カテゴリ: テレビ/ラジオ番組等

テレビ放映情報です。 

にっぽん百名山 安達太良山

チャンネル銀河(CS 305) 2020年6月7日(日) 午前10:00~10:30

山を知り尽くしたガイドに導かれ、主観映像で山登りを“疑似体験”していく紀行番組/福島の安達太良山で、荒々しい火山と、みちのくの穏やかな自然を体感する/2015年

福島の安達太良山(1700m)、荒々しい火山と、みちのくの穏やかな自然を体感する山旅。登山口の野地温泉からブナなど広葉樹の紅葉に彩られた登山道を抜け、森林限界の低い偽高山帯と呼ばれる見晴らしの良いりょう線へ。最高峰の箕輪山(1728m)を経て、温泉のある山小屋で一泊、翌朝、乳首山とも呼ばれる安達太良山の山頂をめざす。智恵子抄のエピソードや登山家の田部井淳子氏の誕生秘話も紹介する。


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このブログでは、基本的にCS放送の番組はほとんどご紹介してきませんでしたが、CSの場合、各月第一日曜日に、番組によって無料放送が組まれており、これは無料枠での放映です。受信には衛星用アンテナは必要ですが。ちなみに7月9日(木)にも「安達太良山」の回が再放送されますが、そちらは有料枠です。

元々はNHK BSプレミアムさんで平成27年(2015)に初回放映があり、その後何度か再放送されてきたものです。登山系の番組ですので、山岳ガイドの方の案内でトレッキングルートを紹介するのがメインコンセプトですが、「智恵子抄」ゆかりの山ということで、途中約2分間、光太郎智恵子がらみの内容となっています。二本松の智恵子の生家等も取りあげられます。

ご覧になったことのない方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

書というのは、いきばって書けば、いきばった書がかける。自然な気持で書けば、自然な書がかける。見ればわかるものです。ともかくその人間以上のものは出るはずがないんだから。

談話筆記「高村光太郎聞き書き」より 昭和31年(1956) 光太郎74歳

聞き手は当会顧問であらせられた、故・北川太一先生。前年から断続的に、最後は光太郎の亡くなる1ヶ月前まで聞き書きが行われました。

同じ聞き書きの少し前の部分では「書はやっぱり最後の芸術だな」とも発言しています。

まずはテレビ放映情報から。 

プレミアムステージ「私たちは何も知らない」「チルドレン」

NHK BSプレミアム 2020年6月7日(日) 23時20分~27時53分

演劇、ミュージカル、古典芸能など、舞台芸術中継をお楽しみください。6月のプレミアムステージは、<前半>二兎社公演「私たちは何も知らない」。<後半>ルーシー・カークウッド作、栗山民也・演出「チルドレン」のアンコール放送。

23:20~ 永井愛・作・演出の二兎社公演「私たちは何も知らない」。明治末年から大正初年にかけて刊行された雑誌「青鞜」。その編集部をめぐり、活躍した平塚らいちょう、伊藤野枝らの人間模様を、史実に基づいて丁寧に描き出してゆく。

1:55~ ルーシー・カークウッド作、栗山民也・演出「チルドレン」のアンコール放送。

出演 朝倉あき 藤野涼子 大西礼芳 夏子 富山えり子 須藤蓮 枝元萌ほか

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昨年11月から今年2月にかけ、全国を巡回公演した二兎社さんの演劇「私たちは何も知らない」が放映されます。

智恵子がその創刊号の表紙絵を描いた雑誌『青鞜』をめぐる人間模様(キャストに智恵子の名はありませんが)です。各地での公演、かなり好評を博したようで、新聞には大きく取りあげられました。

『青鞜』関連――「二兎社公演43 私たちは何も知らない」評/谷崎由依『遠の眠りの』。

ぜひご覧下さい。


もう1件、若い方々にはテレビよりもこちらの方がなじみがあるかも知れませんが、ネットでの映像コンテンツ配信サービス。

YAHOO!さんのニュースサイトから。 

「僕等の図書室」滝口幸広ら出演の過去作配信、「智恵子抄」リモート朗読も

「僕等の図書室 リモート授業」が、6月6日にイープラスのライブ配信サービス・Streaming+で配信される。

「僕等の図書室」は2012年に初演されたリーディング公演で、国語の先生に扮した俳優たちが童話や文学作品を朗読するシリーズ。今回の「リモート授業」は、る・ひまわりによる“デジタ・るコンテンツ”の第1弾だ。4つのコンテンツからなる配信では、過去公演3作の映像を公開。1時間目「まぁくんの走れメロス」には大山真志、故・滝口幸広、井深克彦、2時間目「マッチ売りの少女原田」には原田優一、中村龍介、滝口、3時間目「たっきーの星の王子様」には滝口、三上真史、木ノ本嶺浩が出演している。また4時間目では「智恵子抄」のリモートリーディングが行われ、出演者には荒木健太朗、井澤勇貴、井深、大山、木ノ本、滝口、中村、原田、三上、村井良大が名を連ねた。なお公式サイトには「各授業の間の休憩時間には、先生から生徒の皆さんへお話があります」と記されている。

配信の視聴料金は税込4500円となり、チケットを購入すると6月6日12:00から14日23:59まで、アーカイブを視聴することができる。

■ デジタ・るコンテンツ 第1弾「僕等の図書室 リモート授業」
出演(五十音順):荒木健太朗、井澤勇貴、井深克彦、大山真志、木ノ本嶺浩、滝口幸広、中村龍介、原田優一、三上真史、村井良大

□ 1時間目「まぁくんの走れメロス」(僕等の図書室2)※2012年舞台収録映像
脚本:毛利亘宏
演出:板垣恭一
音楽:日野悠平
出演:大山真志、滝口幸広、井深克彦

□ 2時間目「マッチ売りの少女原田」(僕等の図書室 特別授業)※2016年舞台収録映像
脚本:加藤啓
演出:西森英行
音楽:伊藤靖浩
出演:原田優一、中村龍介、滝口幸広

□ 3時間目「たっきーの星の王子様」(僕等の図書室3)※2014年舞台収録映像
脚本:古川貴義
演出:板垣恭一
音楽:日野悠平
出演:滝口幸広、三上真史、木ノ本嶺浩

□ 4時間目「智恵子抄」※リモートリーディング
脚本:穴吹一朗
出演(五十音順):荒木健太朗、井澤勇貴、井深克彦、大山真志、木ノ本嶺浩、中村龍介、原田優一、三上真史、村井良大

(ステージナタリー)

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記事にあるとおり、「僕等の図書室」は、平成24年(2012)から始まった朗読劇公演で、昨秋亡くなった滝口幸広さんらによる「智恵子抄」が2度、演目に入っていました。それぞれDVD化もされています。かつては地方の映画館で上映もありましたが、時代は進み、ネットでの配信が為されるようになったとのこと。

どうも滝口さん追悼の意味合いもあるようで、かつて滝口さんが演じられた「智恵子抄」をお仲間の方々9人で「リモートリーディング」だそうです。これのみ新作で、あとは旧作を配信するようです。

こうしたリモート配信、コロナ禍の影響で劇場が使用できない中での代替措置として注目されていますが、今後、演劇等の新たな楽しみ方の一つとして定着していくのでは、といった内容を先日の報道番組で取りあげていました。劇場に足を運ぶことが困難、という場合の一つの選択肢としてはこういう試みもありなのでしょう。

詳細はこちらです。


【折々のことば・光太郎】

こんなところに一人でいるもんだから、みんな「おさびしいでしょう」なんてよくいうけれど、僕は一度だって淋しいなんて思ったことはない。つまらぬ交際もなく自分のしごとがうんと出来るんで、こんないいところはないよ。

談話筆記「〔高村光太郎の生活〕」より 昭和26年(1951) 光太郎69歳

「こんなところ」は戦後の7年間を過ごした花巻郊外旧太田村の山小屋です。戦時中の翼賛活動に対する贖罪の意味を持つ蟄居生活ではありましたが、「つまらぬ交際もなく自分のしごとがうんと出来る」というのも一つの本音でしょう。「自分というものとしっかり向き合える」と言う意味で。

このブログで時折取り上げさせていただいている、宮城県女川町の「いのちの石碑」。東日本大震災の後、当時の中学生たちが考案した、津波到達地点より高い場所のランドマークとして、同じ女川町にあった光太郎文学碑に倣い、設置費用全額を募金で集め、建てられ続けているものです。

計画では全21基を、町内の海岸にくまなく設置するということですが、18基目が今年の3月に完成披露、さらに国土地理院さんが制定した「自然災害伝承碑」にも登録されました。

女川町の『広報おながわ』、先月号。うっかりネットで見るのを失念していまして、つい先日、気がつきましたが、18基目の設置について取り上げられています。

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表紙は、やはり東日本大震災がらみで、津波で横倒しになった旧女川交番。こちらは今年、震災遺構として整備が完了しました。

それから、ラジオ番組で「いのちの石碑」が取り上げられますので、紹介いたします。 

復興支援PROGRAM Hand in Hand 1000年後の命を守るために。今年21の浜に完成「女川いのちの石碑」

TOKYO FM 2020年5月9日(土)  8:00~8:25無題2
FM大阪    5月9日(土)  21:30~21:55
FM AICHI   5月14日(木) 20:00~20:25
FM福岡    5月9日(土) 9:30~9:55
AIR-G (北海道) 5月10日(日) 21:30~21:55
DATEFM(仙台) 5月10日(日) 9:30~9:55
ふくしまFM   5月10日(日) 9:30~9:55
広島FM     5月10日(日) 8:00~8:25


2011年3月11日に発生した「東日本大震災」は、巨大な津波によって1万8000人を超える死者・行方不明者を出し、さらには福島第一原発の爆発事故を招き、今なお約5万2千人に及ぶ方が避難生活を余儀なくされています。
そして2015年、鬼怒川を決壊させた「関東・東北豪雨」、2016年「熊本地震」、2017年「九州北部豪雨」、2018年 「西日本豪雨」、そして「北海道胆振東部地震」と、もはや災害列島と言っていいほど、日本では毎年のように 自然災害が発生し、多くの被害をもたらしています。
しかしながら2018年の西日本豪雨を例に取れば、そのとき避難勧告、避難指示が出ているにもかかわらず、
実際 に避難行動をとった人は、わずか1%台にとどまりました。
これほど災害が頻発しているにもかかわらず、どれほどの人が自分の住む地域の災害リスクを認知し、
いざという時に取るべき行動を理解しているのでしょうか。
そして災害が起こった地域では、懸命の復旧、復興への歩みが始まりますが、傷ついた地域からは子育て世帯が減り、過疎と高齢化が加速する・・・、これもまた、被災地の抱える大きな問題となっています。
災害から得た教訓を自分のこととして共有し、そして復興、地域の再生へ励む人たちを応援する・・・、それこそがこのプログラム、「Hand in Hand」が中心に据える想いです。


それから、終わってから気づいたのですが、やはりTOKYO FMさんを中心に、FM AICHIさん、広島FMさん、そしてエフエム青森さんでは、3月まで、同じような趣旨の番組「LOVE&HOPE ヒューマンケアプロジェクト」という番組を放送していました。で、TOKYO FMさんで3月6日(金)にオンエアされた回が、やはり「いのちの石碑」関連でした。 

女川いのちの石碑 18基目の石碑が完成

宮城県女川町「女川いのちの石碑」。震災当時、女004川第一中学校の1年生が町内にある21の全ての浜に、津波到達地点より高い場所に石碑をたてて、避難の大切さを伝えようという取り組み。先日18基目の石碑が完成し、その披露式が行われました。
プロジェクトメンバーの阿部由季さんと、女川中時代の担任教師・阿部一彦先生に話を聞きました。

◆「1000年後の命を守るため」
(阿部由季さん)宮城県女川町大石原浜に18基の石碑が立ちました。最後の21基目の石碑が女川小中一貫校に11月22日に立つ予定です。まず1000万円集まったということがすごすぎて、周りの方々005が支援していただいたおかげ。この石碑が3月11日のことを思い出すきっかけにもなると思うし、地域の方々はもちろん、小中学生も目にすると思うので、まだ生まれていなかった子もいると思うので、これを見て「あ、地震が来たら逃げなきゃいけないんだ!」と思う人もいると思います。「1000年後の命を守る」というのは遠い話だけど、わたしたちも自分の子どもや孫に語り継いでいって、同じ思いをしないでほしいと思っているので、これが少しでも役にたてたらいいなと思います。

◆「21基立てて、そこからがスタート」
(阿部一彦先生)子どもたちが先日言っていたことは。「21006基立てて終わりと思っている人もいるが、わたしたちにとっては違う。21基を立てて、そこからがスタートなんです」と。本当にそうおもっているんだろうなあということをひしひしと感じる9年目。この子たちはたぶん死ぬまで活動を続けるんだろうな、おじいちゃん、おばあちゃんの姿を見て、次の子どもたちも活動を続けるんだと思う。

「1000年後の命を守る」というのが、子どもたちの旗印です。これまで建立した石碑のうち15基がすでに「自然災害伝承碑」として国土地理院のウェブ地図に掲載されています。

またこの石碑を案内する「語り部」の活動もしています。毎月第3日曜日、10時に女川駅前集合とのことです。


当方、ラジオはあまり聴かないので存じませんでしたが、こうした硬派の番組を、しかも民放さんで制作しているのですね。

「復興支援PROGRAM Hand in Hand」、聴取可能な地域の方はぜひお聴き下さい。


【折々のことば・光太郎】

美かぎりなし  短句揮毫  戦後期?

彫刻や絵画など造型芸術の「美」、詩歌などの言葉としての「美」、それらを融合させた「書」の「美」、そして人の心が包含する「美」もイメージしていたのではないでしょうか。

テレビ放映情報です。

にっぽん百名山選「安達太良山」

NHK BSプレミアム 2020年4月20日(月)19時30分~20時00分
         再放送 4月27(月)
12時30分~13時00分

3月、雪の残る福島・安達太良山(1700m)で、ウサギやリスなど春を待つ生き物の息吹に触れ、山のいで湯を堪能。さらに「霧氷」など雪山ならではの風景に出会う。

雪山の初級コースとして人気の福島・安達太良山(1700m)。早春3月、出発はあだたら高原スキー場の登山口から。雪の残る森を進み、鳥の巣作り、ウサギの足跡、リスの食べかすなどを次々と発見。山小屋で一泊し、源泉かけ流しの温泉と満天の星空を楽しむ。山頂までの斜面では雪山ならではの風景である霧氷を堪能。山頂からは磐梯山、吾妻連峰など東北の名峰を望む。また雪山で温泉の通り道を守る人々の営みを紹介する。


出演 五十嵐潤   語り 鈴木麻里子 高塚正也

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「選」とあるとおり、再放送です。初回放映は一昨年。昨年も再放送がありました。

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番組冒頭近くで、光太郎智恵子について触れて下さいます。

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ただ、光太郎智恵子がらみはここだけで、後は山岳ガイド・五十嵐潤さんのナビゲートによる1泊2日の行程が紹介されていきます。そのあたりの映像も非常に美しく感じました。

新型コロナの影響で、テレビ番組も新たな収録が大幅に減、だそうです。それでもこうした財産が各局に残っているわけですから、いいものはどんどん再放送していただきたいところです。わがままを言わせていただければ、特に光太郎智恵子に関するものを(笑)。

ところで、安達太良山といえば、山開き。昨年は一念発起、標高1,700㍍の山頂まで行って参りました。といっても、途中までロープウェイでしたが。新型コロナの影響で、今年はどうなるのだろうと思っていましたが、とりあえず今のところ予告されています。今年は5月17日(日)だそうで。

ただ、ことによるとやはり中止になるかも知れません。また詳しい情報が入りましたらお知らせします。


【折々のことば・光太郎】

体操の美には殊に感心した。人体の力の比例均衡を存分に満喫して満足した。無理のない運動の流暢さが如何に鍛錬された力の賜であるかを見た。

アンケート「「美の祭典」を観る」より 昭和15年(1940)  光太郎58歳

美の祭典」はベルリンオリンピックの記録映画です。日本での公開は4年後の昭和15年(1940)でした。光太郎、スポーツを観るにも彫刻家の眼ですね。

ご存じの通り、今年予定されていた東京オリンピックも延期。アスリートの皆さんには、くさらずに頑張ってほしいものです。

3月27日(金)、NHK BSプレミアムさんで放映された「クラシック倶楽部 小林沙羅&山本耕平 デュオ・リサイタル~福島県棚倉町公開収録」。NHKさんの動画配信サービス「NHK オンデマンド」で、単品220円(税込み)でダウンロードできるようです。4月9日(木)までの期間限定だそうですが。

当方、オンエアを録画して拝見しました。

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ご出演は、ソプラノ・小林沙羅さん、テノール・山本耕平さん、ピアノ・河原忠之さん。曲目は、1月に行われた公開収録の中から抜粋でした。

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小林さんの歌、河原さんの伴奏による、光太郎詩「或る夜のこころ」(大正元年=1912)に、中村裕美さんという方が作曲なさったものはカットされずに放映され、ラッキーでした。

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平成27年(2015)9月、晴海の第一生命ホールさんでの「ライフサイクルコンサート 雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅」で、この曲をを拝聴した際にも感じましたが、ドラマチックな構成と、小林さんの圧倒的な歌唱力で、歌曲と言うよりはオペラのアリアのようでした。

この曲を含む小林さんのアルバム「日本の詩(うた)」が発売中です。是非お買い求めを。

他に、山本さんのソロや、お二人のデュエット。

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合間にお三方でのトーク、棚倉町の紹介なども。

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ご覧になっていない方、最初に書きましたが、NHKさんの動画配信サービス「NHKオンデマンド」をご利用下さい。


【折々のことば・光太郎】

所帯じみない妻君。永遠に心若く溌剌とした女性。

アンケート「永遠に若き人――妻として何ういふ女性を求むるか――」全文
大正14年(1925) 光太郎43歳

そう言う意味では、光太郎にとっての智恵子、理想の妻だったのではないでしょうか。「或る夜のこころ」執筆から十数年経た大正末の段階でも、智恵子は「所帯じみ」ることなく「心若く溌剌とし」ていたように思われます。

ただ、昭和に入ると、実家の造り酒屋の経営が決定的に傾き、その心労が智恵子を蝕んで行くこととなります。

雑誌『明星』、芸術運動「パンの会」などを通じて、光太郎と朋友であった北原白秋関連の情報です。まずは映画。新型コロナによる延期とか中止という情報は出ていませんので、実施されるのでしょう。

シネマサロン 夢町座 名画上映会「この道」

期 日 : 2020年3月28日(土)~4月4日(土)
会 場 : 夢町座(ミニシアター) 
       静岡県静岡市清水区真砂町2-31 (JR清水駅前銀座入口)
時 間 : 11:00~/15:00~/19:00~
料 金 : 1,000円


上映作品 「この道」 2019年 105分 日本  監督 佐々部清

出演
大森南朋(北原白秋) AKIRA(山田耕筰) 貫地谷しほり(菊子) 松本若菜(松下俊子)
柳沢慎吾(鈴木三重吉)  松重豊(与謝野鉄幹)  羽田美智子(与謝野晶子) 津田寛治(菊池寛)
升毅(秦彦三郎) 近藤フク(石川啄木) 稲葉友(室生犀星) 佐々木一平(萩原朔太郎)
伊嵜充則(高村光太郎) 松本卓也(大手拓次)

清水駅前にある夢町座、今回の名画上映会は、「この道」を上映。大正7年(1918)、北原白秋は新進気鋭の音楽家・山田耕筰と出会う。山田はドイツ留学を経て日本初の交響楽団を結成した男で秀才音楽家と謳われ、一方、北原は、人妻に手を出すなど破天荒で自由奔放な男。だが、独創的な作風で天才詩人と称されていた。当時子どもの歌は、ドイツ童謡を日本語訳にしたものか、日本の伝承のわらべ歌しかなかった時代。二人は、日本の子どものために日本初の童謡の創作に乗り出すのであった。波乱に満ちた北原白秋の人生を、山田耕筰との友情を軸につきあった女性たちとともに描くヒューマンドラマ。監督は、「半落ち」「カーテンコール」など数々の名作を放つ佐々部清。※北原白秋は、昭和2年頃、静岡鉄道の依頼をうけ、静岡に逗留し「チャッキリ節」を作詞。他、清水商業高校校歌も作詞。


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会場の夢町座(ミニシアター)さんは、何と座席数18席。「日本一小さな映画館」などと称されることもあるそうで、営業は月に8日間だけ、「こだわりの一本」を上映するというユニークな館です。

上映される「この道」は、昨年1月に封切られた作品で、白秋を主人公とし、朋友・光太郎も登場します。

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一昨年にはノベライズ、昨年9月にはBlu-rayとDVDも発売されています。

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白秋と、それからもう一人の主人公的な扱いだったのが、EEXILEのAKIRAさん演じる山田耕筰。戦前には白秋とタッグを組んで童謡の名曲をたくさん作りましたが、戦時中には光太郎同様、翼賛活動に邁進しました。陸軍省から将官待遇を得、軍服姿でさまざまな活動。この点は、東京美術学校西洋画科で光太郎と同級生だった藤田嗣治にも通じます。

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山田と同じく、戦時に翼賛歌曲を大量に作曲したのが、古関裕而(光太郎や白秋、山田の一世代あとですが)。その古関をモデルにしたのが、来週からNHKさんで始まる連続テレビ小説「エール」。

4月2日(木)に放映される第4回の告知では、白秋の名が。

【連続テレビ小説】エール(4)「初めてのエール」

NHK総合  2020年4月2日(木) 8:00~8:15017
      再放送 12:45~13:00
NHK BSプレミアム  同 7:30~7:45
      再放送 23:00~23:15
         4月4日(土) 10:30~10:45

裕一(石田星空)は小学5年生になり、音楽教育に力を入れる藤堂先生(森山直太朗)が担任になる。ある日、藤堂先生が北原白秋の詩に曲をつける宿題を出す。クラスメートの佐藤久志(山口太幹)は、普段から西洋音楽を聴いている裕一ならきっと作曲できると言う。裕一は母・まさ(菊池桃子)と、川俣にある母の実家を訪ねる。祖父の権藤源蔵(森山周一郎)と祖母の八重(三田和代)、伯父の茂兵衛(風間杜夫)が出迎えるが…。


出演 石田星空 清水香帆 山口太幹 菊池桃子
    光石研 森山直太朗 田中偉登 三田和代
    森山周一郎 風間杜夫 唐沢寿明


のちのち、戦時中の翼賛活動についても描かれるそうで、それならば半年間見てみようと思っております。有名な「露営の歌」(〽勝って来るぞと 勇ましくちかって故郷を 出たからは)は、古関の作曲です。

朝ドラ、なかなか光太郎智恵子自体は登場しませんが、関わりのあった人物が登場したり触れられたりする作品など(「あまちゃん」―宮沢賢治、「花子とアン」―村岡花子、「あさが来た」―広岡浅子平塚らいてう、「とと姉ちゃん」―大橋鎭子平塚らいてう)は見るようにしていましたので。

ちなみに当方手持ちの、光太郎作詞の翼賛歌曲が載った楽譜集を見てみますと、山田や古関の名もバンバン出て来ます。中には白秋作詞のものも。白秋は戦争が激化する前、昭和17年(1942)に歿しましたが、それ以前に既に翼賛歌曲の作詞を手がけていました。

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このあたりを「この道」ではかなり掘り下げて描いていましたが、「エール」ではどうするのか、興味深いところです。

ちなみに古関は智恵子と同じ福島中通り出身ということもあり、その意003味でも興味深く存じます。みなさまもぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

小生、大ていのものはいけますが、タバコだけは生来甚だ不調法で、たまに試るときつと目をまはすか、胸をわるくするといふ次第故残念ながら何も申上げる資格がございません。
アンケート「紫煙問答」全文 
大正14年(1925) 光太郎43歳


大正末、40代初めの段階では、光太郎、喫煙の習慣はなかったようです。しかし、この後、マドロスパイプで刻みタバコをたしなむようになっていきます。普通は逆(若い頃は吸っていて、歳をとったらやめる)ですが……。結核の自覚症状もかなり早くからあったはずですし……。さすがに最晩年になってからはやめたようです。

テレビ放映情報です。

クラシック倶楽部 小林沙羅&山本耕平 デュオ・リサイタル~福島県棚倉町公開収録

NHK BSプレミアム 2020年3月27日(金) 午前5:00~5:55

~2020年1月25日棚倉町文化センター倉美館~

「この道」北原白秋:作詞 山田耕筰:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(ピアノ) 河原忠之 (3分00秒)
「くちなし」 高野喜久雄:作詞 高田三郎:作曲
 (テノール)山本耕平、(ピアノ) 河原忠之 (3分00秒)
「或る夜のこころ」 高村光太郎:作詞 中村裕美:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(ピアノ)河原忠之 (5分10秒)

「四行詩」 中原中也:作詞 泉谷閑示:作曲
 (テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (2分25秒)
「小さな空」 武満徹:作詞 武満徹:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (3分30秒)
「喜歌劇「ほほえみの国」から「きみはわが心のすべて」」 レハール:作曲
 (テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (3分10秒)
「喜歌劇「チャールダーシュ姫」から「ハイヤ!山こそわが故郷」」 カールマーン:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(ピアノ)河原忠之 (3分00秒)
「歌劇「椿姫」から「燃える心を」」 ヴェルディ:作曲
 (テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (3分20秒)
「歌劇「椿姫」から「さようなら 過ぎ去った日よ」」 ヴェルディ:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(ピアノ)山本耕平 (4分20秒)
「歌劇「椿姫」から「パリを離れて」」 ヴェルディ:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (3分30秒)
「歌劇「椿姫」から乾杯の歌「友よ さあ飲みあかそう」」 ヴェルディ:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (2分30秒)
「Con Te Partiro (Time to say goodbye)」 クアラントット:作詞 サルトール:作曲
 (ソプラノ)小林沙羅、(テノール)山本耕平、(ピアノ)河原忠之 (3分30秒)


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昨年、CDアルバム「日本の詩(うた)」をリリースされたソプラノ歌手の小林沙羅さんがご出演。同CDにも収録されている、光太郎詩「或る夜のこころ」(大正元年=1912)に、中村裕美さんという方が作曲なさったものがラインナップに入っています。

1月25日(土)、福島県棚倉町文化センター倉美館さんで公開収録が行われ、ラジオでは2月24日(月)にオンエアされました。

この曲を含む小林さんのリサイタルが、3月12日(木)に予定されていましたが、新型コロナウイルス感染予防ということで、8月に延期だそうです。プログラムの変更がなければ、この際には「或る夜のこころ」以外にも、同じ中村裕美さんが「あなたはだんだんきれいになる」(昭和2年=1927)、 「亡き人に」(昭和14年=1939)に作曲されたものも演奏される予定です。

新型コロナによる延期/中止といえば、昨日はそれに伴う4月2日(木)に予定していた第64回連翹忌の集いの中止を告知させていただきましたが、他にもいろいろとあり、心を痛めております。

同じく4月2日(木)、毎年、花巻高村光太郎記念会さんの方で、光太郎が戦後の7年あまりを過ごした旧太田村での詩碑前祭、市街松庵寺さんでの連翹忌法要が行われてきましたが、中止。毎年3月15日発行の『広報はなまき』に案内が出ていたのが今年は出ず、もしやと思ったらやはりそうでした。

当会の祖・草野心平の母校である磐城高校さんが出場予定だったセンバツ高校野球も中止。こちらは代替措置として、東北からの出場校3校(磐城高校さん、仙台育英さん、鶴岡東さん)による「東北限定センバツ」を、来月実施の方向だそうです。

そして昨日発表された、オリンピック/パラリンピック。当然、聖火リレーも延期もしくは中止となるわけですね。このうち、青森県では6月12日(金)、十和田湖の観光交流施設ぷらっとさんから光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」までの約1㌔㍍もコースに入っていました。そして、その際に行われるセレモニーでは、三村申吾青森県知事のごあいさつで、光太郎や「乙女の像」に触れられる予定でした(「これで間違ってないか」ということで、こちらにその原稿が回ってきまして、チェックさせていただきました)。また、詳細は未定でしたが、当方にも光太郎や「乙女の像」についてちらっと話をしてくれ、という依頼も。残念です。

他にも今月に予定されていて紹介しようと思っていた演奏会、映画の上映などの延期もいろいろ……。関係者の方々のご苦労、断腸の思い等、しのびてあまりあります。来月以降に予定され、やはり紹介しようと思っている企画展やイベント等も多いのですが、この状態が続くようですと、大変なことになりますね……。

さて、話を戻しますが、「クラシック倶楽部」、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

どんな人でもせめて家庭の中では自由で、自然で、赤裸で、お互に言ひたい事を言ひ合つて、お互に為たい事を為合つて、それで少しもお互の心を傷け合はないのみか、その故に却つてお互の魂を育て合ふ様な生活を為たいものと思ふ。

アンケート「新時代の家庭におくる言葉」より
 大正13年(1924) 光太郎42歳

新型コロナの影響で、各家庭にいる時間が長くなっているケースが多いでしょう。それがストレスになる、ということの無いようであってほしいものです。

一昨日から昨日にかけ、愛車を駆って一泊二日で仙台方面に行っておりました。

メインの目的は、光太郎智恵子と関係のないところで、この春、ようやく大学卒業の運びとなった息子の引っ越しの手伝いです。修士課程に進んだわけでもなく、医学部でも薬学部でもないのに、なぜか6年間も大学に在籍しやがったスネかじりです(笑)。

荷造りや当方の車に積み込むべきものの搬入が終わったところで、息子のアパートにほど近い(車で十数分)寺院を訪れてみました。青葉区の慈雲山資福寺さん。

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仙台三十三観音の一つに数えられ、鎌倉時代の開山(その後移転しているそうですが)、伊達家にもゆかりの古刹です。境内には仙台ゆかりの土井晩翠の碑などもありました。

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なぜこちらを訪れたかというと、ご本尊が光太郎の父・光雲の作であるためです。平成12年(2000)、茨城県立近代美術館さん他を巡回した「高村光雲とその時代展」に出品され、拝見したことがあるのですが、その際は出品点数がとにかく多く、細かなところまで記憶に残っていませんで、再び拝見したいと思いました。

ご本尊というからには本堂なのか、それとも観音堂という堂宇もあるのでそちらなのか、よくわかりません。

下記が本堂。新しい建築のようでしたが大きく立派でした。

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観音堂はこちら。

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訪れたのが日没少し前、どちらも扉か閉ざされていて、また、説明板等もなく、何とも分かりませんでした。もうすこし早い時間でしたら庫裡をおとない、お話を伺うところでしたが、遠慮しました。

まぁ、場所はわかりましたので、再訪したいと思っております。こちらは別名「あじさい寺」とのことで、その季節がいいかもしれません。

また、同じ青葉区で、やはり仙台三十三観音の一つ大鶴山昌繁寺さんの観音様は、補修の際に光雲の手が入っているそうで(こちらは確実な情報です)、いずれそちらにも、と思っております。

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おまけ。資福寺さんの駐車場にいた猫さん(笑)。

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その後、息子と共に、息子がアルバイトをしていたという居酒屋さんで夕食。車ですのでアルコールは飲みませんでしたが(そうでなくても最近アルコールを摂取する習慣がなくなりましたけれど)、新鮮な海の幸等を堪能いたしました。

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息子と別れ、当方は亘理町へ。

宿泊先がこちら。

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ファミリーロッジ旅籠屋さん仙台亘理店。全国チェーンで、格安の宿です。何年か前にテレビ東京さんの経済番組か何かで見て(他店だったと記憶していますが)、「ほう」と思っておりました。アメリカ映画に出て来るカーホテル的な感じで、一泊朝食付き5,500円。朝食といってもパンとコーヒーとオレンジジュースのみですが、当方も光太郎同様、朝食はパン派ですのでかえってありがいところです。

ちょっと歩くと阿武隈川。智恵子の故郷・福島二本松も流れている川で、光太郎詩「樹下の二人」(大正12年=1923)に、「あれが阿多多羅山/あの光るのが阿武隈川」と謳われています(さすがに亘理から安達太良山は見えませんが)。1泊したあと、昨日の朝、歩いて行ってみました。

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2㌔㍍ほどで河口ですので、鷗の姿も。

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このあたりも、東日本大震災、そして昨年の台風19号による被災があったわけで、そんなことを思いつつこの景色を眺めておりました。

宿に帰り、朝食を摂りながらテレビを観ていると、このあと雪の天気予報。積もるようだと厳しいので、急いで帰途に就きました。

亘理ICから常磐道を南下。昨日のブログでご紹介した、NHKラジオ第一さんの「石丸謙二郎の山カフェ」を、カーラジオで拝聴しました。光太郎のエッセイ「山の春」から抜粋で石丸さんが朗読。戦争責任を痛感しての蟄居、という話にはなりませんでしたが、光太郎が戦後、山村で暮らしていたこと、他にも「山の雪」、「山の秋」などのエッセイもあることなども紹介して下さいました。

福島・茨城の県境あたりは雪になりましたが、積もるほどではなく、関東平野に下りたら雨となり、無事帰宅。ほぼほぼトンボ返りで少々疲れました。いずれまたゆっくり再訪したいところです。

というわけで、「仙台方面レポート、終わります。


【折々のことば・光太郎】

趣味は実用を旨とし極めて単純(一見有趣味に見ゆるものは多く趣味低きものと見て差支なし。俗画家の年頭絵葉書の如きは此の適例。)

アンケート「書斎を如何に改善すべきか」より
 大正8年(1919) 光太郎37歳


光太郎、これに限らず、随所で「用の美」といった持論を展開しています。それにしても「俗画家」とは、手厳しいですね。


第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。ただし、現在、関係各方面と開催か中止か協議中です。ご意見のある方、コメント欄(非公開も可能です)よりお願いいたします。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

昨日から仙台方面に来ております。光太郎智恵子、光雲等と直接関係のない用事がメインですが、そこを無理くり光太郎関連にしてしまうのが当方で、まぁ、そのあたりのレポートはまたのちほど。

まずラジオ番組のご紹介を。情報を得たのが昨日でして、もう今日のオンエアです。おそらくこの記事を目にされる方、ほとんどは放送終了後になってしまうかと存じますが、こういうのがあったんだ、ということで。 

石丸謙二郎の山カフェ「春を感じよう!」8時台

NHKラジオ第一 2020年3月14日(土) 午前8時05分~8時55分

山の日だまりで、朝日に輝く山々や森をながめつつ、コーヒーをいれてほっと一息・・・。そんなひとときをイメージしたラジオ番組が、「山カフェ」です。カフェのマスターこと、パーソナリティをつとめるのは、登山歴40 年になる石丸謙二郎。山を愛する多彩な方々をお客さまに迎え、飾らないトークを楽しみます。

山小屋や今まさに山に登っている方々と電話をつなぐ「山からおはよう」や、古今東西の山岳図書を紹介する「マスターの本棚」などのコーナーも。皆さんからの、心に残る山のエピソード、とっておきの写真も大募集しています。土曜の朝、いっしょに山に想いをはせてみませんか?

今年度最後の山カフェは「春の山を感じよう!」がテーマです。皆さんの好きな春の山、おススメや思い出のお便り、お待ちしています。マスターの朗読で春山気分を味わう「空想登山」、どの山の描写なのか、わかったら是非ご応募下さいね。「山からおはよう」は丹沢蛭ヶ岳山荘から。「マスターの本棚」は高村光太郎「山の春」をご紹介します。


【司会】石丸謙二郎,山本志保

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「山の春」は、昭和26年(1951)、雑誌『婦人之友』に載ったエッセイで、花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)に蟄居していた頃のものです。そのまま題名通りの内容で、山小屋周辺の厳しい冬が過ぎ、春の訪れがこのようにやってくる、ということを味わい深く紹介しています。

ちなみに同じ『婦人之友』には、これ以外にも前後して「山からの贈物」、「山の雪」、「山の人々」、「山のともだち」といった詩文を寄稿しており、当方、勝手に「山」シリーズと呼んでおります。


続いてテレビ。3月2日(月)に放映された、NHK Eテレさんの「にほんごであそぼ」の再放送があります。 

にほんごであそぼ 「レモン(1)レモン哀歌」

NHK Eテレ 2020年3月16日(月) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた「レモン哀歌」高村光太郎、ひゃくにん・いっしゅの百人一首劇場/瀬を早み岩にせかるる瀧川の われても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)、童謡「鉄道唱歌」、うた「うれしや歌舞伎 ~三人吉三・髪結新三~」

出演 美輪明宏 中村勘九郎 中村勘太郎 小錦八十吉 おおたか静流 池田鉄洋 中村いてう 中村仲助 ほか

月曜から木曜まで、4回分の放送が「レモン」特集でした。そこで、光太郎の「レモン哀歌」(昭和14年=1939)。

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この詩はご存じの通り、智恵子の臨終を謳った詩ですので、子供さん向けにはどうなのかな、と思っていたのですが……。

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「かなしく白くあかるい死の床で」、「かういふ命の瀬戸ぎはに」、「あなたの機関はそれなり止まつた」といった、「死」を連想させる部分は扱われませんでした。

番組の前半、後半でお二人のお子さんが朗読されていますが、それぞれ画像にある4フレーズのみ。

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それでも、この詩の持つ清冽なイメージは、ある程度伝わると思いました。

ご覧になっていない方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

夏の朝食は大てい焼麺麭(トースト)に茶です。

アンケート「名流の銷夏生活」より 大正4年(1915) 光太郎33歳

ここでいう「茶」は、おそらく紅茶でしょう。そしてレモンを浮かべてレモンティーにしていたのでは、と思われます。やはり大正期の回想として、光太郎智恵子と交流のあった詩人の上田静栄は、駒込林町の住居兼アトリエで当時としては珍しかったレモネードをふるまわれたことを書き残しています。

第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。ただし、現在、関係各方面と開催か中止か協議中です。ご意見のある方、コメント欄(非公開も可能です)よりお願いいたします。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

3.11が近づいてきまして、新聞報道やテレビ番組等でも、かなり東日本大震災がらみが多くなっています。

このブログでたびたびご紹介している、宮城県女川町の「いのちの石碑」。昭和6年(1931)、紀行文「三陸廻り」執筆のため光太郎が訪れ、それを記念して平成3年(1991)に建てられた光太郎文学碑を手本とし、設置費用すべてを募金でまかなう計画で進められています。

その「いのちの石碑」も取り上げられるテレビ番組が、本日深夜(正確には明日未明)、放映されます。 

NNNドキュメント東日本大震災9年 約束 ~それぞれの道~

地上波日本テレビ 2020年3月8日(日)  24時55分~25時50分=3月9日(月) 午前0時55分~1時50分
BS日テレ       2020年3月15日(日) 11時00分~11時55分

東日本大震災から9年。被災地では多くの人が懸命に生きている。家族との約束。仲間との約束。故郷への約束。果たしたい約束がある。それは心の支えだ。津波で流された自宅を再建したいと願う老夫婦。震災で家族を失い、1000年後の命を守ろうと中学時代の仲間と石碑の建立に取り組む青年。原発事故で一度はあきらめかけた牧場を復活させ、将来は息子にバトンをつなぎたいと考える男性。岩手・宮城・福島の3局共同制作で送る。

制作 テレビ岩手・ミヤギテレビ・福島中央テレビ
ナレーター 土村芳

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インターネットの「テレビ番組表」的な各サイトでは、上記のような説明で、「女川」や「いのちの石碑」という単語が入っていなかったため、昨日まで気づきませんでした。


昨日、アップされた日テレさんのサイトに詳細情報が出ていて、それで気づいた次第です。

東日本大震災から9年になろうとしている今も、被災地では「故郷で生活に向き合っている人々の本質」に出会える。彼らは、何を信じて、何を夢見て、走り続けてきたのか。「支え」になっているのは、友人との「約束」、家族との「約束」、故郷に誓った「約束」だ。

番組では、岩手・宮城・福島、それぞれで懸命に生きる3組に密着。過去の素材を生かしながら「9年間の歩み」を「被災地の約束」と共に描く。

岩手で密着したのは、「高台に住むまで…」陸前高田・念願の自宅再建した老夫婦の9年。津波で1,700人超の犠牲者を出し、4,000余の家屋が倒壊した陸前高田市。震災から1カ月後、プレハブの仮設住宅に入居する被災者の中に佐々木栄さん(当時80歳)、松子さん(同78歳)夫婦の姿があった。佐々木さん夫婦の自宅は津波で流失。その後、学校の体育館、市内の娘宅等、避難生活を転々としていたが、仮設の入居者募集に申し込んだところ当選。「これからの人生、またやり直しができる」と前向きな栄さん。やがて、趣味の川柳に自らの夢を詠み、部屋の壁に貼るように。そこには「高台に住むまで生きて海を見る」と書かれていた…。
震災から7年、夫婦は市内に完成した災害公営住宅の一室にいた。「どんなに狭くても構わない。早く自分の家に住みたい」。しかし、資金面は大丈夫なのか?そもそも体は持つのか?と弱気になる夫婦。それでも19年7月、ついに、念願の家が再建。最大の課題だった資金も3人の娘が援助を申し出てくれたのだ。だが、ここまで来るのに8年以上の月日が…。現在、栄さん88歳、松子さん86歳。かさ上げ地に人は戻らず、ふるさとはすっかり姿を変えてしまったが、「高台に住むまで生きて海を見る」 という“約束”を果たすことはできた。

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宮城で密着したのは、「夢だけは壊せなかった大震災」女川町20歳青年の誓い。女川町出身の大学生・鈴木智博(20)さんは、小学6年の時に発生した東日本大震災で、母親と祖父母を亡くした。津波で、自宅は全壊し、漁師の父と2人の妹と仮設住宅で暮らしを余儀なくされた。中学生の時に誓ったこと…それは同じ悲しみを繰り返さない震災の教訓を言葉で伝えるだけでなく、形にして残そうとした。
鈴木さんをはじめ、女川中学校の生徒たちは“1,000年後のいのち”を守るために町内21の浜の最大津波到達地点に「いのちの石碑」を建てる活動を始めた。21基建てるのに必要な1千万円は、修学旅行先などで募金を呼びかけて自分たちで集めた。1基目の石碑を建ったのは、13年11月。「夢だけは壊せなかった大震災」 石碑には生徒たちが授業で考えた俳句を刻んだ。震災から9年。鈴木さんの自宅は高台に再建され、自身は仙台で一人暮らしをしながら大学に通っている。ふるさとを離れ、震災の風化を感じることもある。それでも当時の仲間たちと集まり、石碑 を建てる活動、そして、「いのちを守る教科書」を作る活動を続けている。

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福島で密着したのは、牛が元気に育つ村へ…と故郷に誓った父と息子。葛尾村は、一部を除き避難指示が解除されてから3年が過ぎ、帰ってきた住民はわずか約2割で、帰還した人のほとんどが高齢者たち。村は標高が高い阿武隈高地に位置し、酪農や畜産が盛んだったが、原発事故によりほとんどの農家たちが避難を余儀なくされ廃業に。佐久間哲次さん(43)もその1人で、父から受け継いだ大切な牧場で牛130頭を飼育する大規模酪農家だった。
しかし、長期間の避難で牛たちは餓死…。佐久間さんは避難指示が解除された16年に村に戻り、賠償金をほぼ全てをつぎ込み、さらに借金までして、牧場を除染、安全な飼料を確保、牛舎をリニューアルし、酪農を再開させる。それは、長男・亮次くん(14)が「父の跡を継いで酪農家になる」と決めていたからだ。息子の夢を叶えるため、去年は生乳の出荷再開へこぎつけた。亮次くんも3月、父に近づくべく、農業高校への受験に挑む。原発事故で人生を翻ろうされながらも、困難を乗り越える際に垣間見える「絆」や「生きがい」とは。そして、酪農を通して、親子がそれぞれの立場で、自分、家族と交わした『約束』とは…。

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ちなみに同じ「NNNドキュメント」では、平成26年(2014)にも、「3・11大震災 シリーズ 千年後のあなたへ 15歳…いのちの石碑」と題して、「いのちの石碑」を取り上げて下さいました。


もう1件、やはりインターネットの「テレビ番組表」的な各サイトで、「女川」の語が入っていないのですが。 

徳光&木佐の知りたいニッポン!ピックアップ!復興の今と未来 徳光がゆく宮城・岩手

BS TBS 2020年3月14日(土) 13時00分~13時30分

徳光和夫さんと木佐彩子さんがお送りする政府広報番組。今回のテーマは「復興の今と未来 徳光がゆく宮城・岩手」です。


3月7日(土)の放映が「復興のいま 福島で見た“希望と未来”」で、つい先日もお会いした、川内村の遠藤雄幸村長がご出演なさるというので、拝見しました。

すると、「次週予告」で、女川町の須田義明町長のお姿が映り、それで次回は女川か、と気づきました。

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川内村に関しては、遠藤村長のご案内で木佐彩子アナウンサーが、川内小学校さん、村唯一のパン屋さん「BAKERY RIVIÈRE」さん、完全密閉型の植物工場「KiMiDoRi」さんなどを紹介されました。

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というわけで、それぞれぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

二、下谷区 八、たゞ我が信ずる所。 十、砕雨。

アンケート「松籟颯々」全文 明治34年(1901) 光太郎19歳

投稿雑誌『文庫』(内外出版協会)が百号を記念し、上野の韻松亭で投書家の集まり「春期松風会」を催し、その席上、用紙を配付して書いて貰ったアンケートです。

下はその際の集合写真。

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007質問は10項目ありましたが、光太郎は7項目は無視し、3項目だけ回答しました。そこで、回答者79名中、最短の回答でした。「二」は「生地」、「八」は「宗教」、そして「十」は「理想の人物」でした。「砕雨」は、当時、光太郎が使っていた雅号。つまり自分自身の名を上げているわけで、不遜とも言えますが、強い矜恃が見て取れます。光太郎は左上の方。なるほど、生意気そうな面構えです(笑)。

他に、親友だった水野葉舟、歌人の窪田空穂、同じく服部躬治、詩人/仏文学者の吉江孤雁、詩人の伊良子清白、同じく横瀬夜雨、河井酔茗、登山家の小島烏水、画家の一條成美、そして大逆事件の際には幸徳秋水らの弁護を行った平出修なども映っています。


第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、今後、パンデミック的な事態になってしまった場合は別として、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

注文しておいたDVD付き書籍が届きました。 

びじゅチューン! DVDBOOK 5

2020年3月9日 井上涼+NHK びじゅチューン!制作班著 小学館発行 定価2,700円+税

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〈 書籍の内容 〉

「びじゅチューン!」シリーズに第5弾登場
シリーズ累計10万部超を超えても、ますます絶好調の「びじゅチューン!」シリーズに、DVD BOOKの第5弾が仲間入り!!

「びじゅチューン!」(NHK Eテレ放送中)は、世界の有名な美術作品をモチーフにしたユニークなうた&アニメーション。アーティストの井上涼さんが、作詞、作曲、歌唱、アニメーション制作のすべてをてがけています。

人気曲「ツイスト出産」「写楽式洗顔」「夏秋草図屏風デート」などを含む、全16曲を収録。恒例の振り付けは「鮭ミラーボール」で、気分は80年代のダンスシーン! 2018年夏に放送されて反響のあった「なつやすみ!博物館で“にっぽんびじゅチューン!"」も収録され、ボリュームたっぷりの内容です。

「びじゅチューン!キャラになりきれちゃう、コスプレ・工作ページもあり、1冊まるまる、からだ全体で"びじゅつ"を楽しんじゃおう。

〈 目次 〉
 プロデューサーのことば
 01 鮭ミラーボール      高橋由一 「鮭」
 02 ひとり縄文会議      縄文時代 「中空土偶」
 03 ツイスト出産        飛鳥時代 「摩耶夫人および天女像」
 04 平熱でうらめしや     円山応挙 「幽霊図」
  Making of びじゅチューン! 1
  井上涼の出張レポート MOA美術館・内田篤呉館長を訪ねました
 05 テュルプ博士の参観日 レンブラント 「テュルプ博士の解剖学講義」
 06 指揮者が手        高村光太郎 「手」
 07 写楽式洗顔        東洲斎写楽 「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」
 08 地元が快楽の園     ヒエロニムス・ボス 「快楽の園」
  Making of びじゅチューン! 2
  吉岡弘行さんに聞きました! 音楽とコーラスのひみつ
 09 人を真似る瓶       マネ 「フォリー・ベルジェールのバー」
 10 龍虎旅館         長沢芦雪 「虎図 龍図」
 11 私を投げ入れて     平安時代 「三仏寺奥院投入堂」
 12 立体曼荼羅マスゲーム 空海 「東寺立体曼荼羅」
  つくってみよう!「びじゅチューン!キャラ なりきりファッションショー」
 13 いちご泥棒大脱走    ウイリアム・モリス 「いちご泥棒」
 14 おりがみのよりとも    鎌倉時代 「伝源頼朝像」
 15 再配達には金印を    弥生時代 「金印 漢委奴国王」
 16 夏秋草図屏風デート   酒井抱一 「夏秋草図屏風」
  おどってみよう!「鮭ミラーボール」ふりつけガイド
 井上涼のことば
 作品が収蔵されている<美術館・寺院・博物館>ガイド
 ふろく 井上涼オリジナル 「紅白梅おとまり会図屏風」ペーパークラフト

NHK Eテレさんの「びじゅチューン!」で放映された作品をまとめたDVD付き書籍です。一昨年10月に初回放映のあった、光太郎ブロンズの代表作「手」(大正7年=1918)を元にした「指揮者が手」を含みます。

4ページにわたり、アニメーション作者でマルチアーティストの井上涼さんによる解説。

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鯰やレモン、それから九十九里浜など、光太郎を象徴するさまざまなアイテムがちりばめられていたのには気づいていましたが、それ以外に、詩「梅酒」(昭和15年=1940)からの連想で梅の実(梅の実に見えませんでした(笑)すみません)、光太郎と智恵子の手も描かれていたそうで、これには気づきませんでした。

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それから、手紙。単に他の箇所でも多用されている「て」の音の押韻というだけでなく、芸術感の相違から、父・光雲との訣別を宣言せざるを得なかった随筆「出さずにしまつた手紙の一束」(明治43年=1910)からのインスパイアだそうで。

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ただし、「父・光雲にあてた手紙」というのは誤りです(おそらく、親友の水野葉舟に宛てたものです)。

下の画像、左はDVD、右は「メーカー特典」ということで、この時期だけ付いてるおまけのクリアファイル。

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この画像でも分かる通り、「手」以外も、ほんとうに自由な発想で、古今東西の美術作品がいじられています(笑)。

ぜひお買い求めを。


【折々のことば・光太郎】

美というものは、かつてマイナスになったことはない。

談話筆記「芸術についての断想」より 昭和27年(1952) 光太郎70歳

生涯、「美」を追い求めてきた光太郎、最晩年にさしかかっても、このように発言していました。しかし、戦時中には「美」が戦意高揚、国民精神総動員に利用されていたわけで、その点には思い至らなかったようです。あるいは、戦時のそうした活動に用いられたものは「美」とは認めない、ということでしょうか。

第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、今後、パンデミック的な事態になってしまった場合は別として、十分に感染防止に留意した上で、今のところ予定通り実施の方向です。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

NHK Eテレさんで放映されている「にほんごであそぼ」。2月3日(月)~7日(金)まで、光太郎特集を組んで下さいました。さらに再放送が2月17日(月)~21日(金)でした。

今度は新作で、光太郎詩「レモン哀歌」(昭和14年=1939)を取り上げて下さいます。 

にほんごであそぼ 「レモン(1)レモン哀歌」

NHK Eテレ 2020年3月2日(月) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた「レモン哀歌」高村光太郎、ひゃくにん・いっしゅの百人一首劇場/瀬を早み岩にせかるる瀧川の われても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)、童謡「鉄道唱歌」、うた「うれしや歌舞伎 ~三人吉三・髪結新三~」

出演 美輪明宏 中村勘九郎 中村勘太郎 小錦八十吉 おおたか静流 池田鉄洋 中村いてう 中村仲助 ほか


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3月2日(月)~3月5日(木)までが「レモン」の特集だそうで、その初日に「レモン哀歌」。ありがたいところです。関係者と思われる方のブログで、1月に収録があったという話を読み、近々放映があるだろうと思っていたところではありました。

それから、3月6日(金)の放映では、「道程」(大正3年=1914)が取り上げられます。こちらは「リクエスト」ですので、以前の映像の使い回しかも知れません。

にほんごであそぼ 「リクエストより」

NHK Eテレ 2020年3月6日(金) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分

ひこうき山陽たんけんたい/「恩讐の彼方に」菊池寛、ヨシタケシンスケのはい!ここで名文/「道程」、野村萬斎/「梟山伏」その二、名台詞かるた/一目見ん、うた「うれしや歌舞伎 ~髪結新三~」

出演 野村萬斎 野村裕基 神田山陽(三代目) 中村勘九郎 中村勘太郎 おおたか静流 万作の会 中村いてう 中村仲助 ほか



ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

「道程」を書いたことは私のその頃の本当の気持をぶち込んだだけ自分としては記念のものであるが、詩としては穉いものだ。

談話筆記「『道程』の思ひ出――芸術院授賞に際して――」より
 昭和17年(1947) 光太郎60歳

前年創設された帝国芸術院賞の第一回受賞者と作品は、小磯良平の戦争画「娘子関を行く」、川田順の歌集『鷲』及び『国初聖蹟歌』、そして光太郎の『道程』でした。

大正3年(1914)刊行の『道程』に対し、今さら感が拭えませんが、昭和15年(1940)には『道程改訂版』が刊行されており、この時期、再び『道程』に脚光が当たっていたのは事実です。

ただ、大政翼賛会協力会議の議員や、日本文学報国会詩部会長などを歴任していた光太郎に対する箔付けといった意味合いが濃かったようにも思われます。

第64回連翹忌――2020年4月2日(木)――にご参加下さる方を募っております。詳細はこちら。新型コロナウイルス対策でイベントの中止等が相次いでおりますが、今後、パンデミック的な事態になってしまった場合は別として、今のところ予定通り実施の方向です。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。

情報を得るのが遅れまして、今日の放送です。 

ベストオブクラシック 福島県棚倉町公開収録~小林沙羅&山本耕平デュオ・リサイタル005

NHK FM 2020年2月24日(月) 午後7:30~午後9:10(100分)

「約束」                   ロッシーニ作曲
 3分36秒  ソプラノ 小林沙羅  ピアノ 河原忠之

「薔薇」                    トスティ作曲
 3分52秒  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「この道」          北原白秋・作詞、山田耕筰・作曲
 3分13秒  ソプラノ 小林沙羅  テノール 山本耕平
無題

「くちなし」        高野喜久雄・作詞、高田三郎・作曲
 3分17秒  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「或る夜のこころ」     高村光太郎・作詞、中村裕美・作曲
 5分20秒  ソプラノ 小林沙羅  ピアノ 河原忠之


「四行詩」          中原中也・作詞、泉谷閑示・作曲
 2分41秒  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「小さな空」           武満徹・作詞、武満徹・作曲
 4分12秒  ソプラノ 小林沙羅 テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「歌劇「愛の妙薬」から二重唱「ララ、ラララ」」ドニゼッティ作曲
 10分20秒  ソプラノ 小林沙羅 テノール 山本耕平   ピアノ 河原忠之   

「喜歌劇「メリー・ウィドー」から「唇は黙して」」レハール作曲
 3分24秒  ソプラノ 小林沙羅  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「喜歌劇「ほほえみの国」から「きみはわが心のすべて」」レハール作曲
 3分33秒  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之
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「喜歌劇「チャールダーシュ姫」から「ハイヤ!山こそわが故郷」」カールマーン作曲
 3分14秒  ソプラノ 小林沙羅  ピアノ 河原忠之

「歌劇「アルルの女」から「ありふれた話」」   チレーア作曲
 4分08秒  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

「歌劇「ルサルカ」から「月に寄せる歌」」  ドボルザーク作曲
 5分36秒  ソプラノ 小林沙羅  ピアノ 河原忠之

「歌劇「椿姫」から 「燃える心を」「さようなら、過ぎ去った日よ」
「パリを離れて」乾杯の歌「友よ さあ飲み明かそう」」ヴェルディ作曲
 15分30秒  ソプラノ 小林沙羅  テノール 山本耕平
           ピアノ 河原忠之

「コンテ・パルティロ」  クアラントット作詞、サルトーリ作曲
 3分50秒  ソプラノ 小林沙羅  テノール 山本耕平  ピアノ 河原忠之

 2020年1月25日~福島県・棚倉町文化センター倉美館で収録~


ソプラノ歌手・小林沙羅さんによる、光太郎詩に中村裕美さんが作曲なさった「或る夜のこころ」が含まれています。

「或る夜のこころ」、公的な初演は平成27年(2015)9月の「ライフサイクルコンサート 雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅」、会場は晴海の第一生命ホールさんで、当方、拝聴に伺いました。

昨秋リリースされた小林さんのニューアルバム「日本の詩(うた)」にも収録されています。

1月25日(土)の公開収録については、このブログでご紹介できませんでした。調べてみましたところ、棚倉町さんやNHKさんのサイトに情報が出てはいましたが、細かな曲目まで記されていなかったもので、当方の検索網に引っかかりませんでした。

その代わりといっては何ですけれど、また近くなりましたら改めてご紹介しますが、この福島棚倉での公開収録の模様は、3月27日(金)に、やはりNHKさんでテレビ放映もあります。

それから、今週末あたりにご紹介するつもりなのですが、3月12日(木)に行われる小林さんのリサイタルでも演奏される予定になっています。

まずは今夜のFM放送、ぜひお聴き下さい。


【折々のことば・光太郎】

私の魂は既に遠い未来の世界に住んでゐる。どの位遠いか分らない程遠い世界に生活してゐる。科学と哲学との発達により、人類の智慧と生理とが例外無しに一様に進む時代が来たら、いつかは行きつくに違ひないと思はれる未来の世界は、実にわけの分つた、おだやかな、きれいな、喜怒哀楽がむしろ深い滋味として人々に感ぜられるような、透徹した人間生活によつて形成せられてゐる。従つて私の内心のモラルも幾分其の世界のモラルに影響されざるを得ない。
散文「かういふわけ」より 昭和12年(1937) 光太郎55歳

これが書かれて80年余り、まだ2020年の世界は「科学と哲学との発達により、人類の智慧と生理とが例外無しに一様に進」んでも居らず、「実にわけの分つた、おだやかな、きれいな、喜怒哀楽がむしろ深い滋味として人々に感ぜられるような、透徹した人間生活によつて形成せられて」いないと言わざるを得ませんね。

NHK Eテレさんで放映されている「にほんごであそぼ」。2月3日(月)~7日(金)まで、光太郎特集を組んで下さいました。ほぼ過去の映像の使い回しでしたが、それだけに「ああ、こんなのもあったっけな」という感じでした。また、当方が存じ上げなかっただけかも知れませんが、新作(?)もあったような……。

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で、来週、2月17日(月)~21日(金)で、再放送があります。 

にほんごであそぼ

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。

「高村光太郎(1)冬が来た」
2020年2月17日(月) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
きっぱりと冬が来た「冬が来た」高村光太郎、絵あわせ百人一首/山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば(源宗于朝臣)、歌舞伎/舞づくし「京鹿子娘道成寺」より、投稿ごもじもじ、童謡「ペチカ」、リクエストより・うた「ベベンの冬が来た」「道程」
出演 美輪明宏 中村勘九郎 小錦八十吉 おおたか静流 うなりやベベン ほか

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「高村光太郎(2)人に」
2020年2月18日(火) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
ひこうき山陽/いやなんですあなたのいってしまふのが「人に」高村光太郎、野村萬斎/立春、絵あわせ百人一首/淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜寝覚めぬ須磨の関守(源兼昌)、童謡「早春賦」、はんじえ/ふじばかま→めじろ、うた「道程」
出演 野村萬斎 三代目神田山陽 おおたか静流 ほか

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「高村光太郎(3)道程」
2020年2月5日(水) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
ヨシタケシンスケのはい!ここで名文・ひこうき山陽/僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る「道程」高村光太郎、絵あわせ百人一首/人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は(後鳥羽院)、ぎお~んごー/歩く、童謡「早春賦」、投稿ごもじもじ、うた「道程」
出演 美輪明宏 三代目神田山陽 小錦八十吉 おおたか静流 白A ほか

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「高村光太郎(4)あどけない話」
2020年2月6日(木) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
文楽/智恵子は東京に空が無いといふ「あどけない話」高村光太郎、絵あわせ百人一首/君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな(藤原義孝)、投稿ごもじもじ、童謡「早春賦」、うた「道程」
出演 竹本織太夫 鶴澤清介 三世桐竹勘十郎 おおたか静流 ほか

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「高村光太郎(5)牛」
2020年2月7日(金) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
牛はのろのろと歩く「牛」高村光太郎、野村萬斎/摺り足、リクエストより・うた「ことわざしりとり」
出演 美輪明宏 野村萬斎 小錦八十吉 ほか

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「うた」のコーナーの「道程」は、やはりこれまでにも放映された坂本龍一さん作曲のものですが、長短2バージョンあり、両方とも放映されます。

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ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

詩を本気に書く気になつたのは後年巴里に行つてボオドレエルとヴエルレエヌとに強く打たれたからの事である。

散文「紐育より巴里へ」より 昭和3年(1928) 光太郎46歳

明治41年(1908)、パリへ移った光太郎は、プルースト研究家であったマリー・ノードリンガーという女性に、フランス語を教わりました。マリーがテキストに使用したのがボードレールやヴェルレーヌの詩。はじめ光太郎はそれらを童謡かと思ったとのことです。

しかし、そうでないと知るや、詩とはこんなにも平易な日常語で書いていいものなのだと思ったそうです。

2本ご紹介します。まず、再放送ですが。 

偉人たちの健康診断「与謝野晶子 悩める乙女と恋の病」

NHK BSプレミアム 2020年2月13日(木) 8:00~9:00

自らの恋心を赤裸々に官能的につづり、世間を騒がせた歌人・与謝野晶子。その素顔は引っ込み思案で内気な文学少女だった。何が晶子を「情熱の歌人」に変貌させたのか?それは晶子を襲った深刻な病…「恋の病」だった。恋は人の脳にどのような影響を与えるのか?脳科学と心理学から恋の病の症状を診断。さらに鉄幹と結婚後、破綻の危機に直面した夫婦関係を劇的に改善した晶子の秘策にも迫る。愛に生きた人生を健康面から読み解く。

【出演】関根勤 カンニング竹山 光浦靖子  【解説】森下明穂 植田美津恵  【司会】渡邊あゆみ

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2月6日(木)の本放送、北原白秋や石川啄木には触れられたものの、残念ながら光太郎の名は出ませんでしたが、興味深く拝見しました。お世話になっている明星研究会の松平盟子氏もご出演。

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晶子の生涯をひもときながら、その時々の「病」を「診断」。まずは……

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妻子ある寛(鉄幹)との道ならぬ恋について。光太郎智恵子につながる部分もあるな、と思いながら観ていました。

結婚後、しばらく経つと、寛の方が……

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『みだれ髪』で時代の寵児となった晶子に対し、古くさいと言われるようになった寛。これも立場を変えると光太郎に対する智恵子の苦悩にも似ているように感じました。

そして晶子も……

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これまた智恵子にもあてはまるような。「感情を表に出すのが苦手」という部分はもろにそうでしたし、光太郎の彫刻制作を優先させるため、自分の油絵制作の時間を削っていたエピソードは「いい妻」であろうとしたということに思えます。次の「仕事や家事に手が抜けない」。油絵は完璧な作を目指し、結局、うまくいかずに完成させることができなくなってしまった智恵子。家事の部分では、それを放棄して1年のうち数ヶ月は福島の実家に帰っていたこともありました。そう考えると、自分の油絵制作の時間を削ってまで率先して家事に取り組んだ時と、大きな振幅がありますね。それがそのまま智恵子の心理状態のアンバランスさを表しているような……。

そして「弱音」。有名な「あどけない話」(昭和3年=1928)の一節「東京に空が無い」「ほんとの空が見たい」「阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に/毎日出てゐる青い空が/智恵子のほんとの空だ」あたりは、智恵子の遠回しの「弱音」だったように思われます。それを光太郎がどの程度、理解していたのか……。

しかし、寛と晶子、こちらは智恵子のように心の病となることはありませんでした。その契機となったのは……

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不安定になった寛をパリへと送り出し、のちに自らもその後を追った晶子。帰国後も、国内各地に旅を重ねることで、夫婦の絆が再構築されたというのです。

たしかに光太郎智恵子も、与謝野夫妻のようにしていれば、また違った結末になったでしょう。

そして寛に先立たれ、自らも死の床についた晶子。

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ここでも昭和13年(1938)、南品川ゼームス坂病院で、「昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つ」(昭和14年=1939 「レモン哀歌」)し、その生を終えた智恵子の姿がダブりました。しかし、晶子は数え65歳でそれなりに幸福な天寿を全うし、智恵子は同じく53歳で「七年の狂気は死んで終つた」(昭和15年=1940 「梅酒」)。ある意味、対照的でもあります。

というわけで、「偉人たちの健康診断」、与謝野夫妻専門の方に言わせれば突っ込みどころがいろいろあるのでしょうが、そうでもない当方、興味深く拝見しました。見逃した方、ぜひ再放送をご覧下さい。


テレビ放映情報ということになりますと、もう1件。 

聖火ロード5min.「青森 巨大ねぷたでリレーを彩る!」

NHK BS1 2020年2月10日(月)24時00分~24時05分=2月11日(火)午前0時00分~0時05分

3 月 26 日、福島県をスタートする“東京 2020 オリンピック聖火リレー”。121 日間をかけて全国 857市区町村を巡る。聖火が駆け抜ける地域は、各地を代表する魅力あふれる場所。歴史あふれる街道や、地域の営みを感じる街並み…。そんな地域色豊かな“聖火ロード”を、聖火を迎える各地の動きとともに、47都道府県ごとに5分間で紹介。

スタートは弘前城▽東北で唯一の江戸時代から残る天守閣▽ブナの原生林が広がる白神山地の玄関口の西目屋村も▽五所川原では立佞武多の館で歓迎式典▽高校生もお囃子でお出迎え▽さらに十和田湖湖畔を巡り▽八戸市館鼻漁港の朝市にも!

出演 泉浩  語り 満仲由紀子

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昨秋から断続的に放映されている5分間番組です。

東京オリンピックの聖火リレー、青森県内では十和田湖畔の観光交流センター「ぷらっと」から、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」までもコースに入っています。まぁ、5分間番組ですし、サブタイトルが「ねぷた」ですので、十和田湖がどの程度紹介されるか、というところですが、ぜひご覧下さい。ちなみに2月12日(水)24:00~(=2月13日(木)午前0時00分~)は岩手編だそうです。


【折々のことば・光太郎】

通俗的に云つて「職人気質」と云つた気風を極度に持つてゐたやうで、その気分からの潔白さが父の人格に漲つて居るやうに思ひます。今の芸術家に見出せないやうな神経質な潔白さです。

談話筆記「恵まれたる優生遺伝の名家」より
 大正11年(1922) 光太郎40歳

光太郎、作品の芸術性といった点に於いてはあまり高い評価ができないと感じていた父・光雲に対し、その人格という部分ではこのように捉えていました。

光太郎の本格的な文学活動の出発点、『明星』における光太郎の師・与謝野晶子をメインとしたテレビ番組です。 

偉人たちの健康診断「与謝野晶子 悩める乙女と恋の病」

NHK BSプレミアム 2020年2月6日(木) 20:00~21:00  再放送 2月13日(木) 8:00~9:00

自らの恋心を赤裸々に官能的につづり、世間を騒がせた歌人・与謝野晶子。その素顔は引っ込み思案で内気な文学少女だった。何が晶子を「情熱の歌人」に変貌させたのか?それは晶子を襲った深刻な病…「恋の病」だった。恋は人の脳にどのような影響を与えるのか?脳科学と心理学から恋の病の症状を診断。さらに鉄幹と結婚後、破綻の危機に直面した夫婦関係を劇的に改善した晶子の秘策にも迫る。愛に生きた人生を健康面から読み解く。

【出演】関根勤 カンニング竹山 光浦靖子  【解説】森下明穂 植田美津恵  【司会】渡邊あゆみ


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この番組では、昨年、「東京に空が無い “智恵子抄”心と体のSOS」ということで、光太郎智恵子を取り上げて下さいました。智恵子が色覚異常だったと断定してしまった部分は納得が行きませんでしたが、それ以外はおおむね首肯できる内容でした。

今回は、「恋の病」に苦しんだ晶子だそうで、これもまた面白そうです。ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

人間の世にはいつの時でも水底に立つ者と、水面に動く者とが居た様です。水の意味を真に感ずる者は、言ふ迄もなく水底に立脚地を持つ者のみの事であります。水面に動く者の喜怒哀楽はすべて泡沫のように無駄です。水底に立つ者の心は直ちに水の本体と関係します。

散文「〔イェルゲンセン「癩病患者に与へる接吻」訳にそへて〕」より 
大正5年(1916) 光太郎34歳

「水面に動く者」=「目立つ場所、スポットライトの当たる場所で軽佻浮薄な活動にうつつを抜かし、世間の評価に一喜一憂する者」、「水底に立つ者」=「目立たぬ場所で己を空しゅうし、全体の利益を考えて慎重に行動する者」といったところでしょうか。

光太郎自身は自分を「水底に立つ者」と定義し、経営的にはまるで成り立たなかった画廊「琅玕洞」などの活動がそれに当たるとしています。

NHK Eテレさんで放映されている「にほんごであそぼ」。来週1週間、光太郎特集を組んで下さいました。ありがたし。ただ、10分間の番組ですが、全編が光太郎、というわけではないようです。 

にほんごであそぼ

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。

「高村光太郎(1)冬が来た」
2020年2月3日(月) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
きっぱりと冬が来た「冬が来た」高村光太郎、絵あわせ百人一首/山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば(源宗于朝臣)、歌舞伎/舞づくし「京鹿子娘道成寺」より、投稿ごもじもじ、童謡「ペチカ」、リクエストより・うた「ベベンの冬が来た」「道程」
出演 美輪明宏 中村勘九郎 小錦八十吉 おおたか静流 うなりやベベン ほか

「高村光太郎(2)人に」
2020年2月4日(火) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
ひこうき山陽/いやなんですあなたのいってしまふのが「人に」高村光太郎、野村萬斎/立春、絵あわせ百人一首/淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜寝覚めぬ須磨の関守(源兼昌)、童謡「早春賦」、はんじえ/ふじばかま→めじろ、うた「道程」
出演 野村萬斎 三代目神田山陽 おおたか静流 ほか

「高村光太郎(3)道程」
2020年2月5日(水) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
ヨシタケシンスケのはい!ここで名文・ひこうき山陽/僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る「道程」高村光太郎、絵あわせ百人一首/人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆゑにもの思ふ身は(後鳥羽院)、ぎお~んごー/歩く、童謡「早春賦」、投稿ごもじもじ、うた「道程」
出演 美輪明宏 三代目神田山陽 小錦八十吉 おおたか静流 白A ほか

「高村光太郎(4)あどけない話」
2020年2月6日(木) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
文楽/智恵子は東京に空が無いといふ「あどけない話」高村光太郎、絵あわせ百人一首/君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな(藤原義孝)、投稿ごもじもじ、童謡「早春賦」、うた「道程」
出演 竹本織太夫 鶴澤清介 三世桐竹勘十郎 おおたか静流 ほか

「高村光太郎(5)牛」
2020年2月7日(金) 午前6時35分~午前6時45分/ 午後5時00分~午後5時10分
牛はのろのろと歩く「牛」高村光太郎、野村萬斎/摺り足、リクエストより・うた「ことわざしりとり」
出演 美輪明宏 野村萬斎 小錦八十吉 ほか


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ラインナップを見ると、どうもここ数年間で放映されたものの再編集のようです。昨年には同様の企画で、当会の祖・草野心平が1週間取り上げられていました。ちなみに「うた」のコーナーの「道程」は、やはりこれまでにも放映された坂本龍一さん作曲のものでしょう。

こうしてみると光太郎詩、あえて子供向けに書かれたものでなくとも、子供にもある程度理解できる内容のものが多いのだな、と感じました。逆に、あえて子供向けに書かれたもの(戦時中に多いのですが)には、ほとんどろくなものがありません。「少年飛行兵の夢」(昭和18年=1943)とか、「ぼくも飛ぶ」(同)とか……。

閑話休題、「にほんごであそぼ」、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

男女が一緒になれば、自然に家事が出来ます。正当に住むによい様にする為めには、女は女だけの仕事がありませうが、力業を要する事は男子のするのが当然で、それをするので職業の妨げになるといふのは、怠慢を弁護する申分でせう。
談話筆記「妻君の位置」より 大正4年(1915) 光太郎33歳

ここで云う「家事が出来ます」は、やらなければならないことが生じる、という意味でしょう。

光太郎、当時としては家事の分担をかなり担っていた方だと思われます。ただ、「力業を要する事は男子のするのが当然」ということは、「力業を要しない事は男子がやらなくともよい」ということになり、「女は女だけの仕事がありませう」あたりと併せ読むと、まだまだその辺の意識は不十分だったようにも思えます。

しかし、「力業を要しない事は女子がやるのが当然」とは云っていませんのでよろしく。

2020年となってしまいましたが、暮れの内に光太郎らがメディアで紹介された件をご紹介しておきます。


まず、『朝日新聞』さん。12月28日(土)の書評欄。同紙で書評をご担当の方々が、「今年の3点」をそれぞれ挙げられている中に、中村稔氏ご執筆の『高村光太郎の戦後』を選ばれた方が。

心を揺さぶる本とともに 書評委員が選ぶ「今年の3点」 石川健治(東京大学教授)

①人外(にんがい、松浦寿輝著、講談社・2530円)001
②主権論史 ローマ法再発見から近代日本へ(嘉戸一将著、岩波書店・9900円)
③高村光太郎の戦後(中村稔著、青土社・2860円)
 人外という「被造物の尊厳」との対比で「人間の尊厳」を考えさせるのは①。人格の始期と終期、人格的同一性と「記憶」、人格内部での相剋、人格の「承認」と社会関係、疎外された類的存在=他者としての「神」など根本問題を巡る。
 天皇代替わりの年に、日本的な「国民主権と天皇制」の存立機制に迫ったのが②。明治憲法と皇室典範の双方を起草した、法制官僚・井上毅の章は必読。
 ③は、己を虚しくして宇宙の大生命を体現しようとした以上責任のとりようがない表現人が、「戦後の」一市民の立場でこれを再読することで「戦後責任」をとろうとした事例を探求。射程は当然、自主表現人(筧克彦)であった現人神(あらひとがみ)天皇と、戦後の象徴天皇の関係にも及んでいよう。

石川氏、7月の同紙には「自らの「愚」究明する表現人の責任」と題した同書の長い書評を寄せられていました。


続いて、NHK Eテレさんで放映の「日曜美術館」とセットの「アートシーン」。12月22日(日)の放映で、光太郎実弟にして鋳金分野の人間国宝だった髙村豊周が取り上げられています(昨年の記事「回顧2019年(10~12月)。」でもちらっとご紹介しましたが)。

東京都庭園美術館さんで、10月から開催されている「アジアのイメージ―日本美術の「東洋憧憬」」展の紹介の中ででした。同展は、日本の近現代の造形作家たちがインスパイアを受けた、「アジア」の伝統的な作品と並べるという、面白い展示が為されています。

まず、古代中国の青銅器。

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豊周の師・香取秀真の作。

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そして豊周。

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かなり磊落な性格だったという豊周ですが、その作は緻密です。

工芸だけでなく、絵画も。光太郎の留学仲間だった安井曾太郎。花瓶がやはり古代中国のものです。

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同展ポスターやフライヤーに使われた、杉山寧の仏画(素描)。

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同館館長の樋田豊次郎氏のコメント。

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同展、1月13日(月・祝)までの開催です。レポートはこちら。ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

質樸な字面のみから考へればこれは不思議のやうであるが、結局詩は内にあるものだけは、どんな形のもとにも必ず人の心へその響を伝へるものであるといふ事を示してゐるのである。

散文「矢野克子詩集『いしづゑ』序」より 昭和18年(1943) 光太郎61歳

「内にあるものだけは、どんな形のもとにも必ず人の心へその響を伝へるものである」。文学作品だけでなく、造型やら音楽やら、あらゆる芸術に当てはまることではないでしょうか。

この日には毎年同じようなことを書いていますが、今年もとうとう大晦日とあいなりました。とりあえず無事に一年を終えられそうで、胸をなで下ろしております。

さて、2019年最後の日、再放送ではありますが、テレビ放映で光太郎が取り上げられます。大晦日ということで、ありがたさが一入(ひとしお)です。 

びじゅチューン! 「指揮者が手」

NHK Eテレ 2019年12月31日(火) 19:50~19:55

古今東西の美術作品を井上涼のユニークな発想でうたとアニメーションに。今回は、高村光太郎の彫刻「手」(東京国立近代美術館所蔵)。この彫刻は、指をやんわり曲げていたり親指が反り返っていたりと、細かいニュアンスを伝えようとしているみたいに見える。これは、オーケストラを動かす指揮者なのかもしれない!「て」という音を効果的に取り入れた歌詞で、左手一本で音楽を自由にあやつる孤高の指揮者を歌う。

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『毎日小学生新聞』さんに「井上涼の美術でござる」という漫画を連載されているマルチアーティスト・井上涼氏の作になるアニメーションを根幹とした5分間番組です。

初回放映は平成30年(2018)10月31日でした。その後、何度目かの再放送となります。

鯰やらレモンやら、それからおそらく九十九里浜など、光太郎を象徴するさまざまなアイテムがちりばめられ、光太郎フリークにはたまりません(笑)。ぜひご覧下さい。


ところで、このブログ、平成24年(2012)にYahoo!ブログとしてスタートしましたが、Yahoo!さんがブログ事業から撤退、やむなく今年8月にLivedoorさんのブログに移転しました。移行ツールを使い、過去の記事は無事にすべて移動できましたが、文字のサイズや画像の位置などがむちゃくちゃになっていたり、Yahoo!ブログ内でリンクを貼っていたりといった点を修正せねばならず、コツコツやって参りました。新しい記事から順次修正し、平成26年(2014)まで来ましたが、結局、今年中には終わりそうにありません。まあ、気長にやろうと思っております。

以前のYahoo!ブログの頃は、そのサービスが終了した今年の初夏ごろまで、毎日のように「閲覧数が多い」ということでご褒美にTポイントが加算されていました。ある程度たまったところで、さまざまな寄付に使わせていただいていましたが、もうそれもできなくなり、その点は寂しい限りです。

閲覧数といえば、Livedoorさんのブログに移転後は、日々の訪問者数が激減しています。特にYahoo!ブログの方がサーバーから削除された後は、1日に十数人とかが当たり前。それもそのはず、googleさんやYahoo!さんなどの検索エンジンで、このブログがほとんど引っかからないというのが大きいようです。別に訪問者数、閲覧数を伸ばして悦に入りたいわけではなく、情報を皆様にお伝えしたいので、今後はフェイスブックやツイッターなどとの併用なども視野に入れなければならないかな、と思っております。


Tポイントの寄付は出来なくなりましたが、皆様方から頂いた郵便物に貼られていた切手の寄贈は、例年通り公益社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)さんに郵送して寄付いたしました。同会サイト上の「協力団体一覧」の先月分に、「高村光太郎連翹忌運営委員会」として掲載して下さっています。

それから、Tポイントの寄付は出来なくなった分、何かないかと思っていましたところ、思いついたのがベルマーク。以前は当方の子供達がかつてお世話になっていた保育園さんに匿名で郵送していたのですが、そちらは子供達が卒園して20年ほど経ち、現在もベルマークを集めているかどうかわからない状況なので、今年からベルマーク教育助成財団さんにお送りすることに致しました。こちらも郵送で寄贈を受け付けており、しかも東日本大震災被災校支援に限定して使われる「震災寄贈」というカテゴリがあるとのことで、あちらにいろいろご縁のある当会としては、うってつけです。ところが、「震災寄贈」と「一般寄贈」があり、封筒に「震災」か「一般」か明記せねばならなかったのですが、そのあたりの注意事項をよく読まずに何も書かないで送ってしまい、「一般」扱いとなってしまいました。来年以降、気をつけようと思いました。

で、過日、お礼状が届きました。

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さらにJOCSさん同様、サイト上の「今月の寄贈者」欄に載せていただいております。ただ、「高村太郎連翹忌運営委員会」となっていて、笑いましたが(笑)。


さて、明日から2020年。明朝は、これまた例年通り、愛犬をお供に、昭和9年(1934)、心を病んだ智恵子が半年間療養生活を送った九十九里浜片貝海岸に初日の出を見に行って参ります。

来年もよろしくお願い申し上げます。


【折々のことば・光太郎】

進むに従つて又いろいろな段階を経る事であらうが、大切なのは、どんなに詩境が深くなつても、いつまでも此の初一歩の魂を失はない事である。

散文「藤井照子詩集『石花采』序」より 昭和16年(1941) 光太郎59歳

「石花采」は「てんぐさ」。ところてんなどの原料となる海藻ですね。藤井照子は、光太郎が選者を務めていた雑誌『新女苑』の投稿詩欄から出た詩人。そのため、上記のようなアドバイスが贈られています。のちに光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」のモデルを務めた藤井照子とは、同姓同名の別人です。

ちなみにこのブログ、現在開設から8年目。来年5月には9年目に突入します。やはり「光太郎智恵子らに関する情報を広く紹介する」という「初一歩の魂」を「失はない」ようにやっていきたいと存じます。

光太郎ゆかりの地を扱うテレビ番組が目白押しです。ただし、光太郎の名が出てくるかどうか……というところですが。


まず、花巻。 

ブラタモリ#150 花巻~花巻はなぜ宮沢賢治を生んだ?~

NHK総合 2019年12月7日(土)  19時30分~20時15分

「雨ニモマケズ」「銀河鉄道の夜」…多くの名作を生んだ賢治を育んだ花巻の秘密をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす▽地質・鉄道・音楽…賢治とタモリさんの共通点は?

「ブラタモリ#150」で訪れたのは岩手県の花巻市。花巻で生まれ育った宮沢賢治は、ここで何を見て、何を感じたのか?そして名作はどのようにして生まれたのか?▽賢治が農業技術の改良を目指した理由は、東北の地質にあり?▽花巻にいろんな種類の石が集まる理由とは?幼少期の賢治が遊んだ河原でタモリさんも石拾い!▽「銀河鉄道の夜」のモデルになった列車ってどんな形?▽晩年の賢治がつくった「花壇」に込めた思いとは!?

出演 タモリ 林田理沙  語り 草彅剛


メインは宮澤賢治。光太郎と交流があり、その没後には光太郎や当会の祖・草野心平によって世に知られるようになり、それに恩義を感じた父・政次郎らが、光太郎の花巻疎開のお膳立てをしてくれました。

番組では、光太郎が実際に乗った花巻電鉄も大きく取り上げられます。


同じく花巻を含む岩手県内。 

じゅん散歩 岩手

地上波テレビ朝日 各回9:55~10:25

2019年12月2日(月)  「岩手県・盛岡」を散策 ▽レトロ建築が並ぶ「みちのくの城下町」▽“東京駅の兄"明治期の赤レンガ銀行▽伝統工芸品・南部鉄器3年待ちの工房へ

2019年12月3日(火) 「岩手県・花巻」を散策▽菊池雄星&大谷翔平選手の母校!花巻東▽りんご&郷土の味いろいろ 人気直売所▽純ちゃん挑戦!地元名物「わんこそば」

2019年12月4日(水) 「岩手県・中尊寺 平泉」を散策▽源義経&弁慶終焉の地の名物和菓子▽年間200万人来訪!世界文化遺産・中尊寺巡り▽金箔3万枚!金色に輝く金色堂

2019年12月5日(木) 「岩手県・花巻 賢治巡り」▽宮沢賢治の故郷でゆかりスポット散策▽地元土産で人気!特大「最中」▽所蔵4千点!宮沢賢治記念館の直筆原稿

2019年12月6日(金) 「岩手県・盛岡町家」を散策▽明治期の商家が立ち並ぶ町家通り▽伝統建築を改装した町家観光施設▽午後3時からのちょい呑み「もっきり」

出演 高田純次

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来週の放映はすべて岩手。編集の都合なのか、盛岡、花巻、平泉を行ったり来たりの放映です。木曜の放映がやはり賢治がらみです。


続いて、昨日もご紹介した宮城県女川町。 

歌のあとさき「中村雅俊~希望編」

NHK BSプレミアム 2019年12月5日(木)  17時45分~18時00分

歌手の人生を歌とインタビューで紐解く「歌のあとさき」。俳優でありながら、歌手としても多くのヒット曲を生み、今も第一線で歌い続ける「中村雅俊」を取り上げる。

中村の故郷、宮城県女川町は、東日本大震災で被災、復興支援に駆け付けた中村は、学生時代に女川の風景を歌った「私の町」で人々を激励した。続いて発表した「君がいてくれたら」でこれまで出会った全ての人に感謝をこめる。俳優として18年の朝ドラ「半分、青い。」で好演したことをきっかけに初の座長公演も行った中村は、自分と同世代の人を元気づける曲「だろう!」を発表。俳優、歌手として自らを奮い立たせる。

出演 中村雅俊  語り 石澤典夫

これに先立ち、2日(月)には「旅立ち編」、3日(火)が「飛翔編」、4日(水)で「転機編」が放映されますが、番組説明で「女川町」の語が出てくるのは5日(木)だけでした。


さらに、十和田湖。 

夢釣行 ▽十和田湖の彩りを映す可憐なヒメマス~紅葉燃ゆる陸奥ルアーゲーム~

BS日テレ 2019年12月1日(日) 17時00分~17時30分

釣り人の夢は尽きることがありません。幻の魚に出会うこと、大型の魚を狙うこと、旅先の風土や人々に触れること…。そして、心震わせる出来事が、また次の夢へとつながっていきます。この番組では、自然や人々との出会いに満ちた「夢の釣り旅」を追います。

紅葉燃ゆる陸奥の景勝地、十和田湖。秋深まるこの時期、産卵のために浅場を回遊するヒメマスをミノーイングで誘い出す。可憐なトラウトの躍動を天然色の世界に堪能する。

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もう1件。 

その他の人に会ってみた★人気アイドル密着!王林が謎の号泣&十和田湖の(秘)スポット

地上波TBS 2019年12月3日(火) 23時56分~24時55分

この番組は、世の中にあふれる様々なアンケート調査や統計で 「その他」 の項目に含まれるような、その世界での所謂 「王道の選択」 をしなかった異色の経歴の持ち主を “その他さん” と称し、その生き様を追う人物調査バラエティ。

MC を務めるのは、数々の番組で司会を務め、独自の視点で切り込むスタイルが好評の東野幸治。毎回様々なゲストとともに、“その他さん” の人生の選択に驚き、そして時には心温まるエピソードも !? 人とは違う道を選んでいるからこその興味深いエピソードが盛りだくさんの “その他さん” が登場する。

青森のアイドルから全国区に!りんご娘・王林に密着▽銀座で会った初タピオカ女子&潔癖症の美女&吉村宅での謎のパーティー▽十和田湖で会ったエリート官僚が驚きの転身

人気観光地・十和田湖周辺のその他さん
 ◇女性デザイナーが考案「KUMADAKO」とは? ◇エリート官僚が驚きの転身!ホテルの定額サービスとは? ◇願い事が叶う!十和田湖の(秘)パワースポットとは?


MC 東野幸治  進行 江藤愛(TBSアナウンサー)
ゲスト 王林(りんご娘)  吉村崇(平成ノブシコブシ)


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光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。ちらっとでもいいので映してほしいものです。

それぞれ、ぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

詩の本質は意味にもなく、声調にもなく、音韻にもなく、語彙にもない。それらのものは唯詩を形づくる素材であり、手段であり、方式であり、媒体であり、部品である。詩の本質は、その詩全体が人を打つて来る不可避不可抗の感動力であつて、これはもともと無形、無名のものである。指示し得ないけれども人の心に実存する以心伝心の磁力である。

散文「詩の本質」より 昭和18年(1943) 光太郎61歳

早世した宮澤賢治なども、もしこの文章を読んだら「そうそう」と首肯しそうだな、と思いました。











昨夜、NHK BSプレミアムさんで放映された「にっぽんトレッキング100 満喫!紅葉ワンダーランド~安達太良山&磐梯山~」を拝見しました。

智恵子の故郷、福島二本松に聳え「ほんとの空」があると語った安達太良山、そして心を病んだ智恵子が光太郎にもたれ「わたしもうぢき駄目になる」とつぶやいた磐梯山。それぞれの絶景がふんだんに取り上げられました。

しかし、この手の番組で以前はよくあった、枕としての「高村光太郎の『智恵子抄』で「ほんとの空」がある山と謳われた安達太良山」という紹介がなく、代わって「古くは『万葉集』に詠まれた安達太良山」となっていました。やはり令和改元による影響でしょうか。まったく、意外なところで強力なライバルが出現したものです(笑)。

めげずに紹介し続けます(笑)。まず、話の流れで安達太良山系。 

ココに福あり fMAP「温泉より愛をこめて」

NHKBSプレミアム 2019年11月24日(日)  5時00分~5時30分

全国5位130をこえる温泉地がある福島県。その恵みを私たちが享受できるのは、知られざる「人の力」のおかげだ。二本松市の岳温泉に湯を届けるため、雪山に毎週登る男たち。つげ義春の漫画で知られる天栄村の二岐温泉を守るため、ブナの原生林を守った人。金山町の大塩温泉では、日本有数の「炭酸の湯」を集落の共有財産として守り、恵みを分かち合ってきた。福島の自然が生み出す宝物「温泉」をめぐる三つの物語をお届けする。

ココに福あり fMAP」という番組、NHK福島放送局さんの制作で、福島では総合テレビでおおむね毎月第二金曜日の夜に放映されているそうです。そちらが系列のBSプレミアムさんで放映されます。

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今回放映されるのは、福島では昨年3月に放映された回です。したがって、令和改元前なので、「古くは『万葉集』に詠まれた安達太良山」ではなく「高村光太郎の『智恵子抄』で「ほんとの空」がある山と謳われた安達太良山」という紹介がされていてほしいものです(笑)。

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続いてラジオ番組。こちらは完全に「智恵子抄」系です。 

スペシャルプログラム Sound Travelogue ~沢木耕太郎、日本を旅する~ ラジオドラマ 高村光太郎「智恵子の紙絵」

FMヨコハマ84.7 2019年11月28日 24:00~深夜1:00007

作家、沢木耕太郎が日本を旅する番組。今回の舞台は会津若松。高村光太郎「智恵子の紙絵」のラジオドラマとともに、福島の旅の魅力の詰まった「Sound Travelogue=音の紀行文」をお楽しみください。


出演 沢木耕太郎、佐々木望、杉原夕紀、池田理恵 ほか


FM放送ですので電波の届く範囲が限られますが、聴取可能な地域の方、ぜひどうぞ。当方自宅兼事務所のある千葉県は微妙なところです。ただ、昨今はインターネットでもラジオが無料聴取できます(それも地域によりけりですが)ので、そちらで拝聴します。


もう1件。紅葉のライトアップがなされている京都知恩院さんがらみのテレビ番組です。

京都紅葉生中継2019~皇室ゆかりの秋を訪ねて~

BSイレブン 2019年11月24日(日)  19時00分~20時54分

◆晩秋の京都から、鮮やかに色づいた紅葉を かつては宮廷人や平安貴族が風流を楽しむための遊びだった「紅葉狩り」。 町民文化が大きく花開いた江戸時代以降は庶民にも広がり、現代に生きる私たちにも、その儚く美しい姿を見せてくれます。 KBS京都・BS11共同制作『京都紅葉生中継2019』。元号が“令和"となり、天皇陛下即位の礼も行われた本年は、“皇室ゆかりの秋を訪ねて"をテーマに、世界遺産・仁和寺から生放送いたします。◆メイン放送席は、皇室ゆかりの世界遺産“仁和寺" 平成6年(1994)に世界遺産に登録された、仁和寺。平安時代の宇多法皇以来、明治維新に至るまで皇子皇孫が仁和寺の門跡を相続し、御室御所とも呼ばれ親しまれてきました。京都には多くの門跡寺院がありますが、そのはじまりが仁和寺です。 遅咲きの御室桜が有名ですが、実は紅葉の名所でもあり、本年、史上初めて本格的なライトアップを実施しています。◆“皇室ゆかりの名所にある紅葉"を、生中継とVTRで紹介

生中継(予定) ※日本で唯一の皇室の菩提寺である、泉涌寺別院『雲龍院』 ※後嵯峨天皇の勅願寺にして、昨年770年ぶりに公開された『新善光寺』 ※江戸時代に仮御所としても使用された“粟田御所"『青蓮院門跡』 ※9年ぶりに方丈庭園が夜間公開される門跡寺院『知恩院』◆“皇室ゆかりの名所にある紅葉"を、生中継とVTRで紹介


司会 竹内弘一(KBS京都アナウンサー)  八木菜緒(BS11アナウンサー)
ゲスト 賀来千香子(女優)  東儀秀樹(雅楽師)
解説 所功(京都産業大学 名誉教授)
リポーター  村田千弥(フリーアナウンサー)  大倉未沙都(タレント)


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光太郎の父・光雲の手になる聖観音像が取り上げられるといいのですが……。


【折々のことば・光太郎】

私は元来芸術に於ける手技を中々貴ぶものだ。手技を追ふものではないが、手技の純芸術的世界にも深い法悦を感じるものだ。線を目送し、描出を味はひ、色調を静観してゐる事のうちに言ひ知れぬ深い世界を見るのである。

散文「岸田君の芸術の事」より 大正10年(1921) 光太郎39歳

ここで言う「手技」は、「技法」の意。造型芸術に携わる以上、基本的な技法には通じていなければならないということでしょう。ただ、あまりにそうしたテクニックのみに拘るのはよくない、とも。

「岸田君」は岸田劉生。劉生の絵には、そうした「手技」が理想的な形で使われているという話の流れからの発言です。

新刊情報です

日本の名峰 DVD付きマガジン64紅葉色めく湯の山 安達太良山

2019年11月19日 DeAGOSTINI 定価917円+税


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山を愛するすべての人へ 臨場感あふれる映像で名峰に迫る 自然派ドキュメンタリー

秋、山がもっとも美しく着飾る季節。優美な稜線を引く、たおやかな山、安達太良山。錦秋を迎え、その女性的な美しさを際立たせる。

だが、その時は極めて短い。やがて訪れる厳冬期、深い雪と、吹きすさぶ風がこの山の姿を一変させる。

一面、白の世界となるこの山に、かつて冬山の厳しさと、幻想的な美しさを教えられた旅人。まだ知らぬ秋の風景を求めて、再び安達太良山を訪れた。


同じシリーズの44号、『雪煙舞う厳冬の安達太良山』が、今年初めに刊行されています。同じ山の号が刊行されるとは思っていなかったので、嬉しい誤算でした。


このシリーズ、平成25年(2013)から同27年(2015)にかけ、BS TBSさんで放映されていた「日本の名峰・絶景探訪」という登山番組とのタイアップで、同番組を収めたDVDが付録として毎号ついています。本誌の構成も、そのDVDに準じています。

確かにその番組では、平成26年(2014)に、#32雪煙舞う厳冬の安達太良山」、#58 「紅葉色めく湯の山 安達太良山」と、安達太良山が2回取り上げられました。44号は#32、そして今号は#58を元にしています。放映は2回とも、女優の春馬ゆかりさんがナビゲーター。そこで、上記解説に「かつて冬山の厳しさと、幻想的な美しさを教えられた旅人。まだ知らぬ秋の風景を求めて、再び安達太良山を訪れた」とあるわけです。


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あちこちに「高村光太郎」、「智恵子抄」、「ほんとの空」の文字。

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まさに季節としてもいい感じのネタですね。本誌と付録のDVDをご覧の上(上記発行日、奥付に従って11月19日としていますが、10月21日には発売になっています)、ぜひ足をお運び下さい。

ただ、安達太良山、決して易しい山ではありません。つい最近も高齢の方お二人が遭難、亡くなったそうで……。

【折々のことば・光太郎】

老成組は大方皆物欲しげに時代の皮相に照応するやうな主題を選んで小さく固まつて居り、中老組は従来の惰力で唯レイルをすべつて居り、青年組は何が何だかわからないかのやうにジヤズソングじみた無方位の浅さの中に精力を放散させてゐる。
 
散文「帝展彫刻の技術感――低調と混迷との現象――」より
昭和6年(1931) 光太郎49歳

官設展覧会の彫刻の部を評した一文ですが、彫刻に限らず、芸術界一般に対しての苦言にも読めます。

さらに深読みすれば、社会全体――国や地方公共団体、企業、学校、その他あらゆる組織が腐って行く構図のようにも読めます。

テレビ放映情報です。

日曜美術館「わしがやらねばたれがやる~彫刻家・平櫛田中~」

NHK Eテレ 2019年10月27日(日)9:00~9:45  再放送 2019年11月3日(日) 20:00~20:45

西洋化の波が押し寄せる中、日本伝統の木彫の新たな形を模索した平櫛田中。6代目尾上菊五郎と作り上げた代表作「鏡獅子」の制作秘話を通してその生き様(ざま)に迫る。
歌舞伎の6代目尾上菊五郎の姿をとどめた近代彫刻の最高峰「鏡獅子」。実に22年の歳月をかけて作られた全長2mの彩色が施された木彫の像は、圧倒的な存在感を誇る。作者は岡山県井原市出身の平櫛田中(ひらくし・でんちゅう/明治5年-昭和54年)。ロダンなど西洋彫刻が流入し新たな衝撃が広がる時代のなかで、日本伝統の木彫の新たな可能性を模索した平櫛田中。107年の天寿を全うした、その生きざまに迫る。


【出 演】尾上右近 田中修二(大分大学教育学部教授)
【司 会】小野正嗣 柴田祐規子

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光太郎の父・光雲の高弟であり、光太郎とも親しかった平櫛田中がメインです。現在岡山の井原市立田中美術館さんで開催中の田中回顧展にからめての構成のようです。出演される大分大学の田中修二教授、先般、信州善光寺さんでの光雲とその高弟・米原雲海
による仁王像の調査に参加されたり、それをうけて今月初めに開催された「第14回善光寺サミット」で講演をなさったりしています。また、以前から近代彫刻史関連で、さまざまな示唆に富むご著書も世に問われています。

さらに言うなら、現在、熊本市現代美術館さんで開
催中の「きっかけは「彫刻」。―近代から現代までの日本の彫刻と立体造形」展でも展示されている木彫「鏡獅子」にスポットが当てられます。一昨年、テレビ東京さん系の「美の巨人たち」でもこの作品が取り上げられ、興味深く拝見しました。今回も期待しております。

ぜひご覧下さい。


ついでというと何ですが、「日曜美術館」とセットの「アートシーン」。主に放映日の時点で開催中の全国各地の展覧会を紹介する番組です。10月13日(日)の放映では、新宿中村屋サロン美術館さんで開催中の「生誕140年・中村屋サロン美術館開館5周年記念 荻原守衛展 彫刻家への道」が取り上げられました。

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短い時間でしたが、濃い内容でした。ただ、「アートシーン」で紹介された展覧会は「日曜美術館」本体では取り上げられないことがほとんどなので、その意味では残念ですが。



熊本の「きっかけは「彫刻」。―近代から現代までの日本の彫刻と立体造形」展は11月24日(日)まで、中村屋さんの「生誕140年・中村屋サロン美術館開館5周年記念 荻原守衛展 彫刻家への道」が12月8日(日)までの会期です。それぞれ光太郎作品も出ていますので、ぜひ足をお運び下さい。

【折々のことば・光太郎】

彫刻といふのは唯モデルを見ていろんなポオズの面白い、情趣あるものを作る事でもなく、昔風な唐美人や仏像を今様に彫りなほす事でもない。何しろ或る実体を人間の手で生まうといふのであるから、こんなやり甲斐のある、一生を投じても惜しくない、たのしみな、清雅な錬金術はないわけである。

散文「帝展の彫刻について 完」より 大正14年(1925) 光太郎43歳


田中や守衛も同じようなことを考えていたのではないでしょうか。

2件ほど。

日曜美術館「異端児、駆け抜ける!岸田劉生」

NHKEテレ 2019年10月6日(日)  20時00分~20時45分

フランスの印象派に憧れた大正時代の画壇で、ひとりデューラー風の肖像画を描き続けた異端児がいた。岸田劉生。現代画家の会田誠さんが<意識高い系>画家・劉生を語る。

日本美術史上、最も有名な少女・麗子。岸田劉生が何度も描いた愛娘7歳の肖像「麗子微笑」は、謎のほほえみを浮かべている。また静物画では、果物の配置や色つやに、ただならぬ気配が漂う。そして何の変哲もない“坂道”は、今にもこちらに迫ってきそうな迫力。岸田劉生が描くと、いつも何かがヘン。劉生は日本の洋画家の中で飛びぬけて<意識が高い><理想が高い>と語る現代画家の会田誠さんとともに、劉生の真の姿に迫る。

【司 会】小野正嗣 柴田祐規子
【ゲスト】会田誠(現代美術家)  田中晴子(東京ステーションギャラリー 学芸室長)
【出 演】山内崇嗣(アーティスト) 土師広(修復家)
     都築千重子(東京国立近代美術館 主任研究員)
 塩谷亮(画家)

本放送が9月29日(日)にありまして、拝見しました。東京ステーションギャラリーさんで開催中の「没後90年記念 岸田劉生展」にスポットを当てています。

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同時代の画家の中で、光太郎が最も高く評価していた一人である岸田劉生。なぜ光太郎が劉生を認めていたのか、その理由が分かったような気がしました。というか、彫刻と絵画、ジャンルは違えど光太郎との共通点のようなものが随所に垣間見えたというか。

まず、写実に軸足を置きながらも、単なる細密描写的な写実にとどまらず、深い精神性をも表現しようとしていたこと。


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そのバックボーンにあった、「自然」への賛美。

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そして細かな話ですが、岸田は「岸田の首狩り」と称されるほど、友人たちを捕まえてはその肖像画のモデルにしていました。下記は光太郎とも共通の友人だったバーナード・リーチ

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光太郎も同様に友人知己を片っ端から彫刻のモデルにしていた時期がありました。

それから、それぞれ自分の妻をモデルにしていたという点も共通項です。


そして西洋と東洋の融合。

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結論としては、この時代としては劉生の意識の高さが目立つ、という方向でした。

上記番組説明欄では<意識高い系>となっていますが、「系」がつくと揶揄するニュアンスを含みます。すなわち「意識高い」だけだとプラスの意味、「意識高い系」はマイナスの意味です。本放送を見る前に「おやっ」と気づき、劉生をディスるのかな、と思っていましたが、ちゃんと番組の中でコメンテーターの方が劉生は「系」ではないと否定して下さっていました。説明欄を執筆した方は、その違いをご存じなかったのでしょう。


ところで、9月24日(火)に放映されたBS日テレさんの「ぶらぶら美術・博物館」でも、同じく東京ステーションギャラリーさんで開催中の「没後90年記念 岸田劉生展」を取り上げていましたが、こちらは気がつかず、見逃してしまいました。

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失敗しました。


さて、もう1件。

びじゅチューン!「指揮者が手」

NHKEテレ 2019年10月9日(水)  19時50分~19時55分
        10月14日(月) 5時55分~6時00分  24:50~24:55


古今東西の美術作品を井上涼のユニークな発想でうたとアニメーションに。今回は、高村光太郎の彫刻「手」(東京国立近代美術館所蔵)。この彫刻は、指をやんわり曲げていたり親指が反り返っていたりと、細かいニュアンスを伝えようとしているみたいに見える。これは、オーケストラを動かす指揮者なのかもしれない!「て」という音を効果的に取り入れた歌詞で、左手一本で音楽を自由にあやつる孤高の指揮者を歌う。

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昨年、最初の放映がありました。笑えます。しかし、ただ笑えるだけでなく、よく光太郎について調べていると感心もさせられます。

それぞれぜひ御覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

偽らざる感情の発露は凡て真であつて、同時に美だと思ひます。僕だつて人間ですから、嬉しい時には笑ひもし、癇癪の起つた時には随分怒鳴り散らす事もあります。其前に何の遠慮も会釈もないのです。それと同じ事で画でも矢張書き度くつて書き度くつて耐まらない時がある、さう云ふ時こそ本当のものが出来るのです。

散文「真は美に等し」より 大正2年(1913) 光太郎31歳 

「記者」と「主人」による戯曲風のスタイルで書かれています。上記部分は「主人」のセリフから。

同じ作品の中で「岸田君や木村君の様な人が、もつと沢山現はれて来なければ駄目だと思ひます」とも記されています。

3件ほど。

まず、東京ステーションギャラリーさんで開催中の「没後90年記念 岸田劉生展」関連です。

日曜美術館「異端児、駆け抜ける!岸田劉生」

NHK Eテレ 2019年9月29日(日)  9時00分~9時45分
再放送 10月6日(日) 20時00分~20時45分

フランスの印象派に憧れた大正時代の画壇で、ひとりデューラー風の肖像画を描き続けた異端児がいた。岸田劉生。現代画家の会田誠さんが<意識高い系>画家・劉生を語る。

日本美術史上、最も有名な少女・麗子。岸田劉生が何度も描いた愛娘7歳の肖像「麗子微笑」は、謎のほほえみを浮かべている。また静物画では、果物の配置や色つやに、ただならぬ気配が漂う。そして何の変哲もない“坂道”は、今にもこちらに迫ってきそうな迫力。岸田劉生が描くと、いつも何かがヘン。劉生は日本の洋画家の中で飛びぬけて<意識が高い><理想が高い>と語る現代画家の会田誠さんとともに、劉生の真の姿に迫る。

【司 会】小野正嗣 柴田祐規子
【ゲスト】会田誠(現代美術家)  田中晴子(東京ステーションギャラリー 学芸室長)
【出 演】山内崇嗣(アーティスト)土師広(修復家)都築千重子(東京国立近代美術館 主任研究員)
     塩谷亮(画家)

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ちなみに「没後90年記念 岸田劉生展」に関しては、先週の『日本経済新聞』さんで大きく取り上げられています。

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長いので全文の引用はしませんが、光太郎に触れた箇所を。

38歳で急逝した劉生を厳しい批評家でもあった髙村光太郎は「時代を乗り越えた純美の深い探求者であつた」と偲(しの)び、「神秘の扉はしまつてしまつた。彼にかはる者は無い」と言い切っている(「岸田兄の死を悼む」)。


続いて、智恵子関連で。

昼の特選ドラマ劇場 おかしな刑事~居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査

BS朝日 2019年9月30日(月) 12時00分~13時55分

「東京タワーは見ていた!消えた少女の秘密・血痕が描く謎のルート!」▽テレビ朝日系列で2011年に放送された第8シリーズ。篤志家の社長が刺された!その背後には、30年前、東京タワーの下で起きた誘拐事件の影が…!?

出演者  伊東四朗、羽田美智子、石井正則、小倉久寛、辺見えみり、山口美也子、木場勝己、小沢象、丸山厚人、菅原大吉 (他)

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年に数回、再放送が繰り返されています。今年6月にも再放送がありました。二本松の智恵子の生家、その裏山の光太郎詩碑、安達太良山の光太郎詩碑などが舞台となっています。


もう1件。

朝の!さんぽ道 【長野市編】旅人:渡辺正行

テレビ東京 2019年10月3日(木) 7時35分~8時00分

今話題になっている街を訪ね、様々な人にふれあいながらブラブラ街を散歩します。「あっ!」と驚いたり、「へ~!」と感心したり、思わず声に出したくなるような不思議なモノや人を探していきます。さらに、途中で出会った人に「あ~よかったな!」と思った“幸せエピソード”も聞いていきます。もちろんご当地ならではのグルメ情報も満載!騒がしい朝に飽きた人に、1日の始まりを楽しくする!ほんわか散歩番組です。

今週は、芸術の秋に食欲の秋…秋に行きたい街をテーマに、一足先に様々な秋の風景を探して歩きます。ご当地グルメや温泉が登場!

今回は、江戸時代に「一生に一度は善光寺詣り」と謳われた観光名所、善光寺からスタート◆参道で発見!おやきに次ぐ新名物「じゃがバタまん」とは?&200年続く老舗和菓子店がプロデュース!信州産リンゴをたっぷり使ったアップルパイに舌鼓◆8代続く!門前蕎麦の老舗で信州名物のクルミ蕎麦に大満足◆信州のリンゴがぷかぷか浮くリンゴ温泉でほっこり


今年、開眼百周年を迎える、光太郎の父・高村光雲と、その高弟・米原雲海による仁王像などが納められている信州善光寺さんからスタートするそうです。仁王門も取り上げていただきたいところです。


それぞれ、ぜひ御覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

五月の空は水を含んで晴れ、 五月の空はブランダルジヤン。 光り満ちて若く、 木々の新緑大気をよろこぶ。

詩「風かをる」より 昭和16年(1941) 光太郎59歳

いったん作られた後、「四月の馬場」と改題、内容も大幅に変えられて発表された詩の原型から。

ブランダルジャンは「blanc d'argent」。仏語で「銀白色」の意です。

光太郎が終生敬愛し続けた、オーギュスト・ロダンを取り上げるテレビ番組が2件、近々放映されますのでご紹介します。

フランス人がときめいた日本の美術館 #15「大原美術館(岡山・倉敷)」

BSイレブン 2019年9月15日(日)  21時00分~22時00分

《傑作選》日本で初めて西洋美術を紹介▼モネから直接買い付けた絵も収蔵されている、大原美術館。そこには、大原孫三郎と画家・児島虎次郎の知られざる物語があった。

1930年、当時日本で唯一の西洋美術を鑑賞できる美術館として開館した、大原美術館。本館はギリシャローマの神殿建築を模したファサードが印象的。モダンな建築様式の分館、古い蔵を再利用した工芸・東洋館の、三つの館に分かれている。本館入口では、ロダンの彫刻が迎えてくれる。ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、モネの傑作『睡蓮』…名だたる印象派巨匠たちの絵画が一堂に会し、これらのほとんどが常設展示というのも驚き。

いったい誰が、こんな素晴らしいコレクションを? モネからは絵画を直接買い付けたエピソードが?…そこには、実業家・大原孫三郎と、新進気鋭の画家・児島虎次郎との知られざる物語があった。 さらに、「美しく保存された蔵に民藝のコレクションが調和する」とソフィーさんが称した工芸・東洋館では、大原孫三郎の思いを受け継ぎ、生涯に渡って民藝運動を支援し続けた、その長男・總一郎の思いにも迫る。

紹介作品
◆クロード・モネ『睡蓮』 ◆エル・グレコ『受胎告知』 ◆マティス『マティス嬢の肖像』 ◆ジャクソン・ポロック『カットアウト』 ◆児島虎次郎『和服を着たベルギーの少女』◆棟方志功『二菩薩釈迦十大弟子板画柵』 ほか

出演者  旅人 松本愛(モデル・タレント)  語り 椎名桔平


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この番組、週に2回放映があり、金曜日の20時からが新作の放映、日曜日の21時からは過去の放映の再放送となっています。

で、こちらは再放送。初回放映は今年の1月でした。その際には気がつきませんでした。番組説明に「本館入口では、ロダンの彫刻が迎えてくれる。」とあるので、多少の説明はあるのでしょう。

ちなみに今月6日放映の「#45 東京国立博物館『黒田記念館&本館』」では、光太郎作のブロンズ「黒田清輝胸像」(昭和7年=1932)、写りましたが説明はスルー(笑)。ちょっと残念でした。

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もう1件、こちらはもろにロダンです。

プレミアムシアター エイフマン・バレエ「ロダン」&歌劇「イドメネオ」

NHKBSプレミアム 2019年9月15日(日)24時00分~28時35分 = 9月16日(月) 0時00分~4時35分

ロシアの鬼才ボリス・エイフマン振付けのバレエ「ロダン」。彫刻家ロダンと2人の女性の愛憎を描く。▽後半はカーセン演出、マドリード・レアル劇場の歌劇「イドメネオ」

「近代彫刻の父」と呼ばれるロダンと、愛弟子のカミーユ・クローデル、そして妻ローズ。3人の愛と葛藤を、ロシアの鬼才ボリス・エイフマンがダイナミックなダンスで浮き彫りにするバレエ「ロダン」。鍛え上げられたダンサーの肉体が彫像に形を変えていく斬新な振付けに注目。▽1:38~後半は、マドリード・レアル劇場の歌劇「イドメネオ」。演出家ロバート・カーセンがモーツァルトのオペラを現代的な視点で描き出す。

出演
エリック・カトラー,ダビー・ポルティージョ,アネット・フリッチュ,エレオノーラ・ブラット,ベンジャミン・ヒューレット,オリヴァー・ジョンストン,アレクサンドル・ツィムバリュクほか

ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)

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「ロダン」は0時4分~1時36分の放映だそうです。音楽はラヴェル、サン・サーンス、マスネ、ドビュッシー、サティー。なるほど、ロダンと同時代のフランス音楽というわけですね。

番組説明にある「鍛え上げられたダンサーの肉体が彫像に形を変えていく斬新な振付け」、上記画像がそうですが、とんでもないことになっていますね(笑)。

一昨年、歿後百年を記念して公開されたフランス映画「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」を彷彿とさせられます。

それぞれぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

詩はわからない程いいのだとえらい人が言つた 詩はつかまへ様のないのがいいとなつかしい詩人が言つた 詩は一気息でなければならぬと巧者な批評家が言つた
詩「現実」初出形より 大正2年(1913) 光太郎31歳

詩「現実」は、雑誌発表時にはもともと11行の詩だったのですが、翌年の詩集『道程』に収められる際、冒頭2行だけの形にばっさり削られました。その削られた部分の抜粋です。

こののち、詩に限らず、造形芸術でも具象より抽象がもてはやされるようになり、現代詩、現代アートにつながっていくわけですが、「わからない程いい」「つかまへ様のないのがいい」というのは、詩でも造型でも具象にこだわった(単なる写実一辺倒ではなかったところに光太郎の本質があるわけですが)光太郎一流のアイロニーですね。

3件ほど。

<BSフジサスペンス劇場>『浅見光彦シリーズ22 「首の女」殺人事件』

BSフジ 2019年9月3日(火)  12時00分~13時58分 

福島と島根で起こった二つの殺人事件。ルポライターの浅見光彦(中村俊介)と幼なじみの野沢光子(紫吹淳)は、事件の解決のため、高村光太郎の妻・智恵子が生まれた福島県岳温泉に向かう。  光子とお見合いをした劇団作家・宮田治夫(冨家規政)の死の謎は?宮田が戯曲「首の女」に託したメッセージとは?浅見光彦が事件の真相にせまる!!

<出演者> 中村俊介 紫吹淳 姿晴香 菅原大吉 冨家規政 中谷彰宏 伊藤洋三郎 新藤栄作 榎木孝明 野際陽子 ほか

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初回放映は平成18年(2006)。年に何度かBS放送で再放送が繰り返されています。細かな部分は端折っていますが、大筋では故・内田康夫氏の原作を忠実に踏襲しています。


続いて、直接光太郎には関わりませんが……。

フランス人がときめいた日本の美術館 #45「東京国立博物館『黒田記念館&本館』」

BS11イレブン 2019年9月6日(金)  20時00分~20時58分

フランス人の美術史家、ソフィー・リチャード氏のメッセージをもとに、フレッシュで透明感のある旅人がトキメキの旅へ。日本の美術館の魅力を再発見する、美術館探索ドキュメンタリー。

黒田清輝に鎧と兜▼日本近代洋画の父・黒田清輝が遺した黒田記念館で、明治時代に日本美術界に新風を巻き起こしたその絵画の数々を堪能。本館では人気の「甲冑」を見る。

東京国立博物館の『黒田記念館』は、“日本近代洋画の父"と言われた黒田清輝の、美術教育に対する遺志を実現するために、昭和3年に建てられた。旧歌舞伎座などを手掛けた岡田信一郎が設計し、2002年には東京都有形文化財にも指定されている。
フランスに留学して西洋美術の基礎を学んだ黒田は、帰国後、後進の育成に尽力。当時はタブー視されていたヌード画や、軽やかな色彩の絵『逍遥』を発表するなど、西洋絵画の基本を日本に広げ、美術界に新風を起こした。
そんな黒田が、多忙な中で時間を見つけては別荘で描いたという「雲」をモチーフとした作品や、手軽な木の板に思いつくままを写生した作品を紹介。技法の縛りから解放された自然な絵からは、黒田の意外な一面を見ることができる。
そして、東京国立博物館本館では、美術品としての「甲冑」の展示を見る。美しい鎧で戦うことは、武士にとって非常に重要であったということを示し、今に伝える甲冑の数々…。実用品であり美術品でもある、そんな甲冑の変遷を見ていく。

紹介作品:黒田清輝「湖畔」「智・感・情」「椅子による女」「逍遥」「雲」、甲冑より「金小札紅糸中白威腹巻」「赤糸威鎧」「仁王胴具足」「裾濃威筋兜」ほか

<出演者> 野村麻純

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東京国立博物館さんの別館的な付帯施設、黒田記念館が取り上げられます。光太郎によるブロンズの「黒田清輝胸像」(昭和7年=1932)が展示されており、そちらも紹介してほしいものです。

光太郎の黒田評。

概括してヒウザン会の傾向をのべると、フオウビズム、印象派、後期印象派の三つに分れ、われわれの崇拝の的はゴオガンとゴツホであつた。先輩の中で、われわれの兎も角承認したのは黒田清輝氏ただ一人である。(「ヒウザン会とパンの会」より 昭和11年=1936)

明治二十年代に黒田清輝が帰朝するまでの日本での油絵研究はすべて変則なもので、油絵具はまるで便利な泥絵具であるかのやうに使はれた。西欧の通俗画の馬鹿正直な通俗的受け入れであつた。脂色で下画きをして其上へ色をつけてゆくやうな古風な方法も伝へられたが、其は別に復興期のグリザイユ方式の深い研究からの理解に由るのではなく、たださう画くものださうだからさう画くといふ程度の事であつた。黒田清輝は太陽のやうに日本の油絵の世界を明るくした。画風もラフアエル コランやレオン レルミトやジユール バスチアン-ルパアジユ風の通俗的外光派に属して居り、画面の陰影を黒でなしに紫に画くといふので紫派といはれた通り日本に初めて明るい外光の写生派を樹立したが、油絵研究上の方法や教学の方面にも従来の五里霧中の状態を一掃して、秩序ある勉強の方式をフランスから正しく輸入した。むしろ日本に於ける油絵は此時から本当に始まつたと言つてもいいのである。(「素材と造型」より 昭和15年=1940)


ついでに、「黒田清輝胸像」についても。

今美術学校と黒田記念館とにある黒田清輝先生の胸像は二三年かかつて其後つくつた。これは黒田先生を学生時代によく見てゐたので作りよかつた。先生の頭蓋の形の特異さが殊に彫刻的に面白かつた。所謂法然(ほふねん)あたまである。この頃から私もだんだん彫刻性についての自分自身の会得に或る信念を持つやうになつた。


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最後に、宮城県限定の放映ですが……。

ミヤギテレビ報道特別番組 千年後のあなたへ 私たち二十歳になりました

ミヤギテレビ 2019年9月7日(土)  10時30分~11時00分

東日本大震災の2年後、女川町の高台に「いのちの石碑」を建てた中学生たちは今年、成人式を迎えた。故郷を離れ、震災の風化を感じながらも、いま伝えたいことがある。

女川中学校の生徒たちは、多くの命が奪われた悲しみを繰り返してはいけないと町内21の浜の最大津波到達地点に石碑を建てる活動を始めた。1基目が建ったのは2013年11月。「夢だけは 壊せなかった 大震災」 生徒たちが授業で考えた俳句を刻んだ。あの日から8年半、番組ではそれぞれが子どもの頃に描いた「夢」へ着実に歩む姿と、1000年後の命を守るためのメッセージを伝える。

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このブログでたびたびご紹介しています、光太郎文学碑の精神を受け継ぐ「いのちの石碑」関連です。そのプロジェクトの中心となって活動してきたかつての中学生達が成人式を迎えたということで、これまでの活動を振り返る内容のようです。

これはぜひ系列の日テレさん系で全国放映もしていただきたいものです。


視聴可能な方、それぞれぜひご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

詩の訳などは素より馬鹿げた事なので、専らあらましを述べたに過ぎない。

雑纂「訳者曰」より 昭和6年(1931) 光太郎49歳

雑誌『星雲』に発表した翻訳「詩篇」(エミイル ブルデル)に附した注から。光太郎は、散文ならともかく、西洋の詩は韻文の要素が強く、原文で読まない限りその魅力は理解できないというスタンスでした。

2件、ご紹介します。

まず、光太郎の師・与謝野夫妻関連。

英雄たちの選択「100年前の教育改革~大正新教育の挑戦と挫折~」

NHKBSプレミアム 2019年8月21日(水)  20時00分~21時00分

目前に迫る2020年の教育改革。子供の自発的学習を促すアクティブ・ラーニング等が、教育現場を大きく変えようとしている。今から100年前、それを先取りするような改革があった。大正新教育運動だ。与謝野晶子など名だたる芸術家や教師たちが、草の根から子供中心の教育を掲げて活躍した。しかし、運動は20年ほどで下火に。大正新教育は、何を目指し、なぜ挫折したのか?現代にも通じる教訓を徹底討論で明らかにする。
【司会】磯田道史 杉浦友紀 
【出演】高橋源一郎 小針誠 山辺恵理子
【語り】松重豊

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大正10年(1921)、与謝野夫妻や西村伊作らによって創設された文化学院さんが取り上げられます。光太郎は西村とも親しく、その求めに応じてゲストティーチャーとして学院に招かれたことがあるはずです。また、日中ハーフの詩人・黄瀛は、光太郎が保証人となって学院に入学するなどしています。


もう1件。女川光太郎祭を開催して下さっている宮城県女川町がらみで。

伊達な旅紀行 いいトコ!みやぎ

BS-TBS 2019年8月26日(月)  18時24分~18時30分

週に一度は伊達な旅。いいトコ!みやぎへさあ出かけましょう。女川町は自然に囲まれた港町。東日本大震災で、町は甚大な被害を受けましたが、住みよい町として整備されました。そんな女川町で新しいスタートに挑戦している方がいます。今回は、女川町・出島へ移住された方をご紹介。

声の旅人・ナレーション 山本里菜(TBSアナウンサー)

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出島(いずしま)は女川湾の入り口に浮かぶ島で、女川光太郎の会・須田勘太郎会長がお住まいです。いずれ行ってみようと思いつつ果たせないでいるのですが、やがて本土と橋でつながる計画が進行中だとか。

それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

わかつたなんて思うのはまちがいで……。わかつたと思つた人はそこでおしまいですね。
対談「先生山を下る」より 昭和27年(1952) 光太郎70歳

日々これ精進、ということでしょう。

現在発売中の『週刊朝日』さん。

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2ページの短いものですが「文豪たちが聞いた「玉音放送」」という記事が載っています。

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写真は載っていませんが、小見出し的に「五体をうたれるショックを受けた高村光太郎」。

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8月17日、『朝日新聞』や『岩手日報』に掲載された、詩「一億の号泣」に関し、光太郎の動向。その後の7年間の蟄居生活にも触れられています。

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「市内の鳥谷崎神社」とありますが、昭和20年(1945)当時はまだ花巻に市制が施行されていませんので、正しくは「町内」ですが。鳥谷崎(とやがさき)神社、「一億の号泣」についてはこちら

光太郎以外に取り上げられているのは、永井荷風、谷崎潤一郎、江戸川乱歩、高見順、武者小路実篤、井伏鱒二、三島由紀夫、川端康成、太宰治、佐藤春夫、吉村昭。
いかにもその人らしい、と思われるエピソードもあれば、意外な感のするそれもあり、興味深く拝読しました。

ぜひお買い求め下さい。


【折々のことば・光太郎】

詩とは不可避なり  短句揮毫  戦後

画像は昭和23年(1948)、詩人の真壁仁に贈った書。

昭和3年(1928)、当会の祖にして光太郎と最も交流の深かった詩人・草野心平の第一詩集『第百階級』の序文に、「詩人とは特権ではない。不可避である。」と書いた光太郎。「不可避」の語は他にも好んで使用していました。会話の中では口ぐせ的に「やみがたい」という語をよく使っていたそうですが、「不可避」と通じる部分が在るように思われます。

「不可避」一語の揮毫も存在しますが、『高村光太郎全集』の「短句」の項では、基本的に一語のみのものは登録されていません。

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昨日、NHK BSプレミアムさんで放映された「偉人たちの健康診断 東京に空が無い “智恵子抄”心と体のSOS」を拝見しました。

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全体的にはなかなかのクオリティでした。

健康系の番組ですので、心を病んだ智恵子がメイン。そこから様々な知恵を学び取ろうというコンセプトです。

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再現ビデオの部分は、予想通り平成27年(2015)にNHKさんの地上波総合テレビで放映された、「歴史秘話ヒストリア 第207回 ふたりの時よ 永遠に 愛の詩集「智恵子抄」」からの使い回しでした。しかし、久しぶりに見て、やはり感動してしまいました(笑)。そういえば、MCの渡邉あゆみさん、当時「ヒストリア」でも司会でした。

龍星閣版『智恵子抄』初版の映像も「ヒストリア」からの転用。したがって、「ヒストリア」の際にお貸しした当方手持ちの『智恵子抄』です(笑)。

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コメンテーターとしてご出演なさった、『詩人の妻 高村智恵子ノート』(昭和58年=1983 未来社)の著者・郷原宏氏をはじめ、医学系の専門家の方々による分析や説明など、「なるほど」という点が多く、その点がすばらしいと思いました。

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智恵子の故郷・福島二本松、戦後に光太郎が逼塞した花巻郊外旧太田村、そして光太郎最後の大作にして智恵子の顔を持つ「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ十和田湖などの映像もふんだんに使われていました。

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また、光太郎彫刻や智恵子の紙絵、古写真、ブリヂストン美術館さん制作の美術映画「高村光太郎」から光太郎の動画なども使われ、手間がかかっている丁寧な作りだと感心しました。

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当会顧問・北川太一先生ご所蔵の、智恵子から母・センに宛てた書簡(昭和6年=1931)も。

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同じく北川先生ご所蔵の、結婚前の光太郎から智恵子へのラブレター(大正2年=1913)は紹介されませんでした。

しかし、一点、苦言を呈させていただくと、「智恵子が色覚異常であった」と、ほぼ断言していた点。

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確かにそういう説はあります。その根拠は、智恵子が福島高等女学校時代の親友だった上野ヤスにそう語ったことがある、という証言です。あとは状況証拠的に、結局、油絵で大成できなかったことや、画学生時代に人と違う色遣いを好んでいたという証言、それから光太郎の残した「彼女は色彩について実に苦しみ悩んだ。」(「智恵子の半生」昭和15年=1940)、「その油絵にはまだ色彩に不十分なもののある事は争はれなかつた。その素描にはすばらしい力と優雅とを持つてゐたが、油絵具を十分に克服する事がどうしてもまだ出来なかつた。」(同)という回想がある程度です。

智恵子が色覚について医師の診断を受けたという記録は見あたりません。また、番組でも解説されていましたが、女性の場合は発症率が非常に低い(番組では500人に1人としていました)のです。色覚異常はほぼ100%遺伝によるもので、女性の場合、両親双方から遺伝因子を受け継がないと発症しません。となると、智恵子の父母弟妹などにもその症状が現れているはずなのですが、そうした記録も見あたりません(もっとも、智恵子以外は自覚することができなかったのかもしれませんが)。

そう考えると、智恵子が色覚異常だったと断定するのは早計だと思われます。

ただ、その後の専門家の方の解説が非常に興味深いものでした。人類に一定の割合で色覚異常が発現するのは、狩りをしていた太古の時代の名残だろうというのです。

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保護色で目くらましをはかる獲物や、人類の天敵たる肉食獣を発見しやすいそうで。これは存じませんでした。

後半は、やはりパラアート的な部分、アートセラピーなどの関連で智恵子の紙絵が紹介されました。

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智恵子同様、切り絵に取り組んでいる患者さんもご出演。興味深く拝見しました。

ラストは「乙女の像」。

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8月1日(木)、午前8:00から9:00、同じNHK BSプレミアムさんで再放送があります。ご覧になっていない方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

私はふざけた事は大厭ひなんですけれど、上品なユーモアは好きです。変なあくどい漫画は、手許にあれば裂き捨てる位なんですが、気品高きものは、飽かず眺めます。

談話筆記「悪趣味を排す」より 大正14年(1925) 光太郎43歳

漫画とは同列に扱えないとは思いますが、後の智恵子の紙絵も、「上品なユーモア」「気品高きもの」として、「飽かず眺め」たことでしょう。

テレビ放映情報です。

にほんごであそぼ

NHK Eテレ 2019年7月30日(火) 6時35分~6時45分  再放送 17時00分~17:10

日本語の豊かな表現に慣れ親しみ、楽しく遊びながら『日本語感覚』を身につける番組。言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に制作しています。今回は、玉屋鍵屋、文楽/智恵子は東京に空が無いといふ「あどけない話」高村光太郎、ヨシタケ×山陽のおよおよ/「蟹工船」小林多喜二、歌/浜辺の歌、五十三次ロケンロー。

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公式サイトに拠れば、「今週は、リクエストを頂いた回の再放送です!」だそうで、調べてみましたところ、平成29年(2017)6月29日に初回放映のあった回のようです。

文楽の三代桐竹勘十郎さんによる人形浄瑠璃仕立てで、光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)の冒頭2行「智恵子は東京に空が無いといふ、/ほんとの空が見たいといふ。」が、50秒間で演じられます。

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この番組、時折、光太郎詩を取り上げて下さるので、ありがたい限りです。再放送や過去の映像の使い回しも多いのですが、それでもありがたく存じます。

ちなみにここ数年ですと、「人に」(大正元年=1912)、「道程」(大正3年=1914)、「」(大正2年=1913)、「冬が来た」(大正2年=1913)など。それらの回も再放送を望みますし、新作もどんどん作っていただきたく存じます。そして、主な視聴対象である小さいお子さん達に、光太郎の名と作品を刻みつけていただきたいものです。


ちなみに明晩はNHK BSプレミアムさんで、やはり「あどけない話」に関わる「偉人たちの健康診断東京に空が無い “智恵子抄”心と体のSOS」が放映されます。併せてご覧下さい。


【折々のことば・光太郎】

ロダンに対する敬愛の情が此の訳をさせたのは素よりの事である。面白づくと一緒に考へられては堪らない。

雑纂「「ランスの本寺」の正誤と訂正、其他」より
 大正4年(1915) 光太郎33歳

翌年、単行書として刊行される光太郎訳の『ロダンの言葉』に関して。「面白づく」は「おもしろいというだけで、無責任にすること。興味本位」。そんなものではないのだよ、という宣言です。

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