一昨日、昨日と、富山県富山市に行って参りました。富山県水墨美術館「チューリップテレビ開局30周年記念「画壇の三筆」熊谷守一・高村光太郎・中川一政の世界展」にうかがうためでした。
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まずは10月7日(木)、最終準備の最中にお邪魔しました(といっても本当に邪魔はしていません(笑))。
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主催に名を連ねるチューリップテレビさんの取材が入っていました。

その報道がこちら。一昨日のローカルニュースですね。

「画壇の三筆」展 開幕に備え準備進む/富山

 明治から昭和にかけて活躍した同世代3人の芸術家の作品を集めた展覧会「画壇の三筆」展が8日から県水墨美術館で開かれるのを前に会場では準備が進められています。
 チューリップテレビ開局30周年を記念して開かれる「画壇の三筆」展は明治・大正・昭和と連なる日本の近代美術のなかで同じ時代を生きた3人の芸術家にスポットをあてています。
 絵画や詩のほかに書も手がける高村光太郎、97歳まで絵筆を握り続けた画家の熊谷守一、そして自由奔放な色彩と筆をもつ画家の中川一政の足跡を辿る三人展は前例のない企画です。
 県水墨美術館・中川美彩緒館長「今何かと世の中緊張する出来事や気を使うことが多い中で本当の意味で心安らかにして遊ばせる、素直に見ていただけると大変楽しめる展覧会だと思う」。
 書作品に加え墨彩画や彫刻など3人の力作114点が並ぶ「画壇の三筆」展は8日から来月28日まで富山市の県水墨美術館で開催されます。
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まだ無観客の状態でしたので、出品作品をゆっくり鑑賞。
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書作品は、初めて拝見したものもありますが、大半は全国各地で単品で見たもので、そのうちのかなりの部分、当方が関わって出品にこぎ着けました。それらが一堂に会し、感無量でした。

光太郎に関しては、ブロンズや木彫も出品。
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ブロンズはともかく、木彫は複数まとめて見るのは久々で、涙が出そうになりました。書にしてもそうですが、旧友たちに再会したような(笑)。

このうち、新発見の「蝉」については、雑誌『美術の窓』さんの11月号に拙稿が載る予定ですので、その折にまた。

熊谷と中川。彼らの作品をまとめて見るのは初めてでした。
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出品目録がこちら。
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かなり点数が多いのですが、光太郎、熊谷、中川と、三者三様ですので、飽きの来ない構成になっています。

その夜は富山駅前のビジネスホテルに宿泊。夕食は、館長さん、企画会社の高松氏と三人で。主に美術の話で盛り上がりました。これまでステイホーム期間が長く、そうした話をする機会がほぼありませんでしたので、新鮮でした。

昨日、10月8日(金)は開会式。県知事さんたちと一緒に、ひな壇に座らされてしまいました(笑)。
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テープカットの後、一般公開開始でした。
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地方紙『北日本新聞』さんから。

画壇の三筆展が開幕 県水墨美術館

 明治から昭和期にかけて画家や詩人として活動した3人の足跡をたどる「画壇の三筆 熊谷守一・高村光太郎・中川一政の世界展」が8日、県水墨美術館で始まり、来館者は自由奔放で飾らない美の世界を堪能した。11月28日まで。
 3人の作品を一堂に集めた企画展は今回が初めてとなる。西洋美術の波が押し寄せる中、日本の心を求め、独自の作風を追求した画家たちの多彩な活動を伝える。
 同展では会場を3章に分け、画家ごとに書や油彩画、陶芸、彫刻作品など約120点を展示。柔らかなにじみが目を引く熊谷守一の書「無一物」や、木彫家の父光雲を表現した高村光太郎のブロンズ像「光雲一周忌記念胸像」、鮮やかな色彩が印象的な中川一政の油彩画「向日葵(ひまわり)」などが並ぶ。
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図録がこちら。
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出品全作品の画像と、論考等の文章など。総論的に、東京学芸大学の萱のり子教授の「「ありのまま」を味わう」、光太郎に関しては、当会会友の渡辺えりさんによる「光太郎と父」、鳥取大学の住川英明教授で「光太郎書とその変遷」。定価2,200円はお買い得です。

会期は11月28日(日)までと、長めです。コロナ感染にはお気を付けつつ、ぜひ足をお運びください。

【折々のことば・光太郎】

樋口文正氏青年一人と迎へに来る、一緒に水沢行。文化ホールにて成人の日の講演(夜になる)後料亭にて座談会、 公民館長さん自宅に宿泊 夜二時になる。

昭和26年(1951)1月15日(金)の日記より 光太郎69歳

「樋口文正氏」は正しくは「樋口正文氏」。水沢町は現・奥州市。大谷翔平選手の故郷です。

成人の日は昭和23年(1948)の制定。光太郎の講演を聴いたこの年の新成人、ある意味、贅沢ですね(笑)。