11/24(土)に行われました第57回高村光太郎研究会にて、大阪在住の研究者、西浦基氏から、写真その他の貴重な資料をいただきましたので御紹介します。
 
氏は精力的に海外にも出かけられている方で、以前の『高村光太郎研究』に、フランスのロダン美術館などのレポートを寄稿なさったりしています。今年はスイス、イタリア、フランスを廻ってこられたとのことで、そのうち特に、光太郎が海外留学の末期に旅行で訪れたスイスのルセルンでは、光太郎が泊まったホテル(ホテルクローネ)なども訪れられたそうです。詳細は恐らく『高村光太郎研究』に載ると思いますので、以下、氏からいただいた写真のみ紹介します。

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光太郎、スイスでも船に乗っています。
 
 今日は滊船(サルウン ボオト)に乗つて十人余りの旅客と共に「キヤトルス キヤントン」の湖を縦断して、フリユウレンの村に上陸した。
(「伊太利亜遍歴」 明治45年=1912)

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「「キヤトルス キヤントン」の湖」は、ルツェルン湖。ドイツ語名はVierwaldstätterseeで、「4つの森の州(カントン)の湖」の意味だそうです。
 
光太郎のこの旅は、スイス経由でイタリア各地を約1ヶ月で回っています。昭和29年に書かれた「父との関係」によれば「帰国する前にイタリヤを見たいと思つて、クツク会社のクーポンを買つた。そしてクーポン通りにイタリヤを見物して歩いた。」とのこと。「クツク会社」はイギリスの旅行代理店、トーマス・クック・グループ。この旅行についても詳細を調べるようにと、北川太一先生から宿題を出されています。
 
当方、日本国内では光太郎の足跡を辿る旅をさんざんやりましたが、まだ海外では故地を巡るということをしていません。こちらもいずれ、とは思っています。