昨日は、都内文京区千駄木の、旧安田楠雄邸にて開催された「語りと講話 高村光太郎作 智恵子抄」で、講師を務めさせていただきました。
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会場の旧安田楠雄邸は、大正8年(1919)の竣工。光太郎の実家・旧髙村光雲邸はすぐ隣ですし、光太郎智恵子が暮らしたアトリエとも100㍍ほどしか離れていません。当然、光太郎智恵子もこの前を通っていたところです。
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古建築好きの当方には、たまりません(笑)。

髙村家の御厚意で、智恵子紙絵の細密複製をお借りすることができ、一階に展示されていました。
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イベント会場は二階。開場前の様子。
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自宅兼事務所から、7冊ばかり関連書籍を持参して展示しました。
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左から、詩集『道程』初版(大正3年=1914)。雑誌『青鞜』第二巻第六号( 明治45年=1912)、前年の創刊号と同じ智恵子による表紙絵が使われ、智恵子唯一の寄稿「マグダに就て」が掲載されています。それから詩集『智恵子抄』初版(昭和16年=1941)、今年はこちらの発刊80周年ということで、今回のイベントに繋がりました。さらに詩集『智恵子抄』限定特装版(昭和27年=1952)、「乙女の像」制作のため光太郎が帰京した記念出版で、表紙は羊皮、170部しか出回らなかったものです。そして、詩集『智恵子抄』戦後新版第一刷(昭和26年=1951)、詩集『智恵子抄』皇太子殿下(現・上皇陛下)ご成婚記念紅白版、詩文集『智恵子抄その後』初版(昭和25年=1950)。

最終リハーサル時。
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このように、上手(かみて)に北原さんが立たれて朗読、当方はスクリーンを挟んで下手(しもて)に陣取り、パワーポイントのスライドショーを操作しながら補足説明。全体で1時間半あまりと、尺も充分でした。

午後1時からと4時からの2回公演でしたが、おかげさまで2回とも満席。当方も事前にお近くにお住まいの方などへチラシをお送りしたところ、旧知の方々数人がいらして下さいました。ありがたし。

当方、各種講座や講演等、やれと云われれば全国どちらでも参上しますが、やはりこの地で出来たというのは感慨深いものがありました。また、北原さんの朗読が素晴らしく、ご一緒させていただき光栄でした。

コロナ禍も終息しつつあり、まだまだ油断は禁物ですが、この手のイベントがまた広く行われるよう、願って已みません。

【折々のことば・光太郎】

確定申告書を花巻税務署に標準申告書を太田村役場宛に発送す。確定額による第三期税を払込む。去年とは大した相違にて少額也。税率も小さくなつてゐるやう也。

昭和24年(1949)1月20日の日記より 光太郎67歳

終戦に伴うハイパーインフレの余波がまだ残っていたようで、経済的な混乱は山奥での蟄居生活にも影響があったようです。