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福島から現代アートの展覧会情報です。
会  期 : 2015年9月18日(金)~9月22日(火)
会  場 : ワタナベ時計店 3F 「ナオ ナカムラ」 福島県いわき市平字二丁目33-1
開場時間 : 10:00~19:00(会期中無休)
入  場  料 : 無料

 この度、9月18日から22日までの5日間、福島県いわき市のワタナベ時計店3Fにあります「ナオナカムラ」では、毒山凡太朗、 キュンチョメによる展覧会「今日も きこえる」を開催いたします。
これまで東京都をメインに活動してきた常磐出身の両作家が”この地の空と狂気とウソ”をテーマに、毒山の故郷である福島 県で初めて開催する展覧会です。
また、2012年よりスタートしたナオナカムラにとっても福島県で今展を開催することは初めての試みとなります。
毒山凡太朗、キュンチョメによる展覧会「今日も きこえる」をこの機会にどうぞご覧ください。
福島県出身の毒山凡太朗と茨城県出身のキュンチョメ、常磐出身の両作家 がリサーチを重ねて作り上げた本展は”この地の空と狂気とウソ”がテーマとな っています。
 あの日から約5年の月日が流れました。未だ多くの街がバリケードで塞がれ、 海はコンクリートで埋めたてられ、この地、いわきでは水平線すらまともに見るこ とができなくなりました。そんな中作家たちは、何にも束縛されることのない福 島の空と、この空を愛した女性、高村智恵子に注目していきます。智恵子は福 島県に生まれ育った画家ですが、晩年は精神が薄弱して狂人とみなされてい きます。それでもなお彼女が最も愛したものは、故郷の福島の空でした。夫で ある高村光太郎が綴った詩に“智恵子はα次元”と記されているように、彼女は 全く別次元の存在へと自分自身を落とし込み、周りが騒ぎ立てる音を一切遮 断して福島の空のみを愛し続けます。
 今日、わたしたちはどんなに遮断しても様々な雑音を受動的に耳にしてしまい ます。けれども、きこえてしまうがゆえに出来てしまうものがあります。それは智 恵子が語った本当の空のような絵空事にみえるかもしれません。「だけど、未 来を語るにはウソにこそ意味がある。ウソだけが二度目の明日を作ることがで きる」と作家たちは言います。
 有象無象の言葉があふれる福島の空の下、作家たちの思いに耳を澄ませて いただければ幸いです。
毒山凡太朗、キュンチョメよる展覧会「今日も きこえる」をこの機会にどうぞご 覧ください。
ディレクター 中村奈央

 常に磐石なる地と書いて常磐。福島から茨城に渡るこの常磐という呼称は永久不滅という意味が込められている。今となっては悪い冗談みたいな名称だけれど、5年前までは自分たちはとても安全な場所に住んでいると皆が本気で信じていたのだ。今や常磐道を北上し故郷に帰り着くたびに吐き気を覚える。土建ゴロが闊歩し、海はコンクリートで埋めたてられ、避難してきた県民とは生活ゴミの捨て方で揉めて、人々は酒のつまみに悪いうわさ話で盛り上がる。我が家の父は錯乱し家の窓も雨戸も一切開けず、外出するときは未だにマスクを手放さない。元気なのは犬と性風俗産業と放射能だけだ。なにが故郷だ。二度と戻らねえよ。かくして俺は故郷を捨てた。東京の街では福島出身だと言うだけで「大丈夫?」と声をかけられるけど、大丈夫なわけねーじゃねぇか、だから東京にいるんだよと、声を荒げたくなることもある。どこもかしこも、うっせーよ。そんなどうしようもない故郷に帰る事にしたのは、一人の気の狂れた女に導かれたからだった。故郷の有名人、高村智恵子。福島の空だけが本当の空だと言い続けて精神が薄弱して死んでいったあわれな女。そんな智恵子の言葉が福島県安達太良山のてっぺんにかかげられている。「この上の空が本当の空です」
確かに、この空だけは5年前とも変わらないし、千年後だって変わらないだろう。地上のクソみたいな出来事とは関係なく、ここにはほんとうに本当の空があるのかもしれない。
一番信じられない場所で、二度目の明日を見つけよう。このどうしようもない故郷へ、愛を込めて。
毒山凡太朗+キュンチョメ


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毒山凡太朗さん、キュンチョメさん(こちらはユニットだそうですが)、ともに現代アートの作家さんです。東日本大震災、そして智恵子からのインスパイアなのでしょう。上記プレスリリース等を読んでもちょっとイメージが湧きにくいのですが。

来週末、昨日ご紹介したカナリア映画祭に行ってまいります。いわき市は当方自宅兼事務所からの経由地になりますので、こちらにも足を運んでみるつもりです。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 9月5日

昭和32年(1957)の今日、筑摩書房から『智恵子紙絵』が刊行されました。

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心を病んだ智恵子が、南品川ゼームス坂病院で制作した紙絵を集めた画集で、この手のものの嚆矢です。

その後、昭和40年(1965)には社会思想社から『智恵子の紙絵』、同54年(1979)には再び筑摩書房で『智恵子紙絵』、同63年には西武アート・フォーラムさんの『智恵子紙絵展』図録、平成に入ると8年(1996)、芳賀書店より『智恵子紙絵の美術館』、翌年には二玄社『智恵子その愛と美』などの画集が刊行されました。見比べてみると、日本の印刷技術発展史が表れているように感じます。

ノエビア銀座ギャラリーさんから開催案内の葉書を戴きました。今週から始まっている展覧会です。
 期 : 2015 年8 月24 日(月)~10 月30 日(金) 入場無料
 間 : 午前10 時~午後6 時 (土・日・祝日は午後5 時まで)
 場 : ノエビア銀座ギャラリー(ノエビア銀座本社ビル1F 中央区銀座7-6-15)
 催 : 株式会社ノエビア
お問合せ : 0120-401-001(月~金/9:00~18:00 土・日・祝日除く)

独自の作品世界を持つ銅版画家、山本容子。
1995 年より、 「本の話」(文藝春秋)の表紙画として、毎月、アーティストの肖像画を描きました。本展では、17 年にわたり描かれた191 名の銅版画のポートレイトから、日本人アーティストを選んで展示いたします。作品にある“EX-LIBRIS”とは蔵書票を意味し、ひとりひとりが蔵書票のスタイルで描かれています。持ち主の印として蔵書に貼られる蔵書票には、古くは紋章や肖像画をあしらった図案が用いられました。山本が大切に考えたという「作家の人物としての空気感」を感じていただけます。

山本容子 (やまもと ようこ)・銅版画家 1952 年-埼玉県生まれ京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。都会的で軽快洒脱な色彩で、独自の銅版画の世界を確立。絵画に音楽や詩を融合させるジャンルを超えたコラボレーションを展開。数多くの書籍の装幀、挿画なども手がける。近年では、医療現場における壁画制作、ホスピタルアート壁画を制作し、幅広い分野で精力的に創作活動を展開している。近著に『山本容子のアーティスト図鑑100 と19 のポートレイト』(文藝春秋)、『Art in Hospital スウェーデンを旅して』(講談社)がある。


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銅版画家の山本容子さん。古今の著名人の肖像を多く手がけられており、雑誌『婦人公論』の表紙絵を集めた『女・女』(平成16年=2004 中央公論社 絶版)、そして一昨年には雑誌『本の話』の表紙絵集『山本容子のアーティスト図鑑 100と19のポートレイト』(文藝春秋社)などには、智恵子の肖像も採用されています。

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今回は『山本容子のアーティスト図鑑 100と19のポートレイト』の原画のうち、智恵子を含む日本人アーティストを描いたものが展示されているそうですが、点数はよくわかりません。近々観に行って、レポートします。

皆様もぜひ足をお運び下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 8月29日

昭和29年(1954)の今日、終焉の地、中野アトリエ近くに落雷があり、しばらく停電しました。

当方の子供の頃、停電などはしょっちゅうでした。最近はめったなことでは起こらなくなりましたね。

愛媛松山からの情報です。  

現代作家人形展 ARTISTIC DOLLS EXHIBITION 2015

会 期 : 2015年1月8日(木)~1月18日(日) 水-定休
時 間 : 午前11:00~午後7:00
会 場 : ギャラリー リブ・アート 愛媛県松山市湊町4丁目12-9メゾンM2ビル3F
 
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2015年新春を寿ぐ恒例の<現代作家人形展>今年も好評開催中です。今回は、愛媛県内から5人、同じく県外から5人の作家さんをお迎えしいつもよりさらに賑やかでエネルギーあふれる展示になっています。みなさま、是非ともお見逃しなく。
 
 
人形作家・高橋満利子さんの作品で、「智恵子抄」が展示されているそうです。
 
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背景の「レモン哀歌」「千鳥と遊ぶ智恵子」のパネルは、御主人で書家の高橋正治さんによるものだそうです。
 
音楽、演劇、アート……いろいろな分野の方が、光太郎智恵子の世界からインスパイアされた作品を発表されています。ありがたいかぎりです。
 
拝見したいところですが、四国はやはり遠いので、残念ですが行けません。近隣の方はぜひどうぞ。
 
 
【今日は何の日・光太郎 拾遺】 1月14日000
 
昭和25年(1950)の今日、花巻郊外太田村の山小屋で、詩人の伊藤信吉に宛てて葉書を書きました。
 
一月四日付のおてがみ届きました。 丁度新潮社からもてがみが来ましたが、それには小生の通知への返事はなく、編集者に神保光太郎氏、尾崎喜八氏は如何ですかと問合せてきました。よつて、両氏はあまり近すぎてどうかと思ふといふ旨と、小生の前便通り、貴下にお願ひしては如何といふ事を申送りました。 今年は相当の寒さで〇下二十度位になります。雪がきれいです。
 
新潮社云々は、この年、秋に刊行された新潮文庫版『高村光太郎詩集』に関わります。65年経ちますが、まだ版を重ねています。絶版にはしないでほしいものです。
 
伊藤はこの後、昭和28年(1953)に、同じ新潮社の「世界名詩選集」の一冊、『高村光太郎詩集』の編集にもたずさわりました。

今週初めに行って参りました。 

ヨコハマトリエンナーレ2014

展覧会タイトル 「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」
期 日 : 2014.8.1[金]-11.3[月・祝] 開場日数:89日間
会 場 : 横浜美術館新港ピア(新港ふ頭展示施設)
時 間 : 10:00-18:00 ※入場は閉場の30分前まで
料 金 : 一般・高校生500円、中学生300円、小学生以下無料。
休 日 : 月曜、火曜

主催
 横浜市 (公財)横浜市芸術文化振興財団  NHK 朝日新聞社 横浜トリエンナーレ組織委員会
支援
 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業) 文化庁(国際芸術フェスティバル支援事業)
 特別協力独立行政法人国際交流基金
後援
 外務省、神奈川県、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)、スペイン大使館、
 駐日韓国大使館韓国文化院、中華人民共和国駐日本国大使館、Goethe-Institut Tokyo、
 東京ドイツ文化センター、ベルギー王国大使館
認定 公益社団法人企業メセナ協議会
 

 
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横浜市で、3年に1度開かれる、基本、現代アートの展覧会です。今年の開場は、みなとみらい地区の横浜美術館と、埠頭展示施設の新港ピアです。

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基本、現代アートですのでこういう感じです。
 
メイン開場二つのうち、横浜美術館の一角に、「大谷芳久コレクション」という展示がなされています。
 
以下、公式サイトから。
 
現代美術画廊「かんらん舎」のオーナー・大谷芳久が、1995年にドイツで見たジョージ・グロスの個展を機に、太平洋戦争期の日本の芸術家の表現活動を調べるべく収集した書籍コレクションの一部を展示。戦中に出版された詩文の多くは戦争や軍への讃歌であり、ベストセラーとなったが、戦後はその多くが消えることとなった。
 
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光太郎の詩集『大いなる日に』(昭和17年=1942)、『記録』(同19年=1944)を含む、戦時下の文芸書、17点が展示されています。
 
『大いなる日に』『記録』以外は以下の通り。
 
三好達治 『捷報いたる』(同17年=1942) 『寒析』(同18年=1943)
草野心平 『大白道』 (同19年=1944)
伊東静雄  『春のいそぎ』(同18年=1943)
北原白秋  『大東亜戦争小国民詩集』(同18年=1943)
佐藤春夫 『東天紅』(同13年=1938) 『日本頌歌』(同17年=1942)  『大東亜戦争』(同18年=1943)
野口米次郎  『伝統について』(同18年=1943) 『宣戦布告』(同18年=1943)
中勘助  『詩集百城を落す』(同14年=1939)
西条八十 『銃後』(同18年=1943)
日本文学報国会編 『辻詩集』(同18年=1943) 『辻小説集』(同)
大政翼賛会文化部編 『軍神につづけ』(同18年=1943)
 
最後の『軍神につづけ』は、多数の詩人によるアンソロジーで、光太郎の詩「みなもとに帰るもの」も載っています。

さらに、光太郎とも交流のあった画家・松本竣介が、疎開先の妻と四歳の息子にあてた、終戦前後の書簡三通も展示されています。
 
で、この展示がいったい何を目指しているのか、ということになりますと、トリエンナーレ全体のタイトル、「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」につながるわけです。
 
以下、やはり公式サイトから。
 
ヨコハマトリエンナーレ2014がめざすのは
芸術的冒険の可能性を信じるすべての人々
そして、大胆な世界認識を持ちたいと望む
 すべての人々と共に
「芸術」という名の舟に乗り込み
「忘却」という名の大海へと
冒険の旅に出ることである

「華氏451の芸術」というタイトルは、言うまでもなく、レイ・ブラッドベリ作のSF小説『華氏451度』に由来している。いわゆる焚書がテーマの小説で、本を読むことも持つことも禁じられた近未来社会が舞台となっている。
1953年作とは思えないくらい、現代社会を予見していて見事だが、それ以上に興味深いのは、これが「忘却」の重みについてあらためて考えさせられる小説だという点である。
 物語の後半、「本になる人々」の集団というものが登場する。一人ひとりが一冊ずつ本を選び、それをまるごと記憶しようとする。つまり焚書へのレジスタンス(抵抗)として、本という物質を記憶という非物質に置き換え、本の精神のみを隠し持とうと試みる。
 「本になる人々」は本を禁止する社会からの亡命者達であり、また上述のように本を非物質な記憶に置き換えようとしているため、その存在と行為の両側面において、現実社会の表舞台には決して現れることのない、不在の人々となる(=生きている痕跡をこの世から消滅させた「忘却の人々」たらざるをえなくなる)。ところがこの「忘却の人々」にこそ、膨大な本の記憶がたまり込んでいるというのが、ブラッドベリの小説がもたらす、「忘却」に関する重い教訓なのである。

「忘却」とは、記憶されざる記憶がたまりこんだ、ブラックホールとしての記憶のことである。
 
ここに展示された書籍は、それぞれの作家の「汚点」「黒歴史」ともいえるものです。光太郎自身も戦後になってこれらの戦争協力の作品を「変な方角の詩」と言っています。作家によっては、戦後に刊行された全集には収録せず、無かったことにしてしまっている場合もあります。
 
いわば、戦後の「焚書」によって忘れ去られつつあるものです。
 
しかし、その「忘却」には危険が伴います。光太郎のしたような真摯な反省までも忘却の彼方へ押しやられると、「歴史は繰り返す」に成りかねません。
 
これはそういう点への警鐘の意味での展示です。キャプションにも、その辺りがよく表現されていました。書籍のキャプションには「美しい言葉の羅列がもつ魔力」、松本の書簡には「無差別に人を殺傷する近代戦争の無慈悲さへの衝撃」「息子が生きる未来を案じる」などなど(うろおぼえですが)。
 
現実に、ことさらに光太郎の戦時の作品を賛美し、戦前戦時を髣髴とさせるおぞましいヘイトスピーチ的な言説がまかり通っています。そういう幼稚なネトウヨは、この展示を見て、「素晴らしい! これぞ大和魂だ!」とかいうトンチンカンな感想を持つのかも知れませんね(笑)。
 
今年の連翹忌のご案内に載せさせていただいた、北川太一先生のご挨拶の中の「歴史がもういちど反転しそうな今こそ、その命の軌跡をかえりみ、繰り返し語り合い、語りつぐひと時を、思いを同じくするみなさんと一緒に過ごしたいと存じます。」という一節が、ほんとうに心に染みる今日この頃です。

【今日は何の日・光太郎 補遺】 8月30日
 
昭和23年(1948)の今日、花巻郊外太田村の山小屋に、村の青年が蓄音機とレコードを持ってきてくれました。
 
当日の日記の一節です。
 
夜になつてから佐藤弘さん、大三さんが蓄音機の箱とレコードとを持参。五六枚きかしてくれる。バツハのコンチエルトあり。すばらしさに魂を奪はれる思す。
 
当方、今日は四ツ谷の紀尾井ホールにて、The Premiere Vol.3 〜夏のオール新作初演コンサート〜を聞いて参ります。「すばらしさに魂を奪はれる思」をしたいものです。

今日から1泊2日で、青森は十和田湖に行って参ります。
 
過日のこのブログでご紹介しました、十和田湖湖水祭りに行きます。さらに、通称「乙女の像」建立60年を経たということで、記念誌などが刊行されることが本決まりになりました。一部、執筆を頼まれておりまして、その打ち合わせも兼ねての十和田行きとなります。
 
それに先だって、十和田市の担当の方と、メールでやりとりしている中で、今週月曜日の地元紙『東奥日報』さんの記事を画像データで送っていただきました。

『看板アート』街彩る 美術家・中崎さん制作 あす公開  中央商店街 市民の思い描いた30枚

 かつては衣料品店が軒を並べ、にぎわいを見せていた十和田市稲生町の「中央商店街」に美術家・中崎透さん(37)の作品「看板屋なかざき」がお目見えした。レトロなアーケード街に、市民らの思いを描いた看板アートが並ぶ。一般公開は15日から9月23日まで。時間は午前10時から午後6時まで。
 
 作品展示は十和田市現代美術館で開催中の特別展「そらいろユートピア展」のプロジェクトの一つ。個人や団体、企業、商店などが中崎さんに対して“広告主”となり、それぞれのキャッチコピーや看板に盛り込んでほしい情報を伝え、作品となった。
 
 並んだ看板は30枚。白地のプラスチックの板に赤や緑、青など原色のシートを切り絵のように貼り付けた。材木などを組み合わせた土台を作り、内側から蛍光灯で看板を照らす。
 
 中崎さんは「こういうのをやりたいイメージはあった。(アーケードの雰囲気が)教会っぽくて、神々しい感じも。でも、わい雑としている。いろいろな見方をしてもらえれば」と話した。
 
 青森公立大学国際芸術センター青森の学芸員、服部浩之さん(35)は、「10年来、中崎さんの作品を見ているが、立体的に展開された作品は初めて。正面から見た雰囲気が壮観。アーケードの静かで、ちょっと暗い感じも面白い」と評した。
 
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「30枚の看板」の中の1枚に、通称「乙女の像」も描かれています。
 
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こちらの「看板アート」、現物を見て参ります。スナックの看板のようですが、そういう感じをねらっている部分もあるのだと思います。アートは奥深い……。
 
さらに、青森まではなかなか行けませんので、この機会に青森市まで足を伸ばし、青森県立図書館で、地元の光太郎関連文献を渉猟して参ります。
 
詳しくは、のちほど。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 7月19日
 
昭和27年(1952)の今日、花巻郊外太田村の山小屋で、ヘルシンキオリンピック開会式のラジオ実況放送を聴きました。
 
日本選手は、レスリングフリースタイルバンタム級の石井庄八選手の金メダルをはじめ、競泳、体操、レスリングで銀6,銅1のメダルを獲得しました。レスリングは、現在も日本のお家芸の一つですが、その裏には、敗戦後のGHQによる武道禁止の措置があります。柔道から流れていった選手が活躍したのです。

いわゆる「オマージュ」。
 
光太郎・智恵子の世界も、さまざまな表現者の方が、それぞれの世界で表現してくださっています。ありがたいことです。
 
昨日は東京・千駄木のカフェギャラリー幻さんに行って参りました。こちらでは一昨日から「谷根千文芸オマージュ展 文学さんぽ」が開催されています。
 
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カフェギャラリー幻さんは、千駄木二丁目、不忍通りから谷中方面に一本入った路地にある貸しギャラリー兼カフェで、「文化系喫茶店」と標榜しています。その語感といい、たたずまいといい、いわゆる谷根千の雰囲気に非常にマッチしていました。

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ちなみに不忍通りを反対側の白山方面に入っていくと、高村光太郎記念会事務局兼・北川太一先生のご自宅ですので、この界隈はよく行くのですが、こういうスペースがあるとは存じませんでした。
 
路地裏ですのでそうと知らなければまったくわからないような所ですが、それだけに表通りの喧噪から遮断された一種のエアポケットのような空間でした。
 
中に入ると、適度の広さのスペースに、出品作が並んでいました。
 
胡子 × 夢野久作 『ドグラ・マグラ』006
     胡子 / Coco(写真)
さつかわゆん × 江戸川乱歩 『人間椅子』
    さつかわゆん / Satsukawa Yun(絵画)
皇流那 × 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』
   皇流那 / Sumeragi Runa(絵画)
高橋まや × 森鴎外 『舞姫』
   高橋まや / Takahashi Maya(絵画)
田島綾 × 内田百閒 『冥途』
   田島綾 / Tajima Aya(写真)
東マユミ × 夏目漱石 『虞美人草』
   東マユミ / Higashi Mayumi(銅版画)
連使 × 幸田露伴 『ねじくり博士』
   連使 / Renshi(立体造形)
 
そして光太郎・智恵子がらみで、
 
emi ogura × 高村光太郎 『智恵子抄』
   emi ogura / エミ オグラ(絵画・写真)
虚狐風雅 × 谷根千の文人たち
   虚狐風雅 / Kogitune Fooga(絵画)
 
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いい感じでした。
 
その後、こちらのオーナーで、イラストレーターもされているという小林義和氏とお話をさせていただき、御好意で4月2日の連翹忌の案内を置かせていただけることになりました。ありがたいことです。
 
会期は3/9(日)まで。ぜひ足をお運びください。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 3月2日

昭和53年(1978)の今日、日本橋高島屋において「花巻山居七年 高村光太郎展」が開幕しました。

1/4のこのブログでご紹介しました「谷根千文芸オマージュ展 文学さんぽ」が開催されます。
展示:2月28日(金)~3月9日(日)
文学さんぽツアー:2日(日)、8日(土)
営 業 15:00~22:00
休廊日 4日(火)・5日(水)
観覧料 無料
作 家 emi ogura 虚狐風雅 胡子 さつかわゆん 皇流那 高橋まや 田島綾
    東マユミ 連使
企 画 カフェギャラリー幻    笠原小百合(WEB文芸誌「窓辺」編集長)
 

谷根千ゆかりの文芸作品へのトリビュート美術展

カフェギャラリー幻のある谷中・根津・千駄木(略して谷根千)界隈は、夏目漱石・森鴎外・江戸川乱歩・川端康成など、多くの文人の旧居・旧跡がある「文豪に愛された町」です。そこで、谷根千にゆかりある文人・文芸作品をモチーフとした美術展を行います。

東京国際文芸フェス正式参加

本展は「東京国際文芸フェスティバル2014」のサテライト企画です。東京が本と文芸に染まるこの10日間、ぜひあなたも本とアートと地域について考えてみませんか?
 
以下の皆さんの作品で、光太郎が取り上げられるようです。 
 
emi ogura × 高村光太郎 『智恵子抄』 emi ogura / エミ オグラ(絵画・写真)
 
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虚狐風雅 × 谷根千の文人たち  虚狐風雅 / Kogitune Fooga(絵画)
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他の出品は以下の通り。
 
胡子 × 夢野久作 『ドグラ・マグラ』     胡子 / Coco(写真)
さつかわゆん × 江戸川乱歩 『人間椅子』    さつかわゆん / Satsukawa Yun(絵画)
皇流那 × 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』    皇流那 / Sumeragi Runa(絵画)
高橋まや × 森鴎外 『舞姫』    高橋まや / Takahashi Maya(絵画)
田島綾 × 内田百閒 『冥途』    田島綾 / Tajima Aya(写真)
東マユミ × 夏目漱石 『虞美人草』    東マユミ / Higashi Mayumi(銅版画)
連使 × 幸田露伴 『ねじくり博士』    連使 / Renshi(立体造形)
 
なかなか面白そうです。時間を見つけて行ってみるつもりでおります。
 
【今日は何の日・光太郎 補遺】 2月15日

昭和14年(1939)の今日、雑誌『月明』第二巻第二号に、山崎斌の「追憶」が掲載されました。
 
山崎は染色工芸家。油絵制作を断念した後の智恵子と交流がありました。
 
「追憶」には光太郎短歌
 
 ソデノトコロ一スジアヲキシマヲオリテミヤコオホヂヲカマハズアリキシ
 
が引用されました。
 
これは、前年秋の智恵子の死に際し、山崎が送った
 
 袖のところ一すぢ青きしまを織りて
 あてなりし人今はなしはや
 
への返歌です。

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