合唱系の情報を2件。
まずはコロナ禍のため、昨年は中止となり、2年ぶりの開催となる全日本合唱コンクール全国大会。
「全国大会の歌声」が再びホールに帰ってきます。第74回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)は30、31日、大分市での中学校・高校部門で幕を開けます。コロナ禍で昨年の大会が中止となり、2年ぶりの開催。今年は新たに、オンラインによるライブ配信も実施します。
高等学校部門Bグループ(33人以上の大編成)で、九州代表として出場される鹿児島高等学校音楽部さんが、西村朗氏作曲の「千鳥と遊ぶ智恵子」を自由曲で演奏されます。
こちらは「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」全3曲中の1曲です。鹿児島高等学校音楽部さんは、平成30年(2018)の第71回大会でも、同じ組曲中の「レモン哀歌」で出場なさいました。
「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」は、平成20年(2008)、関西合唱団さんの依嘱で作曲され、初演が行われました。楽譜は全音楽譜出版社さんから刊行されています。その中に作曲者・西村朗氏の解説があり、今回演奏される「千鳥と遊ぶ智恵子」に関しては、「海辺の風光の中での夢幻的な魂の孤独。異界からの千鳥の声と智恵子の遠景。」と書かれています。
楽譜を見ると、ポリフォニーの部分がほぼなく、あまり昨今のコンクール向きでは無いような気もします。ただ、西村氏が「異界からの千鳥の声」とする「ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――」の三回目の部分だけは、四声の掛け合いと複雑なピアノがポリフォニックに絡み合う構成になっています。それが徐々にまたホモホニー的に統合されていくあたり、展開の妙ですね。
鹿児島高等学校音楽部さんには、「もう天然の向うに行つてしまつた智恵子」と、愛別離苦の涙を流す光太郎の世界観を、しっかりと表現していただきたいものです。
もう1件、合唱のオンライン合同演奏会だそうで。
当方、拝聴に伺いまして、オーソドックスな合唱曲を想像していたところ、完全に裏切られました(いい意味で)。まるでオペラの一幕のようなステージでした。
その際のパンフレットから。
おそらくこの時の演奏の模様が配信されるのだと思われます。
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
忠也さんホツキ貝持参、三馬印十一文半ゴム靴進呈、余には小さすぎるもの。
「忠也さん」は、蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋近くの住人。「三馬印」は、現在も「株式会社ミツウマ」として健在の長靴等のメーカーです。
「十一文半」は、約29㌢。それが「小さすぎる」というのですから、笑えます。若い頃の自己紹介的な文章では、自分の足のサイズを「十三文半」と書いていました。約34㌢です。
まずはコロナ禍のため、昨年は中止となり、2年ぶりの開催となる全日本合唱コンクール全国大会。
第74回全日本合唱コンクール全国大会 中学校・高等学校部門
会 場 : iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ 大分県大分市高砂町2番33号
時 間 : 両日とも9:45開演
料 金 : 両日とも2,300円 ライブ配信1,500円
料 金 : 両日とも2,300円 ライブ配信1,500円
主 催 : 全日本合唱連盟
「全国大会の歌声」が再びホールに帰ってきます。第74回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)は30、31日、大分市での中学校・高校部門で幕を開けます。コロナ禍で昨年の大会が中止となり、2年ぶりの開催。今年は新たに、オンラインによるライブ配信も実施します。
高等学校部門Bグループ(33人以上の大編成)で、九州代表として出場される鹿児島高等学校音楽部さんが、西村朗氏作曲の「千鳥と遊ぶ智恵子」を自由曲で演奏されます。
こちらは「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」全3曲中の1曲です。鹿児島高等学校音楽部さんは、平成30年(2018)の第71回大会でも、同じ組曲中の「レモン哀歌」で出場なさいました。
「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」は、平成20年(2008)、関西合唱団さんの依嘱で作曲され、初演が行われました。楽譜は全音楽譜出版社さんから刊行されています。その中に作曲者・西村朗氏の解説があり、今回演奏される「千鳥と遊ぶ智恵子」に関しては、「海辺の風光の中での夢幻的な魂の孤独。異界からの千鳥の声と智恵子の遠景。」と書かれています。
楽譜を見ると、ポリフォニーの部分がほぼなく、あまり昨今のコンクール向きでは無いような気もします。ただ、西村氏が「異界からの千鳥の声」とする「ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――」の三回目の部分だけは、四声の掛け合いと複雑なピアノがポリフォニックに絡み合う構成になっています。それが徐々にまたホモホニー的に統合されていくあたり、展開の妙ですね。
鹿児島高等学校音楽部さんには、「もう天然の向うに行つてしまつた智恵子」と、愛別離苦の涙を流す光太郎の世界観を、しっかりと表現していただきたいものです。
もう1件、合唱のオンライン合同演奏会だそうで。
第5回 ガッSHOW TV!!
期 日 : 2021年10月24日(日)
「ガッテレ」は、東京で活躍する男声合唱団「Mu Project」様が主催する〝オンライン合唱祭〟です。
都内の合唱団CANTUS ANIMAEさんが、安藤寛子氏作曲の「智恵子の手紙」でご出演。この曲は、タイトル通り、昭和6年(1931)7月29日消印の、智恵子が母・センに送った手紙を中心にしたその前後の「智恵子の手紙」をテキストとしています。平成28年(2016)、晴海の第一生命ホールさんで開催されたCANTUS ANIMAEさんの第20回演奏会で初演されました。当方、拝聴に伺いまして、オーソドックスな合唱曲を想像していたところ、完全に裏切られました(いい意味で)。まるでオペラの一幕のようなステージでした。
その際のパンフレットから。
おそらくこの時の演奏の模様が配信されるのだと思われます。
ぜひご覧下さい。
【折々のことば・光太郎】
忠也さんホツキ貝持参、三馬印十一文半ゴム靴進呈、余には小さすぎるもの。
昭和26年(1951)2月13日の日記より 光太郎69歳
「忠也さん」は、蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋近くの住人。「三馬印」は、現在も「株式会社ミツウマ」として健在の長靴等のメーカーです。
「十一文半」は、約29㌢。それが「小さすぎる」というのですから、笑えます。若い頃の自己紹介的な文章では、自分の足のサイズを「十三文半」と書いていました。約34㌢です。