カテゴリ: テレビ/ラジオ番組等

地方局IBC岩手放送さんのローカルニュース番組から。

まずは花巻市の萬鉄五郎記念美術館さんで明日まで開催される「歌人 小田島孤舟」展に関して。ただ、光太郎から小田島宛の書簡等も展示されていますが、それには触れられていませんでした。

「岩手歌壇の父」小田島孤舟の足跡をたどる ふるさとの花巻市で企画展

 数多くの短歌を作り「岩手歌壇の父」とも称される歌人、小田島孤舟の足跡を紹介する企画展が、岩手県花巻市で行われています。
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 1884年に花巻市東和町に生まれた小田島孤舟、本名・理平治は、画家の萬鉄五郎の同級生です。国語の教師の傍ら歌人としても活躍しました。3800を超える短歌を制作し、石川啄木との交流を始め岩手と中央文壇を結ぶ重要な役割を果たしました。
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 花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館で行われている企画展では、孤舟の足跡をたどる関係資料114点が展示されています。
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 中でも萬が描いた孤舟の肖像画や2人の手紙のやり取り、それに歌集の冊子絵などは、萬と孤舟との生涯にわたる友人関係を分かりやすく伝えています。
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 この企画展は2月26日まで開かれています。
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閉幕間際の紹介ですが、このニュースを見て「そんなのやってるんだ」と初めて知った方が今日明日で行かれるということも有りえますね。

もう1件、これも光太郎とは直接関わりませんが、過日亡くなった松本零士氏と花巻のつながりについて。

漫画家の松本零士さん死去 「銀河鉄道」が縁で交流があった岩手・花巻市でも悼む声

 マンガ家の松本零士さんが急性心不全で13日に亡くなりました。85歳でした。松本さんはかつて、代表作「銀河鉄道999」のヒントになった童話「銀河鉄道の夜」を書いた宮沢賢治のふるさと岩手県花巻市を訪れ、子どもたちと交流していました。
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(松本零士さん)
「未来は無限大。無限大の夢が皆さんにはある。どうか、どうか若い人は頑張ってください」
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 松本さんは2012年、「宇宙」をテーマに子どもたちが体験活動を行う、公益財団法人日本宇宙少年団の花巻分団が花巻市に設立されるにあたり、プレイベントとして開かれた交流会を訪れました。「銀河鉄道の夜」を生んだ宮沢賢治のふるさと、花巻市の訪問をとても喜んでいたといいます。
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  松本さんを招待した佐々木和彦さんはこう振り返ります。

(日本宇宙少年団花巻分団 佐々木和彦代表)
「タクシーに乗って走りながら景色を見て、『こういう景色がああいう発想を生むんだな』とおっしゃったんですね。つまり(宮沢)賢治の銀河鉄道というイメージが、こういう環境から出るんだなということをおっしゃったのを覚えています」
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 松本さんが初めて「銀河鉄道の夜」に触れたのはスライドの上映だったそうです。
(日本宇宙少年団花巻分団 佐々木和彦代表)
「どうしてこういう発想ができるのか、というのがわからなかったと。こういう素晴らしい世界があるのか、という気持ちを持ったというんですね」
 佐々木さんは天上に向かう銀河鉄道に亡くなった松本さんを重ねて冥福を祈りました。
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(日本宇宙少年団花巻分団 佐々木和彦代表)
「松本先生も自ら銀河鉄道に乗って、これから楽しい旅をつづけるんだろうなと思っていました。悲しくなりますけど、先生にとっては楽しいんじゃないかなと思います」

松本氏、平成28年(2016)の『サライ』6月号に「銀河鉄道の夜」関連の寄稿をなさっていました。
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改めまして、ご冥福をお祈り申し上げます。

【折々のことば・光太郎】

今日は巴里は大層な濃霧で町が夢の様に見えます。今朝丁度ノオトルダム寺院の南塔の鐘を見に行つて高い上から四方を見た時の心持ちたらありませんでした。それにあのゴオゴイス。どうしても中世期頃の魂がどこかあの建築の中に活きて居て僕らをおびやかして居る様でした。尖塔の尖がつたさきについて居る鉄の鶏が今にも鳴きはせぬかと思はれました。塔のテツペンから下を見て居ると何だか飛び下りて見たくなつて思はずぞツとしました。


明治42年(1909)3月11日 南薫造宛書簡より 光太郎27歳

後の長詩「雨にうたるるカテドラル」(大正10年=1921)にも通じる内容ですね。「ゴオゴイス」は「Gargouille」、ノートルダム大聖堂を飾る伝説の竜で、現在は「ガルグイユ」と表記されることが多く、「雨にうたるる……」でも「ガルグイユ」となっています。

この書簡と似たような「塔のてっぺんから宙を歩けそうだと思った」的な話を、パリ在住の留学生仲間にも語り、彼らは「高村の神懸かり」と、心配したり揶揄したりしたそうです。

国民的アニメ「サザエさん」で、サザエさんの長男・タラちゃんの役をなさっていた貴家堂子さんが亡くなりました。

『朝日新聞』さん。

タラちゃん役53年、声優の貴家堂子さん死去 月内は出演、後任未定

014 フジテレビのアニメ「サザエさん」で1969年の放送開始からフグ田タラオ役を演じてきた、声優の貴家堂子(さすが・たかこ、本名堀内堂子〈ほりうち・たかこ〉)さんが5日死去した。87歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は夫堀内博周(ひろかね)さん。
 「サザエさん」放送開始から53年間、「タラちゃん」ことサザエの息子のタラオを演じ、2019年には「最も長くテレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じ続ける声優」として、サザエ役加藤みどりさんとともにギネス世界記録に認定された。
 他にも、「天才バカボン」のハジメちゃん、「ハクション大魔王」のアクビ、「リボンの騎士」のチンクなどを演じた。
 フジテレビによると、貴家さんの「サザエさん」出演は2月26日の放送回まで。タラオ役の後任は検討中という。

『デイリースポーツ』さん。

永遠の3歳 タラちゃんを53年間ありがとう 声優・貴家堂子さん死去 87歳

013 声優の貴家堂子(さすが・たかこ、本名堀内堂子=ほりうち・たかこ)さんが5日午後に死去していたことが10日、分かった。87歳。東京都出身。フジテレビ系の国民的テレビアニメ「サザエさん」(フジテレビ系、日曜、後6・30)でフグ田タラオ(タラちゃん)の声を1969年の放送開始から務め、親しまれていた。葬儀は近親者で行った。喪主は夫の堀内博周(ほりうち・ひろかね)氏。
 あまりにも突然の別れだった。
 放送開始から53年もの間、3歳のタラちゃんを演じてきた貴家さん。母サザエさん役の声優・加藤みどり(83)は、初回放送から伴走してきた最後の共演者を失い、「『サザエさん』の初回放送から50年以上、ずっと一緒に家族として歩んできた貴家ちゃん。“貴家ちゃんがいるうちは私も頑張らなきゃ”と思っていたので貴家ちゃんがいなくなって本当に寂しく、悲しい気持ちです」と別れを惜しんだ。
 関係者によると、貴家さんが最後となった「サザエさん」の収録に臨んだのは今月2日。その時はいつもと変わった様子はなく、病気で療養などもしていなかったという。関係者も「驚いています」と絶句した。
 貴家さんは2019年10月6日、タラちゃん役を演じたキャリアが50年と1日を記録し、「テレビアニメシリーズにおいて最も長く同じ役を演じた声優」として、加藤とともにギネス世界記録に認定された。
 また、「天才バカボン」のハジメちゃん、「ハクション大魔王」のアクビ、「リボンの騎士」のチンクなどのかわいい声で、多くのファンを魅了した。
 貴家さんが最後に出演した「サザエさん」は、今月26日放送の「サザエさん ひな祭り1時間SP」となる。後任について、フジテレビでは「検討中です」としている。
 ◆ファミリー悼む
 マスオ役・田中秀幸「大切な宝物を失った悲しみで一杯です。貴家さん。穏やかな語り口、優しいお言葉、素敵な笑顔…しっかり胸に刻んでおきます。ありがとうタラちゃん」
 波平役・茶風林「突然の訃報に言葉がありません。いつもおしゃれでニコニコと優しい笑顔を振りまいてくださいました。ずっとずっとご一緒できると思っていたのに残念でなりません」
 フネ役・寺内よりえ「貴家さんには折あるごとに温かく見守りお声がけ頂き感謝しております。一つの役を長く演じてこられた大先輩のお言葉・お姿を胸に刻み、励んで参ります。貴家さん、そして愛らしいタラちゃん、お疲れ様でした」
 カツオ役・冨永みーな「スタジオでいつもいつも優しくしていただきました。そしてキュートでいらっしゃった貴家さん。突然の訃報にとても驚いています。寂しいです。心よりご冥福をお祈り致します」
 ワカメ役・津村まこと「貴家さんはお茶目でタラちゃんそのままのような本当にかわいらしい優しい方でした。全く実感はないのに脱力感がすごいです。あのタラちゃんのかわいらしい声が聞けなくなるなんて寂しいです、残念です」

1月29日(日)放映分に「カツオの行く道」という回がありました。カツオ君が、学校の課題なのでしょうか、光太郎詩「道程」(大正3年=1914)を暗誦しなければいけない、しかしなかなか覚えられないという話で……。カツオ君曰く「道路工事のおじさんの詩だと思った」。
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そこで磯野家では、「道程」がちょっとしたブームに。
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最後は3歳のタラちゃんも覚えてしまいました。
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それを道路工事のおじさんたちの前で披露。
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しかし「道路工事のおじさんの詩です」と言う前に、サザエさんが現れ……
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貴家さん、53年間、お疲れさまでした。そしてほぼ最後に、素敵な「道程」をありがとうございました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

【折々のことば・光太郎】

小生は六月頃渡英のつもり。米国の研究の始末をつけるので大多忙、


明治40年(1907)4月30日 大澤三之助宛書簡より 光太郎25歳

前年2月にニューヨークに着いた光太郎、1年余りで次なる目的地、ロンドンを目指します。東京美術学校の先輩、白瀧幾之介らが既にロンドンに居り、また、何と言っても大英博物館がありますので。

テレビ放映情報を2件。光太郎智恵子に触れられるかどうか、微妙ですが……。

ドキュメント72時間「福島 真冬の山小屋にて」

地上波NHK総合 2023年2月10日(金) 22:45~23:15

福島・安達太良山の標高1350m地点にある築60年の山小屋。山頂を目指す登山者たちが、体を休め、緊張から解放されるひとときを過ごす。山小屋には温泉があり、宿泊も可能。休憩がてら装備を整え、登頂を目指す4人組。ふもとから食材を持ち込み自炊を楽しむ男性。毎年、ここで忘年会を開くグループもいる。2022年の暮れ。あえて厳しい雪山を登り、ここを訪れる人たち。その胸のうちに3日間、耳を傾ける。

【語り】田畑智子
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定点観測的にロケの場所を決め、そこで丸3日間、72時間の取材を行って、そこを訪れる人々の人間模様を描くというコンセプトの番組です。松崎ナオさんによるテーマソング「川べりの家」が染みます。


今回の舞台は、智恵子が「ほんとの空」があると言った、福島二本松の安達太良山。その山頂に近い山小屋・くろがね小屋です。「ほんとの空」「智恵子抄」「光太郎智恵子」といった話が少しでも出てくるとよいのですが……。

もう1件。

宮川一朗太のおっ!さんぽ #42

BSJapanext(無料) 2023年2月13日(月) 19:58〜21:00

俳優・宮川一朗太が、おっさんの嗅覚をいかして北海道・東北地方の知られざる魅力を掘り起こします!その地でしか味わえない極上グルメに、息を飲む絶景など、旅気分をゆったり楽しめる60分!
俳優・宮川一朗太が岩手・花巻市をお散歩!
▼花巻名物・10段ソフトクリーム!
▼銀河鉄道のハンカチ?職人の技を見学!
▼宮沢賢治が愛した湯治屋「大沢温泉」

出演者 宮川一朗太
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光太郎第二の故郷・岩手花巻が舞台。マルカン大食堂の10段巻きソフトクリームが紹介されます。また、当方も定宿にしている(来週の「高村光太郎生誕140周年記念事業 対談講演会 なぜ光太郎は花巻に来たのか」の際にも泊まります)大沢温泉さん。「宮沢賢治が愛した湯治屋」ということで、賢治には触れられるようですが、光太郎もたびたび訪れたことに触れていただきたいものです。ただ、光太郎は通常の温泉旅館的な山水閣さん、現在は宿泊棟としては休業中の菊水館さんに宿泊したことは確認できていますが、自炊部(湯治屋)さんがメインとなるとどうかな、という気はしますが……。

ちなみにこの番組、昨年には智恵子の故郷・二本松を取り上げ、岳温泉さんなどが紹介されましたが、光太郎智恵子の名は出てきませんでした。

とりあえず、ぜひそれぞれ、ご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

If you will not take me, I must greatly disapoint myself. I must have no work, no study, no hope, no pleasure. My coming to this country must end by all in vain.


明治39年(1906)4月(推定) ガットソン・ボーグラム宛書簡より
 光太郎24歳

留学に際し、東京美術学校教授・岩村透に書いてもらった複数のアメリカの彫刻家への紹介状を携えていった光太郎ですが、彼らは歓待はするものの、雇うとは言ってくれませんでした。

そこで光太郎、メトリポリタン美術館でその作品を目にし、「ほう」と思ったボーグラムへ体当たり的に雇ってくれと書簡を送りました。ボーグラムはこれ以前に光太郎の先輩に当たる彫刻家・本保義太郎を助手として雇っていたことがあって、光太郎もそれを知っていました。同じ書簡には本保の名も書かれています。

上記の必死の訴えが功を奏し、光太郎は週給6ドルで採用されましたが、「弟子」という位置づけではありませんでした。そのためか、4ヶ月ほどでやめています。ただ、10月から通い始めたアート・ステューデント・リーグではボーグラムが教鞭を執っていまして、喧嘩別れ的な感じではなかったと思われます。

昭和44年(1969)開始の国民的アニメ「サザエさん」。次回放映で光太郎が取り上げられます。

サザエさん【カツオの行く道/サイフに優しいお楽しみ ほか】

地上波フジテレビ 2023年1月29日(日) 18:30~19:00
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【マスオさんにおまかせ】
マスオが突然、洗濯の手伝いをすると言い出す。「色柄物は別に洗う」「ポケットの中は確認する」「干す時にはシワをしっかり伸ばす」等、サザエから洗濯の注意点を教わる。家族は、急に家事にやる気を出すマスオに驚く。どうやら共働きの同僚に「夫婦で家事をやるのは当然のことだ」と言われ、影響されたらしい。

【サイフに優しいお楽しみ】
サザエは近所の主婦から「お金のかからない趣味は、家計に優しくて楽しい」と勧められ、手始めに野草摘みに挑戦する。空地の茂みで食用に出来る野草を探していると、たまたま野球をやっていたカツオたちに大型犬に間違えられてしまう。野草摘みをカツオから迷惑がられたサザエは、別のお金のかからない趣味を見つけると言う。

【カツオの行く道】
カツオは、高村光太郎の詩『道程』の中の一節「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」を聞き「道路工事のおじさんの詩だと思った」と言い出す。波平から「この詩中の道は、道路ではなく人生の道だ」とあきれられる。ワカメはカツオの勘違いがおかしく、笑いが止まらない。「絶対人に言うなよ」とカツオに念を押される。
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出演者
サザエ:加藤みどり カツオ:冨永みーな ワカメ:津村まこと タラオ:貴家堂子 
フネ:寺内よりえ マスオ:田中秀幸 波平:茶風林 ほか

【原作】 長谷川町子
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ちなみに、オープニングテーマソングのバックは、昭和49年(1974)から続く「サザエさんの旅」ですが、現在は北海道(冬編)です。

冒頭が、札幌大通公園。
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光太郎のDNAを受け継ぐ彫刻家の一人・本郷新の彫刻「泉の像」(昭和34年=1959)が。

もしかして以前に「青森編」があって、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」とかも取り上げられたのかな、と思って調べてみました。すると、平成10年(1998)に「青森・岩手・宮城」だったそうですが、細かな内容は確認できませんでした。実現していないということであれば、ぜひサザエさんに像の前で左手を掲げる像のポーズを取っていただきたいものです(笑)。

閑話休題、ぜひ「カツオの行く道」、ご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

くもり晴、冷 春子さん、あけみさんくる 澤田伊四郎氏くる 44800 豊周夫妻さん子さんくる 北川太一さんくる


昭和31年(1956)3月27日の日記より 光太郎74歳

その死の6日前です。この日も危篤の報を受けて多くの見舞客。「くる」と名が挙げられていませんが、当会の祖・草野心平も。その心平の日記から。

中西夫人結婚式に行かれ、あとをあづかる。北川太一君きたる。一緒に高村さんに会ふ。三日ぶり也。(略)高村豊周夫妻、令嬢きたる。「苦しいですか」「息苦しいね、息がとまりさうになることがある。八分程とまれば楽になるね。永久に」などといふ。まぶたが少しむくんでゐる。(略)関先生大気先生岡本先生来診。レントゲン写真を見せらる。健康な肺で呼吸してゐる部分なしとの由。

新年早々残念な話題ですが……。
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千葉県銚子市犬吠埼の老舗旅館・ぎょうけい館さん。明治7年(1874)創業で、大正元年(1912)夏には、結婚前の光太郎が写生旅行のため滞在、それを追ってきた智恵子も宿泊し、愛を確かめ合った宿です。光太郎智恵子ゆかりの宿としてテレビ番組等で紹介されたこともたびたびでした。

光太郎が「智恵子抄」を執筆した宿、と紹介されることもありました。ただ、確かに犬吠から帰った直後に「智恵子抄」に収められた「或る宵」「梟の族」「郊外の人に」などの詩を発表していますが、これらをこの宿で書いたという事実は確認出来ていません。
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建物は建て替わり(明治期の生け簀の跡などは現存)、経営も代わって(現在の母体は日本ビューホテル株式会社さん)、宿の名も元々漢字だった「暁鶏館」から平仮名交じりの「ぎょうけい館」となりはしましたが、連綿と歴史を刻んで来られました。

当方、宿泊したことはありませんが、何度も訪れ、食事はさせていただいたりしました。

しかし、1月16日(月)のチェックアウトをもって、およそ150年の歴史に幕を閉じられるとのこと。残務整理等のため、1月31日(火)までは業務を続けるそうですが。
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既にレストランは営業を終了しています。

特に言及はされていないのですが、やはりコロナ禍によるところが大きいのではないのでしょうか。コロナのため全国的に大ホテルさんの営業停止が続いていますし。

どこか他の会社さんで営業を引き継いで「暁鶏館(ぎょうけい館)」の名を残していただければ、と思うのですが、難しいのでしょうね。

かえすがえす残念です。

続いて、まったくの別件ですが、テレビ放映情報です。

徹子の部屋 渡辺えり

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演劇の道一筋50年、渡辺えりさんがゲスト。高校卒業後は地元・山形に残ってほしかった父の反対を押し切り上京。当時、娘を心配した父からは毎日手紙が…。それほど娘を溺愛した父が昨年95歳で亡くなった。病室で最期に対面した後は葬儀までバタバタと進んだ。突然のことで気が動転する自分をなだめ、全てを取り仕切ってくれたのは弟だったという。実は父が他界する直前に足を剥離骨折した渡辺さん。自分のことまで気遣ってくれた親族のありがたさが身に沁みたと語る。

出演 黒柳徹子 渡辺えり

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ゲストの渡辺えりさん、昨年亡くなったお父さまについてのお話もなさるそうです。お父さまの渡辺正治氏、戦中、戦後と、光太郎と交流がおありでした。

ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

ひる頃奥平さんくる、岩国のハスをもらふ、 ヒゲソリ、洗髪、 藤島さんくる、詩朗読の話、
昭和30年(1955)12月31日の日記より 光太郎73歳

昭和30年(1955)も暮れて行きました。光太郎の生命の炎、あと3ヶ月と少しです。

2022年の最後の日となりました。

昨日まで、このブログサイトでは光太郎歿後年譜的に今年1年の主な出来事をご紹介して参りましたが、振り返ってみると、コロナ禍前の状況にかなり戻った感がしました。一昨年はとにかく自粛・自粛で各種イベントが軒並み休止、昨年もその余波がまだ続いていました。それが今年、特に秋以降はイベントの開催がまた以前のように為されるようになってきたように思われ、ありがたく存じました。ただ、関係者の方にコロナ感染が出て、中止となった公演等もあり、まだまだ予断を許さぬ状況ですね。

それから、コロナ感染症で、という方はいらっしゃらなかったように見受けられましたが、関係者の方々の訃報が相次ぎ、残念でした(例年のことではありますが……)。改めまして今年一年で亡くなった関係の皆様に、謹んで哀悼の意を表したいと存じます。

コロナ禍前の状況、といえば、皆様から頂いた郵便物に貼ってあった切手のJOCS(日本キリスト教海外医療協力会)さんへの寄付。整理するボランティアさんの密を避けるということで2年ほど受付が休止されていたのが復活したので、約3年分をまとめてお送りしました。
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ご協力団体一覧」ということで、サイトに当会の名も載せて下さっています。

それからベルマークは「ベルマーク教育助成財団」さんに、さらに未使用の筆記用具やらノートやらがごっそりあって、これらは「NPO法人もったいないジャパン」さんに、それぞれ当会の名義で寄付させていただきました。

さて、別件で、明日放映されるテレビ番組の情報です。

暦に集う 「ダイヤモンド富士」

私たち日本人が暦の訪れを感じるのは、「自然」「生きもの」「人々」が見せてくれる、四季折々の表情です。「暦に集う」では日本各地の祭りや行事に集まる人々、四季の花々、季節の生き物たちなど、心温まる季節感を全国各地に追って、“味わいのある集い”を紹介します。

甲府盆地の南西に位置する山梨県・富士川町に、早朝多くの人が集っていました。実はここは「ダイヤモンド富士」の撮影スポット。富士山頂からのご来光を撮影するためです。朝7時20分、雲一つない空に「ダイヤモンド富士」が現れました。詩人の高村光太郎はこの地を訪れた際、「こんな立派な富士山は初めてだ」と感嘆したそうです。一年の始まりを「ダイヤモンド富士」で迎えて、今年も良い一年になることをお祈りしています。

【語り】三田寛子
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舞台は山梨県南巨摩郡富士川町上高下(かみたかおり)地区。昭和17年(1942)、光太郎が詩部会長に就任した日本文学報国会と読売新聞社が提携して行われた「日本の母」顕彰事業のため、光太郎がこの地を訪れました。それを記念して光太郎文学碑が昭和62年(1987)に建てられています。

その碑にほど近い場所が「ダイヤモンド富士」が見られるスポット。過去にやはり光太郎にからめ、『日本経済新聞』さんや、『毎日新聞』さん、漫画『ゆるキャン△』などで紹介して下さいました。

元日早々番組説明欄に光太郎の名が入った番組の放映があるとは、来年は良い年になりそうな予感が致します。

皆様もどうぞ良いお年を。

【折々のことば・光太郎】

夕方花巻の木彫家佐藤清三郎氏くる、観音山の観音のこと、監督といふ事断り、

昭和30年(1955)10月21日の日記より 光太郎73歳

清三郎」は「精三郎」の誤記です。佐藤は「瑞圭」と号した仏師で、光雲の孫弟子に当たります。花巻の出身で、昭和23年(1948)には光太郎が蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋を訪れたこともありました。その山小屋にほど近い音羽山清水寺さんなどに作品が残っています。

「観音山」云々は詳細不明です。

テレビ放映の情報です。

まずは「開運!なんでも鑑定団」。地上波テレビ東京さんで8月30日(火)に初回放映のあったものの再放送。

開運!なんでも鑑定団3本の矢!戦国大名<毛利家秘宝>衝撃値!

地上波テレビ東京 2022年12月25日(日) 12:54〜14:00
BSテレ東 2022年12月29日(木) 18:54〜20:54


■3本の矢…戦国大名<毛利家3代の秘宝>に衝撃値■樹齢500年…アノ超絶彫刻にも使用<巨木宝>に仰天鑑定額■ブルース・リーら…<伝説映画>お宝一挙鑑定

【MC】今田耕司、福澤朗  【ゲスト】クミコ(歌手)
【アシスタント】片渕茜(テレビ東京アナウンサー)【ナレーター】銀河万丈、冨永みーな
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BSテレ東さんでの放映は、他の回と2本合わせての放映となります。

問題の鑑定依頼品は、トチノキのテーブルと椅子。長野県の方からの鑑定依頼でした。
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由緒があるものではなく、現代の実用家具だそうですが。
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司会の今田耕司さんが座らせてもらったところ……
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ここで、トチノキについての解説。
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連翹忌の集いで使わせていただいている日比谷松本楼さん近くの桜田通りです。
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さらに木材としてのトチノキ。
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ここで、番組説明にある「アノ超絶彫刻」。光太郎の父・光雲の代表作「老猿」です。
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なるほど。

光雲が使ったのは栃木県鹿沼市のトチノキ。伐採した後の切り株からまた芽が出、10年ほど前にはまだ健在だったそうですが、現在はどうなっているのでしょうか。

ちなみに「老猿」、上野の東京国立博物館さんの所蔵で、今年は常設展にずいぶん長い間展示していただきましたし、来年3月から竹橋の東京国立近代美術館さんで開催される記念展「重要文化財の秘密」展に目玉の一つとして貸し出されます。また近くなりましたらご紹介します。

余談ですが、番組内ではトチの実の紹介も。
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これはパリ留学中の光太郎が好んで食べた食材の一つです。さすがに番組でそこまでは触れられませんでしたが。

もう1件。

宮川一朗太のおっ!さんぽ #37

BSJapanext(無料) 2022年12月26日(月) 19:58〜21:00

俳優・宮川一朗太が、おっさんの嗅覚をいかして北海道・東北地方の知られざる魅力を掘り起こします!その地でしか味わえない極上グルメに、息を飲む絶景など、旅気分をゆったり楽しめる60分!
今回は福島県・二本松市をお散歩!
▼あの有名人の御用達?名物のソースカツ丼 ▼極上の癒し、安達太良山の岳温泉 ▼世界一の日本酒、奥の松酒造

出演者 宮川一朗太
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智恵子の故郷・福島二本松を、俳優の宮川一朗太さんがお散歩。光太郎智恵子、「智恵子抄」、「ほんとの空」といった話になるかどうか……というところですが。
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それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】000

夕方草野心平氏くる、「文学アルバム」について、すしを一緒にたべる、玉ずし、


昭和30年(1955)9月11日の日記より 光太郎73歳

「文学アルバム」は、筑摩書房発行の『日本文学アルバム 高村光太郎』。光太郎が歿しておよそ2週間後の翌年4月20日に刊行されました。

幼少期からの光太郎の生涯を豊富な写真で追ったもので、亡くなる直前の光太郎、そのゲラを確認し、「That's the endか」と言ったと伝わっています。

テレビ放映情報です。

まずは完全に光太郎がらみ。

にほんごであそぼ「道程」

地上波NHK Eテレ 2022年12月13日(火) 8:25~8:35 再放送 12月15日(木) 16:15~16:25

こどもスタジオ・ひこうき山陽/僕の前に道はない 僕の後ろに 道は出来る「道程」高村光太郎、四字熟語かるた/東奔西走、投稿ごもじもじ、名文を言ってみよう!/寿限無、童謡「スキー」

【出演】神田山陽(三代目),おおたか静流,小山春朋,中村彩玖,川原瑛都,川田秋妃
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同番組、これまでも「道程」などの光太郎作品を取り上げて下さっています。今回の放映で流れるのが使い回しの映像なのか、新作なのか、判然としませんが……。

続いて、光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ十和田湖系で2件。いずれも明日のオンエアです。

ミステリー 十和田湖に消えた女 死体の胸に真紅の花

BS松竹東急 2022年12月11日(日) 15:00~17:00

警視庁の山城部補(藤岡琢也)は、連発する婦女暴行殺人事件に頭を悩ませていた。被害者は主婦、OL、ホステスとさまざまだが、異様な事に死体にはいずれも赤いスプレーが浴びせられていた。山城は推理マニアの画家波多野(片岡孝夫)に相談する。

【出演者】片岡孝夫(片岡仁左衛門)、佳那晃子、藤岡琢也、沢井孝子、小林昭二、
     清水紘治、にしきのあきら、夏樹レナ ほか
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初回放映は昭和57年(1982)、原作は笹沢佐保氏だそうです。

釣りびと万歳 錦秋の湖 紅のヒメマスを追う 〜山本千尋 十和田湖〜

NHK BSプレミアム 2022年12月11日(日) 17:30~18:00

黄葉で彩られた十和田湖で、俳優の山本千尋さんがヒメマス釣りに挑戦する。産卵期に入って赤い婚姻色をまとった秋ならではの美しいヒメマスを釣り上げることはできるのか?

舞台は東北の森の懐深く。黄金色に色づく木立を水面に映す十和田湖。俳優の山本千尋さんがヒメマス釣りに挑戦する。目指すのは産卵期に入って赤い婚姻色をまとった秋ならではの美しいヒメマスだ。産卵のため浅瀬にやってくる魚をねらうのか、回遊する魚をねらうのか。エサで釣るのか、ルアーで誘うのか。時事刻々と姿を変える秋景色の中、1匹を目指した山本さん。その奮闘の先に待ち受けていた結果は!?

【出演】山本千尋 【語り】生瀬勝久
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両番組とも、ちらっとでも「乙女の像」を写していただけるとありがたいのですが……。

それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

十時半、中西夫人桑原氏、草野氏三人にてフトン荷物をつくり、車2台で山王病院に入院、佐野氏も来る、皆にて用事をしてくれる、うな丼を余はくひ、皆は銀座にゆき、テーブル等かつてくる、 午后院長さん長谷氏来診、


昭和30年(1955)4月30日の日記より 光太郎73歳

大正8年(1919)には腸チフスで駒込病院への入院経験がある光太郎、呑気にうな丼を食べたりと、今回の入院にもさほど動じていなかったようです。もっとも、宿痾の肺結核の快癒はもはや難しいと、諦念に似た心境だったのかもしれません。










2件、ご紹介します。

<BSフジサスペンス劇場>浅見光彦シリーズ22 「首の女」殺人事件

BSフジ 2022年12月2日(金) 12:00~14:00

福島と島根で起こった二つの殺人事件。ルポライターの浅見光彦(中村俊介)と幼なじみの野沢光子(紫吹淳)は、事件の解決のため、高村光太郎の妻・智恵子が生まれた福島県岳温泉に向かう。
 光子とお見合いをした劇団作家・宮田治夫(冨家規政)の死の謎は?宮田が戯曲「首の女」に託したメッセージとは?浅見光彦が事件の真相にせまる!!

<出演者>
 中村俊介 紫吹淳 姿晴香 菅原大吉 冨家規政 中谷彰宏 伊藤洋三郎 新藤栄作
 榎木孝明 野際陽子 ほか 
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006初回放映は平成18年(2006)。年に1、2回繰り返し再放送されています。

故・内田康夫氏による原作小説は昭和61年(1986)の刊行。智恵子の故郷・福島二本松も事件の舞台の一つということで、岳温泉、智恵子生家/智恵子記念館などでもロケが行われました。また、ドラマの中での設定は花巻ではありませんでしたが、花巻の旧高村光太郎記念館でも。

平成30年(2018)には、あさみさとる氏の作画で漫画化もされました。今夏にはカップリングの作品を変えて再刊されています。版元のぶんか社さんのサイトで紹介されたらこのブログで取り上げようと手ぐすねひいていたのですが(笑)、結局、同社のサイトには情報がアップされませんでした。新作ではないからかもしれません。

もう1件。ただし光太郎智恵子には直接関わらないと思われますが……。

中山秀征の楽しく1万歩!小京都日和「島根・津和野で風景画の絶景小道を行く」

BSイレブン 2022年12月6日(火) 20:00~20:58

★歩けば、そこかしこで懐かしい風景や人々の暮らしに出会える町、小京都。悠々たる歴史と文化に裏付けされた、私たち日本人のこころのふるさと。そんな素敵な町を、中山秀征さんが1万歩目指して歩きます! 小京都で身も心も健康に! さあ、出発です!

 第9回【“山陰の小京都”島根・津和野町】今回、中山さんが訪れた小京都は島根・津和野。山あいを流れる川に沿って細長く広がる町で、津和野藩の城下町として栄えました。武家屋敷が立ち並んでいた江戸時代の面影が残る風情ある街並みで、山陰の小京都といわれています。通り沿いの水路には色鮮やかな錦鯉が優雅に泳ぎ、穏やかな街の雰囲気を感じさせます。
 今回は、江戸時代の津和野の風景や文化が描かれた「津和野百景図」を手に街歩き。昔と今の風景を見比べながら、当時の名残を見つけていきます。
昔懐かしい蒸気機関車が展示してある津和野駅を出発した中山さん、早速、気になる看板の店を発見。「鯉の米屋」という名の通り、庭の池にはたくさんの鯉が。その数に圧倒されます。
 そして、古い武家屋敷や白壁の塀が美しい殿町に入ると、大きな門があった場所や橋のたもとにある松の木など、江戸時代の風景画との共通点を見つけて大興奮!また、無数に連なる鳥居の石段を登った坂上にある太皷谷稲成神社では、町を一望。さらに、文豪・森鴎外の旧家や、フランス人店主のお茶屋さんなど、町中をくまなく回ります。津和野名物の黒いいなり寿司も堪能!
 地元の方々と触れ合いながら、歴史が息づく津和野の町を歩きました。お楽しみに!

出演者 中山秀征  ナレーター 小島奈津子
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現在、文京区立森鷗外記念館さんで開催中の特別展「鷗外遺産~直筆原稿が伝える心の軌跡」で、新たに発見された光太郎から鷗外宛の長い書簡が展示されていますが、それを含む約400通もの各界から鷗外宛書簡が寄託された森鷗外旧宅/森鷗外記念館さんが取り上げられます。タイムリーですね。そういう話題になるかどうか微妙ですが。

同館、一度行ってみたいと思いながらまだ果たせていませんで、映像でどんなところなのか見てみようと存じます。皆様も是非ご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

電報局までゆきて盛岡美校の堀江赳氏に卒業式(明日)の祝辞を送る、「ビノチカシゲンイワテニミツ」といふもの、


昭和30年(1955)3月10日(木)の日記より 光太郎73歳

盛岡美校」は、花巻郊外旧太田村蟄居中に何度も訪れた岩手県立美術工芸学校。再上京後も毎年祝電を送っていましたが、この年が最後となりました。

電報局」はおそらく現在のNTT東日本中野ビル。起居していた貸しアトリエから直線距離で500㍍ほど。どうしても祝電を送らねばと、つらい身体をおしての約10日ぶりの外出でした。

光太郎の親友だった彫刻家・碌山荻原守衛の故郷である、長野県安曇野市の『広報あづみの』の11月23日号。先月、地元紙で報じられた小説「安曇野」のNHK大河ドラマ化誘致の件について、大きく取り上げられています。
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小説『安曇野』は、光太郎とも交流のあった同市出身の臼井吉見が昭和40年代に執筆した長編小説で、守衛を含む安曇野の人々が中心に描かれ、守衛との絡みで光太郎も登場します。ぜひ実現していただきたいところですが……。

そういえば、以前、碌山美術館の方に「「おひさま」の時には観光客が激増したなぁ」というお話を伺いました。「おひさま」は、井上真央さん主演で平成23年(2011)に放映された朝ドラで、やはり安曇野が舞台の一つでした。
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「夢よもう一度」ということでしょうか。

しかし、大河ドラマといえば、平成28年(2016)の「真田丸」も前半は長野県が主要な舞台でしたから、「長野県ばっかりズルい」となりかねませんが……。
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まあ、この手の招致活動は数年越しになることが多いので、今後の推移を見守りたいと存じます。

【折々のことば・光太郎】

筑摩書房の人くる、「文学アルバム」有島武郎篇のため、「手」の写真を使ふこと承諾、本納寺を教へる、


昭和30年(1955)2月21日の日記より 光太郎73歳

007「文学アルバム」は、筑摩書房で刊行していた『日本文学アルバム』。翌年の光太郎歿後には光太郎篇も刊行されました。

その有島武郎篇に、有島旧蔵の光太郎ブロンズ「手」の写真を載せたいという申し出。そちらは現在、竹橋の東京国立近代美術館さんに収蔵されていますが、この当時、有島と交流の深かった秋田雨雀を通じて雑司ヶ谷の本納寺に納められていました。

ちなみに11月20日(日)の『日本経済新聞』さん、この「手」の写真をズドンと中央に配し、「パンの会 文学との響き合い(下) 高村光太郎、作家の主観を重視」という記事を掲載して下さいました。「美の粋」という連載の一環です。余裕があれば、来週、ご紹介します。

テレビ放映情報です。

開運!なんでも鑑定団【お宝は世界を救う!美人画大作&最高峰焼き物に驚き値】

BSテレ東 2022年11月24日(木) 19:4920:49
地上波テレビ東京 2022年11月27日(日) 12:5414:00

■盲目の子どもたちに光を…お宝は世界を救う!?<美人画大作>に衝撃値■茶人が特別に注文!?…最高峰<中国焼き物>に驚き鑑定額■福島出張鑑定…仰天<ペコちゃん人形>■

依頼人は認定NPO法人「ヒカリカナタ基金」の理事長を務めており、途上国の目の不自由な子供たちを助けるべく、日本から治療費を送る活動をしている。ご自身も8歳の時に失明し、その後盲学校の教師となった。1964年の東京パラリンピックで盲人卓球に出場し、なんと金メダルを獲得したことも! お宝は支援者の方から「NPO法人で役立ててほしい」と頂いたもの。とても大事にしてきたが、途上国の子供たちの目を助けるため手放すことを決意した。果して売却額は!?

出演者
 【MC】今田耕司、福澤朗  【ゲスト】マルシア
 【アシスタント】片渕茜(テレビ東京アナウンサー)
 【出張鑑定】出張鑑定 in福島県・二本松市  【出張リポーター】原口あきまさ
 【ナレーター】銀河万丈、冨永みーな

鑑定士軍団
 中島誠之助(古美術鑑定家) 北原照久(「ブリキのおもちゃ博物館」館長)
 安河内眞美(「ギャラリーやすこうち」店主) 川上紳一(岐阜聖徳学園大学教授)
 山村浩一(「永善堂画廊」代表取締役) 森由美(陶磁研究家)
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平成6年(1994)から続く人気番組。番組中盤に「出張なんでも鑑定団」というコーナーがあり、日本各地でのロケが行われています。コロナ禍で、来てくれという依頼件数が減っているようですが。

その出張鑑定が、智恵子の故郷・二本松で収録された今回放送分の初回放映は、8月2日(火)でした。当初、令和元年(2019)秋に収録予定だったものが、コロナ禍で翌年に3月に延期と決定、それでもコロナ禍明けやらず再延期となり、結局、今年6月の収録でした。

このコーナーでは最初に町の紹介のVが流れるので、光太郎智恵子、智恵子抄がらみを期待し、拝見しました。
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タイトルバックが、「智恵子抄」詩碑もある二本松霞ヶ城。

続いて、こんな街だよ、ということで……
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安達太良山、阿武隈川、ときたら「樹下の二人」だろ? と思っていたら、今年の「菊むすめ」の方がナビゲーター役でご出演し……
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「ふむふむ、で、『智恵子抄』は?」と思っていたら……
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「えっ? 始まっちゃうの?」(笑)。

ところが、お二人目の鑑定依頼人が観光協会の方で……
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「改めて二本松の見どころを」という流れとなり……
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最初のVに無かった提灯祭り、そして……
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こういう映像を待っておりました(笑)。

それから、
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というのも、お一人目の鑑定依頼人が、玉羊羹で有名な玉嶋屋さんのご主人だったもので(笑)。
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玉嶋屋さん、いろいろな番組にご協力下さり、素晴らしいと思いました。最近で、光太郎智恵子がらみの内容も含まれた番組ですと、今年6月に放映された「徳永ゆうきの一期一会はなうた旅#12 二本松市」、昨年の「プレミアムドラマ山女日記3 #3 あどけない空・安達太良山」など。それから、光太郎智恵子には触れられませんでしたが、やはりテレ東さんの「世界!ニッポン行きたい人応援団」という番組では、羊羹に魅せられたハンガリー人女性を受け入れ、羊羹作りをさせてあげるなどしてらっしゃいました。まぁ、お店や商品の宣伝にもなるので、ウィンウィンの関係なのかも知れませんが。

さて、鑑定。さすが旧二本松藩の城下町、「へー」と思わせるお宝が多数登場します。ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

理髪して頭が寒く引きこもる、 夜食、スパゲッチ、焼豚等、


昭和30年(1955)2月14日の日記より 光太郎73歳

結核の症状が少し落ち着いたので、ボサボサの髪を切りにいったところ、また悪化。10日ほど外出を控えることになります。それでも食事は自炊していました。

光太郎の父・光雲とその高弟・米原雲海による仁王像の立つ信州善光寺さんがらみのテレビ番組を2件。

ブラタモリ#222 善光寺〜善光寺はなぜ多くの人を引きつける?〜

地上波NHK総合 2022年11月12日(土) 19:30~20:15

「ブラタモリ#222」で訪れたのは長野県の善光寺。旅のお題「善光寺はなぜ多くの人を引きつける?」を探る▽ご本尊は絶対秘仏…驚きの御開帳システムとは▽衝撃の創建物語!聖徳太子が阿弥陀如来にフラれ、皇極天皇が地獄から救い出されて…▽上杉、武田、織田、徳川、豊臣…名だたる武将に愛された数奇な運命▽扇状地と断層が生んだ奇跡の立地とは?▽善光寺名物・七味誕生秘話▽ピンチをチャンスに?出開帳で日本中が大熱狂!

【出演】 タモリ 野口葵衣 【語り】草彅剛
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同じ日にもう1件。

土曜スペシャル いい旅・夢気分 2022秋 〜紅葉めざして乗り継ぎ旅SP〜

地上波テレビ東京 2022年11月12日(土) 18:30〜20:54

にっぽん全国、その季節に「一番行きたい名所」「一番見たい絶景」「一番食べたい料理」を求めて、鉄道や路線バスを乗り継ぎながら、絶景の紅葉を目指し旅します。絶景の紅葉と旬の料理、一度は泊まりたい極上宿をご紹介しながら、親しい間柄だからこそ聞ける本音など、出演者の素顔も垣間みることのできるTHE旅番組「いい旅・夢気分」!

① 今回は8月に解散したバス旅Zの名コンビ田中要次と羽田圭介がマドンナ神田愛花と共に岩手・盛岡〜秋田・田沢湖をめざし、みちのく湯めぐり旅を満喫します。時間に追われていた「バス旅Z」では堪能できなかった「紅葉」と「渓谷」散策を楽しみ、秘湯の温泉や山の幸に舌鼓!ゆったりとした旅に「バス旅Z」の思い出話に花が咲かせたかと思いきや、バスに乗り遅れる珍ハプニングも!果たして無事ゴールできるのか⁉

② SixTONESの髙地優吾とじゅんいちダビッドソンは群馬・みなかみ町へ!
キャンプ・バイクの共有の趣味を持つ二人は紅葉のピークを迎えた「谷川岳ロープウェイ」で絶景を堪能。温泉ソムリエの資格を持つ髙地の希望で温泉天国・群馬のいで湯を路線バスに乗り継ぎながらハシゴ!さらに地元・みなかみの食材を集め、紅葉のグランピングを満喫。簡単にできるキャンプ㊙技や料理も公開!二人の本音と素顔は必見です!

③ 島崎和歌子、相田翔子、鈴木蘭々のプライベートでも仲良しな平成の元アイドル3人組は信州の秋を大いに満喫する旅に!善光寺の参道と紅葉の散策路での食べ歩き、小布施で旬の栗と信州そばに舌鼓!湯田中では古き良き温泉街で信州の秋の味覚の珍しいスイーツを発見!昔の思い出話にも花を咲かせ女子旅ならではの旅を満喫!志賀高原では、紅葉のじゅうたんと感動のラストが!周辺のオススメ紅葉絶景露天風呂も紹介します!

出演者
【岩手県・盛岡市〜秋田県・田沢湖】田中要次、羽田圭介、神田愛花
【群馬県・みなかみ町】髙地優吾(SixTONES)、じゅんいちダビッドソン
【長野県・長野市〜小布施〜湯田中〜北志賀高原】島崎和歌子、相田翔子、鈴木蘭々

ナレーター:宮崎美子

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それぞれ、仁王像について少しでも触れていただけるとありがたいのですが……。

「少しでも」と言えば、過日ご紹介したやはりテレビ東京さんの「土曜スペシャル 千原ジュニアのタクシー乗り継ぎ旅12 秋田〜青森・世界遺産」。光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ、青森十和田湖、しかも「乙女の像」すぐ近くの十和田神社さんがチェックポイントの一つということで、「乙女の像」の紹介もあるかなと思って拝見しましたが、残念ながら「乙女の像」、紹介はなく、写り込んだのもほんの一瞬でした。

出演された千原ジュニアさんと勝村政信さん、十和田湖畔を徒歩で秋田側から青森側に入られ、その後、「乙女の湖道」から十和田神社さんまで約1㌔歩かれましたが、その間がビデオの早廻しとなり、約4秒(笑)。「乙女の像」の脇も通られましたが、この場面、コマ送りにしてもブレています。
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この間、コンマ1秒以下(笑)。ま、しかたありますまい。ちなみに平成29年(2017)にオンエアのあった「ブラタモリ #81 十和田湖・奥入瀬 ~十和田湖は なぜ“神秘の湖”に?~」では、「乙女の像」、約2秒間の出演でした(笑)。

このシーン以前の、秋田田沢湖の「たつこ像」は、それなりに紹介されていました。
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「たつこ像」は、昭和43年(1968)、光太郎と交流のあった舟越保武の作品。よく「乙女の像」と混同されて閉口しているのですが……。像全身が金色であるのは、「乙女の像」に、最初、金メッキを施して湖中へ沈めるという光太郎の構想があったものの、結局は実現しなかったことを受け、その代わりに、という理由もあります。

同じ番組での十和田神社さん。
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さて、上記「ブラタモリ#222 善光寺〜善光寺はなぜ多くの人を引きつける?〜」及び「土曜スペシャル いい旅・夢気分 2022秋 〜紅葉めざして乗り継ぎ旅SP〜」、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

校閲を全部終り、まとめる、「あとがき」だけのこる、

昭和29年(1954)11月12日の日記より 光太郎72歳

現在も版を重ねている岩波文庫版『高村光太郎詩集』関連です。これが、自ら校閲した最後の著書となりました。

このところ、紹介すべき事項等が多く、2週間ほど前の報道ですが……。

長野県の地方紙、『信濃毎日新聞』さん。

小説「安曇野」を大河ドラマに 実現の道探る 安曇野市長が懇談

 安曇野市の太田寛市長は17日、同市出身の作家臼井吉見(1905~87年)の小説「安曇野」のNHK大河ドラマ化を目指し、小説にゆかりのある関係者らと市内で懇談した。小説に登場する彫刻家、荻原碌山(ろくざん)(守衛(もりえ))の作品を展示する碌山美術館の関係者や臼井の親族ら8人が出席。姉妹都市や県外のゆかりの地と連携したPR活動、教育現場への話題提供などの提案があった。
 小説は明治から昭和にかけて活躍した荻原や、新宿中村屋を創業した相馬愛蔵・黒光夫妻らの群像を描く。懇談会で、市の担当者が黒光を主人公とする案などを説明。出席者からは「戦争を含め、先達がどうやって時代をつくってきたのか伝えることは大切だ」といった意見が出た。
 市は今後、登場人物ゆかりの場所を紹介するパンフレットを作る方針。太田市長は「(関連施設の)来館者を増やす方策も進めたい」とした。
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同じ件で、松本平地区をカバーする『市民タイムス』さん。

『安曇野』大河ドラマに 安曇野市長と懇談の中村屋社長「市に協力」

 安曇野市堀金出身の臼井吉見(1905~1987)の小説『安曇野』を原作とした大河ドラマ実現を目指す太田寛市長は30日、最初の取り組みとして中村屋(東京都新宿区)の島田裕之社長らと都内で懇談した。中村屋を創業した相馬愛蔵(1870~1954)と黒光(1876~1955)の夫婦は『安曇野』の主要な登場人物で、島田社長は市に協力する考えを示した。
 新宿中村屋ビルでの懇談で、太田市長は「1、2年でできることではない。地道な活動を続けていきたい」と出席者に呼び掛けた。島田社長は「壮大なロマンのある話。可能な限りお手伝いさせていただければ」と応じた。
 中村屋側からは、愛蔵と黒光が夫婦で役割分担をしながら経営したことを踏まえて「女性の社会参画や経営参画といったアプローチができるのでは」といった提案があった。
 懇談には、愛蔵と黒光の長女をモデルに作品制作をした洋画家の中村彝(1887~1924)の記念館や新宿中村屋のロゴを手掛けた書家で洋画家の中村不折(1866~1943)に関係する博物館の担当者も出席して意見を交わした。
 『安曇野』は臼井が約10年かけて完結した原稿用紙約5600枚に及ぶ大作だ。市は安曇野のPRに加え、郷土愛を育むためにも大河ドラマ化を目指している。市は趣旨を書いたパンフレット作成などを検討している。太田市長は「実現には10年はかかる」と話した上で、「安曇野という言葉を広めたのは臼井吉見の『安曇野』だと思っている。皆さん協力していただけるということで力を得た」と先を見据えていた。
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小説『安曇野』は、現在の安曇野市出身の臼井吉見が、昭和40年(1965)から同49年(1974)にかけて刊行した全5巻の小説です。同郷で、新宿中村屋さんの創業者、相馬愛蔵・黒光夫妻を軸に、明治30年代から戦後までを描く大河小説です。臼井は、光太郎が昭和21年(1946)から翌年にかけて執筆した連作詩「暗愚小伝」を、雑誌『展望』に掲載した編集者でもありました。

第二部では、相馬夫妻の援助を受けていた碌山荻原守衛も主要登場人物として描かれ、それに伴って守衛の親友だった光太郎も登場します。その他、太平洋画会での智恵子の師・中村不折や中村彝など、中村屋サロンに集まった芸術家たち、それから相馬夫妻は社会運動にも関わっていましたから、幸徳秋水、大杉栄・伊藤野枝夫妻ら、さらに戦時中の部分には臼井自身も登場します。

大河ドラマ化が実現すれば、必然的に光太郎も登場することとなるでしょうから、ありがたいかぎりです。ただし、ハードルは高いものと思われます。全国で似たような運動は少なからず起こっているでしょうから。

当方自宅兼事務所のある千葉県香取市でも、地元の偉人・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマを、という気運が盛り上がったことがあります。結局、尻すぼみになってしまいましたが、逆にそれを題材にした映画「大河への道」が中井貴一さん主演で制作され、今年、公開されて話題になりました。

その反面、追い風も吹いているかなという気もします。かつての大河ドラマでは、近現代物はほとんど作られませんでしたが、近年は「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」「青天を衝け」など、近現代を扱った作品も数年おきに作られるようになってきましたので。

テレビついでにもう1件、放映情報です。

土曜スペシャル 千原ジュニアのタクシー乗り継ぎ旅12 秋田〜青森・世界遺産

地上波テレビ東京 2022年11月5日(土) 18:30~20:54

番組史上最長270km旅!秋田&青森縦断!田沢湖・十和田湖を巡りめざすは世界遺産!千原ジュニアと俳優・勝村政信が立ちはだかる奥羽山脈と八甲田山に挑む!ゴールなるか?

「すみません、タクシーを呼んでもらえませんか?」
千原ジュニアがゲストの俳優勝村政信さんとタクシーを乗り継いで秋田県の大仙市から青森県の三内丸山遺跡を目指す!今回のチェックポイントは…▼秋田県「田沢湖畔の御座石神社」▼青森県「十和田湖畔の十和田神社」を巡りゴールを目指します! 道中には魅力あふれる立ち寄りスポットも!

秋田名物・稲庭うどんに比内地鶏の焼き鳥、十和田名物ヒメマス料理など紅葉の季節に巡りたいグルメも!旅気分を満喫も、やはり予測不能な「タクシー乗り継ぎ旅」は今回も「お名前ボーナス」「お言葉チャレンジ」に翻弄され一喜一憂! 秋田・青森の温かい人たちに助けられ、果たして秋の東北を巡りながら制限時間までにゴールすることができるのか!?

出演者 千原ジュニア 勝村政信
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光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の立つ、青森十和田湖、しかも「乙女の像」すぐ近くの十和田神社さんがチェックポイントの一つ。

一昨年の同じ番組で、ジュニアさんとゲストの古舘伊知郎さんが青森県深浦町から八戸市の葦毛崎までを旅されました。その際には秋田の小坂町から十和田湖畔を通って太平洋側に抜けて行かれたのですが、十和田湖はほぼスルー(笑)。今回はどうなりますことやら。

ぜひご覧下さい……とも言えないところですが(笑)。

【折々のことば・光太郎】

又ヒドラジツドをのみ始める、


昭和29年(1954)9月11日の日記より 光太郎72歳

ヒドラジツド」は、イソニコチン酸ヒドラジッド。抗結核薬の一つで、この2年ほど前から一般に処方されるようになりました。翌年くらいには、ヒドラジッド、ストレプトマイシン、パスの3剤を併用することで結核の死亡率を劇的に下げる手法が用いられるようになりましたが、光太郎に対しては既に時遅しだったようです。

ちなみに当方も、肺を冒されるには至りませんでしたが、幼少時、結核の強陽性で、ヒドラジッドを服用し続けていた時期がありました。

ラジオ番組の紹介です。

ビバ! 合唱 合唱で聴く詩人の世界(13)~高村光太郎の世界

NHK FM 2022年9月24日(土) 午前6時00分~ 午前6時55分

世界中の様々な合唱曲をお届けする、ファン必聴のコーラス専門番組。あなたの知らない美しいハーモニーが見つかるかも。リクエストも大募集です。

「智恵子抄より 「或る夜のこころ」」
高村光太郎:作詞 清水脩:作曲
(合唱)東京リーダーターフェル、(ピアノ)三浦洋一、(指揮)清水脩
(8分08秒)<ユニバーサルミュージック CZ28-9094>

「女声合唱とピアノのための 組曲「智恵子抄」から 第2曲「亡き人に」」
高村光太郎:作詞 鈴木輝昭:作曲
(合唱)福島県立橘高等学校合唱団、(ピアノ)鈴木あずさ、(指揮)大竹隆
(6分38秒)
<日本アコースティックレコーズ NARD-5033>

「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」から 第3曲「レモン哀歌」」
高村光太郎:作詞 西村朗:作曲
(合唱)鹿児島高等学校音楽部、(ピアノ)桃坂寛子、(指揮)片倉淳
(6分20秒)<ブレーン BR-35018>

「女声合唱とピアノのための「冬が来た」 第2曲「冬が来た」、第4曲「冬の奴」」
高村光太郎:作詞 三好真亜沙:作曲
(合唱)女声アンサンブルJuri、(ピアノ)五味貴秋、(指揮)藤井宏樹
(8分02秒)<ジョバンニ GVCS-11410>

「「愛のうた-光太郎・智恵子-男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」から  第4曲「レモン哀歌」、第5曲「元素智恵子」」
高村光太郎:作詞 新実徳英:作曲
(合唱)慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団
(管弦楽)ザ・オペラ・バンド (指揮)佐藤正浩
(13分13秒) ~東京芸術劇場コンサートホール(2022年1月10日)~

出演 戸崎文葉(合唱指揮者) 鷹羽弘晃(作曲家) 
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合唱の専門番組です。特定の国にスポットを当てた回(先週のオンエアは「合唱の旅~チェコ」)、一人の作曲家の作品を紹介したり(先々週が「モーツァルト~若き日の合唱曲(2)」)しています。また、唱歌の合唱版や、定番合唱曲の特集の回もありました。そんな中で、「合唱で聴く詩人の世界」。作詞、というか詩人の詩に曲を付けた合唱曲ということで、毎回一人の詩人を取り上げています。直近は大手拓次、その前が高田敏子、萩原朔太郎の回もあったようです。

そして次回が光太郎。ありがたし。002

ラインナップとしては、まず、故・清水脩氏作曲の「或る夜のこころ」。男声合唱で、東京リーダーターフェルさんの演奏。慶應義塾大学ワグネルソサエティー男声合唱団さんの依嘱で、昭和40年(1965)6月の東京六大学合唱連盟の演奏会において初演されました。東芝EMIさんからリリースされたCD「合唱名曲コレクション21(男声合唱) 月光とピエロ」に収められています。清水氏はこの他、独唱歌曲、混声合唱、さらに箏曲でも光太郎詩に曲を付けられました。特に「智恵子抄巻末のうた六首」が有名です。

003続いて鈴木輝昭氏作曲で「女声合唱とピアノのための 組曲「智恵子抄」から 第2曲「亡き人に」」。智恵子の母校・福島高等女学校の後身である県立橘高等学校合唱団さんの委嘱作品です。同団、全3曲のこの組曲から1曲ずつ自由曲として選曲し、平成21年(2009)から3年間、全日本合唱コンクール全国大会に出場し、上位入賞しています。また、神奈川の清泉女学院さんも同コンクールでこの曲を自由曲に選定し出場、金賞を受賞されました。今回放送されるのは、橘高校合唱団さんの演奏で、CD「鈴木輝昭 合唱の地平」(日本アコースティックレコーズさん)収録のものです。

0043曲目は「混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」」から 第3曲「レモン哀歌」。西村朗氏の作曲です。こちらは鹿児島高等学校音楽部さんの演奏が放送されますが、平成30年(2018)の全日本合唱コンクール第71回大会でのライブ録音です。この曲、昨年には東京混声合唱団さんもコンサートで演奏されています。平成21年(2009)には全音楽譜出版さんから出た楽譜集にも収録されています。初演は平成20年(2008)、関西合唱団さんの依嘱でした。

4曲目、5曲目は、三好真亜沙さん作曲「女声合唱とピアノのための冬が来た」から、 第2曲「冬が来た」、第4曲「冬の奴」。平成26年(2014)の初演「The Premiere Vol.3 〜夏のオール新作初演コンサート〜」を、当方、紀尾井ホールで拝聴して参りました。第4曲「冬の奴」は、やはり全日本合唱コンクールで演奏されたこともあります。東京の豊島岡女子学園高等学校コーラス部さん。みごとに銀賞に輝きました。今回の放送は、初演の際のライブ録音をCD化したものから。楽譜はカワイ出版さんから出ています。
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最後に「「愛のうた-光太郎・智恵子-男声合唱とフルート、クラリネット、弦楽オーケストラのために」から 第4曲「レモン哀歌」、第5曲「元素智恵子」」。新実徳英氏の作曲で、合唱は慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団さん。管弦楽がザ・オペラ・バンドさん(指揮・佐藤正浩氏)。今年初演されたばかりの新作です。やはり初演の際のライブ録音が放送されるようです。楽譜DVDが出ています。
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リアルタイムのラジオ放送、さらにNHKさんの「らじる★らじる」でパソコンやスマートフォンから放送を聴くことができるようです。ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

午前安倍能成氏くる、岩波の胸像のこと、


昭和29年(1954)1月21日の日記より 光太郎72歳

「岩波」は岩波書店の創業者・岩波茂雄。昭和21年(1946)に歿しました。生前は光太郎と関わりが深く、その胸像制作を光太郎に依頼するプロジェクトがあり、光太郎も乗り気だったのですが、いかんせん健康状態がそれを許しませんでした。もし実現していたら、文化人の胸像として日本を代表する作品となっていたはずで、残念です。

胸像といえば、つい最近、何やらとんでもない人物の胸像制作プロジェクトが進んでいると、嘆かわしい報道がなされていますが(笑)。

テレビ放映情報、2件ご紹介します。

ドラマ 風よあらしよ(3)

NHK BSプレミアム/BS4K 2022年9月18日(日) 22:00〜22:50 
再放送 NHK BSプレミアム 9月21日(水) 23:00~23:50

自由を強く求める野枝と大杉は、“同志”として人生をともに歩む覚悟を決める。そして、平等で公正な社会を作ろうと、“言葉”を武器に理不尽な権力に立ち向かっていくのであった。波乱万丈の人生を更に開花させようとした矢先、関東大震災が勃発。世の中はますます混乱に陥り、野枝や大杉たち無政府主義者にも疑いの目が向けられ…そして、理不尽な暴力が彼女たちを襲ってしまう。

【出演】吉高由里子,永山瑛太,美波,玉置玲央,山下容莉枝,音尾琢真,石橋蓮司
【原作】村山由佳,【脚本】矢島弘一
【音楽】梶浦由記

全3回の最終話です。

9月11日(日)放映の第2話では、主人公の伊藤野枝(吉高由里子さん)、智恵子がその創刊号表紙絵を描いた『青鞜』を、智恵子の先輩で智恵子を『青鞜』に誘った平塚らいてう(松下奈緒さん)から引き継いだものの、ほどなく廃刊となったあたり。年代的には大正初めでした。
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また、光太郎とも交流のあった夫・辻潤(稲垣吾郎さん)との別れ。
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そしてアナキスト・大杉栄の元に走った野枝。
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しかし、「自由恋愛」を標榜する大杉には、妻(山田真歩さん)も、愛人(神近市子=美波さん)も……。
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そしていよいよ最終回となります。

まず、大杉が神近市子に刺される「日蔭茶屋事件」あたりから始まるのでしょう。その後、大杉らの無政府主義運動の興隆と、その衰退。
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この頃、やはりアナキズムに染まっていた当会の祖・草野心平らの関係もあり、光太郎は大杉らの活動を支援しようとしていました。原作の村山由佳さんの小説『風よ あらしよ』には、ブロンズ彫刻の代表作「手」(大正7年=1918)の寄贈を申し出る(史実です)光太郎が登場しますが、おそらくドラマでは割愛されるでしょう。

そして運命の日、大正12年(1923)9月1日。
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関東大震災のドサクサで、大杉、野枝、そして二人の子供と間違われた大杉の甥・橘宗一少年が、憲兵大尉・甘粕正彦(音尾琢真さん)の手にかかり……。
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野枝の加入とほぼ入れ違いに青鞜社を去った智恵子でしたが、まんざら知らない仲だったわけでもなかったと思われます。この年11月の『婦人之友』第17巻第11号に掲載された「暴力は臆病の変形――甘粕事件に関する感想」と題された智恵子のアンケート回答。

 おはがき延着のためたぶんもう遅れた事と存じますし、また感想をのべるとしては事件の結審までみてからのことです。尤もその刑法上の処罰の如何等のことはさして私の注意をひいてゐる問題ではありません。ただ殺人に関する同胞の心理上のある一点に、大きな疑問をもつてゐるからです。
 もとより、かかる事件の忌はしい事は、法律にもとるからばかりでありますまい。また動機の如何もつまりは打算の問題です。われわれが死せるものに生命を与へ得ない限り、これに手を触れる事はゆるされない。他人の生命に手をかけるなんて、何といふ醜悪な考でせう。暴力こそ臆病の変形です。


激しい怒りと嫌悪感が溢れ出ていますね。

同じ号には光太郎の文章も。それ以前から続いていた連載「愛の言葉」で、ロダンやメーテルリンクの短い翻訳を紹介してきていましたが、この号ではロマン・ロランでした。

 凡そ此世で、真摯な精神に遭遇して、其と最も内奥の思想を共にし、又同胞の様な関係を結ぶ幸運を持つた時、此関係は神聖である。試練の時などに此が破棄せらるべきでない。されば吾人の心の上に何の権威もない輿論の横暴な強要に従ふ為、其事を言明するのを臆病にも止める者は卑怯である。

光太郎自身の言葉ではありませんが、おそらく智恵子の回答と歩調を合わせています。智恵子が光太郎に合わせたかもしれませんが。

さて、もう1件。当会の祖・草野心平自身が出演します。

NHK特集「ジョバンニの銀河 1983」

NHK BSプレミアム 2022年9月20日(火) 18:10~19:00

詩人・童話作家の宮沢賢治の作品世界を、科学や音楽などさまざまな面から多角的に探る。後半は代表作「銀河鉄道の夜」を、賢治が愛した鉱物写真などを背景に幻想的に描く。

無名のまま亡くなった宮沢賢治だが、没後50年の時にはすでに作品が世界中で翻訳されるまでに人気が高まっていた。故郷の花巻市に開館した宮沢賢治記念館を舞台に、賢治が好んだ科学の実験や作詞作曲した音楽の演奏、各国語による詩や童話の朗読を紹介し、その魅力を探る。詩人の草野心平や入沢康夫も登場。後半の「銀河鉄道の夜」では、朗読に鉱物の結晶写真やパウル・クレーの絵が重なり、不思議な世界がひろがる。

【出演】草野心平,シャスティーン・ヴィデーウス,板谷英紀,入沢康夫,王敏,山内逸郎,斎藤文一,リード・バトラー,ロバート・ホワイト,ミキ・エレナ・戸田,
【朗読】三田和代
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昭和58年(1983)に放映されたもののアーカイブ放送のようです。心平が歿したのは昭和63年(1988)ですから、最晩年の姿ですね。また、平成30年(2018)に亡くなった入沢康夫氏もご出演。

ぞれぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

快晴、 朝九時中西さん宅でお雑煮、子供さん3人、夫人、桑原氏と同席、後写真撮影、 静かにしてゐる、


昭和29年(1954)1月1日の日記より 光太郎72歳

昭和29年(1954)の年が明けました。光太郎の生命の炎、あと2年と少しです。

「中西さん」は起居していた貸しアトリエの大家さん。「桑原氏」は美術評論家の桑原住雄です。

NHK BSプレミアム/BS4Kさんで9月4日(日)から始まった「ドラマ 風よあらしよ」。第1回を拝見しました。
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村山由佳さんの原作小説には登場した智恵子は、残念ながら登場しませんでしたが、智恵子がその表紙絵を描いた『青鞜』創刊号は重要なモチーフとして随所で使われました。ところで余談ですが、NHKさんの番組公式サイトで、『青鞜』が『青踏』になっているのは残念です。
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智恵子に表紙絵を依頼した日本女子大学校での智恵子の先輩・平塚らいてう(松下奈緒さん)、光太郎と交流があった辻潤(稲垣吾郎さん)など、周辺人物が登場、興味深く拝見しました。
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ただ、全3話ということで、展開がだいぶ早い印象でした。主人公・伊藤野枝の才能を見出して世に送り出す手助けをし、野枝と結婚する辻潤。前半は理解ある男として颯爽としていたのに、早くも後半には非社会性充溢のダメダメ男として描かれるようになります。華々しく創刊された『青鞜』も、番組後半では既に行き詰まり始めています。

再放送があります。

再 風よあらしよ(1) 

NHKBSプレミアム 2022年9月7日(水) 23:00~23:50

今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、東京の女学校へ入学し、教師の辻(稲垣吾郎)から「青鞜」の存在を教わり心を掴まれる。貧しい家を支える為の結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導く。溢れんばかりの情熱を持った野枝はらいてう(松下奈緒)の青鞜社の門をたたき、時代の若きアイコンとなる。

【出演】吉高由里子,永山瑛太,松下奈緒,美波,山田真歩,朝加真由美,山下容莉枝,
    栗田桃子,石橋蓮司,稲垣吾郎 他
【原作】村山由佳,【脚本】矢島弘一
【音楽】梶浦由記

さらに第2話。

風よあらしよ(2)

NHK BSプレミアム/BS4K 2022年9月11日(日) 22:00~22:50

「青鞜」を通して次々と世の中の不平等を訴えていく野枝。しかし、世間の風当たりは厳しく、ついにはらいてう自身が隠居をしてしまう。らいてうから青踏を引き継いだ野枝であったが、辻との関係も次第に亀裂が生じ、青鞜も廃刊となる。野枝に逆風が吹く中、時代の風雲児でアナキストの大杉栄(永山瑛太)に出会う。野枝は辻との別れを選び、大杉のもとへと駆け寄るが、待ち受けていたのは自由恋愛という名の四角関係であった。

【出演】吉高由里子,永山瑛太,松下奈緒,美波,玉置玲央,山田真歩,栗田桃子,
    朝加真由美,山下容莉枝,石橋蓮司,稲垣吾郎 他
【原作】村山由佳,【脚本】矢島弘一
【音楽】梶浦由記
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次回も波乱の連続となりそうで、目が離せません。

ついでというと何ですが、テレビ放映で、過去の番組の再放送を2件ご紹介しておきます。

ミステリー・セレクション・湯けむりバスツアー桜庭さやかの事件簿1 露天風呂に浮かぶ遺体の謎…22年ぶりの兄妹対面で起こった兄殺し欲望渦巻く故郷で迎えた驚愕の結末とは!!

BS-TBS 2022年9月8日(木) 09:59〜12:00

高校生の娘と中学生の息子を持つシングルマザー・桜庭さやかは、ベテランバスガイド。しっかり者の子供たちに今日も起こされ、元気いっぱい仕事へと飛び出していく。今回のツアーは、猪苗代湖〜安達太良山〜会津若松を巡り、山形へと向かう旅。大盛り上がりのサンライズ商店街御一行様を前にさやかの名調子が冴える。ツアー客の中にはフラワーショップを営む佐野雄二と香織の兄妹も参加していた。2人はツアーの途中で22年ぶりに兄・修一に再会できることを楽しみにしていた。しかし、その兄が安達太良山で死体となって発見される。

出演者 萬田久子、葛山信吾、酒井美紀、石橋保、大浦龍宇一、未來貴子、伊藤洋三郎、
    斉藤暁、徳井優、竜雷太 他

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初回放映は平成21年(2009)。最初の事件現場が安達太良山、という設定で、「智恵子抄」が枕に使われます。ロープウェイ山頂駅近くの薬師岳パノラマパーク、「ほんとの空」の標柱附近などでロケが行われました。
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事件の鍵を握るフラワーショップ経営者役の酒井美紀さん、昨年、BS朝日さんで放映された「ゆるっと山歩(さんぽ)に行こう ▽登山を始めたい方必見!絶景やグルメも堪能!」にもご出演、この際、初めて山頂まで登られたということでした。

もう1件。

ブラタモリ セレクション▽十和田湖・奥入瀬〜十和田湖は なぜ“神秘の湖”に?〜

NHK総合 2022年9月9日(金) 00:25〜01:10

これまでのブラタモリからえりすぐりの回を放送!今回は「#81十和田湖・奥入瀬」(初回放送2017年9月2日)をお送りします。

ブラタモリ#81で訪れたのは十和田湖・奥入瀬。実は十和田湖は、火山の噴火で出来たカルデラ湖。しかも出来たてホヤホヤの世にも珍しい「二重カルデラ湖」だった!ボートで湖へ出たタモリさん、目の前にそそりたつ急な崖に大興奮!この崖こそ火山の中身が見えるというダイナミックな神秘だった!さらに美しい滝と渓谷で知られる奥入瀬渓流へ。多くの滝に隠された、1万5千年前の奇跡とは?奥入瀬の美を作ったのはコケ?

【出演】タモリ,近江友里恵,【語り】草彅剛
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初回放映は平成29年(2017)。地質学系に重きを置く番組なので、十和田湖の二重カルデラや、奥入瀬渓流の成因などがメインですが、番組冒頭、タイトルバックで光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」が約2秒間(笑)登場します。

それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

山口部落よりリンゴ3箱くる、 郵便物整理その他


昭和28年(1953)12月9日の日記より 光太郎71歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため帰京して以来、およそ1年2ヶ月ぶりに花巻に帰ったのが11月25日。12月5日には再び上京。そしてこの日、花巻郊外旧太田村山口部落からリンゴが届きました。「郵便物整理」は、花巻帰郷中に届いていた郵便物、さらには太田村の山小屋から持ち帰った古手紙の類かと思われます。

明日から始まる新番組です。

ドラマ 風よあらしよ

NHK BSプレミアム/BS4K 2022年9月4日(日) 22:00〜22:50

伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。
「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト・辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い…。
自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。
吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。

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今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、東京の女学校へ入学し、教師の辻(稲垣吾郎)から「青鞜」の存在を教わり心を掴まれる。貧しい家を支える為の結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導く。溢れんばかりの情熱を持った野枝はらいてう(松下奈緒)の青鞜社の門をたたき、時代の若きアイコンとなる。
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【出演】吉高由里子,永山瑛太,松下奈緒,美波,山田真歩,朝加真由美,山下容莉枝,
    栗田桃子,石橋蓮司,稲垣吾郎 他
【原作】村山由佳,【脚本】矢島弘一
【音楽】梶浦由記

一昨年刊行された村山由佳さんの小説『風よ あらしよ』の映像化です。全3回。既にNHKさんのBS8Kで今年3月に放映されていましたが、今回、通常のBS放送(2K)及びBS4Kでの放映が始まります。

8月31日(水)でしたか、10分間の番宣番組がありまして、拝見しました。
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主人公・伊藤野枝を演じるは、吉高由里子さん。
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この言葉を野枝に教えたのは……
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稲垣吾郎さん扮する辻潤。のちに二人は結ばれます。
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そして辻を通し……
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智恵子がその表紙絵を描いた『青鞜』創刊号。巻頭言を書いた主宰の平塚らいてう(松下奈緒さん)の元を訪れる野枝。
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らいてうの自宅居室はこのような円窓でしたが、それを再現。「さすがNHKさん、やるな」と思いました(笑)。

しかし、そのらいてうとの出会いは……
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青鞜社に加わり精力的に活動する野枝に、さらなる運命的な出会い。
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すると、忍び寄る不吉な影(憲兵大尉・甘粕正彦=音尾琢真さん)。
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野枝らの運命はいかに。
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原作は650ページ超の長編でしたので、『青鞜』表紙絵にまつわるシーンで智恵子、さらに大杉等の活動を支援するシンパとして光太郎も登場しますが、ドラマではどうでしょうか。全3回、50分ずつの尺では原作でのチョイ役まで描ききれないような気もしますが……。

ところで番宣番組には、平塚らいてうの会代表理事の三留弥生氏がご出演され、『青鞜』について熱く語られていました。
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左下の号も智恵子が描いた表紙絵で飾られています。明治45年(1912)の第2巻第1号から第3号まで、この絵が使われました。かつてはスズランと言われていましたが、アマドコロのようです。

さて、ドラマ「風よあらしよ」。ぜひご覧下さい。
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【折々のことば・光太郎】

電車で花巻行、院長さんの車迎にくる、宮沢家行、老人はじめ一同にあふ、後わんこそばにゆきいろいろの人にあふ、


昭和28年(1953)12月3日の日記より 光太郎71歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため帰京して以来、およそ1年2ヶ月ぶりに帰った花巻。

院長さん」は佐藤隆房。「老人」は賢治の父・政次郎です。「電車」は花巻電鉄。かつて生活の足としていた同線、これが生涯最後の乗車となりました。

テレビ放映情報です。

徳永ゆうきの一期一会はなうた旅 #22

BSJapanext 2022年8月29日(月) 19:58〜21:00

実力派演歌歌手の徳永ゆうきが北海道・東北地方の7道県をおさんぽ! その土地にゆかりのある方と一緒に北国の絶景やグルメ・工芸品等を巡ります。旅先を訪れる際にはその場所にまつわる”はなうた”を歌いながら、別れ際にはお世話になった方々へ歌をお届けします♪ みるだけでなく、聞いても楽しい旅番組です!

今回の「はなうた旅」の舞台は宮城県。演歌歌手の徳永ゆうきが女川町を旅します。
▼ダンボールで作ったランボルギーニ!?
▼三陸の海の素材を使った石鹸とは?
▼絶品!銀鮭のフルコースに舌鼓!

出演者 徳永ゆうき

6月に放映された#12では、智恵子の故郷・福島県二本松市が取り上げられ、智恵子についても言及していただきました。

今回の舞台は、光太郎ゆかりの地・宮城県女川町。
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昭和6年(1931)夏、新聞『時事新報』の依頼で、紀行文「三陸廻り」を連載するために三陸一帯を旅した光太郎。女川にも宿泊しました。それを記念して、平成3年(1991)には光太郎文学碑が建立され、翌年からは毎年8月9日に女川光太郎祭が開かれています(一昨年からコロナ禍のため中止)。

平成23年(2011)の東日本大震災では甚大な被害となり、その後、津波からの避難のランドマーク「いのちの石碑」が、光太郎文学碑の精神を受け継いで全額寄付金で建立されました。活動の中心メンバーの一人、鈴木智博さんは、かつて複数回、女川光太郎祭で光太郎詩文の朗読をなさって下さっていました。

その女川町でのロケということで、光太郎文学碑、いのちの石碑、ちらっとでもご紹介いただければ幸いです。

番組紹介文にあるのは「ダンボールで作ったランボルギーニ!?」。
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「絶品!銀鮭のフルコース」。
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ちなみにこの銀ザケ、女川の出島にお住まいの漁師にして女川光太郎の会会長・須田勘太郎さんから毎年のようにクール宅急便で送っていただいております。
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ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

大沢より映画班の人車でくる、それにて大沢山水閣泊り、 入浴、今日の湯はあつし、

昭和28年(1953)11月25日の日記より 光太郎71歳

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作のため帰京して以来、およそ1年2ヶ月ぶりに帰った岩手花巻。

「映画班の人」はブリヂストン美術館の美術映画「高村光太郎」制作スタッフです。光太郎の帰郷に便乗したか、撮影のために帰郷したか、ニワトリが先か卵が先か何とも云えませんが、翌日から撮影も行われました。

2件ご紹介します。

日本一やかましい祭り「石取祭」〜鉦や太鼓がふたたび鳴り響く、桑名の夏〜

BSイレブン 2022年8月7日(日) 19:00~20:00

「桑名っ子」たちが待ちに待った、絢爛豪華な祭車の曳き回しが3年ぶりに復活!けたたましく鉦や太鼓が鳴り響く、日本一やかましい祭り「石取祭」を生中継!

鉦や太鼓の音色が、3年ぶりに桑名のまちに鳴り響く。地元の人が「日本一やかましい祭り」と呼ぶ、三重県桑名市の「石取祭」。神様に五穀豊穣の願いを届ける為、3日3晩、鉦や太鼓を叩き続け、けたたましい音を響かせながら、絢爛豪華な祭車が街を練り歩く「天下の奇祭」。その起源は江戸時代初期に神社に石を奉納する儀式から始まったと言われ、何世代もの「桑名っ子」にとって1年で最も心が躍る夏の一大行事。
しかしコロナ禍により、2年も過ごした「静かな夏」。幼い頃から鉦と太鼓の音を聴いて育ってきた「桑名っ子」たち。今夏、待ちに待った祭車の曳き回しが復活!鉦と太鼓の爆音が桑名の夜を埋め尽くす―「国指定の重要無形民俗文化財」指定、ユネスコ無形文化遺産に登録された石取祭の渡祭の一部を生中継!

出演者
 中久木大力(三重テレビアナウンサー) 奥村莉子(三重テレビアナウンサー)
 小川雅生(桑名石取祭保存会 研究員) 大西礼芳(俳優/三重県度会町出身)


三重県桑名市の「石取祭」。春日神社さんに石を奉納する祭りで、毎年8月第1日曜日とその前日の土曜日に執り行われています。太鼓と鉦の囃子にのって「祭車」と呼ばれる山車が曳き廻され、「日本一やかましい祭り」を名乗っています。40台あまり出る祭車の中に、光太郎の父・光雲とその弟子たちの手になる彫刻を施した祭車が2台。平成28年(2016)には、全国33件の同様の祭りと一括でユネスコ世界文化遺産に指定されました。

その石取祭の生中継だそうで、テレビ的にはなかなかのチャレンジャーですね。雨天の場合など、どうするのでしょうか。多少の雨ならやってしまうのでしょうが、このところ、各地で豪雨災害が頻発していますし……。まぁ、とりあえず拝見してみます。

もう1件。

プレミアムステージ「僕は歌う、青空とコーラと君のために/私たちは何も知らない」

NHK BSプレミアム 2022年8月7日(日) 23:20~4:11

8月のプレミアムステージは、<前半>に、ヒトハダ公演「僕は歌う、青空とコーラと君のために」。 <後半>は、二兎社公演「私たちは何も知らない」のアンコール放送。

23:20〜 ヒトハダの旗揚げ公演、鄭義信・作・演出の「僕は歌う、青空とコーラと君のために」。昭和25年、朝鮮戦争勃発当時。東京郊外にある進駐軍専用のキャバレーで営業する男性コーラスグループの笑いあり、涙ありの青春と友情の物語。【出演】大鶴佐助 浅野雅博 尾上寛之 櫻井章喜 梅沢昌代 /翌1:36:15〜 二兎社公演「私たちは何も知らない」のアンコール放送。【作・演出】永井愛【出演】朝倉あき ほか


演劇公演2本が放映され、そのうち後半が二兎社公演「私たちは何も知らない」。令和元年(2019)から翌年にかけ、全国を巡回したもので、平塚らいてう、伊藤野枝ら、青鞜同人の群像劇です。テレビ放映は令和2年(2020)に続き、二度目。そこで「アンコール放送」と謳われています。創刊号の表紙を描いた智恵子は登場しませんが、セリフの中には名が出て来ました。
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ところで、岩野清(いわのきよ)役は、大西礼芳さん。偶然ですが、上記「日本一やかましい祭り「石取祭」〜鉦や太鼓がふたたび鳴り響く、桑名の夏〜」でも、三重県ご出身ということで、ゲスト出演なさいます。
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ありゃま、という感じでした(笑)。

それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

一時雨の中を迎の車で上十條伊藤忠雄氏宅にゆく、谷口藤島、筏氏と同道、鋳金裸像七尺のもの2体の位置をきめる、


昭和28年(1953)10月9日の日記より 光太郎71歳

「鋳金裸像」は、生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。伊藤忠雄による鋳造が終了し、細かな位置決めが「行われました。下記の写真はこの日、撮影されたものと思われます。
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当方が監修、一部執筆した『十和田湖乙女の像のものがたり』(平成27年=2015 十和田湖奥入瀬観光ボランティアの会編)から採りました。キャプションが「6月23日」となっていますが、誤りです。その日も伊藤の工房に行っていますが、6月の時点では石膏原型1体のみで、2体揃っているのは鋳造後です。

この後、延々十和田湖まで運ばれ、現地に設置されることになります。『十和田湖乙女の像のものがたり』には、設置工事の監督だった元青森県技師・小山義孝氏の証言、工事中の写真等も掲載されています。ただ、輸送がどのように行われたのか、今のところ関係資料が見つかっていません。
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3件ご紹介します。

まず、もう今夜のオンエアですが……。

バナナマンのせっかくグルメ★日村が夏の長野へ!ギャル曽根に飯尾&ケンコバも爆食

地上波TBS 2022年7月31日(日) 18:30~20:54 

日村は長野市で夏の大自然とブランド豚ステーキ&特大㊙ハンバーグに感動★熊本阿蘇でギャル曽根あか牛爆食★バナナマンと仲良し!飯尾&ケンコバ岩手花巻で自由気まま旅

【日村さん長野市で夏の大自然&絶品飯を満喫!】
 ★味の深みがスゴイ!こだわりスープの絶品ラーメン
 ★とにかく柔らかい!ブランド豚の極上ステーキ
 ★人気ステーキハウスの炭火焼き特大㊙ハンバーグ×白米に興奮
 ★超老舗みそ専門店で絶品スイーツを堪能
 ★長野市の有名企業×せっかくグルメのコラボグッズを視聴者プレゼント!応募方法は放送内で発表するのでお見逃しなく!
【バナナマンと仲良し!飯尾&ケンコバが岩手県花巻へ】
 ★食通の二人も唸った!旨辛ニララーメン&極上ホルモン&人気町中華チャーハン
 ★温泉入浴…睡眠…軽いルール違反…制御不能の自由旅にバナナマンも爆笑!
【ギャル曽根さん熊本阿蘇でのグルメ探し続編!】
 ★老舗の極上あか牛グルメを興奮気味に爆食!
出演者
 ★MC:バナナマン(設楽統・日村勇紀)
 ★スタジオゲスト:鷲見玲奈・山下健二郎(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
 ★ロケゲスト:飯尾和樹、ケンドーコバヤシ、ギャル曽根

この番組、バナナマンの日村さん、それからゲストの皆さんが日本各地を訪れ、地元の方々のお薦め情報をもとに地元グルメを堪能するというコンセプトです。

ずんの飯尾さん、ケンドーコバヤシさんが花巻に。
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メインは市街地の中華系のようです。
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飲食店以外に、円万寺観音堂さん。光太郎とも親しかった僧侶にしてチベット仏教学者の多田等観が堂守を務め、光太郎も足を運んだ場所です。
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さらに光太郎や宮沢賢治も愛した大沢温泉さん。
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続いて、8月2日(火)。

開運!なんでも鑑定団【お宝は世界を救う!美人画大作&最高峰焼き物に驚き値】

地上波テレビ東京 2022年8月2日(火) 20:54〜21:54

■盲目の子どもたちに光を…お宝は世界を救う!?<美人画大作>に衝撃値■茶人が特別に注文!?…最高峰<中国焼き物>に驚き鑑定額■福島出張鑑定…仰天<ペコちゃん人形>■

依頼人は認定NPO法人「ヒカリカナタ基金」の理事長を務めており、途上国の目の不自由な子供たちを助けるべく、日本から治療費を送る活動をしている。ご自身も8歳の時に失明し、その後盲学校の教師となった。1964年の東京パラリンピックで盲人卓球に出場し、なんと金メダルを獲得したことも! お宝は支援者の方から「NPO法人で役立ててほしい」と頂いたもの。とても大事にしてきたが、途上国の子供たちの目を助けるため手放すことを決意した。果して売却額は!?

出演者
 【MC】今田耕司、福澤朗  【ゲスト】マルシア
 【アシスタント】片渕茜(テレビ東京アナウンサー)
 【出張鑑定】出張鑑定 in福島県・二本松市  【出張リポーター】原口あきまさ
 【ナレーター】銀河万丈、冨永みーな

鑑定士軍団
 中島誠之助(古美術鑑定家) 北原照久(「ブリキのおもちゃ博物館」館長)
 安河内眞美(「ギャラリーやすこうち」店主) 川上紳一(岐阜聖徳学園大学教授)
 山村浩一(「永善堂画廊」代表取締役) 森由美(陶磁研究家)
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「出張鑑定」が智恵子の故郷・福島二本松だそうです。このコーナー、最初に街の紹介が入りますので、光太郎智恵子、ほんとの空といった紹介がなされてほしいものです。

ちなみに平成28年(2016)12月には、当方自宅兼事務所のある千葉県香取市で出張鑑定の収録が行われ、当方、拝見に伺いまして、客席に座っている姿が映りました(笑)。

もう1件、同日の放映。ただし再放送です。

再 福島をずっと見ているTV(99)「ここで生きていくことが、“復興”」

NHK Eテレ 2022年8月2日(火) 14:30~15:00

福島県川内村。原発事故で一時は全村民が避難したが、いち早く帰村を推し進めた結果、もといた住民の8割が戻ったことでも知られている場所だ。いまここで、古民家を利用し、新たな交流拠点を作ろうと奮闘しているのが、志賀風夏さん(川内村出身)。年齢も性別も関係なくみんなが集まれる場所を作りたいという志賀さんは「在りし日の“村の良さ”を取り戻したい」と語る。真の復興とは何なのか、風夏さんの姿を通じて考えていく。

出演者
【司会】箭内道彦,【出演】横田龍儀,【アナウンサー】合原明子,【語り】相沢舞
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初回放映が7月27日(水)でして、拝見しました。舞台は双葉郡川内村。当会の祖・草野心平が愛した村で、心平を名誉村民に認定して下さっています。
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冒頭近く、心平を祀る天山祭、今年7月9日(土)の映像。
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そして、志賀風夏さん。
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心平の別荘「天山文庫」、併設されている「かわうち草野心平記念館」の管理人さんです。
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志賀さん、平成30年(2018)にも、この番組で取り上げられました。

元々、川内村のご出身で、進学のため村を離れたもののUターン。亡きお父さまの跡を継いで陶芸家としてもご活動。さらにこの秋には古民家を改装してカフェを開かれるということで、村外のボランティアの方、村内の小学生親子などを巻き込んでの活動に密着取材。
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その信念は、番組サブタイトルにもなっているとおり、「ここで生きていくことが、“復興”」。頭が下がります。

スタジオゲストは、横田龍儀さん。ミュージカル「刀剣乱舞」などでご活躍中だそうですが、川内村のご出身、さらに何と、志賀さんの同級生だったとのこと。
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横田さんは横田さんで、自分がメジャーになることで、復興に関する発言に重みが増すので、それを目指しているそうです。そういうアプローチもあるのですね。

それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

瀬川幸蔵氏くる、阿部さんのリンゴをもらふ、夕方一緒に新宿、ビール、トンカツにて別れる、

昭和28年(1953)9月26日の日記より 光太郎71歳

「瀬川幸蔵氏」は、花巻町中心街在住の人物。光太郎の花巻郊外旧太田村での蟄居中にも交遊がありました。詳細は不明ですが、やはり光太郎と親しかった花巻の阿部博が作ったリンゴを土産に上京、中野のアトリエに光太郎を訪ねました。他にも花巻町や旧太田村の人々は、けっこう上京するたび光太郎のもとを訪れています。いかに光太郎が愛されていたかの証左ですね。

テレビ放映情報です。

プレイバック日本歌手協会歌謡祭

BSテレ東 2022年7月8日(金) 17:58〜19:00

「日本歌手協会歌謡祭」名曲&懐かしの名場面を一挙放送!

「東京アンナ」大津美子
「ダイナ」ディック・ミネ
「ダイアナ」鈴木ヤスシ
「硝子のジョニー」谷龍介無題
「傷だらけのローラ」高道(狩人)
「シェリー」九重佑三子、田辺靖雄
「ジョニィへの伝言」ペドロ&カプリシャス
「メリー・ジェーン」つのだ☆ひろ
「サチコ」ニック・ニューサ
「ひとみちゃん」神戸一郎
「そんな夕子にほれました」増位山太志郎
「智恵子抄」二代目コロムビア・ローズ
「お吉物語」天津羽衣
「おーい中村君」若原一郎
「ハチのムサシは死んだのさ」セルスターズ
「姿三四郎」姿憲子
「与三さん」照菊

<司会>合田道人

過去の映像の再放映ですが、一昨年に亡くなった二代目コロムビア・ローズさんの「智恵子抄」(昭和39年=1964)がラインナップに入っています。智恵子の故郷・二本松では防災無線正午のチャイムがこの曲でしたが、現在もそうなのでしょうか。
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ローズさん、ご存命のうちはアメリカにお住まいで、時折帰国してコンサートやテレビ出演をなさっていました。そこで、かえって亡くなってからの方が、たびたびこの手の番組で過去の映像が使われるようになりました。

ところで当方、昨秋だったと思いますが、ローズさんのサイン色紙を入手しました。
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ローズさんの唄う「智恵子抄」の歌詞ではなく、光太郎詩「あどけない話」(昭和3年=1928)から。正確には「ほんとうの空」ではなく「ほんとの空」なのですが、仕方ありますまい。

価格は3,220円。この世界、性善説でいると手痛い目に遭うこともあるのですが、おそらく本物でしょう。サイン部分の筆跡が実に書き慣れた感じですし、ニセモノ特有の卑しさが感じられません。

さて、「プレイバック日本歌手協会歌謡祭」、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

ブリヂストンより岩佐、青木両氏くる、映画撮影の下相談、


昭和28年(1953)5月21日の日記より 光太郎71歳

映画」はブリヂストン美術館(当時)制作の美術映画「高村光太郎」。この時制作中だった生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」の制作の様子や、この年の秋、一時的に花巻郊外旧太田村に帰った時の様子などが撮影されました。
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現代でも各種企画展の折に流されていますし、花巻高村光太郎記念館さんでは特別な場合を除き、常時館内で放映しています。

6月13日(月)に初回放映のあった番組の再放送があります。

再 徳永ゆうきの一期一会はなうた旅 #12

BSJapanext 2022年6月20日(月) 02:30~04:30/12:30~14:30

実力派演歌歌手の徳永ゆうきが北海道・東北地方の7道県をおさんぽ! その土地にゆかりのある方と一緒に北国の絶景やグルメ・工芸品等を巡ります。旅先を訪れる際にはその場所にまつわる”はなうた”を歌いながら、別れ際にはお世話になった方々へ歌をお届けします♪ みるだけでなく、聞いても楽しい旅番組です!

今回は二本松市を徳永ゆうきがを旅します。絶景!二本松城から眺める安達太良山。名菓「玉羊羹」の製造工程を見学。世界が認める日本酒に大興奮!

出演者 徳永ゆうき 箭内夢菜

初回放映を拝見いたしました。
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まずは二本松城(霞ヶ城)址。光太郎の父・光雲の孫弟子にあたる故・橋本堅太郎氏作の二本松少年隊像前から始まりました。
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ご出演は、まず番組の冠になっている演歌歌手・徳永ゆうきさん。
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ゲストにして案内役は、郡山ご出身の女優・箭内夢菜さん。
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天守台へと上って行かれました。
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ただ、この日は曇天だったようで、安達太良山は見えず。そこで資料映像的な。
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続いてお二人が向かったのは、城址からほど近い市街地の玉嶋屋さん。羊羹の老舗です。
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羊羹作りの工程をご覧になったり、名物の玉羊羹を賞味されたり。
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最近はハート型の玉羊羹も販売されているそうで、これは存じませんでした。
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そして、智恵子生家/智恵子記念館に近い、道の駅「安達」智恵子の里
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最初は「道の駅安達」としか紹介されず、「おいおい、「智恵子の里」はどうした?」と思っていたら、演出的に引っ張っていたのでした。
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施設内に入ってから、「智恵子の里」と、明かされました。

そして、レモン。
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レモン系の商品等、いろいろ紹介されました。
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それ以外に、郷土料理「ざくざく」系も。下記は「ざくざくカレー」。
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この番組、タイトルに「はなうた旅」とあるとおり、徳永さんが行った先々で歌をご披露。ご自分の歌だったり、他の方の曲のカバーだったり。道の駅では、「もしかすると二代目コロムビア・ローズさんの「智恵子抄」か?」と思ったところ……。
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「れもんコロッケ」を召し上がりつつ、まさかの米津玄師さん「Lemon」、演歌風(笑)。

この後は、同じ道の駅「安達」智恵子の里の和紙伝承館さんで、紙漉き体験。
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残念ながら、智恵子の生家/智恵子記念館には立ち寄られませんでしたが、さらに二本松市内のおすすめスポットへ。

岳温泉さん。
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奥の松酒造さん。
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尺が2時間の番組ですので、各所、詳しく紹介されていました。

次回放映は盛岡編だそうですが、今後また、光太郎智恵子がらみの場所等、レポートしていただきたいものです。

もう1件、初回放映がもう今夜なのですが、昨日になってネットに情報が出たもので……。

アプリで生判定!地域創生プレゼンバトル #10

BSJapanext 2022年6月17日(金) 19:00~20:00 
再放送 6月24日(金) 02:30~03:30/12:30~13:30


絶景、グルメ、伝統工芸など、日本全国、地域の魅力を東西に分かれて熱烈プレゼン! MCを関根勤と小堺一機が交代で担当。魅力たっぷりの映像と、熱のこもったプレゼンで、これまで知らなかった地域の魅力をトコトンお伝えします。プレゼンの勝敗を決めるのは、アプリを使った視聴者投票!家族みんなで奮ってご参加ください!!

今回の対決は…
▼絶景対決
 二本松城(福島)VS日御碕灯台(島根)
▼工芸品対決
 上川崎和紙(福島)VS薩摩切子(鹿児島)▼極上グルメ対決
 温泉ワインうなぎ(山梨)VS薩摩牛・極(鹿児島)

出演者 判定人:関根勤 プレゼンター西日本:みかん 東日本:たきうえ(流れ星☆)
進行:山中秀樹
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「徳永ゆうきの……」と同じ、BSJapanextさん(今春開局・全番組無料放映)の番組です。

併せてご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

迎により車で一時頃中山太陽堂の講堂行、満員、井上女史ゐる、談話を2時間はかり、

昭和28年(1953)2月28日の日記より 光太郎71歳

はかり」は「ばかり」。光太郎、時々濁点の省略が見られます。

中山太陽堂」は、現・クラブコスメチックス。老舗の化粧品メーカーです。「井上女史」は、智恵子の母校・本女子大学校の第四代校長を務めた井上秀。この日は井上も一枚からんでいた「中山文化研究所婦人文化講座」の一環として、井上が旧知の光太郎の講演をお膳立てしました。前年までの花巻郊外旧太田村での山小屋生活、制作中の生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」などについて語られています。

講演の筆録は、「美と真実の生活」の題で、この年発行の雑誌『婦人公論』第37巻第6号に載り、さらに古谷綱武編『暮しの美しさ』(講談社 昭和29年=1954)に再録されました。それをテキストに『高村光太郎全集』第10巻に収められています。

ところが、そちらは講演全体の7割程度の部分のみの筆録でした。全文は雑誌『女性教養』第173号(昭和28年=1953 6月)に「炉辺雑感」の題で収録されています。どうも何かしらの「大人の事情」があったようで、『婦人公論』等では、井上の名が出て来る部分がスパッとカットされています。当方編集の「光太郎遺珠⑧」(『髙村光太郎研究』第34号 平成25年=2013 髙村光太郎研究会)に全文を載せました。国会図書館さん、日本近代文学館さん等に所蔵されています。

また、『婦人公論』所収の際に生じた誤植が、そのまま『高村光太郎全集』に踏襲されてしまいました。農作物の種蒔きに関しての部分で、『婦人公論』では「今日は都合が悪いから明日まこうでは、決していい物をつくることができない。そんなずれは許されない。」となっていますが、本来は「今日は都合が悪いから明日まこうでは、決していゝ物をつくることが出来ない。そんなズルは許されない。」となっていました。「ずれ」と「ズル」では、かなりニュアンスが異なりますね。

こういうこともあるので、この世界、なかなか大変です。

また、やはり『婦人公論』でカットされている部分に、実に興味深い一節がありました。

 昔は詩の月評というのがあつて、僕の創つた詩なんか、そこで毎月といつていゝ程必ずやつつけられたものだ。こんなのは詩じやない、てんで詩になつていないといわれる。あんまりいわれるので、俺のはそんなに詩になつていないのかなあとふさぎ込んでしまう。考えてみる。と、やつぱり詩になつている。また書く。またやられる。書いてはやられ、やられては書く。こつちはそれよりほかどうしようもない、絶体絶命なんだから、そして人間はとにかく生きてゆく権利があるのだから、俺は俺のことをやるしかない。俺の道を行くしかないというんで、二年程続けていたら、向こうでも根負けしたのか、馬鹿は相手に出来ないとでも思つたのか、パツタリやめてしまつた。

詩の月評」というのがどういうものなのか、よくわからないのですが、「句会」や「歌会」のような催しだったのでしょうか、それとも投稿雑誌等に詩を投稿していたということなのでしょうか。いずれにしてもきちんと詩人としてデビューする前の話と思われます。後者であれば、「二年程」の間、知られざる光太郎詩がなにがしかの雑誌に載ったということになりますが、そうした作品群の存在が確認出来ていません。情報をお持ちの方、コメント欄等から御教示いただければ幸いです。

テレビ放映情報、2件ご紹介します。

まず、智恵子の故郷・福島二本松。

徳永ゆうきの一期一会はなうた旅 #12

BSJapanext 2022年6月13日(月) 19:00~21:00

実力派演歌歌手の徳永ゆうきが北海道・東北地方の7道県をおさんぽ! その土地にゆかりのある方と一緒に北国の絶景やグルメ・工芸品等を巡ります。旅先を訪れる際にはその場所にまつわる”はなうた”を歌いながら、別れ際にはお世話になった方々へ歌をお届けします♪ みるだけでなく、聞いても楽しい旅番組です!

今回は二本松市を徳永ゆうきがを旅します。絶景!二本松城から眺める安達太良山。名菓「玉羊羹」の製造工程を見学。世界が認める日本酒に大興奮!

出演者 徳永ゆうき 箭内夢菜
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4月に昭和42年公開の松竹映画「智恵子抄」(岩下志麻さん、丹波哲郎さん主演)を放映して下さったBS松竹東急さん同様、この春に開局し、全番組無料放映のBSJapanextさんの番組です。

智恵子の名は番組紹介にありませんで、羊羹の玉嶋屋さん、酒蔵の奥の松酒造さんなどを訪れるようですが、2時間の番組ですので、どこかしらに智恵子がからむような気はしています。

ご出演は演歌歌手にして鉄道マニアとしても知られる徳永ゆうきさん、そして郡山ご出身の箭内夢菜さん。6月6日(月)放映の#11が、やはりこのお二人で猪苗代町編でした。同時期のロケだったのでしょう。
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ぜひご覧下さい。

もう1件、再放送です。

再 ふるカフェ系 ハルさんの休日▽岩手・花巻〜宮沢賢治が愛した花壇をめでるカフェ

NHK Eテレ 6月12日(日) 18:30~18:55  6月14日(火)13:30~14:00

岩手県花巻市の宮沢賢治ゆかりのカフェへ。それは庭にある花壇!賢治が晩年に設計した花壇には色とりどりの美しい花。賢治がよく訪れたという木々の建築をリノベーション。

宮沢賢治の世界を感じながら、素朴な味わいの郷土料理も堪能できる、くつろぎのカフェ。ここでしか見られない貴重なものが、賢治の花壇。不思議な文様のレンガの花壇は、賢治が晩年に設計したもので、○○仕込み。花を愛で、賢治を想う和風建築のカフェは、室内もすごい。賢治の妹ゆかりのオルガンや、さまざまな木々で作られた床の間の設えや意匠も見どころがいっぱい。そして若い人の感覚を取り入れたリノベーションも必見です!

【出演】渡部豪太 花巻市のみなさん

6月9日(木)の初回放映を拝見いたしました。
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宮沢賢治ゆかりのカフェということで、まずは賢治が命名したイギリス海岸からスタート。
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マルカンさんも登場。
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そして、今回の舞台、茶寮かだんさん。おそらく戦中戦後に光太郎も目にした建物です。
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まずは店主の一ノ倉さんのレクチャー。
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カフェですので、料理も堪能。
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その後、屋外に出、賢治設計の花壇を見ていると……
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なるほど。

再びカフェ内部に。
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当方、平成30年(2018)に訪れた際は、この部屋で珈琲を頂きました。

するとそこへ……
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マルカンさんのリノベも手がけられている小友氏。こちらのオープンの際にもアドバイザー的なことをなさったそうで。

最後は店主・一ノ倉さんの感懐。空き家となっていた豪邸、荒れていた花壇を改修し、カフェとして再生、さらにご自分で農業もされているというご苦労を……
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頭が下がりました。

渡部さん演じるハルさんも……
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本放送をご覧になっていない方、こちらもどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

羽田によかず、リーチ今日来たりしと見え、夜の録音ニュースにて声をきく、

昭和28年81953)2月17日の日記より 光太郎71歳

「リーチ」は陶芸家のバーナード・リーチ。明治末、ロンドン留学中の光太郎と親しくなり、それが直接のきっかけで来日、白樺派の面々とも交流を持ちました。戦前は日本、イギリス、そして中国などを行ったり来たりしていましたが、昭和10年(1935)に帰国後はしばらく母国にとどまり、この時が18年ぶりの来日。翌年まで日本に滞在しました。

光太郎、この後、リーチの宿泊先を訪ねていきますし、中央公論社主催の座談会で、リーチ、柳宗悦、濱田庄司らと旧交を温めます。

久々にテレビ放映情報です。

まず、光太郎第二の故郷ともいうべき、岩手・花巻から。

ふるカフェ系 ハルさんの休日▽岩手・花巻〜宮沢賢治が愛した花壇をめでるカフェ

NHK Eテレ 2022年6月9日(木) 22:30~22:55  
再放送 6月12日(日) 18:30~18:55  6月14日(火)13:30~14:00

岩手県花巻市の宮沢賢治ゆかりのカフェへ。それは庭にある花壇!賢治が晩年に設計した花壇には色とりどりの美しい花。賢治がよく訪れたという木々の建築をリノベーション。

宮沢賢治の世界を感じながら、素朴な味わいの郷土料理も堪能できる、くつろぎのカフェ。ここでしか見られない貴重なものが、賢治の花壇。不思議な文様のレンガの花壇は、賢治が晩年に設計したもので、○○仕込み。花を愛で、賢治を想う和風建築のカフェは、室内もすごい。賢治の妹ゆかりのオルガンや、さまざまな木々で作られた床の間の設えや意匠も見どころがいっぱい。そして若い人の感覚を取り入れたリノベーションも必見です!

【出演】渡部豪太 花巻市のみなさん

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この番組、昨年は智恵子の故郷、福島・二本松の古民家カフェを取り上げて下さり、つい先日も再放送がありましたが、今回は花巻に出没。渡部豪太さん扮する古民家カフェブロガー・真田ハルが全国の古民家カフェを廻るというコンセプトです。一応、ドラマ仕立てではありますが、カフェのオーナーさんや地元の皆さんがご本人役で出演されたり、なぜか古建築等の専門家の方などが毎回都合よくお店にいたり……(笑)。

4月から新シリーズが始まり、だいたい毎回拝見していますが、それぞれの古建築はもちろん、建物を残そうとする地元の人々の思いなどが素晴らしいと思いますし、渡部さん演じるハルさんの「ゆるさ」もいい感じです。

今回取り上げられるのは、「茶寮かだん」さん。花巻の中心街に位置しますが、たまたま昭和20年(1945)の花巻空襲の被害を免れました。光太郎も戦中戦後によく歩いた一角ですので、おそらく目にした建物でしょう。ただし、光太郎がいた頃は普通の民家でしたが。

このブログでご紹介し続けている『花巻まち散歩マガジンMachicocoマチココ』さんに連載されている「光太郎レシピ」の撮影にも使われましたし、当方も一度お邪魔しました。ただ、その際は真冬で、賢治設計の花壇は雪に埋もれていましたが。

さて、もう1件。「ふるカフェ系 ハルさんの休日」は「ゆるい」感じですが、こちらはどうも真逆で朝っぱらから「強烈」そうです(笑)。

おんがく交差点【熱唱!渡辺えり】

BSテレ東 2022年6月11日(土) 8:00~8:30

芝居が人生!ご飯は歌で食べた?
ゲストは渡辺えりさん!俳優・劇作家・演出家として有名だが、実は歌手としても活躍!
東京キューバンボーイズやアコーディオンのcobaと共演、ピアソラ生誕100周年公演も!
原点はコタツの上で歌う「荒城の月」!幼い頃は、近所で歌ってご馳走を食べて育った?
小学校に入ると、イジメに遭って『布団の中の王様』に…。救いになったのが…お芝居!
小学5年の時、自作の演劇「光る黄金の入れ歯」でブレイク!なのにズルいと言われた?
両親は役者の道に大反対!高校卒業後は家出同然で上京…でもお芝居で納得してくれた?
今回は『ひと味違う伴奏』で戯曲の歌を披露!大谷さんは「Shall we ダンス?」劇中曲!
そして、渡辺えりさんと『歌うヴァイオリン』がベット・ミドラーの名曲でコラボする!!

♪ゲストの1曲
「りぼんの歌」 作詞 渡辺えり 作曲 近藤達郎 
♪ヴァイオリンの小径
「ゴールドルンバ(ドニー青木のテーマ)」映画「Shall we ダンス?」より 作曲 周防義和 編曲 小林 哲
渡辺えり×歌うヴァイオリン コラボレーション
ベット・ミドラーの名曲を渡辺えりさんが日本語に訳した特別バージョンで共演!!
♪コラボレーション
「ザ・ローズ」 作詞・作曲 アマンダ・マクブルーム 訳詞 渡辺えり 編曲 萩森英明/山田武彦

出演者
【MC】 春風亭小朝(落語家) 大谷康子(ヴァイオリニスト)
【ナレーション】 加藤円夏
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先月17日に、光太郎と交流のあったお父さま・渡辺正治氏を亡くされたえりさんですが、収録はその前だったように思われます(違っていたらすみません)。

番組説明では山形のご両親のお話もされるやに紹介がありますので、どんなお話になるか、期待しております。

それぞれぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

今日、十和田湖彫刻に反対のテカミ始めてくる、

昭和28年(1953)1月20日の日記より 光太郎71歳

始めて」は「初めて」ですね。光太郎以外も含め、意外とこの時代の文章ではこの二つの混同が目立ちます。

生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」、既に報道等で裸婦像であることは明かされていて、そのため「そんなものはけしからん」ということだったのでしょうか。

或いは、考え過ぎかも知れませんが、次のようなことも考えられます。

「乙女の像」は元々、十和田湖周辺の国立公園指定15周年の記念として、十和田湖の景勝美を世に広めた桂月と、道路整備等に腐心した元青森県知事・武田千代三郎および地元の村長・小笠原耕一の「十和田の三恩人」を顕彰するものでした。肝煎りは当時の青森県知事にして太宰治実兄の津島文治でしたが、津島がその構想を打ち出す前から、旧厚生省の外郭団体のドンと、地元のボス的な怪しげな人物がタッグを組んでそうした活動を進めていました。ドンは記念碑の碑文まで既に書いていたそうです。

そこへ持ってきて津島というトンビに油揚げをさらわれた格好になり、怒ったドン、あからさまな嫌がらせをしてきます。「乙女の像」当初予定だった子の口地区への設置は認められない、当時から繁華街だった休屋地区なら認めよう、というのです。青森県と光太郎を仲介した佐藤春夫はこれに激怒、昭和32年(1957)刊行の『小説高村光太郎像』には次のように書かれています。

勢力争ひの軋轢に得たりとばかり飛び込んだらしい半官半民の協会のボスが自分の権力を見せびらかす仕事だと思はれる節が歴々としてあつたので地方官庁がそれに対抗できないのも口惜しいし、高村氏には気の毒なと思つて怒は心頭に燃えた。

ところが光太郎自身は……

これは芸術の尊厳のために正しく大声叱呼して糾明すべきだとわたくしは心外に堪えないのに、当の制作者は、佐藤君ならさぞ怒るでせうねと人ごとらしくすまして、ロダンにもさういふ場合はあつたし、どこに置いても結局大して変わりもないのだからと、(略)事を好まぬこの人本来の和霊のせいで、当人の言ふとほり、終始行きとどいた配慮の下に制作者をいたはつた知事を、難局に立たせたくなかつたといふ心づかいであつたと見るべきであらうか。

結局、設置場所は休屋地区でも一番奥の、人気(ひとけ)のない浜辺となりました。休屋地区には当時、パチンコ屋などもあり、そんな所に建てられてはとんでもない、と、佐藤などは考えたようですが、それは杞憂に終わりました。

さて、話を戻しますが、光太郎の元に届いた反対の手紙。もしかすると、横槍を入れてきたドンなどの意を汲んだ手下からのものだった可能性も捨てきれないな、と思うわけです。考えすぎでしょうか。

2週連続の放映で、後編。光太郎の名が出ます。

鶴瓶の家族に乾杯「市川猿之助が鎌倉でがんばる人を探す旅&坂道を走る人を叱る」

地上波NHK総合 2022年5月16日(月) 19:57〜20:42 

市川猿之助が鎌倉を旅する後編。鎌倉彫の店で地元に詳しい人を紹介してもらい、浄智寺へ。住職に地元でがんばる若い人を紹介してもらう。そこで、住職が着ている作務衣について耳寄りな情報を伺い、それを作る店を訪ねることに。一方、鶴瓶は、北鎌倉の喫茶店を訪ねる。たくさんの笛が展示される店を営むご夫婦に、ロマンチックな出会いについて聞く。さらに、坂道をのぼっていると、坂を駆け降りる女性に遭遇。驚いた鶴瓶は…。

【出演】市川猿之助,【司会】笑福亭鶴瓶,小野文惠,【語り】常盤貴子,三宅民夫
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鶴瓶さんが訪れた「北鎌倉の喫茶店」が、明月院さん近くのカフェ兼ギャラリー「」さん。光太郎のすぐ下の妹・しずのお孫さん夫妻が経営なさっています。
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先週放映分の「前編」予告で、ご夫妻が既に映っていたのですが、きちんとご登場なさるのは「後編」。
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ご主人、オカリナをご披露。さらに「ロマンチックな出会いについて聞く。」だそうで、それは当方も聞いたことがないので、楽しみです(笑)。

ついでというと何ですが、もう1件。

ふるカフェ系 ハルさんの休日 選「福島・二本松〜城郭内の素敵な洋館カフェ!」

NHK Eテレ 2022年5月19日(木) 22:30~22:55

福島・二本松城の敷地の中に見つけた、ビックリな洋館カフェ。古代ギリシャの建築様式と装飾が見事な部屋に急角度の美しい屋根。おススメのスコーン片手に大満足のハル!

明治初期、戊辰戦争の激戦地と知られた二本松城。広い敷地の中に立つ、謎の洋館付き住宅のカフェ。入ってみれば古代ギリシャの建築と装飾が随所に散りばめられている。アカンサスなど見事な室内装飾と美しいギャンブレラ屋根、そしてドイツ壁。ヨーロッパ中のおしゃれな建築様式を活かしたこの建物、一体、誰が建てたのか?店主からの依頼で、ハルが洋館を調査。果たして、謎は解き明かされるのか?探偵ハルのカフェ探検はいかに?

【出演】渡部豪太
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初回放映が昨年6月。光太郎智恵子には触れられませんでしたが、智恵子の故郷・二本松の築100年という「8月カフェ」さんが取り上げられました。もしかすると、光太郎智恵子が眼にした可能性もある建物です。

併せてぜひご覧下さい。

ところで、一昨日、たまたまテレビでNHKさんをつけていたところ、光太郎智恵子の名が出て来ました。「ニッポンぶらり鉄道旅」という番組でした。
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サブタイトルが「東京メトロ丸ノ内線 熱中人生」。尺八奏者の辻本好美さんが、丸ノ内線沿線をぶらり旅。
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すると、番組後半、荻窪ご在住の切り絵作家・福井利佐さんがご登場。
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福井さん、平成30年(2018)に、二本松の智恵子生家も会場の一つとなった現代アートのインスタレーション「福島ビエンナーレ 重陽の芸術祭 2018」で、智恵子生家に作品を展示なさいました。

その際の作品が取り上げられました。
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この作品、のちに平成31年(2019)に開催された「E.O展 ~多摩美出身作家~ vol.3」にも出品されたものです。

事前にまったく把握していなかったので録画しませんでしたが、NHKさんの見逃し配信サイト「NHKプラス」でしばらくの間視聴可能です。ぜひご覧下さい。ただし、利用者登録が必要ですし、ブラウザも限定されていますが。

【折々のことば・光太郎】

四時過ぎ、藤島さんと出かけ浅草米久にて夕食、八時頃かへる、


昭和27年(1952)11月29日の日記より 光太郎70歳

前日には同じ米久さんの新宿支店に行きましたが、この日は浅草の本店へ。こちらは戦前によく訪れた牛鍋屋で、「米久の晩餐」(大正10年=1921)という詩も書いています。

情報を得るのが遅れまして、今夜の放映ですが……。

鶴瓶の家族に乾杯 神奈川県鎌倉市の旅 前編▽市川猿之助が鎌倉の旅へ!偉人の名が続々登場!職人技に感動!

地上波NHK総合 2022年5月9日(月) 19:57〜20:42 再放送5月16日(月) 14:0514:50

歌舞伎俳優の市川猿之助が神奈川県鎌倉市へ。北鎌倉で旅を始めた二人は、何気なく目にした看板を頼りにアトリエを訪ねるが、師匠が世界的有名デザイナーと聞き、仰天する。さらに、猿之助のファンという男性に出会い、話を伺うと、近くに北大路魯山人を世に出した人の家があると聞かされる。驚いた猿之助は、お宅を訪ねることに。一方、鶴瓶は、焼き物の窯を営む男性と偶然出会う。そこで、窯を継いだ意外ないきさつを聞き、驚く。


【出演】市川猿之助,【司会】笑福亭鶴瓶,小野文惠,【語り】常盤貴子,三宅民夫

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舞台は鎌倉、ゲストは大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に、文覚上人役で出演されている市川猿之助さん。
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サブタイトルに「偉人の名が続々登場!」とあります。そのうち、NHKさんの出した上記予告文に、北大路魯山人の名が出ています。
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さらに予告文にある「世界的有名デザイナー」は、ジャンニ・ヴェルサーチ。
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そして、われらが光太郎。
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予告動画では「高村光太郎の」しか出ていませんが、血縁の方がご出演なさいます。

北鎌倉の明月院さん近くでカフェ兼ギャラリー「笛」をなさっている、山端ご夫妻。奥様が、光太郎の妹・しずのお孫さんにあたられます。
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ほぼ毎年、お宅に伝わる品々、それからお近くにお住まいの尾崎喜八(光太郎と深い交流のあった詩人)のお孫さんと共同で「回想 高村光太郎と尾崎喜八 詩と友情」という展示をなさっています(年によっては尾崎をからめず「想い出高村光太郎 」としてやられることも)。

そのあたりのお話が出るのではないかと予想しております。ただ、ご夫妻からは来週の「後編」の方がご夫妻出演のシーンとなるのでは、というお話もありました。

どうもそのようで、「後編」の予告がこちら。

鶴瓶の家族に乾杯 神奈川県鎌倉市の旅 後編▽市川猿之助が鎌倉でがんばる人を探す旅&坂道を走る人を叱る

地上波NHK総合 2022年5月16日(月) 19:57〜20:42 再放送5月23日(月) 14:05〜14:50

市川猿之助が鎌倉を旅する後編。鎌倉彫の店で地元に詳しい人を紹介してもらい、浄智寺へ。住職に地元でがんばる若い人を紹介してもらう。そこで、住職が着ている作務衣について耳寄りな情報を伺い、それを作る店を訪ねることに。一方、鶴瓶は、北鎌倉の喫茶店を訪ねる。たくさんの笛が展示される店を営むご夫婦に、ロマンチックな出会いについて聞く。さらに、坂道をのぼっていると、坂を駆け降りる女性に遭遇。驚いた鶴瓶は…。


【出演】市川猿之助,【司会】笑福亭鶴瓶,小野文惠,【語り】常盤貴子,三宅民夫

とりあえず本日の「前編」からご覧下さい。

もう1件、鎌倉がらみで。

ぶらぶら美術・博物館▽いざ、鎌倉!古刹のお宝仏像めぐり 建長寺&長谷寺〜初夏のアート旅

BS日テレ 2022年5月10日(火) 20:00〜20:54

誰もが一度は目にしたことがある古今東西の名画・彫刻・文化財を、時空を超えた“ライブなお散歩感覚”で体験します。作品の背景・エピソードを知れば、美術博物は身近で楽しいものに!名解説者・山田五郎、おぎやはぎと一緒にぶらぶらしよう!

大河ドラマでも話題の鎌倉へ。北条氏ゆかり、鎌倉五山第一位建長寺で国宝・重文ざんまい。あじさいで有名な長谷寺では、造立1300年 高さ9mの十一面観音に対面。

出演者 山田五郎 おぎやはぎ(小木博明、矢作兼) 高橋マリ子
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建長寺さんということで、もしかすると三門楼上の五百羅漢像(光太郎の父・光雲の師匠筋に当たる髙橋鳳雲作)にも触れて下さるかもしれません。

ただ、予告文には「国宝・重文ざんまい」とあり、五百羅漢像は鎌倉市の文化財には指定されていますが、国の指定は受けていませんので、微妙なところですが……。

それぞれ、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

午后三越にゆき、豊周個展を見る、豊周夫妻らにあふ、 法隆寺展をも見てかへる、


昭和27年(1952)11月23日の日記より 光太郎70歳

「豊周」は光太郎実弟にして、のちの鋳金分野人間国宝です。少し前にも書きましたが、この頃、東京駅前の丸ビルでは光太郎自身の個展も開催されていましたが、そちらを見に行ったという記述がありません。自分の個展は見に行かず、豊周の個展や法隆寺展(おそらく上野でしょう)は見たというのが、興味深いところです。

昨日はNHKさんのアーカイブ的な活動についてご紹介しましたので、ついでというと何ですが、NHKさんがらみで。

手前味噌で申し訳ありませんが、先月中旬、NHK青森さんで放映されているロカールワイド「あっぷるワイド」に、当方がビデオ出演させていただきました。

青森と言えば、光太郎生涯最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。そこで、ウクライナ危機にもからめ、「戦争」、「平和」といったキーワードから、像に込めた光太郎の思いなどを掘りさげるというコンセプトでした。

放映後にDVDに焼いたものを送って下さいまして、拝見。、10分弱の尺で、そういう話を事前に聞いていた段階では、少し短いかな、と思っていたのですが、なかなかどうして濃密な内容でした。

放送をふまえ、NHK青森さんのサイトに、「"わが詩をよみて人死に就けり" 高村光太郎 ~「乙女の像」に込めた願い~」というページが設けられました。そちらをご覧いただければそれで終わりなのですが(笑)、一応、概略を。
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まずは十和田湖。当方もお世話になっています、現地のボランティアガイドの方がご出演。十和田湖を訪れた皆さんに、こういう説明をなさっているそうで。
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そして千葉の当方自宅兼事務所。八戸支局からディレクター氏とカメラさん、音声さんがわざわざ取材にいらっしゃいました。
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特に戦時中の光太郎について語って欲しいというので、手持ちの資料等お見せしながらべしゃくりました。
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光太郎の翼賛詩「十二月八日」詩稿。複製ですが。
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先日まで放映されていた朝ドラ「カムカムエブリバディ」でも使われた、光太郎作詞の国民歌謡「歩くうた」関係。

歌をバックに、こんな映像も。この手のアーカイブ映像はNHKさんの得意とするところですね。
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学徒出陣で海軍に招集された方が書いて貰った日章旗寄せ書き。光太郎も一筆したためています。
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そして戦後、ということで、光太郎が7年間の蟄居生活を送った花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)。
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ここで光太郎は自らの戦争責任と向き合いました。
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そして、昭和27年(1952)、青森県から十和田湖周辺の国立公園指定15周年記念モニュメントの制作依頼。それが「乙女の像」です。
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サンフランシスコ講和条約により、GHQの占領は解除、日本の独立国家としての復権がなった時期でもあり、芸術家が再び自由に制作をできるようになったことも、像の制作を決意した一因でしょう。

「小山さんは「肺結核を患い、もう長くは生きられないことを自覚していた高村は、みずからの“道程”の集大成として、高村が生涯をささげた“美”と最愛の妻 智恵子への“愛”、そして戦争の経験から来る“平和”の象徴となる像を、『智恵子観音像』という形で制作した」と言います。」だそうで(笑)。

そして厳しい自己省察、反省を経ての、光太郎の到達点。
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引用されているのは詩「新年」(昭和23年=1948)の一節です。

こうした光太郎の願いが実ることなく、ロシアによるウクライナ侵攻……。また、その報道の陰でかすんでしまっていますが、シリアやミャンマーなどでも戦火が絶えたわけではありません。人類一人一人が、「平和」についてもっともっと考えなければならないと存じます。
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ところで、そうした意味も含め、NHK青森さんのこのレポート、BS放送などででも、ぜひ全国ネットの電波に乗せていただきたいものです。

【折々のことば・光太郎】

午前モデル、 小坂さんくる、此のモデルを今年一ぱい契約する。

昭和27年(1952)11月12日の日記より 光太郎70歳

「モデル」は、「乙女の像」制作に際し雇ったプール・ヴー美術研究所所属のモデル、藤井照子。「小坂さん」は、光太郎の助手として粘土こねなどを行ってくれた小坂圭二です。

結局、契約は延長され、翌年も藤井がモデルを務めています。ただ、完成した像の顔は智恵子の顔。光太郎自身は公的には「智恵子の顔」とは言いませんでしたが。

おまけ

手前味噌ついでに……。このブログ、平成24年(2012)5月3日に開設しまして、今日で丸10年です。10年間、1日も休まず投稿し続けました。まぁ。時折、前日に書いておいて翌日に予約投稿、などというインチキもありましたが(笑)。

10年間、投稿出来ないほどに体調を崩すこともなく、また、世の中が投稿出来ないほどに乱れることもなく(投稿を始めた前年が東日本大震災でしたが)、「平和」であることのありがたさを噛みしめております。

今後、何年間、投稿が続けられるのか、というところですが、引き続きよろしくお願い申し上げます。

昨日のこのブログでは、BS松竹東急さんで放映された昭和42年(1967)公開の映画「智恵子抄」(岩下志麻さん、丹波哲郎さん主演)について書きました。そこで、ついでというと何ですが、過去の「智恵子抄」映像化作品がらみで、別件をご紹介します。

NHKさんが、来年、テレビ放送開始70周年を迎えるということで、過去の放映番組のクロニクルを散りばめたりする特設サイトを設けられました。
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NHKさんでは「智恵子抄」映像化を2回なさってくださいまして、その中で双方が紹介されています。

まず、昭和48年(1973)放映の「銀河テレビ小説 生きて愛して」。全30回で、光太郎役が片岡仁左衛門さん(当時は「片岡孝夫」)、智恵子役に大空真弓さんでした。このドラマについては、当方も拝見したことがありませんでしたし、手持ちの資料が少なく、詳細も不分明でした。当時のPR誌『グラフNHK』に、以下の記事が載っていたのは見つけていましたが。
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これによると、当時まだ新人だった水沢アキさんが、智恵子の妹・セキの役でした。

ところが、先月はじめ、NHKさんのサイトで5分間のダイジェスト動画がアップされました。全30回のうちの第何回なのかは記述がありませんが、おそらく最初の頃、あるいは逆に最後の頃のような気がします。

戦後、光太郎が蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村という設定で、そこに当会の祖・草野心平が訪ねてきます。心平役は前田吟さんでしたが、当方、この動画でそれを初めて知りました。
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山小屋で酒を酌み交わす二人。やがて、光太郎が「戦犯」として糾弾されている、という話題になり……。

その後、光太郎の山小屋にほど近い、山口分教場でのシーン。光太郎は児童や先生たちと、ストーブを囲んでよもやま話。
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公開されているのはこの2つのシーンだけでしたが、それでも初めて拝見し、「おお」という感じでした。
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ちなみに光太郎役の片岡仁左衛門さんのお嬢さんである片岡京子さんは、平成12年(2000)に、津村節子さん原作の舞台「智恵子飛ぶ」で、智恵子役を演じられました。元々、某大物女優が智恵子役だったのですが、その女優が身内の薬物事件逮捕で降板、セキ役だった京子さんが急遽智恵子役に抜擢、というドタバタがありましたが、それでも親子で時を経て光太郎智恵子役という稀有な例でした。

続いて、「人物録」ページの中の佐久間良子さんの項で、佐久間さん主演の平成3年(1991)に放映された単発スペシャルドラマ「智恵子と光太郎 極北の愛」が紹介されています。
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こちらは当方もリアルタイムで拝見、VHSテープに録画いたしました。光太郎役は小林薫さんでした。他の主な役どころは、光太郎の父・光雲が故・佐藤慶さん、智恵子の親友・田村俊子で小野みゆきさん、智恵子の最期を看取った姪の春子役に喜多嶋舞さん、光太郎アトリエの隣家の炭屋という設定で小林稔侍さんと高橋ひとみさんが夫婦役といったところでした。

やはりサイト内でダイジェストの動画が公開されています。ご覧下さい。

NHKさんのこうしたアーカイブ的な取り組み、文化史的な部分でも、重要な取り組みですね。当方の元にも回り回って照会がありまして、昭和4、50年代頃の番組の録画がないか、というものでしたが、残念ながら期待には添えませんでした。

他局さんでも同様の取り組みが広がることを期待しております。

【折々のことば・光太郎】

午前モデル、ストーブをたき、裸体スケッチ、十二時終る、


昭和27年(1952)11月11日の日記より 光太郎70歳

生涯最後の大作、「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」制作2日目です。

描かれた細かい年月日は特定できませんが、スケッチは複数枚現存しています。
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昨夜、無料放送のBS松竹東急さんで放映された松竹映画「智恵子抄」昭和42年=1967)を、11年ぶりに拝見しました。2度目の拝見ということで、いろいろ冷静に分析しつつ見られました。

冒頭は、智恵子の顔を持つ、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」。
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これまで気づいていませんでしたが、タイトル題字揮毫は、昨年亡くなった篠田桃紅さんでした。公式パンフレットにも記述があったのですが、見落としていました。

智恵子役の岩下志麻さん、光太郎役の丹波哲郎さん、共に実にいい感じでした。

岩下さんは、智恵子が心を病む前と後、そして病みつつある葛藤の時期と、それそれにしっかりと演じ分けられ、尺的には意外と早い段階で心を病む構成で、それだけに鬼気迫る演技の連続となり、さぞ大変だったろうと思いましたが、見事に演じきられていました。

磐梯山でのシーン。
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その後の九十九里浜。
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南品川ゼームス坂病院での臨終の場面。
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丹波さんも、苦悩の連続となった光太郎そのもの、という感じでした。

脇を固める皆さんも、それぞれに。

前回拝見した時には気づかなかったのですが、光太郎詩の朗読を複数回なさっている寺田農さんもご出演なさっていました。当時の寺田さんはまだ大部屋だったようで、公式パンフレットにはクレジットがありませんでした。役柄はちょい役でしたが、美に取り憑かれ、心を病んで自殺してしまう画学生という設定。ただ、のちの智恵子の悲劇を暗示するという意味では重要な役どころでした。
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ところで、だいぶ以前にも書きましたが、当方自宅兼事務所のある、千葉県香取市佐原地区でもロケが行われていました。ただ、公式パンフレットでは「佐原」が「佐倉」と誤植されています。
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冒頭の「パンの会」のシーン。
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それから後半になって、智恵子が心を病んだことに自責の念を感じる光太郎を、「パンの会」での友人だった石井柏亭(平幹二朗さん)が慰めるシーン。
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それぞれ夜間の撮影でわかりにくいのですが、この二つのシーンは、香取市佐原地区の中央を流れる小野川沿いで撮影されています。佐倉にはこういう場所はありません。

九十九里浜、そして前半部では犬吠埼でのロケもありましたので、そのあたりと同時期にロケツアーが行われたのでしょう。
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閑話休題。

ラストは智恵子が歿してから、年老いた光太郎が戦後に蟄居生活を送っていた花巻郊外旧太田村の山小屋という設定。ここで光太郎が智恵子の像を作っているところでジ・エンドです。
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これは史実と異なりますし、冒頭部分で「乙女の像」を使っているので、岩手の山小屋ではなく、終焉の地となった中野の貸しアトリエで「乙女の像」を作っているシーンにすればよかったのに、と思いました。

それでも非常に見応えのある作品です。明後日、5月1日(日)の12:00~14:30、やはりBS松竹東急さんで再放送がありますので、ご覧になっていない方、ぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

立太子の日、 モデル来る、ひるまでスケッチ 着衣1、


昭和27年(1952)11月10日の日記より 光太郎70歳

1ヶ月前に花巻郊外旧太田村の山小屋から帰京した光太郎、ついに「乙女の像」制作にかかりました。

「立太子」は、現・上皇陛下が正式に皇太子になられた「立太子の礼」が執り行われたことを表します。

明治44年(1911)、智恵子がその創刊号表紙絵を描いた雑誌『青鞜』。その生みの親であり、日本女子大学校で智恵子の一級上の先輩だったらいてう平塚明子関連で2件。

まずは平成13年(2001)制作の映画「元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯」が上映されます。

NFAJコレクション 2022 春

期 日 : 2022年5月6日(金)~5月22日(日)の金・土・日
会 場 : 国立映画アーカイブ 東京都中央区京橋 3-7-6
料 金 : 一般:520円/高校・大学生・65歳以上:310円/小・中学生:100円
      チケットは前売指定席券のみです。

週末、映画に会いに行く。――ようこそフィルムの世界へ。
 昨年度からスタートした上映企画「NFAJコレクション」は、所蔵コレクションから多彩な映画の面白さを詰め合わせてご紹介する企画です。宝探しのように未知の映画に出会う醍醐味も交えて、改めてスクリーンで見たい名作や個性的な作品などを堪能していただけます。
 今回は、80,000本の国立映画アーカイブ所蔵コレクションから厳選した9プログラム(計15本)を上映します。週末に、フィルム上映をお楽しみください。
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作品リスト
 1.野球プログラム (計89分)
 2.なつかしの顔 (34分・1941・東宝京都・監・原・脚:成瀨巳喜男)
  熱情の翼 (72分・1940・新興東京・監:小石榮一)
 3.日本産業地理大系 第一篇 國立公園 伊勢志摩いせしま
(19分・1949・東宝教育映画・監・脚:本多猪四郎)
  南国の肌 (93分・1952・木曜プロ・監・脚:本多猪四郎)
 4.妻と女記者 ―若い愛の危機― (91分・1950・藤本プロ=新東宝・監:千葉泰樹)
 5.江戸の花和尚 人斬り数え唄[『ちゃんばら手帖』改題]
(77分・1953・宝プロ=東映京都・監:河野壽一)
 6.非情都市 (89分・1960・東宝・監:鈴木英夫)
 7.水の中の八月(1997年作品) (90分・1997・NHK・監:高橋陽一郎)
 8.元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯 (140分・2002・自由工房・監:羽田澄子)
 9.こほろぎ嬢 (95分・2006・旦々舎・監:浜野佐知)
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「元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯」は、「平塚らいてうの記録映画をつくる会」制作のドキュメンタリー。監督は羽田澄子氏、プロデューサーはらいてう、智恵子らの母校・日本女子大学さんの学長であらせられた故・青木生子氏でした。

「らいてうの一人称の語りとスチル写真によって,彼女を突き動かした時代の姿を再構築」だそうで、智恵子の写ったそれも含まれているのでは、と思われます。
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上の画像で、左は青木氏、右に故・瀬戸内寂聴さんのお姿も。

続いて、テレビ番組。

にっぽん!歴史鑑定▼元始、女性は太陽だった!婦人運動家・平塚らいてう

BS-TBS 2022年5月2日(月) 22:00~22:54

東大出の青年との心中未遂!人生を変えた騒動の顛末は?▽初の女性による文芸雑誌を創刊、お金をどう工面!?▽母性保護をめぐる歌人・与謝野晶子との大論争、その真相は?

2021年のジェンダーギャップ指数で156か国中120位、先進国の中では最低レベルという日本。国を挙げて女性の活躍、ジェンダー平等の取り組みを進めているが、100年も前に同じ思いを持って女性解放運動の先駆けとなったのが平塚らいてうであった。東大出の青年との心中未遂、初の女性による女性のための文芸雑誌「青鞜」の創刊、歌人・与謝野晶子との母性保護論争。単に女性の幸福だけでなく社会全体の幸福を真摯に考えて活動し続けたらいてう、明治・大正・昭和にわたる85歳の波乱の生涯に迫る。


出演 【歴史鑑定人】田辺誠一【ナレーション】鈴木順
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光太郎の姉貴分、与謝野晶子にも触れられます。

こちらもぜひご覧下さい。

【折々のことば・光太郎】

タキシで上野まで、 朝九時50分上野発で友部まで、取手より宮崎氏同乗、友部へ孟彦来てゐる、 ダツトサンで鯉渕学園まで、園長らにあふ、講演一時間半、

昭和27年(1952)11月8日の日記より 光太郎70歳

友部」は常磐線の友部駅。現在の茨城県笠間市です。「宮崎氏」は宮崎稔。取手在住の詩人で、智恵子の最期を看取った姪の春子と結婚し、光太郎姻戚となっていました。

孟彦」は光雲四男にして光太郎実弟、藤岡家に養子に入った藤岡孟彦です。植物学を修め、戦後には茨城県の鯉淵学園(現在も公益財団法人農民教育協会鯉淵学園農業栄養専門学校として続いています)に赴任。現在、花巻高村光太郎記念館さんで展示されている光雲作の「鈿女命」は、光雲没後に孟彦が形見分けに貰ったものです。

この日、孟彦の依頼により、光太郎の講演が実現しました。その筆録は翌年1月発行の『農業茨城』第5巻第1号に「芸術と農業」の題で掲載され、筑摩書房刊『高村光太郎全集』第19巻に収録されています。
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テレビ東京さん系で放映されている「出没!アド街ック天国」。明後日のオンエアは、現在ご開帳期間中の信州善光寺さんがメインで取り上げられます。

出没!アド街ック天国〜善光寺〜

地上波テレビ東京 2022年4月30日(土) 21:00~21:54

7年に一度の秘仏ご開帳!「信州 善光寺」▼人生を変えた!?極上みそ汁&名物おやき▼そば好き長野県民絶賛の信州ラーメン&山菜名人やま爺の草鍋▼泊まれるアートなお寺

待ちに待った7年に一度のご開帳!「信州善光寺」へ出没。門前にはご開帳に合わせた新店を始め、そば好きの地元民も行列する“信州ラーメン”、山菜名人・やま爺の春限定“草鍋”など美味しい名物が揃います。長野県産食材を使ったアップルパイ、栗バーガーなどのスイーツや、野沢菜たっぷりのおやきやニラせんべいなど地元のおばあちゃんお手製のおこびれ(おやつ)も人気。秘仏のご開帳で盛り上がる門前散策を楽しみましょう。

【司会者】 井ノ原快彦、片渕茜(テレビ東京アナウンサー)
【レギュラー出演者】 峰竜太、薬丸裕英、山田五郎
【ゲスト】 もう中学生、羽賀朱音(モーニング娘。’22)
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光太郎の父・光雲とその高弟・米原雲海の手になる仁王像、三宝荒神像、そして三面大黒天像の納められている仁王門をぜひ取り上げていただきたいものです。

テレ東さん、系列局が少ないためテレビではリアルタイムでの視聴が不可能、という地域が多いのですが、動画配信サイト「GYAO!」さんでは最新回を1週間無料放映して下さいます。

また、同じく「TVer」さんでは、プライム帯(19:00~22:00)の放映についてはリアルタイム配信が始まりました。その告知のためにテレ東さんが出した広告が「自虐的で面白い」と、話題になっています。
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この手の取り組み、もっと広まってほしいものです。

さて、「出没!アド街ック天国〜善光寺〜」、ぜひご覧下さい。ついでに言うなら、明日は無料放送のBS松竹東急さんで、過日ご紹介した岩下志麻さん、丹波哲郎さん主演の松竹映画「智恵子抄」(昭和42年=1967)の放映があります。そちらもお見逃しなく。

【折々のことば・光太郎】

澤田伊四郎氏来訪、「智恵子抄」皮製、劉生日記皮製をもらふ、50,000圓印税、

昭和27年(1952)11月2日の日記より 光太郎70歳

「智恵子抄」皮製」は、光太郎の帰京記念という名目で、澤田伊四郎が興した龍星閣が発行した特製本です。二重函、表紙が羊皮製でした。
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