先日、ロダン作の彫刻「カレーの市民」について書いたところ、大阪在住の研究者・西浦氏から、試作が残っている旨、お手紙と画像をいただきました。
 
ロダンは一つのモチーフについて、いろいろと制作を重ねるタイプでした。以前にも書きましたが、有名な「考える人」も元は「地獄の門」の一部だったものを独立した一個の彫刻にしたものですし、大きさの違うバージョンがあったりします。
 
「カレーの市民」も、発注から除幕まで10年かかっており、その間に、着衣にしてみたり、裸体像にしてみたり、単体で6人を作ってみたりといろいろと試作を重ねたとのこと。
 
気になったので調べてみたところ、日本の静岡県立美術館のロダン館に「カレーの市民」単身像の試作が展示されていることが判りました(専門の方は「何だ、知らなかったのかよ」とおっしゃるかも知れませんが、当方、まだまだ勉強中でして……)。しかも配置を工夫し、間を歩けるようにしてあります。
 
以前から一度行ってみようとは思っていましたが、ますます行きたくなりました。
 
ちなみに下の画像は、昭和2年にアルスから刊行された光太郎の著書『ロダン』の口絵に載った「カレーの市民」です。
 
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原型なのか、試作なのか、ともかく完成して鋳造されたものではありませんね。