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花巻高村光太郎記念館さんに展示されている昭和20年代の光太郎が暮らした頃の花巻とその周辺、花巻電鉄沿線のジオラマを作製してくださった石井彰英氏。

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石井氏、ジオラマを撮影し、ナレーションやお仲間と演奏された音楽を入れたDVDを制作されることをなさっており、光太郎ジオラマについても以前に作製されています。

氏から、新作のDVDが届きました。今回は、光太郎がその第一詩集『山羊の歌』(昭和9年=1934)の表紙題字を揮毫した、中原中也。題して「中原中也ジオラマDVD ダダさん」。

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まず、中也の故郷・山口の風景が中心です。光太郎ジオラマを作っていただいた時もそうでしたが、現地でロケハンもなさったそうで。

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その他、中也終焉の地・鎌倉やゆかりのあった都内、川崎なども。

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さらには代表的な詩の数々。お仲間の皆さんの朗読やBGMが入ります。

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中也とサーカスは切っても切り離せないということで、サーカス風景も。

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光太郎ジオラマDVDも素晴らしいクオリティでしたが(ちなみに当方手許にも在庫があります。ご入用の方、コメント欄等からご連絡下さい)、光太郎詩よりも叙情性、感覚性に優れ、妖しげでメランコリックな中也詩の世界と、ある意味憂愁を帯びた映像が非常にマッチしていると感じました。特にこのサーカスのシーンなど。

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今回、当方は何のお手伝いもしていないのですが、なぜかエンドロールに当方の名(笑)。

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こりゃ、「宣伝しろ」ということかと思い(笑)、宣伝させていただきます。

山口の中也記念館さん、昨年から先月まで、光太郎にも関わる「開館25周年記念展(文学表現の可能性 後期)清家雪子展――『月に吠えらんねえ』の世界」を開催して下さっていました。その報道を見るにつけ、ぜひ伺いたいと思っておりましたが、結局、コロナ禍で行けずじまいでした。

ただ、7月末から『山羊の歌』などに焦点を当てた「令和2年度特別企画展「中也詩集の装幀」(仮)」が予定されているようですので、今後の状況を見て、考えたいと思っております。


【折々のことば・光太郎】

    
豊耳聡明  巨眼帯露

短句揮毫 昭和21年(1946)/昭和23年(1948) 光太郎64歳/66歳

時期の異なるものを二つ並べましたが、ワンセットということで。

両方とも、花巻で世話になった花巻病院長・佐藤隆房のお孫さんの誕生記念に送った言葉です。前者は貞之氏に。おそらく耳が特徴的な赤ちゃんだったのでしょう。後者は泰之氏に。こちらはお目々あクリッとしていたということではないでしょうか。

昨年11月から山口市の中原中也記念館さんで開催中の「開館25周年記念展(文学表現の可能性 後期) 清家雪子展――『月に吠えらんねえ』の世界」につき、一昨日、NHKさんのローカルニュースが取り上げていました。 

漫画で描く中原中也の世界

山口市出身の詩人、中原中也をモデルにしたキャラクターが登場する漫画を通じて、中也の詩の世界を紹介する企画展が山口市で開かれています。

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山口市の中原中也記念館では、近代の詩人たちの作品からイメージされたキャラクターが登場して、近代日本の世界を独創的に描いた漫画「月に吠えらんねえ」の作者、清家雪子さんの作品を通じて、中原中也の詩の世界を紹介しようという企画展が開かれています。
展示されているのは、パネルや原稿などおよそ60点で、このうち清家さんが4年前に記念館に寄稿した「夕焼けめぐり」という短編の漫画は、結核のため2歳で亡くなった息子との思い出を中也が回想した詩をもとにしています。
この中では、中也が生前の息子と2人で飛行機の形をしたアトラクションに乗り込んで、夕暮れの町並みを眺める様子が切なく描かれています。

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このほか漫画の中で中也をモデルにしたキャラクターが、かつての恋人と再会し、失恋の痛みがよみがえるシーンにあわせて、失恋をテーマにした中也の詩も紹介されています。
大分市から訪れた20代の女性は、「漫画の作者は詩をきちんと読んで、自分の感じたことを絵にする力がすごく、詩のたん美な世界観がよく表れている」と話していました。
この企画展は来月12日まで山口市の中原中也記念館で開かれています。

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主要登場人物についてのパネル展示もなされており、光太郎をモチーフとした「コタローくん」も。

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NHKさんの映像にもちらっと映っていました。

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新型コロナウィルスの影響で、文学館、美術館、博物館等の閉鎖も相次ぐ中、貴重な機会かと存じます。ただ、「ぜひ足をお運び下さい」と言えるか、というと、難しいところです。「そんなことを言って、もし新型肺炎に感染したら、お前が責任を取れるのか?」と言われたら、「取れません」と答えるしかありませんし……。


【折々のことば・光太郎】

すべて美しきものの鑑賞に時所の制限はある可からず。美は人心を高からしむ。
アンケート「取締を帝国美術院に――裸体美芸術の解放――」より
大正8年(1919) 光太郎37歳

「現代の日本人に裸体美芸術を公008開するの可否並に之に就ての御意見」という問いに対しての回答の一部です。

明治期には、ヌードを描いた作品等は「春画」扱いされて「特別室」に押し込められたり、一部を布で隠して公開されたりといったことが行われていましたが、大正半ばの時点でも、まだ「裸体美芸術を公開するの可否」が論争の種になっていたのですね。

ちなみに光太郎、回答の最後に「但し裸体芸術は排斥すべし」と述べています。

第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。ただし、現在、関係各方面と開催か中止か協議中です。ご意見のある方、コメント欄(非公開も可能です)よりお願いいたします。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

山口県の中原中也記念館さんで開催中の開館25周年記念展(文学表現の可能性 後期)「清家雪子展――『月に吠えらんねえ』の世界」等について、報道がなされ、光太郎にも触れられていますのでご紹介します。

まず、地方紙『中国新聞』さん。 

中也の詩、漫画と共により深く

中原中也たち日本近代の詩人の詩をモチーフにした漫画「月に吠(ほ)えらんねえ」を詩と共に紹介する企画展が山口市湯田温泉の中原中也記念館で開かれている。来年4月12日まで。 漫画の登場人物「チューヤ」(中也)や「朔」(萩原朔太郎)たち8人のモデルとなった人物の詩集や作品が載った雑誌など28点を展示。漫画のワンシーンや扉絵をパネルで紹介し、基になった詩との関連性を説明している。戦争と文学との関連もテーマの一つで、「コタロー」(高村光太郎)や「白」(北原白秋)の戦時中の愛国詩や苦悩なども解説する。  「月に吠えらんねえ」は「月刊アフタヌーン」で9月号で完結。(以下略)

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続いて、tysテレビ山口さんのローカルニュースから。「清家雪子展」以外に、『山羊の歌』に関してがメインですが、やはり光太郎にからみます。 

中也初の詩集「山羊の歌」

12月10日は85年前に山口市出身の詩人、中原中也の初めての詩集「山羊の歌」が出版された日です。ふるさとの記念館では中也の署名入りの初版本が期間限定で展示されています。中原中也の初めての詩集「山羊の歌」は1934年、12月10日に200部が出版されました。展示は中也が友人の高森文夫に宛てて署名を書き入れたもので、特に貴重とされています。装丁は詩人で彫刻家の高村光太郎によるものです。中也は出版直後に東京から山口に戻り、長男の文也に初めて対面したことを書き残しています。30年の短い人生で、最も充実した時期だったことがうかがえます。会場では中也をキャラクターにした漫画、「月に吠えらんねえ」を紹介する企画展も行われています。「山羊の歌」署名入り初版本は、今月15日まで山口市の中原中也記念館で展示されています。
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『山羊の歌』、装幀を手がけた光太郎宛の署名本もあったと考えられます。しかし、それがあったとしても、昭和20年(1945)4月の空襲で、駒込林町のアトリエもろとも灰になったのでしょう。もし何処かに残っているとしたら、誰かに貸すかしていて奇跡的に難を逃れた、というところですか。それもほとんどあり得ない確率ですが。そんなネタで短編小説が一本書けそうです(笑)。

さて、中原中也記念館さん、ぜひ足をお運び下さい。

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【折々のことば・光太郎】

秀抜な此の若さは果断である。進歩、弾力、将来性を語る。

散文「黄秀才の首」より
 昭和5年(1930) 光太郎48歳


「黄秀才」は黄瀛。光太郎と交流の深かった詩人です。中也にしてもそうですが、光太郎、若い世代の有望な詩人に対しては讃辞を惜しみませんでした。

右は光太郎の手になる黄瀛肖像彫刻。これもおそらく戦災で焼失してしまいました。

山口県から演劇公演の情報です。 

touch the bonnet 10th演劇LIVE 「れもん」

期  日 : 2019年3月9日(土) 10日(日)
会  場 : 菜香亭  山口市天花1-2-7
時  間 : 19:00~
料  金 : 前売 一般¥1,500 大学生¥1,200 高校生以下¥700  当日一律¥500増

作:平田俊子  演出:岩本伸也  出演:細田昌宏/平田珠凛

「れもん」は詩人、彫刻家として有名な高村光太郎と、その妻智恵子の半生を描いた作品。
芸術に携わる方ならきっと共感できる迷いや不安、まっすぐに向き合い続ける情熱とそれを維持する難しさ、そんな思いを沢山混ぜ込んで二人だけで表現する濃厚な作品です。
飛び交う言葉も美しく、高村光太郎の詩も数多く登場します。興味がある方は道程や智恵子抄といった詩集に目を通してから来ていただいても楽しめると思います。そして、その殆どの詩を世に出る前に聞いていた妻の智恵子。智恵子がその詩をどんな気持ちで聞いていたのか?是非皆様も一緒に見守って下さい。
ちなみに!れもんと言えば最近なら米津玄師さんのlemonを思い浮かべた方も多いのでは?米津さん自身もインタビューで高村光太郎の智恵子抄について言及しているようです。皆様は「れもん」から何を連想しますか?
3月9日、10日。高村光太郎と智恵子の一生をどうか見届けにきてください。

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「れもん」は、平成16年(2004)、下北沢のザ・スズナリさんおよび京都芸術センターさんで、柄本明さん、石田えりさんにより初演された2人芝居です。

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ちなみにたまたま偶然でしょうが、来月から再来月にかけ、各地で光太郎智恵子を主人公とした演劇の公演が開催されます。それぞれ追ってまたご紹介します。


【折々のことば・光太郎】

母は無学であつたから私をあやすにもただ祖先伝来の子守歌を繰返すほかに術はなかつた。だがあの「坊やはいい子だ、ねんねしな」の無限のリフレインの何と私の心身を快よくしてくれたことだらう。私は今でもその声の和らかさと軽く背中を叩かれる時の溶けるやうな安心さとを忘れない。

散文「揺籃の歌」より 昭和11年(1936) 光太郎54歳

シニカルな見方で、光太郎はかなりのマザコンだったのではないかと言われています。その根拠として使われる散文の一つから。

そして、その母の面影を智恵子にも求め、それがまた智恵子の重荷になったとも……。

第63回連翹忌(2019年4月2日(火))の参加者募集中です。詳細はこちら

昨日に引き続き、企画展情報です。 

驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ

期 日 : 2018年9月7日(金)~2018年10月21日(日) 
会 場 : 山口県立美術館  山口市亀山町3-1
時 間 : 午前9 時~午後5時
料 金 : 一般 1,300(1,100)円 / 学生 1,100(900)円 / シニア 1,100(900)円
         ※( )内は20名以上の団体 高校生以下無料
休 館 : 9月10日(月) 10月15日(月)

近年、明治工芸に対する注目度が飛躍的に高まっています。かつて、輸出品として海を渡った作品が、次々に里帰りを果たし、多くの人々がその魅力を再発見することとなったのです。
本展は、そのきっかけとなった「超絶技巧! 明治工芸の粋」展の続編。3年前に当館でも開催され、その「超絶」ぶりが大いに話題となった展覧会の第2弾です。前回と同様、今回も、七宝、金工、牙彫、木彫、漆工、刺繍絵画など幅広いジャンルから厳選された明治工芸の逸品をご紹介するのにくわえて、明治の「超絶技巧」を受け継ぎつつ新たな世界を築いている15人の現代作家による驚愕の現代アートも多数ご紹介いたします。
明治の工人たちの超人的センスと「わざ」の数々をお楽しみいただくとともに、失われて久しいと思われていたその「超絶技巧」が、時空を越えて現代に脈々と引き継がれている姿を、明治工芸と現代アートのコラボレーションでご堪能ください。

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関連イベント

「日本美術応援団 驚異の超絶技巧を応援する! in山口」
[出演]山下裕二(本展監修者、明治学院大学教授)
[日時]10月13日(土) 14:00〜15:30
[会場]山口県立山口図書館レクチャールーム    [定員]200名(先着順、要申込)
[聴講料]無料※「驚異の超絶技巧! 明治工芸から現代アートへ」展のチケットが必要です。
【申込方法】
超絶技巧展トークイベント参加希望」 とご記入の上、 ①参加希望者全員の氏名、②年齢、③住所、④電話番号を明記し、美術館ウェブサイトの申込フォーム、または往復はがきでお申し込みください。当館より、折り返しご連絡いたします。

「参加アーティストによるトークイベント」
アルミニウムという、明治工芸とは全く異なる素材を用いて新たな表現に挑戦する気鋭のアーティスト、高橋賢悟(1982〜)。超絶技巧のDNAを受け継ぐ現代作家を代表して、自作について、熱く語っていただきます。
[講師]高橋賢悟(金工)   [日時]9月30日(日) 14:00〜15:00
[会場]山口県立美術館講座室 [定員]80名(聴講無料、先着順)

学芸員によるギャラリートーク
[日時]9月15日、10月6日、13日 (いずれも土曜日) 10:00〜(30分程度、申込不要)




昨秋、日本橋の三井記念美術館さんで開催され、今年に入って岐阜県現代陶芸美術館さんを巡回し、三館めの開催となります。ちなみに11月から富山県水墨美術館さん、来春、大阪あべのハルカス美術館さんも巡回予定です。

問い合わせたところ、三井さん同様、光太郎の父・光雲作の「布袋像」が出るそうです。

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その他、七宝、金工、牙彫、漆工、刺繍絵画など、様々なジャンルの「超絶技巧」作品が並びます。

ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

詩は意味ばかりのものではなく、その全体に漲る一つの名状しがたい気魄のやうなものこそ其の核心を成すのである。一語づつの意味を拾つて唯思念しただけでは詩は多く解しにくい。言葉の森林のやうな厚みの奥から湧き出して来るものをまづ感ぜねばならぬ。一つの詩篇を包むコロナのやうなもの、又それから発する電磁気のやうなもの、又は工作機械の抵抗から起る低いうなりのやうなものの中に詩は息づいてゐる。

散文「雑誌『新女苑』応募詩選評」より 昭和15年(1940) 光太郎58歳

何気に、しかし、秀逸な比喩ですね。

東京ステーションギャラリーさん、和歌山県立近代美術館さんと巡回した展覧会が、最終会場、山口県で開かれます。

動き出す!絵画 ペール北山の夢  モネ、ゴッホ、ピカソらと大正の若き洋画家たち

期 日 : 2017年1月28日(土)~3月12日(日)
会 場 : 下関市立美術館 山口県下関市長府黒門東町1-1
時 間 : 午前9時30分~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
料 金 : 一般1,200円(960円)/大学生900円(720円)
      ※( )内は、20名以上の団体料金。
休館日 : 月曜日

大正期の美術界に功績を残した北山清太郎(1888-1945)の仕事を追いながら、彼が紹介した印象派からポスト印象派、キュビスムまでのヨーロッパ絵画、それらに感化されて新しい表現を展開した近代日本の芸術家たちによる作品を同時に展示する。 絵画、彫刻、資料およそ200点で、今から約100年前の美術「熱」をお伝えする。 (会期中に一部展示替あり)

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関連催事

記念講演会「身振りとマティエール――日本における表現的絵画の台頭」
 講師:北澤 憲昭(美術史家・美術評論家・女子美術大学教授)
 日時:2 月18 日(土)午後2時~午後3時30分  会場:下関市立美術館 講堂

美術講座「魅力発見!近代洋画っておもしろい」
 学芸員が日本近代洋画についてわかりやすく語ります。
 日時:3月5日(日)午後2時~午後3時30分  会場:下関市立美術館 講堂

ギャラリートーク(学芸員による展示解説)
 日時:1月28日(土)、3月4日(土)それぞれ午後2時~午後3時
 ※ ご参加には当日の観覧受付が必要です。
 会場:下関市立美術館 展示室

ワークショップ「みんなでアニメ・リレー」
 絵を描き継いで、紙アニメーション(パラパラまんが)をつくりましょう!
 ※ 開館時間中、ご自由にご参加いただけます。
 会場:下関市立美術館 エントランスホール、展示ホール、講堂いずれか


明治末から大正にかけ、青年画家達の活動を裏方から支えて洋画界の発展に寄与し、ゴッホらを支援したペール・タンギーになぞらえ、ペール北山と呼ばれてた北山清太郎に着目した企画展です。光太郎の油絵2点、「上高地風景」「佐藤春夫像」が出ます。

その他、光太郎と交流のあったさまざまな邦人芸術家の作品(絵画を中心に、彫刻、工芸も)、光太郎を含め彼等に影響を与えたモネ、ゴッホ等の作品がずらりとならび、さながら明治大正の反アカデミズム洋画壇史といった趣です。

絵画以外に、北山が編集に当たり、光太郎も寄稿していたさまざまな美術雑誌が展示されます。『現代の洋画』、『ヒユウザン』(のち『フユウザン』)、『生活』、『多津美』など。ヒユウザン会展のポスターなども。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

わがこころはいま大風(おほかぜ)の如く君に向へり

詩「郊外の人に」より 大正元年(1912) 光太郎30歳

この詩句が、詩の中で二回リフレインされています。

思いがけず智恵子と過ごすことになった、この年晩夏の千葉犬吠埼での体験を経て、秋には上記のヒユウザン会展。そしてこの詩は晩秋になって書かれました。

ヒユウザン会展では、光太郎の油絵が寺田寅彦に買い上げられ、展覧会で絵が売れるということの少なかったこの時代、光太郎は仲間に胴上げされて祝福を受けたといいます。

そうした高揚感が、智恵子への思いをさらに加速させていったのではないのでしょうか。

山口県から企画展情報です。

昨年4月から7月に、東京日本橋の三井記念美術館さんで開催された企画展で、その後、10月から12月に静岡の佐野美術館さんを経て、三館めの巡回になります。さらに6月から富山県水墨美術館さんに廻るそうです。

※ 2015/5/2 追記 富山県水墨美術館さんの前に、郡山市立美術館さんが入りました。

光雲の木彫2点「法師狸」、「西王母」が展示されます。 

特別展 超絶技巧!明治工芸の粋―これぞ、明治のクールジャパン!!

2015年2月21日(土)〜4月12日(日) 山口県立美術館 山口市亀山町3-1
[開館時間] 9:00〜17:00 (入館は16:30まで) [休館日] 月曜日(ただし3月2日、4月6日は開館)
[観覧料] 一般1200(1000)円/学生・シニア1000(800)円
◎コレクション展セット券〈当日券のみ〉 一般1300(1100)円/学生1100(900)円

※シニアは70歳以上の方、( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。※18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
※前売り券はローソンチケット(Lコード66380)、セブンチケットおよび県内各プレイガイドでお求めください。
[主催] 山口県立美術館、朝日新聞社、yab山口朝日放送 [協力] 清水三年坂美術館 [監修] 山下裕二(明治学院大学教授)
[企画協力] 広瀬麻美(浅野研究所) [特別協力] 山口県職業能力開発協会、エフエム山口
[協賛] 公益財団法人やまぐち産業振興財団、一般社団法人山口県発明協会

思わず息をのむ、細密さ。目を疑うような、リアリティ。
近年、メディアでも盛んに取り上げられ、注目を集めている明治の工芸。激動の時代に花開いた、精緻きわまりない超絶技巧の数々は、眩暈(めまい)がするような衝撃をもって私たちを魅了します。しかしその多くは当時輸出用として制作されたため、海外で高い評価を得てきた一方、日本国内において全貌を目にする機会はこれまでほとんどありませんでした。忘れられかけた明治工芸の魅力を伝えるべく、長年をかけて今や質・量ともに世界随一と評されるコレクションを築き上げたのが、村田理如(まさゆき)氏です。本展では、村田氏の収集による京都・清水三年坂(きよみずさんねんざか)美術館の所蔵品から厳選した、七宝(しっぽう)、金工、漆工、牙彫(げちょう)など、多彩なジャンルにわたる作品を一堂に公開します。160点以上にのぼる優品を通して、明治の匠たちが魂を込めた、精密で華麗な明治工芸の粋(すい)をお楽しみください。

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関連行事

入門講座 初めての明治工芸
本展の担当学芸員による入門講座。
作品にまつわる背景と見どころを交えながら、展覧会と明治工芸の魅力をご紹介します。
[日時]3月7日(土) 14:00〜15:00
[講師]岡本麻美(山口県立美術館 専門学芸員)
[会場]山口県立美術館 講座室
[定員]80名(当日先着順)、聴講無料

トークイベント「日本美術応援団 明治工芸を応援する! in 山口」
「日本美術応援団」団長を務める本展監修者・山下先生と、NHK『日曜美術館』の司会者としてもおなじみの新・応援団員、井浦新氏。
一昨年の「五百羅漢図展」に引き続き、日本美術を応援する二人が明治工芸の魅力をあつく語ります。
[ゲスト]井浦 新氏(俳優、クリエーター)、山下裕二氏(本展監修者、明治学院大学教授)
[日時]3月21日(土・祝) 14:00〜15:30 
[会場]山口県教育会館 大ホール 
[定員]300名(先着順・要事前申込) 
[料金]トークイベントのみ:500円 
◎セット料金(トークイベント+展覧会観覧券):一般1500円/学生・シニア1300円
※18歳以下および高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
【お申し込み】「明治工芸展トークイベント参加希望」として、
①代表者氏名 ②年齢 ③住所 ④電話番号 ⑤参加人数を明記の上、下記の申込フォームより、もしくは往復はがきにて、美術館までお申し込みください。当館より折り返しご連絡いたします。


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お近くの方、ぜひ足をお運び下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 2月4日

昭和22年(1947)の今日、明治末の新詩社時代からの親友だった作家、水野葉舟死去の報に接しました。

当日の日記から。

郵便物の中に電報あり。水野葉舟死去と見ゆ。(ヨウシウシス」シキ五ヒヒミヅノ)とあり電文脱字あれど死去確かなり。驚く外なし。肺か癌か。ゆきたけれど今はゆきがたし。

葉舟の死は2月2日。死因は肋膜炎でした。

中国地方からもニュースが入っています。 

宇部ときわ公園で「風を感じる」彫刻展-扇風機で作品動く演出も

 ときわ公園内のときわミュージアム分館(湖水ホール内、宇部市沖宇部)で現在、彫刻展「風を感じる あれ?彫刻が動いた展」が開催されている。

 「風を感じる」をテーマに3月30日に始まった同展は、これまでに彫刻展「UBEビエンナーレ」に出品した彫刻家の大隅秀夫さんや村中保彦さん、大井秀規さんの作品のほか宇部市が所蔵する彫刻など約30点を展示する季節に合わせた企画展。館内には扇風機を設置し、風を受けて回ったりゆらゆらと揺れたりする彫刻や自動で動く作品なども並ぶ。

 石に鉄やチタンなどの金属を組み合わせた大隅秀雄さんの作品と、壁や床までいっぱいに展示する村中さんの作品は、風に揺れる様子が楽しむことができ、大井さんの作品は石彫刻を鑑賞し、風を感じることができるという。 

 
宇部市の所蔵作品では、久保田后子市長が「大好き」(同ミュージアム学芸員の三浦梨絵さん)だという荻原守衛の「女」や高村光太郎の「手」など代表作品を中心に展示する。

 三浦さんは「作品を見ていると、彫刻は私たちに話しかけてくることが分かる。今回は、難しく作品を解釈するというよりも日常とは違う世界に入ったような気持ちになってもらえる。同園へのピクニックついでに寄ってもらい、レジャー気分を高めてもらえれば」とも。

 関連企画として、5月4日にはワークショップ「風と遊ぶ彫刻 ゆらゆらカラフルモビール」を実施。村中さんを講師に、アルミ板などを使い動く彫刻を制作する。参加には事前の申し込みが必要。参加費は600円。4月26日締め切り。

 開館時間は10時~16時。入場無料。4月26日までと5月7日~6月14日の平日は随時入館を受け付ける。問い合わせはときわミュージアム(TEL 0836-37-2888)まで。6月16日まで。
 
山口県宇部市は、「緑と花と彫刻のまち」を標榜、同市所蔵の野外彫刻作品は国内屈指のコレクションということです。野外彫刻以外にも、光太郎や碌山、それに続く近・現代の彫刻家群の作品を豊富に所蔵しています。
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こういう町おこしの方法もあるんですね。

【今日は何の日・光太郎】4月27日

大正8年(1919)の今日、岐阜県恵那郡岩村町で、光雲の代作として光太郎が作った「浅見与一右衛門銅像」が除幕されました。

 
この像は戦時中に金属供出のために失われ、現存しませんが、当時の台座と、昭和60年(1985)に地元出身の彫刻家が新たに作った浅見翁の銅像を現在も見ることができます。


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