まず、宮崎県から企画展情報です。

皇室と宮崎~宮内庁三の丸尚蔵館収蔵作品から~

期 日 : 前期 2021年10月9日(土)~11月3日(水)
      後期 2021年11月5日(金)~12月5日(日)
会 場 : 宮崎県立美術館 宮崎市船塚3丁目210番地
時 間 : 10:00〜18:00
休 館 : 月曜日 11月4日(木) 11月24日(水)
料 金 : 無料

宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品の中から、優美な皇室御慶事の品々や宮崎県ゆかりの作品などを特別展示します。国文祭・芸文祭を契機として開催する、全国初となる展覧会として、貴重な美術工芸品約30点を前・後期日程で入れ替えて紹介いたします。

宮内庁三の丸尚蔵館は、皇居東御苑内において皇室ゆかりの美術工芸品を収蔵・公開する施設です。その中から、優美な皇室御慶事の品々をはじめ、宮崎の名所が描かれた絵巻や本県とゆかりのある巨匠の名品などを紹介します。国文祭・芸文祭を契機として開催される全国初の展覧会です。
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006光太郎の父・光雲の木彫「文使」(明治33年=1900)が展示予定です(前期のみ)。

当方、この作品は2回拝見しました。最初は平成14年(2002)に、茨城県近代美術館他を巡回した「高村光雲とその時代展」の際。2度目は平成30年(2018)、所蔵元の宮内庁三の丸尚蔵館さんでの第80回展覧会「明治の御慶事-皇室の近代事始めとその歩み」で。

後者の際のレポートからコピペします。

画像には写っていませんが、文使の背部の帯の結び目など、どうやったら一木から彫り上げられるのだろうという感じです。それから文使いのかしこまった表情。人形のようなそらぞらしさは無く、確かに血の通った人間の描写です。全体のシルエットというか、モデリングというか、そういった点でも守旧にとどまることなく、西洋美術のエスキスもちゃんと取り入れた光雲ならではのしっかりしたもので、作り物感がありません。

また、台座の部分には、蒔絵と螺鈿細工が施されています。おそらくそれぞれ専門の職人の手によるものと思われますが、これまた精緻な作りとなっていました。

明治33年(1900)の作で、当時の皇太子(後の大正天皇)ご成婚に際し、逓信省から献上されたということです。献上当時、文使が手にしている柳筺には、このご成婚に際して発行された記念切手17枚(妃殿下の年齢に合わせて)が入れられていたとの事。何とも粋な計らいですね。

以上、コピペです。

ただ、この作品がなぜ宮崎県ゆかりなのかは分かりかねます。すみません。

このところ、三の丸尚蔵館さんが積極的に作品貸し出しを行っての企画展が多く(それも地方で)、喜ばしい傾向だと思われます。

宮城県美術館「宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」。
九州国立博物館特別展「皇室の名宝 ―皇室と九州を結ぶ美―」。

もう1件。こちらは市民講座です。

第6回太宰府学講座 日本近代木彫史と山崎朝雲、冨永朝堂

期 日 : 2021年10月16日(土) 
会 場 : 太宰府市文化ふれあい館 福岡県太宰府市国分四丁目9番1号
時 間 : 13:30~15:30
料 金 : 500円
講 師 : 田鍋隆男さん(元福岡市博物館学芸課長)

明治時代になって木彫界に新しく西洋の技法が取り入れられました。その過程を高村光雲、その弟子山崎朝雲、さらにその弟子冨永朝堂の作品に見てみます。写真は延寿王院前の『御神牛』です。(太宰府天満宮提供)

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うっかりしておりまして、申込期日を過ぎてしまっていますが、ご希望の方、問い合わせてみて下さい。

コロナ緊急事態宣言が解除され、徐々にこうしたイベント類も旧に復してきたようです。まだまだ油断は禁物ですが。

【折々のことば・光太郎】

夜「山の人々」全部で16枚ほど書き終る。 二時にねる。


昭和26年(1951)1月5日の日記より 光太郎69歳

「山の人々」は、この年2月の『婦人公論』に載ったエッセイです。花巻郊外旧太田村の山小屋生活も5年以上が過ぎ、光太郎自身も「山の人々」の一員となっていました。