ビバ! 合唱 合唱で聴く詩人の世界(13)~高村光太郎の世界
NHK FM 2022年9月24日(土) 午前6時00分~ 午前6時55分(管弦楽)ザ・オペラ・バンド (指揮)佐藤正浩
出演 戸崎文葉(合唱指揮者) 鷹羽弘晃(作曲家)
合唱の専門番組です。特定の国にスポットを当てた回(先週のオンエアは「合唱の旅~チェコ」)、一人の作曲家の作品を紹介したり(先々週が「モーツァルト~若き日の合唱曲(2)」)しています。また、唱歌の合唱版や、定番合唱曲の特集の回もありました。そんな中で、「合唱で聴く詩人の世界」。作詞、というか詩人の詩に曲を付けた合唱曲ということで、毎回一人の詩人を取り上げています。直近は大手拓次、その前が高田敏子、萩原朔太郎の回もあったようです。
そして次回が光太郎。ありがたし。

ラインナップとしては、まず、故・清水脩氏作曲の「或る夜のこころ」。男声合唱で、東京リーダーターフェルさんの演奏。慶應義塾大学ワグネルソサエティー男声合唱団さんの依嘱で、昭和40年(1965)6月の東京六大学合唱連盟の演奏会において初演されました。東芝EMIさんからリリースされたCD「合唱名曲コレクション21(男声合唱) 月光とピエロ」に収められています。清水氏はこの他、独唱歌曲、混声合唱、さらに箏曲でも光太郎詩に曲を付けられました。特に「智恵子抄巻末のうた六首」が有名です。


4曲目、5曲目は、三好真亜沙さん作曲「女声合唱とピアノのための冬が来た」から、 第2曲「冬が来た」、第4曲「冬の奴」。平成26年(2014)の初演「The Premiere Vol.3 〜夏のオール新作初演コンサート〜」を、当方、紀尾井ホールで拝聴して参りました。第4曲「冬の奴」は、やはり全日本合唱コンクールで演奏されたこともあります。東京の豊島岡女子学園高等学校コーラス部さん。みごとに銀賞に輝きました。今回の放送は、初演の際のライブ録音をCD化したものから。楽譜はカワイ出版さんから出ています。
最後に「「愛のうた-光太郎・智恵子-男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」から 第4曲「レモン哀歌」、第5曲「元素智恵子」」。新実徳英氏の作曲で、合唱は慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団さん。管弦楽がザ・オペラ・バンドさん(指揮・佐藤正浩氏)。今年初演されたばかりの新作です。やはり初演の際のライブ録音が放送されるようです。楽譜、DVDが出ています。

【折々のことば・光太郎】
午前安倍能成氏くる、岩波の胸像のこと、
「岩波」は岩波書店の創業者・岩波茂雄。昭和21年(1946)に歿しました。生前は光太郎と関わりが深く、その胸像制作を光太郎に依頼するプロジェクトがあり、光太郎も乗り気だったのですが、いかんせん健康状態がそれを許しませんでした。もし実現していたら、文化人の胸像として日本を代表する作品となっていたはずで、残念です。
胸像といえば、つい最近、何やらとんでもない人物の胸像制作プロジェクトが進んでいると、嘆かわしい報道がなされていますが(笑)。