年、その後、東京都国立近代美術館に5年預けたが、「手元に置き、県内で公開したい」との思いからことし3月に登録を取りやめ、作品を引き取った。

 土蔵造りフェスタでは、同市木舟町の国重要文化財「菅野家」に展示し、24日は午後1時から、25日は午前11時から見学できる。「清宵」のみ、両日とも午後6時まで。入場には菅野家の観覧料が必要。
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「高岡山町筋土蔵造りフェスタ」は高岡市で恒例のイベントだそうです。土蔵造りの街並みとして国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている山町筋(やまちょうすじ)で「土蔵の家で所蔵のお宝展示」などが行われるとのこと。その一環として雲海の木彫が観られるようです。
 
高岡というと高岡銅器が有名で、彫刻と因縁浅からぬ土地柄、そういうつながりもあるのでしょう。
 
【今日は何の日・光太郎】 8月23日

昭和8年(1933)の今日、光太郎・智恵子、正式に入籍しました。
 
二人が結婚披露宴を行ったのは大正3年(1914)暮。それ以来、世間の習慣に束縛されたくないということで、事実婚の状態でした。フランスでは事実婚は今も珍しくないそうで、光太郎の敬愛していたロダンとローズ・ブーレもそうでした。
 
日本でも智恵子と縁の深い平塚らいてうと奥村博なども大正元年(1912)から昭和16年(1941)まで事実婚状態でした。らいてうは長男の兵役に際し、「私生児」として不利益を被らないようにと入籍を決意したそうです。
 
光太郎の場合は、智恵子の統合失調症が関係しています。自分に万一のことがあった場合の財産分与などを考えてということだったそうです。