今日は節分です。ということは明日から暦の上では春、ということになりますね。実際、当方の住む千葉県北東部ではだいぶ暖かくなり、昨日は18℃にもなりました。日なたではオオイヌノフグリやホトケノザが咲いています。今朝は犬の散歩中、近くの道ばたに水仙が咲いているのも見つけました。
【今日は何の日・光太郎】2月3日
明治39年(1906)の今日、横浜からカナダ太平洋汽船のバンクーバー行き貨客船アセニアンに乗り、出港。4年にわたる海外留学に出発しました。
この海外留学で、世界最先端の芸術に触れ、光太郎芸術のバックボーンが形成されてゆきます。彫刻はもちろん、帰国後、かなり熱を入れた絵画もそうです。そういった造形芸術だけでなく、ヴェルレーヌやマラルメ、ボードレールといったあたりから、詩の上でも大きく影響を受けました。
留学前の詩はまだまだ習作のようなもので、文学活動の中心は与謝野鉄幹、晶子の新詩社での短歌でした。
光太郎がアセニアンの船上で作ったという節分にまつわる短歌も伝わっています。
あしきもの追儺(やら)ふとするや我船を父母います地より吹く風
もともと節分会は「追儺(ついな)」という宮中の儀式が元になっているということで、この字をあてています。「やらふ」と訓読みにしているのは節分会の別称「鬼やらひ」から。「鬼は外」とばかりに日本から追われるようだ、というところでしょうか。
他にもアセニアン船上での短歌はいくつかあり、翌明治40年(1097)の『明星』に掲載されました。
明日はそのあたりから。