3件ほど、ご紹介します。

まずは2時間ドラマの再放送

おかしな刑事〜居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査 「東京タワーは見ていた!消えた少女の秘密・血痕が描く謎のルート!」

BS朝日 12月28日(火) 20:00〜21:54

テレビ朝日系列で2011年に放送された第8シリーズ。ある日、東京タワー近くの公園を訪れた鴨志田は、30年前に同所で起きた幼女誘拐事件の被害者の父と再会する。その事件の主犯は交通事故死、懸命な捜査の甲斐なく共犯者の行方もわからないままだった。その夜、会社社長の冬木が刺され、重体となる事件が発生。冬木のもとには「東京タワーは知っている」という脅迫状が届いていた。そんな中、ホームレスの男・駒田が刺殺体で発見された。鴨志田は“駒田”という名字が気にかかり…。

出演者
伊東四朗、羽田美智子、石井正則、小倉久寛、辺見えみり、山口美也子、木場勝己、小沢象、丸山厚人、菅原大吉 (他)

智恵子の故郷・二本松が事件に関わる舞台の一つという設定で、智恵子生家や安達太良山でロケが行われました。年に1、2度、再放送が繰り返されています。
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あとの2本は、光太郎らに触れられるかどうか、というところですが……。

耳をすませば「女の道、切り開いて〜橋田壽賀子・篠田桃紅〜」

地上波NHK総合 12月29日(水) 06:10〜06:39

今年4月に亡くなった脚本家・橋田壽賀子さんと3月に亡くなった美術家・篠田桃紅さん。時代の風潮に逆らい、女性の生きる道を新たに切り開いた二人の言葉に耳を傾ける。

橋田さんは女性初の脚本部員として松竹に入社するが、男社会の壁にぶつかり退社。フリーの脚本家として、テレビで辛口ホームドラマという新たなジャンルを開拓。「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」などの名作を手がけた。父の反対を押し切り書道家になった篠田さん。名筆を写すことをよしとする書道界に反発し「水墨抽象画」という独創的な手法を確立。どの美術団体にも属さず自由な生き方を貫き、100歳を過ぎても創作を続けた。

【出演】美術家…篠田桃紅,脚本家…橋田壽賀子,【語り】加賀美幸子
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今年3月に亡くなった、篠田桃紅さん。「書」からスタートしましたが、伝統に囚われることなく、やがて墨による抽象表現の世界は、1950年代のニューヨークでも高く評価されました。エッセイストとしても足跡を残し、近年は満100歳を超えられてから、立て続けにエッセイ集を刊行、常に着物姿の凜としたたたずまいと相まって、人気を博しました。
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篠田さんの座右の銘の一つが、光太郎の「道程」(大正3年=1914)。複数のエッセイ集にその記述が見られます。

6月にもNHKさんで篠田さんの追悼的に過去の番組のアーカイブ放映がありましたが、その際は10分間の短いもので、残念ながら「道程」がらみの話は出て来ませんでした。今回は尺が多少長そうなので、期待しております。

もう1件。

ゆく年くる年

地上波NHK総合 12月31日(金) 23:45〜00:15

今年もコロナ禍が続き、経済や暮らしが大きな影響を受けた一年。「来年こそは笑顔を取り戻したい」という願いを全国各地から生中継でお伝えします。


コロナ禍2度目の年越し。東京「浅草寺」と京都「清水寺」や長野「善光寺」岩手平泉の「中尊寺」など各地の名所を生中継で結び、新型コロナ感染の終息を願う人々の様子を伝える。さらに今回、終夜体制で飛行機の整備を行う羽田空港の格納庫にもカメラが入る。また、来年本土復帰50年を迎える沖縄は、基地と隣り合わせの神社から平和への祈りをお届けする。

キャスター 高瀬耕造 桑子真帆
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大晦日の風物詩ですね。

信州善光寺さんからの中継も。昨年、国の登録有形文化財に指定された仁王門に納められている仁王像は、光太郎の父・光雲と、その高弟・米原雲海の作です。一昨年が開眼百周年ということで、本格的な学術調査等も行われたりもしました。今回、仁王門が取り上げられるかどうか、微妙なところですが……。

ところで善光寺さんの仁王像と言えば、今月初め、地上波フジテレビさん系列で放映された「正しく学んで福招き!おてらツアーズ」。
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こちらでは、善光寺さんの仁王像の謎について取り上げられました。ただし、光雲らの作であるという紹介はスルー。
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一般的な寺院の仁王像と、阿形、吽形の配置が逆になっている理由について。
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この問いに対し、アイドルグループ・NMB48のメンバー渋谷凪咲さんは……
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笑いました。まぁ、光雲におっちょこちょいの一面があったことは否定できませんが(笑)。

正解として紹介されたのが……
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たしかにこういう説がありますが、これが「定説」というわけでもなく、他にやはり阿吽が通常と逆の東大寺南大門の仁王像(金剛力士像)に倣ったという説もあります。テロップででも「※諸説あります」と出してほしかったところです。

ところで、テレビ番組で彫刻といいますと、12月14日(火)、地上波TBSさん系で放映された「マツコの知らない世界」。ご自身でも彫刻制作に当たられている俳優の片桐仁さん(多摩美術大学卒)がご出演、彫刻についてさまざまな面から語って下さいました。

その中で、光太郎も。

各地の公共彫刻を紹介する中で、大阪の御堂筋が取り上げられました。
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こちらには、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の中型試作が「みちのく」の名で設置されています。片桐さん、「みちのく」もご紹介下さいました。ありがとうございます。
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まぁ、メインは光太郎も敬愛していたロダンでしたが。
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この放映直後、ツイッター上では「大阪に高村光太郎か、すげーな」的な投稿が相次ぎました。

「おてらツアーズ」にしても「マツコの知らない世界」にしても、系列外の地方局等で番販の形による遅れての放映があるかも知れませんので、紹介しておきます。

さて、これから放映の「ゆく年くる年」等、ぜひごらんください。

【折々のことば・光太郎】

十一時頃盛岡より深沢省三氏来訪。岩手川一升(美校より)ハムをもらふ。仙台市にて紙絵展の事たのみに来られしなり。一度断り、又宮崎稔氏でも看視するならと返事す。

昭和26年(1951)9月17日の日記より 光太郎69歳

智恵子遺作の紙絵展、盛岡、花巻、それから都内などでも相次いで開催され、人々に驚きを持って迎えられました。そこで仙台でもぜひ、という話が持ち上がったのですが、残念ながら仙台展は実現しませんでした。