今日も少し前に出版されたもので、光太郎関連のものをご紹介します。 

長沼智恵子と高村光太郎 純愛の検証-『智恵子抄』の物語

 鈴木豊次著 東京文芸館 平成21年(2009)4月8日 定価2,000円+税

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『智恵子抄』および『智恵子抄その後』に収められた詩篇をたどりつつ、光太郎・智恵子の世界観に迫っています。目次を抄録させていただきましょう。

 序章 「『智恵子抄』の物語」理解のために
  1 『智恵子抄』についての疑問
  2 『智恵子抄』のテキスト
 第一章 「あなた」と呼ばれる智恵子-恋愛の時代-
  1 犬吠岬(正しくは「埼」)・上高地の「僕等」
  2 新しい女・智恵子の結婚
 第二章 「樹下の二人」あなたから智恵子へ-結婚の時代-
  1 「樹下の二人」までの空白
  2 病みがちだった智恵子と「樹下の二人」
  3 安達町智恵子記念館
     閑話休題 光太郎と真壁仁  「樹下の二人」の詩碑
  4 天上的な智恵子
  5 光太郎の「同棲同類」
  6 智恵子にとっての「同棲同類」
  7 あどけない話
     閑話休題 光太郎と中原綾子
 第三章 智恵子狂気-狂気の時代-
  1 「人生遠視」
  2 狂気する妻
  3 「千鳥と遊ぶ智恵子」と九十九里浜
     閑話休題 九十九里浜有情
 第四章 「レモン哀歌」-智恵子回想-
 第五章 智恵子に-智恵子への報告-
 終 章 『智恵子抄』の評価をめぐって
 補 遺 『智恵子抄』余聞
  カミーユ・クローデルについて 室生犀星の「光太郎の印象」について
  丸山薫が『智恵子抄』を「あれはお線香だよ」といい捨てたことについて
 
 220頁ほどの労作ですが、残念なことにネット販売では取り扱っていないようです。一般の書店で注文するしかないかもしれません。当方は古書店の在庫目録で見つけました。 

恋する女 一葉・晶子・らいてうの時代と文学

 高良留美子著 學藝書林 平成21年(2009)6月5日 定価3,000円+税

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女流詩人であり、ジェンダー的な方面にも造詣の深い著者による評論集です。「Ⅰ 一葉の恋」「Ⅱ 晶子の挑発」「Ⅲ らいてうの飛翔」ときて「Ⅳ ロマンティック・ラブの時代へ」の中に「第3章 三角形の恋 光太郎・智恵子・俊子-女性へのサディズムと火あぶり幻想」(書き下ろし)が含まれています。
 
この部分以外でも、光太郎・智恵子と交流のあった与謝野晶子や平塚らいてう等に関する部分も興味深く拝読しました。こちらはネットでも手に入りそうです。
 
もう少し、この項目を続けます。