秋葉原のカフェで、2件。

まずは昨日始まった「コラボカフェ」、期間限定メニューの饗応です。プレスリリースなどから。

近現代日本文学文豪たちの作品をイメージしたメニューがフェリシモと秋葉原和堂のコラボカフェに登場|4月20~5月15日までの期間限定

フェリシモは、秋葉原和堂で展開するコラボカフェで、4月20日~5月15日の期間限定で「YOU+MORE!×フェリシモミュージアム部 日本近現代文学の世界に浸る 文学作品イメージティー」をメニュー化した、特別コラボカフェメニューを『文豪達のティータイム』と題して展開します。近現代日本文学文豪たちの作品をイメージしたドリンクメニューや、オリジナルコラボフード、デザート、が登場します。文学に浸るイメージにぴったりな秋葉原和堂の店内で、ドリンクメニューの作品を読めば、その世界に没頭できます。コラボカフェ期間中、朗読イベント『文学公演「文豪たちのティータイム」』を開催します。

◆コラボカフェ企画の概要
文豪達のティータイム -日本近現代文学の世界へ-|YOU+MORE!×フェリシモミュージアム部×秋葉原和堂
開催期間/2022年4月20日(水)11時~5月15日(日)20時まで(L.O.19時30分)
営業時間/24時間
お食事提供時間/11時~22時(フードL.O.21時/L.O.21時30分)
・定休日/年中無休
※新型コロナウイルスの影響により営業時間や席数が変更になる場合があります。
※混雑時は90分制となる場合があります。

場所/〒101-0021 東京都千代田区外神田6-14-2サカイ末広ビル地下1階 「秋葉原和堂
アクセス/JR秋葉原駅徒歩7分/銀座線末広町駅4番出口徒歩0分/上野駅徒歩10分/御徒町駅徒歩7分/湯島駅徒歩6分
TEL/03-6284-4369

◆期間限定コラボカフェメニューについて
大正から昭和、近現代日本で生まれた文豪の作品に着想を得て作り上げたフェリシモの「イメージティーをメニュー化したドリンクと、セットで楽しめるフードやデザートが期間限定で登場します。

【期間限定】文学作品イメージティー&まるで本みたいなミルクレープのセット 各種800円(税込)
思わずめくりたくなってしまう、本のページをイメージしたミルクレープ。
文豪たちの著作をイメージしたお茶1種と一緒に、思わずめくりたくなってしまう本のページをイメージしたミルクレープが楽しめます。
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◇イメージティー一覧
 芥川龍之介 著「蜘蛛の糸」×蓮が香る紅茶
 夏目漱石 著「虞美人草」×アイスクリームが香る紅茶
 宮沢賢治 著「銀河鉄道の夜」×苹果が香る紅茶
 坂口安吾 著「桜の森の満開の下」×桜が香る緑茶
 高村光太郎 著『智恵子抄』×天のものなるレモンの紅茶
 室生犀星 著『蜜のあわれ』× 燃えている金魚のように赤いお茶
 江戸川乱歩 著『孤島の鬼』× 宝石より魅力的なチョコレートの紅茶
 中島敦 著『山月記』× 虎に還るように色が変化するお茶
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◇オリジナルコラボフード、デザート一覧
 夏目漱石のアフタヌーンティーにぴったり ペイストリー&スープセット ¥900(税込)
 芥川龍之介の親子丼定食 ¥1,200(税込)
 坂口安吾のライスカレー ¥1,100(税込)
 宮沢賢治の鉱物バニラアイス ¥700(税込)
 江戸川乱歩のおにぎりセット ¥900(税込)
 室生犀星の甘味セット ¥500(税込)
 中島敦の杏仁豆腐と虎風ロールケーキセット¥800(税込)
 高村光太郎のレモンケーキ~ざくろゼリー添え~ ¥800(税込)
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というわけで、光太郎を含む文豪達をイメージした紅茶と食事。

光太郎インスパイアの「高村光太郎のレモンケーキ~ざくろゼリー添え~」は、「妻・智恵子を詠った『レモン哀歌』をイメージした、さわやかなレモンケーキ。 偉大なる彫刻家であった高村光 太郎に畏敬の念を表し、彼の彫刻作品「柘榴」イメージのざくろゼリーを添えました。」だそうです。ざくろゼリーが酸っぱそうで、画像を見ただけでパブロフの犬のように唾液が分泌されてしまいます(笑)。
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それから「宮沢賢治の鉱物バニラアイス」。鉱物が入っていて歯が折れないかと心配になってしまうのですが(笑)。「宮沢賢治の理解者であった妹・トシとの永遠の別れを綴った詩『永訣の朝』より、「天上のアイスクリーム」をイメージしたアイスクリーム。 彼が大好きだった鉱物をイメージをしたゼリーを添えて。」ということなので、大丈夫でしょう。

紅茶の方は、以前にご紹介したフェリシモさんが通販で扱っているもの。「高村光太郎 著『智恵子抄』×天のものなるレモンの紅茶」を含む全4セットで、月に1セット届き、その都度払いです。他の4セットもあり、合計8セットです。届く順番はフェリシモさん任せとのことで、当方の手許にはまず今月分として「中島敦 著『山月記』× 虎に還るように色が変化するお茶」が届きました。
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ティーバックにただお湯を注ぐと青いお茶なのですが、底に蜂蜜を入れて置いてから淹れると画像のようにグラデーションが楽しめる、というわけで「虎に還るように色が変化するお茶」。なるほど。文庫本をイメージしたパッケージもシャレオツです。

いずれ「高村光太郎 著『智恵子抄』×天のものなるレモンの紅茶」が届きましたら、またレポートいたします。

さて、「文豪達のティータイム」、朗読イベントも開催されます。

文学朗読公演「文豪たちのティータイム」

期 日 : 2022年4月23日(土)~5月15日(日) 全9公演
会 場 : 秋葉原和堂 東京都千代田区外神田6-14-2サカイ末広ビル地下1階

秋葉原和堂にて文学朗読公演を開催いたします。無料公演は開演時間なりましたら始まります。通常のカフェのご利用でご観覧頂けます。有料公演はチケットの購入が必要です。
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4月23日(土曜日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
芥川龍之介「蜘蛛の糸」
芥川龍之介の生きた世界を覗ける、特別な時間をお届けします。
【出演】山﨑竜之介 藤川マサミ 【シナリオ】吉本久吏輔の上 【音楽】藤川マサミ

4月24日(日曜日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
【出演】明峰柚月 鹿子島光人 【シナリオ】リン・寺島光咲

4月30日(土曜日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
室生犀星「蜜のあわれ」
金魚の少女と小説家の老人。二人が織りなす、妙に艶かしくどこか温かい会話劇。室生犀星、晩年の作品をお楽しみ下さい。
【出演】今村一誌洋 天音果歩 【シナリオ】天川谷綾音

5月1日(日曜日)無料公演 13:00~ 16:00~
高村光太郎「智恵子抄」
秘められた高村光太郎と智恵子の想い。詩とショートストーリーが、大人の純愛の真実を紡いでいく。みなさまの優雅なティータイムに安らぎとスパイスをお届けします。
【出演】水野里美   藤田正純【シナリオ】仲村弦己

5月3日(火曜日・祝日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
大文豪・夏目漱石が職業作家として初めて世に送り出した小説・『虞美人草』が、100年の時をこえ令和によみがえります。それぞれの思惑が絡みあう複雑な男女関係を、4人の声優陣と、原作とは異なった視点でお届けします。鑑賞後に書店へ立ち寄っていただけたら、きっと漱石先生もお喜びになることでしょう。
【出演】松下誌紋 川内一子 今村一誌洋 汐風有華 【シナリオ】村田真太郎

5月7日(土曜日)有料公演【チケット代金*ワンドリンク付き2,500円】*終演後物販あり
開演 13:30~ 16:30~ 
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
宮沢賢治と親友がつづる、星空の夢。朗読劇「銀河鉄道の夜」
【出演】秋野かほり 【ゲスト】陽香留 【シナリオ】アオノアツコ 【音楽】歌唱あり

5月8日(日曜日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
室生犀星「蜜のあわれ」
天真爛漫な金魚の少女・赤子と、それに翻弄されつつも愛してやまない老小説家のおじさまとの、儚くも微笑ましい一匹と一人のやり取りを、どうぞお楽しみください。
【出演】平居正行 乙坂みどり 【シナリオ】天川谷綾音

5月14日(土曜日)無料公演 13:00~ 16:00~ 
高村光太郎「智恵子抄」
日本で最も有名な純愛詩集から溢れだす、愛する人に傾けた恐ろしいまでの愛情。二人の声優が迫真の演技でお届けします。
【出演】山﨑竜之介 汐風有華 【シナリオ】仲村弦己

5月15日(日曜日)有料公演【チケット代金*ワンドリンク付き3,500円】
【チケット販売】https://t.livepocket.jp/e/at0h7 開演 13:30~ 16:30~ 
坂口安吾「桜の森の満開の下」
ここにあるのは無限の書物と、それを語る声。ほのかな灯りとアコーディオンの音色。そして、物語を閉じ込めたお茶たち―――五感で楽しむ一日限りのティータイムをあなたに。声優・中野裕斗(蟲師 ギンコ役)/土井美加(蟲師 声 ワンピース コビー役)、世界的アコーディオン奏者・丸茂睦の生演奏で紡ぐ物語を、和堂にてゆったりとお楽しみください。
【出演】中野裕斗 土井美加 【演出】宮澤はるな(一部出演) 【音楽・生演奏】丸茂睦 

上記メニューを頂きながら、朗読も聴けてしまうという企画です。いい感じですね。ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

毛皮を出し、風通し、

昭和27年10月23日の日記より 光太郎70歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のために移り住んだ東京中野の貸しアトリエに、7年間蟄居生活を送った花巻郊外旧太田村の山小屋から、カモシカの毛皮を持ってきたようです。もはや戦後の混乱もほぼ収まっていた東京で、これを着て歩いたのでしょうか?
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光太郎実弟にして、鋳金分野の人間国宝となった豊周の回想には、こんな記述がありますが。

 帰った直後の僕の記憶に残っているのは、あの秋、日本橋の三越で、僕の個展をやった時、兄がわざわざ見に来てくれたことだ。例のカーキ色の労働服を着て、長靴で、両手をポケットに突込んで、兄はこの恰好で東京中を歩いていたのだが、どう見ても三越に来る人種ではない。事実、不思議なものでも見るように周囲の人たちがじろじろ兄を見つめていた。兄が受付の芳名簿へ署名しているのを見た若い女が、
「あら、高村光太郎よ。」
とびっくりして小声でささやいていた。僕が世話になっている人や、奥さん達が四、五人いたので兄はみんなに挨拶してくれたが、あとで家内がその人達に叱られたという。
「あんな恰好をさせて置いては気の毒だから、先ず靴を買ってあげなさいよ。お金がないならもう一つ作品を買うから、もっと世話してあげなければ。」
これには全く困ってしまった。そんなことを言えば、
「極上のイギリスか何かの背広ならいいけれど、そこらにぶらさがっているのを着る位なら、この方が好きだ。」
という兄なのだから。


こういうのを「達観」というのでしょう(笑)。