世に知られていない作品104をどうやって見つけるか、の3回目です。
 
昨日は書籍の形で世に出ているデータベースと照合するという話でした。今日はコンピュータを利用してのデータベースとの照合をテーマとします。
 
インターネットの普及により、全国各地の図書館や文学館それぞれの所蔵資料が居ながらにして検索できます。そのシステムも進化し続けており、以前は限られた情報しか得られなかったものが、詳細な情報まで得られるようになったケースも多くあります。
 
特に国立国会図書館さんでは所蔵資料のデジタル化が進み、戦前の書籍、雑誌などはほとんどデジタルデータでの閲覧となっています。以前は普通の図書館のように、申し込んだ書籍そのものを渡され自分で手に取って見ていたのですが、今は館内に設置されたパソコンの画面で目的の書籍を閲覧する、というシステムです。この変更、一長一短なのですが、すくなくともデータの検索の部分では長足の進歩を遂げました。「国立国会図書館デジタル化資料」というサイトを使えば、かなり詳しく検索が可能です。ただし、ほとんどの資料は館内限定閲覧の扱いですので、実際に国会図書館に行かないと見られません。同じ国会図書館のサイトでも「近代デジタルライブラリー」というサイトでは、自宅のパソコンで閲覧が可能です。ただ、こちらは見られる資料の数に限りがあります。それでも閲覧可能な点数がどんどん増え続けていますが。

他にもいろいろな図書館、文学館などで所蔵資料の検索、閲覧が可能です。また、必要な部分をプリントアウトして送ってもらうということも可能な場合があります。
「日本近代文学館」 http://www.bungakukan.or.jp/
「神奈川近代文学館」 https://www.kanabun.or.jp/guide-opac/
「群馬県立土屋文明記念文学館」 http://jmapps.ne.jp/tsuchiyakan/
「日本現代詩歌文学館」 http://opac.shiikabun.jp/opw/OPW/OPWMAIN.CSP?DB=LIB
「CiNii Books」 http://ci.nii.ac.jp/books/
 
また、古書店の在庫目録、新刊書籍の情報などもかなり詳しい検索、一部は閲覧が可能になっており、有効に活用できます。
「日本の古本屋」 https://www.kosho.or.jp/
「googlebooks」 http://books.google.co.jp/
 
さらに新聞記事のデータベース。これは個人で申し込むことも可能ですが、やはり図書館等に出向いて利用するのが賢い方法だと思います。
「朝日新聞 聞蔵ビジュアル」 http://database.asahi.com/index.shtml
「読売新聞 ヨミダス歴史館」 http://www.yomiuri.co.jp/database/
 
この分野は日々進化を続けており、有用なサイトを見つけ出す能力も問われます。
 
しかし、こうした便利なシステムの無かった時代に『全集』の編集に取り組まれ、多くの作品を網羅なさった北川太一先生をはじめとする先人の皆様のご努力には、頭の下がる思いです。