9/17のブログで御紹介した和歌山県田辺市立美術館の「詩人たちの絵画」展。
連翹忌に御参加くださっている学芸員の三谷氏から、図録、チラシ、招待券まで戴いてしまいました。誠に恐縮です。
図録
チラシ
図録に関しては「稚拙なものでお恥ずかしい」などとお手紙にありましたが、どうしてどうして美しい出来です。信濃デッサン館長の窪島誠一郎氏の巻頭言も読みごたえがありますし、全体にコンパクトながら要所要所がよくまとまっています。
出品されているのは以下の人々の作品です。
高村光太郎 木下杢太郎 佐藤春夫 中川一政 西脇順三郎 村山槐多 片山敏彦 富永太郎 小熊秀雄 難波田龍起 立原道造
光太郎作品は、「庭」(油絵・明治43年=1910)、「室内」(同・明治末)、十和田湖畔の裸婦像のためのデッサン(昭和27年=1952)、そして彫刻の「手」(大正7年=1918)です。
光太郎は明治42年(1909)に海外留学から帰ってしばらくの間、父・光雲を中心とする旧態依然の彫刻界との対立から、彫刻制作より絵画の方に情熱を傾けていました。「庭」「室内」ともにその時期の作品です。彫刻制作から離れての代償行為とか余技といったレベルではなく、西洋で学んだ美の表現の在り方がきちんと反映されており、いい絵だと思います。
他の出品作家の作品も、図録で見て、それぞれに個性的で面白いと思いました。村山槐多や難波田龍起は絵画が本職ですので当然ですが、西脇順三郎や立原道造が、ここまで玄人はだしの絵を描いているとは知りませんでした。
お近くの方、是非お越しください。
当方、今回はパスするつもりでしたが、今、予定表を見ながら、かつて紀伊田辺駅前で食べたマグロ海鮮丼を思い出し、非常に心が動いています(笑)。