隔月刊の美術雑誌『花美術館』の今月号。
青森在住の彫刻家・田村進氏からいただきました。
巻頭特集は画像でご覧の通り、竹久夢二ですが、後半の「今日まで、そして明日への芸術」と題する現代作家を紹介するページに、田村氏も取り上げられています。
氏の近作、「レリーフ習作・巨星高村光太郎」の画像、紹介も。
曰く「本作は、光太郎との強い縁(えにし)で結ばれた魂の軌跡が深く刻まれ、敬慕なる純正の輝きが奥深い世界から煌めきを放っている。」。
氏とは電話で何度かお話しさせていただきましたが、光太郎が十和田湖畔の裸婦像を作った頃、青森で会ったことがあるとのこと。光太郎が没してから生まれた当方にとっては、うらやましいかぎりです。
また、本号が通巻30号ということで、アーカイブ的なページもあり、一昨年の第18号の巻頭特集が「光太郎・智恵子」だったため、その際の監修をされた北川太一先生の短文も載っています。
ちなみに「老彫刻家」とは長崎の「平和祈念像」などで有名な北村西望です。
この雑誌、巻頭特集には日本人美術家を一人ずつ(光太郎・智恵子は二人でセットでしたが)を取り上げています。荻原守衛、佐藤忠良、岸田劉生など、光太郎とも縁の深い作家も何度も取り上げてくれています。
ある意味、地味な雑誌ですが、作りはほぼ全ページカラーでぶ厚く、その意味では豪華です。こういう真面目な雑誌がしっかり続いていってほしいものです。
【今日は何の日・光太郎】4月28日
昭和8年(1933)の今日、日本女子大学校刊行の『家庭週報』第1175号に散文「おわびとお礼と」が掲載されました。
この年除幕された同校創立者、成瀬仁蔵の胸像に関し、完成までに14年もかかった経過が述べられています。