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紹介しようと思っていて忘れていた件がありました。現在、上野の国立西洋美術館で開催中の「手の痕跡」展です。
高村光太郎に多大な影響を与えたロダン、そしてロダンの系譜を最も色濃く受け継いだ一人、ブールデル。国立西洋美術館ではロダン作品58点、ブールデル作品11点を所蔵しているそうですが、今までそれらをまとめて展示する企画展がなかったそうです。そこで今回の企画展が持たれることになりました。
会期は来年1月23日まで。
それにしても同館にロダン作品が58点もあったとは知りませんでした(無料で見られる前庭には「考える人」や「地獄の門」「カレーの市民」が据えられています)。大半は「松方コレクション」だと思われます。これは川崎造船所(現・川崎重工業)社長を務めた松方幸次郎が、明治末から大正初めにに商用でヨーロッパを訪れた際、イギリスやフランスで収集した多くの美術品です。 もともと国立西洋美術館自体が「松方コレクション」を中心に作られたという経緯があります。
このあたりがブロンズ彫刻の強みですね。同一の型から同じ物が作れるので、「考える人」は世界中に約20点、日本にも数点あるそうです。同館に58点あるからといって、ロダンの母国・フランスにそれが無い、というわけではないのです。
光太郎のブロンズ彫刻、有名な「手」なども日本中に散らばっています。このあたり、あまり突っ込むと微妙な問題になってくるので、今日はこれ以上書きませんが、いずれ書きます。
さて、「手の痕跡」展。当方も暇を見て行ってこようと思っています。会期が結構長いので、都合がつけやすいと思います。皆様も足をお運び下さい。