古今東西の美術作品を、ゆるいうたとアニメーションで紹介する5分間番組「びじゅチューン! 」。新作で光太郎の父・光雲の代表作「老猿」(国指定重要文化財)が取り上げられます。

びじゅチューン!「老猿は主役じゃなくても」

NHK Eテレ 2022年1月25日(火) 22:45〜22:50  再放送 1月28日(金) 15:55〜16:00

発想の源は、高村光雲「老猿」(東京国立博物館)。この彫刻は、そのまわりだけ空気がちがうような、圧倒的な「ドラマ性」を感じさせます。もし脇役としてキャスティングされたとしても、その存在感の強さで主役を食ってしまうでしょう。「白雪姫」の小人C役、「桃太郎」のサル役…。「たまたま脇役として起用されて現場のパワーバランスをおかしくさせてしまうストーリー。「老猿」と周囲とのギャップを楽しんでください。

【出演】井上涼,【声】ジョリー・ラジャーズ

000
002
前後して、旧作の「指揮者が手」の放映も。こちらは光太郎ブロンズの代表作「手」がモチーフです。初回放映は平成30年(2018)でした。

びじゅチューン!「指揮者が手」

NHK Eテレ 2022年1月25日(火) 22:50〜22:55

古今東西の美術作品を井上涼のユニークな発想でうたとアニメーションに。今回は、高村光太郎の彫刻「手」(東京国立近代美術館)。この彫刻は、指をやんわり曲げていたり親指が反り返っていたりと、細かいニュアンスを伝えようとしているみたいに見える。これは、オーケストラを動かす指揮者なのかもしれない!「て」という音を効果的に取り入れた歌詞で、左手一本で音楽を自由にあやつる孤高の指揮者を歌う。

【出演】井上涼,【声】ジョリー・ラジャーズ

001
父子競演ですね(笑)。

一昨年発売され、「指揮者が手」を含む『びじゅチューン! DVDBOOK 5』に、実は「老猿」がちらっと登場していました。「特典映像」中の「トーハクトラベル」というコーナーの中ででした。
057
059
060
いずれ本編で扱って下さるかな、と思っていたら、実現しました。

光雲が主任となって制作された「西郷隆盛像」も、さらにちらっと。
058
こちらも本編で扱っていただきたいものです。

ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

山口小学校紀念会にゆく、2000円キフ。学芸会を見て三時過ぎかへる、ソバを御馳走になる。


昭和26年(1951)12月2日の日記より 光太郎69歳

山口小学校は、蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋近くにありました。2年前の学芸会にはサンタクロースに扮してサプライズ登場した光太郎でしたが、この年は大人しく参観したようです(笑)。

寄付が2000円。この年に出たハードカバーの創元社版『高村光太郎詩集』が260円、中央公論社版の『高村光太郎選集』第一巻が340円でした。現在の5分の1くらいでしょうか。