BS朝日の番組「百年名家」を見て、千駄木の光太郎アトリエが空襲で焼け落ちた時のエピソードを思い出しましたので紹介します。
 
6/25のブログで紹介した『爆笑問題の日曜サンデー 27人の証言』に掲載された元日本詩人クラブ会長の寺田弘氏による「証言」です。

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 空襲で高村光太郎さんの家が焼けたときに、一番最初に駆け付けたのが私なんです。二階の方が燃えていて、誰もいないんです。その二階の燃えていた場所が智恵子さんの居間だったんですけど、そこから炎がどんどん燃えだして、それを高村光太郎さんは、畑の路地のところで、じっと見つめてたんですよね。
 そして、「自分の家が燃えるってのはきれいなもんだね、寺田くん」って。これには驚きましたね。その翌日、焼け跡の後片付けをやっていたら、香の匂いがしたんですよ。高村さんが「ああ、智恵子の伽羅が燃えている」って、非常に懐かしそうに立ち止まったのが、印象的でしたね。
 
それに対する爆笑問題のお二人のコメント。
 
田中 自分の家が燃えているのに。
太田 きれいだねって。
田中 なかなかね、そんなこと言えないじゃないですか。
太田 これは言えないよ。言えないっていうか、ちょっと狂気ですよね。なんでもそうやって芸術家
っていうのはさ。表現者っていう職業はどんなことでもそうやってとらえますよね。ああこれはきれい だとかなんだとかって言ってる場合じゃねえんだ、馬鹿野郎ってことですよね。
田中 まあ、どうなんですかね。思い出の家とか、本当はもっとすごい思いをしてるんでしょうけど。空襲ですもんね。でもそんなときに、そこで、こう言ってしまうという。
太田 言ってしまうというか、本気で感じちゃうところに問題があるんですよ。やっぱりこういう表現者ってどこか異常ですからね。だから普通の生活はできないですよね、こういう人たちは。特にこの 時代の文壇の人たちってのはみんなそうでしょうけどね。
 
当方、焼け落ちるアトリエを見つめる光太郎の姿に、芥川龍之介作「地獄変」の主人公、絵師・良秀の姿が重なります。

ところで『爆笑問題の日曜サンデー 27人の証言』、売れているのでしょうか? 当方の「証言」も掲載されているので気に掛かります。少し前、近所の書店では新刊コーナーに1冊置いてありましたし、高速バスのターミナルがあるので時々立ち寄る浜松町の書店では平積みになっていましたが。

さて、千駄木。予想通り「若大将のゆうゆう散歩 千駄木(後半)」も再放送されるようです。 

若大将のゆうゆう散歩 「千駄木(後半)」

BS朝日  2012年10月23日(火) 17時25分~18時00分
 
今日は昨日にひき続き文京区「千駄木」をお散歩 ▽日本では数少ないレースドール作家の繊細な技 ▽伝統技術でつくる木製風呂桶の父娘職人

番組概要
さあ、若大将と一緒に街に出ませんか?散歩の楽しみ方、お勧めコースをお茶の間に紹介するこの番組。好奇心旺盛な加山さんは永遠の少年。目をキラキラ輝かせながら、街の息づかい、人とのふれあいを体験します。

出演者    加山雄三、生稲晃子、佐分千恵(テレビ朝日アナウンサー)

ぜひ御覧下さい。