福島出身の日本画家・齋正機氏。地元紙『福島民報』さんに、平成30年(2018)から「福島鉄道物語」というエッセイを連載されています。昨年12月までの37回分が一冊にまとめられ、出版されました。
福島民報の連載企画「福島鉄道物語」は2018(平成30)年11月にスタート。本書には2021(令和3)年12月掲載の第37回までを収録しています。 福島市出身の日本画家・齋正機さんが古里ふくしまを中心に美しい風景と人々の生活に溶け込んだ鉄道を柔らかなタッチの日本画と心温まるエッセーで語り掛けます。作品には東北線、奥羽線、只見線、常磐線、東北新幹線、福島交通飯坂線、阿武隈急行など福島県民に密着した路線と車両が登場します。
令和2年(2020)9月20日掲載分が「ほんとの空」。智恵子に触れられています。東京出身の亡友と、「ほんとの空」はどこにある、と、お互いに譲らなかったという思い出が語られています。
版元の『福島民報』さん記事。
また、エッセイも秀逸。氏は東京藝術大学さんに入学する際、何と4浪もなさった苦労人で、しかしそのご苦労もユーモアたっぷりに、それでいて哀感もしっかり描かれ、読んでいて応援したくなりましたし、4浪の末とうとう合格、という部分では嬉しくなりました(笑)。
氏のお父さまは旧国鉄の機関士をなさっていたそうで、「正機」の「機」は「機関車」の「機」とのこと。そこで、幼い頃からの(氏は昭和41年=1966生まれ)、お父さまや鉄道にまつわるエピソードが多いのですが、それも「キハ何型がどうこう」といった鉄オタ的な文脈ではなく、あくまでほのぼとした回想が中心です。
Amazonさん等でも取り扱いがあります。ぜひお買い求めを。
この出版とコラボし、氏の個展が福島市で開催されています。このブログで取り上げるべき事項が溜まっており、一気にご紹介します。
2022年4月1日 齋正機 福島民報社 税込定価1,800円
福島民報の連載企画「福島鉄道物語」は2018(平成30)年11月にスタート。本書には2021(令和3)年12月掲載の第37回までを収録しています。 福島市出身の日本画家・齋正機さんが古里ふくしまを中心に美しい風景と人々の生活に溶け込んだ鉄道を柔らかなタッチの日本画と心温まるエッセーで語り掛けます。作品には東北線、奥羽線、只見線、常磐線、東北新幹線、福島交通飯坂線、阿武隈急行など福島県民に密着した路線と車両が登場します。
令和2年(2020)9月20日掲載分が「ほんとの空」。智恵子に触れられています。東京出身の亡友と、「ほんとの空」はどこにある、と、お互いに譲らなかったという思い出が語られています。
版元の『福島民報』さん記事。
福島市出身の日本画家斎正機さんによる随筆集「福島鉄道物語」が福島民報社から書籍化され、4月1日に発売される。福島民報に掲載している同名の連載をまとめた。古里を走る鉄道の車両と雄大な風景を描写した日本画、優しく語り掛けるようなエッセーを収めている。
2018(平成30)年11月の連載初回「夕日の飯坂線」から昨年12月の第37回「縁側天国」までを収録した。花モモが満開の中を走る阿武隈急行、雪景色に映えるJR只見線など、福島県民の暮らしに密着した風景を描いた日本画に、昭和の記憶を見つめた懐かしさを感じさせる文章が添えてある。随所に斎さんのスケッチが描かれている。
A5判、208ページ。税込み1800円。福島県内の各書店、福島民報社本社・郡山本社・各支社支局、福島民報販売店などで扱う。4月2日に福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で開幕する「斎正機展2022『福島今昔物語』」会場でも販売する。
問い合わせは福島民報社出版部へ。
記事にあるとおり、文章だけでなく、氏の描かれた絵がふんだんに盛り込まれ、それぞれ非常に温かみのある絵で、心が洗われる感じです。また、エッセイも秀逸。氏は東京藝術大学さんに入学する際、何と4浪もなさった苦労人で、しかしそのご苦労もユーモアたっぷりに、それでいて哀感もしっかり描かれ、読んでいて応援したくなりましたし、4浪の末とうとう合格、という部分では嬉しくなりました(笑)。
氏のお父さまは旧国鉄の機関士をなさっていたそうで、「正機」の「機」は「機関車」の「機」とのこと。そこで、幼い頃からの(氏は昭和41年=1966生まれ)、お父さまや鉄道にまつわるエピソードが多いのですが、それも「キハ何型がどうこう」といった鉄オタ的な文脈ではなく、あくまでほのぼとした回想が中心です。
Amazonさん等でも取り扱いがあります。ぜひお買い求めを。
この出版とコラボし、氏の個展が福島市で開催されています。このブログで取り上げるべき事項が溜まっており、一気にご紹介します。
期 日 : 2022年4月2日(土)~5月8日(日)
会 場 : とうほう・みんなの文化センター 福島県福島市春日町5-54
時 間 : 10:00~17:00
休 館 : 4月11日(月)、25日(月)
料 金 : 一般 1,200円 中高生 600円 小学生以下無料
当方、ほぼ1年前、箱根の成川美術館さんで開催された氏の個展を拝見して参りました。日本画でありながら、パステル画のような温かみのある画風で、福テレさんのニュースにあるように、やはり「心がほっこり」いたしました。
コロナ感染にはお気を付けつつ、ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
「菊池暁輝氏」は宮沢賢治の顕彰を行っていた人物です。
東北各地で江戸時代から行われていたという「芋煮会」ですね。コロナ禍前には、テレビなどでもアウトドアブームに乗ってよく紹介されていました。
ただ、この日は智恵子忌日。光太郎としては、前日に賢治実弟の清六から贈られた香でも焚いて、静かに智恵子を偲んで過ごしたかったのではなかったのかと思われます。訪れた面々は智恵子忌日と云うことを知ってか知らずか……。
福島市出身の日本画家・齋正機の作品展。郷土「ふくしま」への想いあふれる珠玉の作品およそ90点に加え、特別映像の上映など様々な角度から齋さんの魅力に迫ります。
主催の『福島民報』さん記事。 福島県福島市出身の日本画家斎正機さんの作品展「斎正機展2022『福島今昔物語』―絵と映像とエッセイで綴(つづ)る―」は2日、市内のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で開幕する。1日は会場の準備が整った。
福島民報社、福島テレビ、ラジオ福島の主催。福島民報創刊130周年記念事業。県文化振興財団の共催。東邦銀行、福島交通、斎正機後援会、斎さんの母校・福島東高の同窓会の特別協力。
富岡町の桜を描いた最新作や、福島民報で連載している「福島鉄道物語」の掲載原画など絵画約90点を展示する。花モモが咲き誇る桃源郷のような世界や夕焼けの中を走る鉄道を描いた作品、子を思う親の愛情がにじむ一作など、郷土への愛着にあふれた絵画が並ぶ。
福島市のとうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で開かれている福島市出身の日本画家斎正機さんの作品展「斎正機展2022『福島今昔物語』―絵と映像とエッセイで綴(つづ)る―」の会場に、斎さんの作品をイメージした庭が展示され、来場者の目を引いている。
県造園建設業協会が企画した。斎さんの作品「穏ヤカナ午後ノ鶴ヶ城」に描かれている会津若松市の鶴ケ城から着想を得て、同協会の青年部が施工した。
石や砂利、人工芝の他、シャクナゲ、アセビ、サツキといった植物を配置し、温かな雰囲気を表現している。
10日午前11時からと午後2時から、会場で斎さんによるギャラリートークを催す。午前、午後ともトーク後に斎さんのサイン会を開く。書籍「福島鉄道物語」(福島民報社刊)の購入者を対象にする。
物販コーナーでは8日まで、斎さんがサインを直筆した書籍「福島鉄道物語」を1日20冊限定で販売する。
同じく主催に名を連ねるFTV福島テレビさん。福島市出身の日本画家、齋正機さんの展覧会がきょう(4月2日)から福島市で始まった。とうほう・みんなの文化センターで始まった「福島今昔物語」。
福島の花や田園風景、雪景色といった四季折々の景色や、電車から見える風景など約90点の作品が展示されている。
報告:松山理穂「額縁いっぱいに夜の森の満開の桜が咲き誇っています。ここにいるだけでお花見気分を味わえます」
こちらは富岡町のサクラの名所・夜の森。
齋さんが実際に現地を訪れ、町の人がサクラを愛でる様子を見て制作した。
訪れた人「懐かしい風景が繊細なタッチで描かれているので、心がほっこりする」
齋正機さん「気持ちが緩やかになる、そういう風景を福島は持っている。福島の風景の魅力っていうのを再確認していただければ画家冥利に尽きます」
この展覧会は来月8日まで。
ちなみに最後の画像に映っている作品は「ふくしま物語~桃源郷59の願い~」と題されたものです(縦1.8メートル、横6メートル)。「59」は、現在の福島県の市町村の数。下部に配された桜一つ一つの形が、59の市町村の形になっているそうで。当方、ほぼ1年前、箱根の成川美術館さんで開催された氏の個展を拝見して参りました。日本画でありながら、パステル画のような温かみのある画風で、福テレさんのニュースにあるように、やはり「心がほっこり」いたしました。
コロナ感染にはお気を付けつつ、ぜひ足をお運びください。
【折々のことば・光太郎】
盛岡より菊池暁輝氏等6人はかり来訪、肉、芋の子など持参してコンロにて煮て草上にて会食、夕方にいたる、
昭和27年(1952)10月5日の日記より 光太郎70歳
「菊池暁輝氏」は宮沢賢治の顕彰を行っていた人物です。
東北各地で江戸時代から行われていたという「芋煮会」ですね。コロナ禍前には、テレビなどでもアウトドアブームに乗ってよく紹介されていました。
ただ、この日は智恵子忌日。光太郎としては、前日に賢治実弟の清六から贈られた香でも焚いて、静かに智恵子を偲んで過ごしたかったのではなかったのかと思われます。訪れた面々は智恵子忌日と云うことを知ってか知らずか……。