昨日に続き、光太郎の父・光雲の代表作「老猿」関係で2件のイベント、いずれも栃木県鹿沼市で開催されます。「鹿沼・粟野合併20周年記念 高村光雲作《老猿》を学ぶ」と冠された事業の一環です。
まずは「老猿」の原材料となった栃の木の子孫を見学するツアー。平成24年(2012)にも同様の催しがありました。
光太郎は光雲やその弟子筋の仕事をあまり高く評価しませんでしたが(「芸術」とは言えないと)、しかし光雲は光雲で、「決してためら」わず「自分の感ずる所を表現」し、光雲なりに「深く、恐ろしく真実を語」ろうとしていたのは間違いありません。ロダンや光太郎とは、その道筋が異なっていただけですね。
まずは「老猿」の原材料となった栃の木の子孫を見学するツアー。平成24年(2012)にも同様の催しがありました。
期 日 : 2025年11月24日(月・振休)
会 場 : 集合場所 高見林業 栃木県鹿沼市上粕尾870-2
時 間 : 午前9時~正午
料 金 : 500円
続いて、講演会。
それぞれ「第2弾」「第3弾」となっていますが、「第1弾」は9月に開催された鹿沼市民向けの東京国立博物館で「老猿」を見るツアーということで、このブログではご紹介しませんでした。
「老猿」の材となった栃は、光雲自ら鹿沼の山中に買い付けに赴き、伐採前の巨木を当時の金額で3円という安価で手に入れることができました。しかし運搬に苦労し、そちらにかかった金額が200円以上。シカゴ万博出品作ということで政府から補助金が出ていましたが、その半分以上を運送に費やしてしまいました。落語のような話です(笑)。そのあたりは昭和4年(1929)に出版された『光雲懐古談』で語られ、青空文庫さんにも入っています。
見学ツアー、講演会、それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
深く、恐ろしく真実を語る者であれ。自分の感ずる所を表現するに決してためらうな。たとひ公定思想と反対である事がわかつた時でさへもです。
持ち物 : 飲み物・登山向けの靴と服装
定 員 : 中学生以上10組20人(先着)
高村光雲《老猿》は、明治26年(1893)のシカゴ万博に出品された彫刻作品です。現在は東京国立博物館に収蔵され、国指定重要文化財に指定されています。
実は、その材は鹿沼の上粕尾発光路から伐りだされた「栃の木」でした。
この度、鹿沼市・粟野町合併20周年を記念して「Made in 鹿沼」の代表する作品の一つとして《老猿》と高村光雲について学ぶ連続企画を開催します。
第2弾は、《老猿》の材になった木の孫木と伝わる木を見に行きます。申し込み方法
11月14日(金曜日)までに、文化課へ電話(0289-62-1172)またはフォームよりお申し込みください。
続いて、講演会。
記念講演会
期 日 : 2025年11月29日(土)
会 場 : 粟野コミュニティセンター大会議室 栃木県鹿沼市口粟野1780
時 間 : 午後1時30分~3時
料 金 : 無料
定 員 : 100人(先着)
《老猿》を所蔵する東京国立博物館から児島大輔先生(東京国立博物館保存修復室長)をお招きしての講演会です。
11月14日(金曜日)までに、文化課へ電話(0289-62-1172)またはフォームよりお申し込みください。
定 員 : 100人(先着)
《老猿》を所蔵する東京国立博物館から児島大輔先生(東京国立博物館保存修復室長)をお招きしての講演会です。
11月14日(金曜日)までに、文化課へ電話(0289-62-1172)またはフォームよりお申し込みください。

「老猿」の材となった栃は、光雲自ら鹿沼の山中に買い付けに赴き、伐採前の巨木を当時の金額で3円という安価で手に入れることができました。しかし運搬に苦労し、そちらにかかった金額が200円以上。シカゴ万博出品作ということで政府から補助金が出ていましたが、その半分以上を運送に費やしてしまいました。落語のような話です(笑)。そのあたりは昭和4年(1929)に出版された『光雲懐古談』で語られ、青空文庫さんにも入っています。
見学ツアー、講演会、それぞれご興味おありの方、ぜひどうぞ。
【折々のことば・光太郎】
深く、恐ろしく真実を語る者であれ。自分の感ずる所を表現するに決してためらうな。たとひ公定思想と反対である事がわかつた時でさへもです。
光太郎訳 ロダン「若き芸術家達に(遺稿)」より
大正9年(1920)頃訳 光太郎38歳頃
光太郎は光雲やその弟子筋の仕事をあまり高く評価しませんでしたが(「芸術」とは言えないと)、しかし光雲は光雲で、「決してためら」わず「自分の感ずる所を表現」し、光雲なりに「深く、恐ろしく真実を語」ろうとしていたのは間違いありません。ロダンや光太郎とは、その道筋が異なっていただけですね。




































































































































































































































































































