高崎市にある群馬県立土屋文明記念文学館にて、本日より3/17(日)まで、「伊藤信吉没後10年記念展~風の詩人に会いに来ませんか~」が開催されます。
伊藤信吉(明39=1906~平14=2002)は、前橋市の出身。室生犀星や萩原朔太郎と縁の深かった詩人ですが、一時、群馬に住んでいた草野心平や光太郎とも交流があり、特に戦後は何度か光太郎詩集の編集に携わったり、光太郎没後は『高村光太郎全集』の編集にも関わったりしています。
晩年は同館の初代館長に就任。そんなわけで同館には光太郎がらみの資料も数多く収蔵されています。光太郎から伊藤宛の書簡も多数。今回の展示ではどういったものが並ぶかまだよくわかりませんが、折を見て行ってきて、レポートします。
YOMIURI ONLINEから。
詩人・伊藤信吉 没後10年展...高崎で19日から
前橋市出身の詩人伊藤信吉(1906~2002年)の没後10年記念展が、19日から高崎市保渡田町の県立土屋文明記念文学館で始まる。伊藤が収集した方言や昔話など群馬に関わる資料を多く展示することで、伊藤の業績を親しみを持って地元の人たちに知ってもらうのが狙いだ。
伊藤は、旧元総社村(現前橋市)生まれ。萩原朔太郎に師事し、詩作を始めた。県庁職員として5年間勤務したが、20歳代前半で退職。その後、プロレタリア文学運動に関わった。1931年、製本中に当局に押収されそうになった「中野重治詩集」を、1冊だけ座布団の下に隠し守ったという話が有名だ。
文学評論も手がけ、朔太郎、室生犀星、高村光太郎などの全集編集にも携わった。89歳で県立土屋文明記念文学館の館長に就任し、「群馬文学全集」(全20巻)の編集・監修をするなど、晩年も精力的に活動した。
展覧会には、伊藤がライフワークとして収集した群馬の方言や昔話、わらべ歌の資料が多く展示される。五十音順に清書した自作の方言台帳や、知人に方言の意味や使い方を問い合わせた手紙、裏紙に書かれたメモなどだ。
唯一、校歌を作詞した地元の前橋市立元総社南小の校歌碑のために揮毫(きごう)した書や、児童らに宛てた手紙も初公開。朔太郎や犀星、草野心平らからの手紙も展示される。
展覧会のポスターやチケットは、伊藤の著書を装丁するなど親交があった画家の司修さんがデザインした。
同館学芸係の江夏(こうか)俊江さんは「伊藤の故郷への愛を感じ取ってもらえればいい。特に若い人に来てもらいたい」と話している。
3月17日まで。一般400円、大学・高校生200円、中学生以下無料。
(2013年1月15日 読売新聞)
同館ホームページから。
第79回企画展「伊藤信吉没後10年記念展~風の詩人に会いに来ませんか~」
開館時間 9:30~17:00(観覧受付は16:30まで)
休館日 火曜日
観覧料 一般400円(320円) 大学・高校生200円(160円) 中学生以下無料
※( )内は、20名以上の団体割引料金
※障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
後援 朝日新聞前橋総局 毎日新聞社前橋支局 読売新聞前橋支局 上毛新聞社
桐生タイムス社 NHK前橋放送局 群馬テレビ エフエム群馬 ラジオ高崎
伊藤信吉(いとうしんきち、1906-2002)は、元総社村(現・前橋市)に生まれ、89歳で当館初代館長に就任しました。萩原朔太郎(1886-1942)や室生犀星(1889-1962)に師事。アナーキズム系の詩人とも交わり、プロレタリア文学運動に関与。その活動を離れてからは、『島崎藤村の文学』を皮切りに近代文学の評論で地歩を固め、多くの全集編さんにも携わり、現代の文学に大きな影響を与え続けています。
当館では亡くなった翌年に追悼展を開き、その生涯と全業績を紹介いたしました。今回の没後10年記念展では、伊藤信吉の故郷への思いに光を当てます。伊藤は故郷を愛し、育った村で使われていた方言や昔話、わらべ歌の収集もしました。
本展では自筆資料、書簡、写真、遺品、未公開資料を含め約200点を展示します。
空っ風を愛した伊藤が巻き起こした文学の風を感じていただければと思います。
主な展示構成

1. 上州は“風”の文学
2. 近代詩の目撃者 ~評論家 伊藤信吉~
3. 郷土を愛して ~詩人 伊藤信吉~
関連行事
※①~④申込方法(参加費無料)
事前に電話もしくは受付カウンターにてお申し込みください。
TEL.027-373-7721
①ワークショップ「風と遊ぼう」
講師 群馬県立歴史博物館職員
1月20日(日)
13:30~14:00(かざぐるま作り)
14:30~15:10(ミニ凧作り・変わり凧作り)
定員 各回親子30組(要申込/両回申込可)
対象 4歳(小学校3年生までは保護者同伴)~一般
・子どもを対象とした簡単な工作ですが、大人の方も参加できます。
②シンポジウム
パネリスト 東谷 篤氏(城北中・高等学校教諭)
岡田芳保氏(詩人・当館元館長)
篠木れい子(当館館長)
コーディネーター 藤井 浩氏(上毛新聞社論説委員長)
演題「伊藤信吉 その素顔と魅力」
2月17日(日)14:00~15:30
定員 150名(要申込)
★オープニングに伊藤が唯一作詞した前橋市立元総社南小学校の校歌をビデオでご紹介。
全校児童による合唱です。
③ワークショップ「ことばで遊ぼう」
講師 高橋静代氏(わらべ歌)
小林知子氏(紙芝居)
2月24日(日)10:30~11:40
定員 80名(要申込)
対象 0歳~一般
・赤ちゃんから大人の方までを対象としたワークショップ。わらべ歌や上州弁の紙芝居をお楽しみください。
④記念講演
講師 澤 正浩氏(福島大学名誉教授)
演題 「伊藤信吉の晩年の仕事を中心に」
3月17日(日) 14:00~15:30
定員 150名(要申込)
⑤ギャラリートーク(申込不要/要観覧料)
企画展担当者による展示解説
1月19日(土)、2月9日(土)、3月9日(土)
各回13:30~14:00
【今日は何の日・光太郎】1月19日
昭和59年(1984)の今日、美術史家の今泉篤郎が歿しました。
今泉は晩年の光太郎と接し、その回想録を筆記したり、没後の「高村光太郎賞」の選定に功績があったりしました。
今泉は晩年の光太郎と接し、その回想録を筆記したり、没後の「高村光太郎賞」の選定に功績があったりしました。
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