智恵子の故郷に聳え、光太郎が詩「あどけない話」(昭和3年=1928)に謳った安達太良山。このブログ、このところ、紹介すべきネタが大杉多すぎで、今日は安達太良山関連、一気にご紹介します。

まずはテレビドラマです。

プレミアムドラマ山女日記3 「あどけない空・安達太良山」

NHK BSプレミアム 2021年10月31日(日) 22:00〜22:50 再放送11月7日(日) 16:15~17:05

【出演】工藤夕貴 若村麻由美 中村俊介 本仮屋ユイカ 湯江タケユキ 高橋長英 小林綾子 田中健

会社勤めを辞め、北アルプス山麓で登山ガイドとして成長を続ける独身女性・柚月。彼女の元には今日も人生の苦悩を抱えた様々な依頼客が訪れる―。人気山岳ドラマのシーズン3。
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第3話としての詳しいあらすじが発表されていませんが、予告編から。

毎回、なにがしかの屈託を抱えた人々が、登山ガイド・立花柚月(工藤夕貴さん)の案内で山を登り、背負った荷物を山に置いてくる(比喩表現です。本当にザイルやらアイゼンやらをぶちまけてくるわけではありません(笑))という展開です。

第1話は、登山ガイドを目指す女子大生(中田乃愛さん)と、それに反対するシングルマザーの母親(高島礼子さん)が白馬岳に。第2話は、熟年離婚を考える妻(市毛良枝さん)と、ワガママな夫(石丸謙二郎さん)で、雨飾山へ。

そして第3話の安達太良山。ゲストは小林綾子さん、高野長英さんなど。
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安達太良山はもちろん、岳温泉さん、二本松市街でもロケを敢行。
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ゲストの登場人物は、一話完結で心の荷物を山に置いてきますが、レギュラー陣はそうはいかないようで、それぞれにやはりいろいろ抱え込んでいます。まぁ、全6話の中で徐々に解決していくのでしょう。

主人公・立花柚月。喫茶店マスターのお父さん(田中健さん)と、亡くなったお母さん(朝加真由美さん)を巡ってギクシャク。
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柚月の元カレ(中村俊介さん)。偶然、柚月と再会したものの……。
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柚月の暮らす村で、新たに当選した女性村長(若村麻由美さん)。柚月のお父さんと、その昔……。
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原作は湊かなえさんの小説『残照の頂 続・山女日記』(幻冬舎・11月刊行)だそうで、いかにも湊さんらしい人間ドラマですね。

ぜひご覧下さい。

続いて、地元紙『福島民報』さん、10月17日(日)の記事。

【アウトドア キャンプ 自然と生きる】地元誇る「ほんとの空」 安達太良山(二本松、郡山、猪苗代、大玉)

011 彫刻家で詩人高村光太郎の詩集「智恵子抄」で詠まれた「ほんとの空」が広がった。二本松、郡山、猪苗代、大玉四市町村にまたがる安達太良山(1700メートル)は日本百名山の一つ。気軽に登山を楽しめる山として多くの人に愛されている。豊かな自然を抱く安達太良山を訪ねた。
 二本松市の奥岳登山口に、あだたら高原リゾート「あだたら山ロープウェイ」の山麓駅があり、登山の基点となっている。山麓駅から乗車し、約10分で八合目の薬師岳直下の山頂駅に到着した。近くのパノラマパークから安達太良山の山頂を眺めたが、小雨が降り、もやがかかっていて山頂は見えなかった。
 登山道を歩き出す。緩やかな傾斜が続く。途中、ヤマウルシなどが真っ赤に色づき、季節の移ろいを感じる。歩き続けると、次第に空が明るくなってきた。気温も上がってくる。やがて周囲の木々は低木が目立ち始める。山頂に近づくと、道が岩場になる。慎重に登り続けて山頂に到着した。登り始めてから1時間半程度だった。
 到着してから、しばらくすると晴れ間になり、眼下に雲海が広がった。乳首山と呼ばれる岩峰の頂上からは四方が見渡せる。青い空と幻想的な雲海、山肌の紅葉の景色に登山客は見とれていた。
 日本最古の歌集万葉集には安達太良山に関する歌が三首詠まれている。「安太多良の嶺(ね)に伏す鹿猪(しし)のありつつも吾は到らむ寝処(ねど)な去りそね」など、いずれも男女の愛に関する歌だ。生命力にあふれる様子が、雄大な山のたたずまいと重なる。
 一緒に登った地元の登山ガイドの渡辺茂雄さん(48)は「ロープウエーを使えば初心者でも登山が楽しめる。秋の紅葉は見事で、四季折々で美しい表情を見せてくれる」と魅力を語る。古代から親しまれている山は、これからも地元の誇りであり続ける。

■なすびのお薦めポイント 初心者も楽しめる
 紅葉の季節は見事な景色が広がります。山頂から眺めた雲海は最高のご褒美でした。比較的緩やかなので、初心者でも楽しむことができます。
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なすび」はタレントのなすびさん。福島ご出身で、エベレスト登頂のご経験もおありです。そのため、安達太良山の山開きイベントなどにゲストとして招かれることが。

記事にあるとおり、ちょうど今頃、紅葉が美しいのでしょう。

最後に、「ほんとの空献立」。二本松市の智恵子が生まれ育った旧安達町地区。こちらは安達学校給食センターさんが調理等に当たられているようですが、月イチくらいのペースなのでしょうか、小学校の児童さんたちのリクエストを取り入れた「ほんとの空献立」が饗されています。先月は、川崎小学校さん考案の「ほんとの空献立」でした。

10月19日(火)は、智恵子の母校・油井小学校さんの児童の皆さん考案の「油井小 ほんとの空献立」だったとのことで、同校のサイトに写真が掲載されていました。
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残念ながら、品目の名前が書かれていなかったのですが、美味しそうですね。

今後とも継続してほしいものです。

【折々のことば・光太郎】

晴れ、くもり、温、雪とけはじめる、


昭和26年(1951)2月27日の日記より 光太郎69歳

蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村、根雪の溶け始めが2月末。やはり、過酷な環境ですね。