大分県から演奏会情報です。

「智恵子抄」~智恵子と高村光太郎の生涯をたどって~

期 日 : 2022年11月17日(木)
会 場 : iichiko音の泉ホール 大分県大分市高砂町2番33号
時 間 : 19:00~
料 金 : 無料

出 演 : 上田雅美(ソプラノ) 中村弘人(テノール) 中村仁 (テノール)
      星野美由紀(ピアノ)

歌曲の会特別企画演奏会ということで、第1部は「日本抒情歌曲への誘い」と題して山田耕筰や中田喜直といった作曲家の作品と、第2部では清水脩作曲の歌曲集「智恵子抄」(全曲)を演奏いたします。智恵子への愛を綴った詩に「取り付かれた」清水作品を3人で歌いあげていきます。どうぞお聴きください。
000
001
大分県民芸術文化祭」参加事業の一つだそうです。001

故・清水脩氏作曲の「歌曲集 智恵子抄」全12曲が演奏されます。抜粋で演奏されることは多いのですが、全曲まとめてというのは、少なくともここ10年ほどの間では無かったように思われます。

清水氏、光太郎生前の昭和30年(1955)からこの歌曲集の作曲を始め、まず「あどけない話」など6曲(うち3曲はオケ伴)。続いて「あなたはだんだんきれいになる」他二曲が昭和34年(1959)、そして「晩餐」等2曲が昭和46年(1971)に加えられ、全12曲となりました。楽譜は昭和53年(1978)に音楽之友社さんから刊行されています。

アナログレコード、CDも抜粋のものが多くありますが、昭和47年(1972)、中村健氏の歌唱による全12曲収録のLPが日本ビクターさんからリリースされています。同じ音源と思われるCDも平成3年(1991)に発売されています。
002
清水氏、これ以外にも男声合唱、混声合唱、さらには箏曲でも、「智恵子抄」詩篇に曲を付けた作品を複数作られていて、これだけ多く光太郎詩に曲を付けられたのは、ジャンルは違いますがシャンソン系のモンデンモモさんと清水氏とお二方だけです。

今回の演奏会では、ご出演されるお三方の歌い手さんが分担なさって全12曲を歌われるとのこと。なるほど、そういうのもありかな、と思いました。

そして何と入場無料。お近くの方(遠くの方でも)、ぜひどうぞ。

【折々のことば・光太郎】

小山書店の小山久二郎氏くる、「天平の彫刻」をもらふ、


昭和29年(1954)11月8日の日記より 光太郎72歳

天平の彫刻」は正しくは「天平彫刻」。光太郎が一部を執筆したもので、元版は戦時中の昭和19年(1944)に刊行されましたが、戦災で倉庫が焼け、ほとんど出回りませんでした。戦後になって昭和23年(1948)に復刊、さらにこの年、新たに図版を数多く入れた版が刊行されています。