J-pop系の新盤LPレコードです。

アーティスト Minuano
Love Logic<Clear Pink Vinyl/限定盤>
発売日 2022年2月16日
アーティスト Minuano
レーベル Be Thankful Records
収録曲
レモン哀歌
昨今、アナログレコードの人気が再燃しているとのこと。音楽はデータ配信で購入するのが当たり前、CDの市場もどんどん先細り、という時代なのに、です。価値観が多様化していることの表れの一つなのでしょうが、「データ配信では得られない、手で触れられる“新しい”価値」「デジタルにはない柔らかな音質」「インテリアとしても美しいジャケット」といった点で、若い世代にも浸透してきているそうです。
最近は、あえてアナログレコードでしか新譜をリリースしないアーティストまでいるそうですし、過去の作品のリマスターなどもCDではなくアナログレコードで、というケースも目立ちます。
そうした流れの中での発売なのでしょう。「Minuano」というユニットの「Love Logic」というアルバム。平成21年(2009)にCDが発売されていましたが、限定版としてLPレコードが海外で生産され、逆輸入の形で販売されるとのこと。YouTubeにもアップされているのに販売するあたり、コアなファンの存在を見越してのことなのでしょうか。
「Minuano」に関しては、令和元年(2019)の『CDジャーナル』に以下の紹介。
パーカッショニストの尾方伯郎が主宰するプロジェクト。Lampの榊原香保里をヴォーカルにフィーチャーし、MPB、ジャズ、シティポップ、ソフトロック、クロスオーヴァーなどを現代的に再解釈したポップスを追求。2009年に1stアルバム『Love Logic』、翌2010年に2ndアルバム『ある春の恋人』を発表。2012年のデジタルEP『夏の幻影 EP』を経て、2019年に3rdアルバム『蝶になる夢を見た』をリリース。
ここに記述はありませんが、ボサノバ的なテイストも盛り込んでいるようです。1曲目、「レモン哀歌」。イントロのフルートがそんな感じです。
歌詞は光太郎詩「レモン哀歌」(昭和14年=1939)そのままではなく、それからのインスパイア。
トパァズ色の香気 哀しくとろけて
囓りかけた愛を追いやる夕闇
なまぬるい風が 辺りに一面
窓硝子越しの季節がふるえた
夜に揶揄われて 二人は有耶無耶な儘
時間だけが過ぎてゆく 蝕むように
月あかり照らす 老頭児たちの群れ
手招きするように 二人を誘う
夜に揶揄われて 二人は有耶無耶な儘
時間だけが過ぎてゆく 蝕むように
空想に耽る 遠い日々を想って
嗚呼、溜め息一つ 静かな遊泳
月あかり照らす 老頭児たちの群れ
懐かしい音楽に 縺れて踊る
「智恵子抄」インスパイアの楽曲、米津玄師さんの「Lemon」などもそうだそうですが、過去にもさまざまなアーティストの方々が取り組んで下さっています。こうして復刻されることも喜ばしいことですし、さらにいろいろと新作が出ることも期待します。
【折々のことば・光太郎】
終日雪ふつてゐる、風なし、夜より朝にかけますます厳寒、0下15度、 ひる頃更科源蔵氏来訪、一時頃辞去。ヰスキー、チーズ等もらふ。
蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋、断熱材などの防寒設備などまったくないあばら屋でした。昭和20年(1945)から数えて7度目の冬とはいえ、老躯にはこたえたことでしょう。
更科源蔵は、北海道弟子屈在住だった詩人。同じ北国の更科も、光太郎の暮らしには驚いたのではないでしょうか。
収録曲
レモン哀歌
春宵の哀しみ
果てるともなく続く宙
それいゆ
午后の翼
午后の翼
恋人たちの雨
裸足のシルエット
雨色日記
恋、咲き初めり
陽だまりの午後に
昨今、アナログレコードの人気が再燃しているとのこと。音楽はデータ配信で購入するのが当たり前、CDの市場もどんどん先細り、という時代なのに、です。価値観が多様化していることの表れの一つなのでしょうが、「データ配信では得られない、手で触れられる“新しい”価値」「デジタルにはない柔らかな音質」「インテリアとしても美しいジャケット」といった点で、若い世代にも浸透してきているそうです。
最近は、あえてアナログレコードでしか新譜をリリースしないアーティストまでいるそうですし、過去の作品のリマスターなどもCDではなくアナログレコードで、というケースも目立ちます。
そうした流れの中での発売なのでしょう。「Minuano」というユニットの「Love Logic」というアルバム。平成21年(2009)にCDが発売されていましたが、限定版としてLPレコードが海外で生産され、逆輸入の形で販売されるとのこと。YouTubeにもアップされているのに販売するあたり、コアなファンの存在を見越してのことなのでしょうか。
「Minuano」に関しては、令和元年(2019)の『CDジャーナル』に以下の紹介。
パーカッショニストの尾方伯郎が主宰するプロジェクト。Lampの榊原香保里をヴォーカルにフィーチャーし、MPB、ジャズ、シティポップ、ソフトロック、クロスオーヴァーなどを現代的に再解釈したポップスを追求。2009年に1stアルバム『Love Logic』、翌2010年に2ndアルバム『ある春の恋人』を発表。2012年のデジタルEP『夏の幻影 EP』を経て、2019年に3rdアルバム『蝶になる夢を見た』をリリース。
ここに記述はありませんが、ボサノバ的なテイストも盛り込んでいるようです。1曲目、「レモン哀歌」。イントロのフルートがそんな感じです。
歌詞は光太郎詩「レモン哀歌」(昭和14年=1939)そのままではなく、それからのインスパイア。
トパァズ色の香気 哀しくとろけて

囓りかけた愛を追いやる夕闇
なまぬるい風が 辺りに一面
窓硝子越しの季節がふるえた
夜に揶揄われて 二人は有耶無耶な儘
時間だけが過ぎてゆく 蝕むように
月あかり照らす 老頭児たちの群れ
手招きするように 二人を誘う
夜に揶揄われて 二人は有耶無耶な儘
時間だけが過ぎてゆく 蝕むように
空想に耽る 遠い日々を想って
嗚呼、溜め息一つ 静かな遊泳
月あかり照らす 老頭児たちの群れ
懐かしい音楽に 縺れて踊る
「智恵子抄」インスパイアの楽曲、米津玄師さんの「Lemon」などもそうだそうですが、過去にもさまざまなアーティストの方々が取り組んで下さっています。こうして復刻されることも喜ばしいことですし、さらにいろいろと新作が出ることも期待します。
【折々のことば・光太郎】
終日雪ふつてゐる、風なし、夜より朝にかけますます厳寒、0下15度、 ひる頃更科源蔵氏来訪、一時頃辞去。ヰスキー、チーズ等もらふ。
昭和27年(1952)2月5日の日記より 光太郎70歳
蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋、断熱材などの防寒設備などまったくないあばら屋でした。昭和20年(1945)から数えて7度目の冬とはいえ、老躯にはこたえたことでしょう。
更科源蔵は、北海道弟子屈在住だった詩人。同じ北国の更科も、光太郎の暮らしには驚いたのではないでしょうか。