というわけで、いよいよ昨日から千葉市美術館「生誕130年彫刻家高村光太郎展」が始まりました。
 
夕方からオープニングレセプションということで、関係者の顔合わせ的な会があり、行って参りました。もちろん早めに行って、実際に企画展も観て参りました。
 
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初日から(初日だから?)かなりの盛況でした。といって、展示物がよく見えないような混雑ではなく、じっくりと観て回ることができました。
 
久しぶりに観る木彫の数々(展示方法に工夫が凝らされており、「蟬」がずらっと3匹、「桃」や「柘榴」は真上から観ることもできました)、複製でない智恵子の紙絵(その数65点)など、やはり本物は違う、という感じでした。
 
ブロンズでも詩人尾崎喜八の結婚記念に贈ったミケランジェロの模刻の聖母子像や、光太郎の祖父・中島兼吉のレリーフなど、あまり展覧会に並ばないものも多く、大満足でした。まるで久しぶりに旧友に遭ったかのような感覚で、なぜか涙が出そうになりました。不謹慎なようですが、心の中で「兼吉さん(かねきっつぁん)、おひさしぶりっす。変わりはなかったかい?」みたいな(笑)。
 
光太郎智恵子と縁の深い作家……光雲やロダン、荻原守衛、佐藤朝山などの作品も並び、そちらも興味深く拝見しました。
 
会場の一角ではNHKプラネット中部が制作した15分の解説映像の放映も。的確な解説のあいまに、北川太一先生や高村規氏(光太郎令甥)が登場、それぞれの思いを語られていました。観に来られた方は皆、興味深そうに見入っていました。
 
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早速、ネットで調べますと他の方のブログやツイッター等で「良かった」的な記述がありました。ありがとうございます。
 
館の皆様、その他大勢の皆様のおかげで、実にいい展覧会が仕上がったと思います。当方も少しだけ力をお貸ししましたが、力をお貸しできたことを光栄に存じます。
 
来週、7月7日の日曜日には、北川太一先生と当方による講演が予定されております。花巻に出かける前に北川先生から送られてきた草稿を元にレジュメを作成、プロジェクタで投影する画像等も集め、準備万端です。
 
そちらの方もおかげさまで定員に近い人数のお申し込みがあったとのこと。当方からご案内差し上げた方々も、かなり申し込んでくださり、ありがたい限りです。ご期待下さい!
 
千葉市美術館。千葉市中央区役所の7・8階です。都心からは若干時間がかかりますが、ぜひぜひ足をお運び下さい!
 
【今日は何の日・光太郎】 6月30日

昭和27年(1952)の今日、河出書房から『現代短歌大系』第三巻が刊行され、光太郎短歌62首が掲載されました。
 
光太郎は短歌でも独自の境地に達し、味のある作品を数多く残しています。「蟬」などの木彫を包む袱紗(ふくさ)や袋にその木彫を歌った短歌を書くこともあり、今回の「彫刻家高村光太郎展」でも、それらが複数展示されています。