昨日は埼玉県東松山市に行っておりました。レポートいたします。
メインの目的は、市民文化センターさんで開催中の「彫刻家 高田博厚展2022」の拝観。さらに昨日は関連行事として、同市ご在住のイラストレーター・絵子猫さんのご講演があり、どうせ行くならこの日に合わせようと思った次第です。
いつも書いていますが、高田博厚は光太郎の影響で彫刻家を志し、光太郎はいち早くその才を認めて高田のフランス留学を支援しました。光太郎歿後、帰国した高田は光太郎顕彰に協力し、その縁でやはり生前の光太郎をご存じだった同市の元教育長であらせられた故・田口弘氏と親しくなりました。そして同市で高田の個展や講演会を開催するなどし、その集大成的に昭和61年(1986)~平成6年(1994)にかけて、東武東上線高坂駅前から伸びる道路に「高坂彫刻プロムナード」が整備されました。光太郎胸像を含む全32体の高田作品が野外展示されています。
昨日の絵子猫さんのお話、それから展示自体も彫刻プロムナードに関係しますので、まず、彫刻プロムナードに立ち寄りました。
当方、初めてプロムナードを歩いたのは平成25年(2013)。その後、光太郎像だけは、今年1月にもすぐ近くのレストランで食事をした際に拝見しましたが、昨日は久々に全作品を見つつ歩きました。
まずは光太郎像。
これがクリソツかというと、そうではありません。それもそのはず、高田がこれを制作したのは光太郎歿後、しかも昭和6年(1931)に日本を離れて以来、光太郎には会っておらず、記憶の中の光太郎と、晩年の写真とを頼りに作られたものだからです。それでも、この像から立ち上るオーラは、まぎれもなく光太郎のものです。
その他、全作品は撮りませんでしたが、光太郎とも交流のあった人々を作ったもの。
詩人の高橋元吉。
さらに宮沢賢治。
どうも当方、この賢治の顔が、お世話になっている某美術館さんのキュレーター氏に似ていると感じる、というか「ああ、××さん!」と呼び掛けたくなります(笑)。どなたのことか、関係の方はご想像下さい(笑)。
その後、昼食を摂って、市民文化センターさんへ。
高田の彫刻群。
一昨年の同展で、やはり関連行事のご講演をなさった元NHKアナウンサー・室町澄子氏の像。
そして、昨日、ご講演なさった絵子猫さんとのコラボ。
ブロンズ彫刻がずらっと並んでいると、それはそれで迫力があってよいのですが、いかんせん色彩がありません。その点、今年は実に色鮮やかでした。
同時開催で、「探検!高坂彫刻プロムナード~スリーデーマーチと並ぶもう一つの宝物~」。光太郎を含む、彫刻プロムナードでモデルとなった人物たちを題材にした紙芝居を、地元の小中高生の皆さんが制作、元になった彫刻の写真と共に展示されていました。
光太郎。
いかにして独自のイラストレーションの世界が作られたか、これまでの歩み的なお話。
そして、彫刻プロムナード。お近くにお住まいだそうで。
美大時代、裸婦デッサンがお好きだったという絵子猫さん、最近は個人でモデルを雇うわけにも行かず、しばらくそちらから離れていたところ、ある日、「あ、これも裸婦じゃん」と、高田の裸婦像を描くことを思いつかれたそうです。なるほど。
そうして生まれたのが、こちら。
デジタルとアナログの融合的な手法で描かれているとのこと。
お土産はこちらのポストカード、さらにモノクロ版A4サイズ。塗り絵になりそうです。
光太郎像は描かれていないようですが、マハトマ・ガンディーはありました。絵子猫さん曰く、「初めてオジサンを描きました」(笑)。
何だかガンディー、「スターウォーズ」のヨーダみたいです(笑)。
閑話休題、こういう形で地域の人材を活用するのは非常に理想的ですね。他の市町村の関係の皆さん、ご参考までに。
というわけで、「彫刻家 高田博厚展2022」。11月10日(木)までの会期です。ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
平熱、セキもタンもさっぱり出ず、 午后奥平さんくる、ビール、余もビール少〻のむ、岡本先生くる、診察だけ、容態よき由、 夜食に玉ずしをとる、
宿痾の肺結核、病状は一進一退でした。
メインの目的は、市民文化センターさんで開催中の「彫刻家 高田博厚展2022」の拝観。さらに昨日は関連行事として、同市ご在住のイラストレーター・絵子猫さんのご講演があり、どうせ行くならこの日に合わせようと思った次第です。
いつも書いていますが、高田博厚は光太郎の影響で彫刻家を志し、光太郎はいち早くその才を認めて高田のフランス留学を支援しました。光太郎歿後、帰国した高田は光太郎顕彰に協力し、その縁でやはり生前の光太郎をご存じだった同市の元教育長であらせられた故・田口弘氏と親しくなりました。そして同市で高田の個展や講演会を開催するなどし、その集大成的に昭和61年(1986)~平成6年(1994)にかけて、東武東上線高坂駅前から伸びる道路に「高坂彫刻プロムナード」が整備されました。光太郎胸像を含む全32体の高田作品が野外展示されています。
昨日の絵子猫さんのお話、それから展示自体も彫刻プロムナードに関係しますので、まず、彫刻プロムナードに立ち寄りました。
当方、初めてプロムナードを歩いたのは平成25年(2013)。その後、光太郎像だけは、今年1月にもすぐ近くのレストランで食事をした際に拝見しましたが、昨日は久々に全作品を見つつ歩きました。
まずは光太郎像。
これがクリソツかというと、そうではありません。それもそのはず、高田がこれを制作したのは光太郎歿後、しかも昭和6年(1931)に日本を離れて以来、光太郎には会っておらず、記憶の中の光太郎と、晩年の写真とを頼りに作られたものだからです。それでも、この像から立ち上るオーラは、まぎれもなく光太郎のものです。
その他、全作品は撮りませんでしたが、光太郎とも交流のあった人々を作ったもの。
詩人の高橋元吉。
さらに宮沢賢治。
どうも当方、この賢治の顔が、お世話になっている某美術館さんのキュレーター氏に似ていると感じる、というか「ああ、××さん!」と呼び掛けたくなります(笑)。どなたのことか、関係の方はご想像下さい(笑)。
その後、昼食を摂って、市民文化センターさんへ。
高田の彫刻群。
一昨年の同展で、やはり関連行事のご講演をなさった元NHKアナウンサー・室町澄子氏の像。
そして、昨日、ご講演なさった絵子猫さんとのコラボ。
ブロンズ彫刻がずらっと並んでいると、それはそれで迫力があってよいのですが、いかんせん色彩がありません。その点、今年は実に色鮮やかでした。
同時開催で、「探検!高坂彫刻プロムナード~スリーデーマーチと並ぶもう一つの宝物~」。光太郎を含む、彫刻プロムナードでモデルとなった人物たちを題材にした紙芝居を、地元の小中高生の皆さんが制作、元になった彫刻の写真と共に展示されていました。
光太郎。
いかにして独自のイラストレーションの世界が作られたか、これまでの歩み的なお話。
そして、彫刻プロムナード。お近くにお住まいだそうで。
美大時代、裸婦デッサンがお好きだったという絵子猫さん、最近は個人でモデルを雇うわけにも行かず、しばらくそちらから離れていたところ、ある日、「あ、これも裸婦じゃん」と、高田の裸婦像を描くことを思いつかれたそうです。なるほど。
そうして生まれたのが、こちら。
デジタルとアナログの融合的な手法で描かれているとのこと。
お土産はこちらのポストカード、さらにモノクロ版A4サイズ。塗り絵になりそうです。
光太郎像は描かれていないようですが、マハトマ・ガンディーはありました。絵子猫さん曰く、「初めてオジサンを描きました」(笑)。
何だかガンディー、「スターウォーズ」のヨーダみたいです(笑)。
閑話休題、こういう形で地域の人材を活用するのは非常に理想的ですね。他の市町村の関係の皆さん、ご参考までに。
というわけで、「彫刻家 高田博厚展2022」。11月10日(木)までの会期です。ぜひ足をお運び下さい。
【折々のことば・光太郎】
平熱、セキもタンもさっぱり出ず、 午后奥平さんくる、ビール、余もビール少〻のむ、岡本先生くる、診察だけ、容態よき由、 夜食に玉ずしをとる、
昭和29年(1954)7月30日の日記より 光太郎72歳
宿痾の肺結核、病状は一進一退でした。