昨日は光太郎忌日・連翹忌。かつて日比谷松本楼さんで開催していた集いは、コロナ禍のため、3年連続の中止と致しましたが、それに代わり、皆様方を代表して当方が都立染井霊園の光太郎奥津城に墓参して参りました。

ここ数年、4月2日は平日だったのですが、昨日は土曜日。そこで、霊園の駐車場はいっぱいで、仕方なく少し離れた有料駐車場に愛車を駐めて、霊園まで歩いて戻りました。
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この地はソメイヨシノ発祥の地、さらに今年は昨年あたりと比べると開花の時期が遅かったため、満開の状態でしたので、花見的に訪れている方も多いようでした。
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髙村家墓所。以前にもお見かけしたのですが、近くにお住まいの方々のようで、ご高齢の方々のグループがお参りなさっていました。さらに草むしり等なさってくださっていました。
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当方も香華を手向けて参りました。花は、自宅兼事務所の庭に咲く、66年前に光太郎終焉の地・中野の貸しアトリエに咲いていた連翹の「子孫」です。
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「先祖」の連翹は、昭和31年(1956)4月4日、青山斎場で行われた光太郎葬儀の際、愛用のビールのコップに一枝挿され、供えられました。
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毎年のように書いていますが、来年こそは、日比谷松本楼さんでの集いを復活させ、皆様方と久闊を叙し、共に光太郎やゆかりの方々を偲びたいものです。そうかと思うと、またぞろコロナ感染者数、無気味にじわりと増加中とのこと……。やれやれ……といった感じです。

染井霊園を後に、文京区の浄心寺さんに愛車を向けました。一昨年来、ルーティーンとなっておりますが、一昨年一月に亡くなった、当会顧問であらせられた、北川太一先生の墓参のためです。
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浄心寺さん、別名を「桜寺」といいます。ただ、ソメイヨシノではなく、もう少し早く咲く種類の桜がメインです。昨年はほぼ散ってしまっていましたが、今年はまだ咲き残っていました。

散った花びらは絨毯のようでした。
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この少し前くらいだったと思うのですが、光太郎が戦後の七年間蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋敷地内の光太郎詩碑(地下に光太郎の遺髯が埋納されています)では、地元の方々(生前の光太郎をご存じの方も含まれます)が手を合わせてくださいました。

現地からの画像がこちら。
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以前ですとこの後、午後には花巻市中心部の光太郎ゆかりの寺院・松庵寺さんで連翹忌法要でしたが、そちらもこの3年間、コロナ禍のため執り行われていません。

本当に、来年こそは、と、願わざるを得ませんでした。

この後、上野の東京藝術大学大学美術館さんにて、「藝大コレクション展 2022 春の名品探訪 天平の誘惑」を拝観いたしましたが、また後ほどレポートいたします。

【折々のことば・光太郎】

弘さんの犬かへり去らず、夜に至る、


昭和27年(1952)9月20日の日記より 光太郎70歳

「弘さん」は、光太郎の山小屋近くの開拓地に入植した青年。この日、光太郎の山小屋を訪れ、光太郎に頼まれていた卵を届けて帰りましたが、その飼い犬がなぜか飼い主について帰らず居座ったとのこと。微笑ましいエピソードですね。