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愛知県小牧市のメナード美術館さんからご案内を頂きました。当初、3月開始だった企画展が新型コロナのため延期となり、6月5日(金)から始まっています。すべて館蔵品によるコレクション展ですので、そのまま会期をずらすことが可能だったようです。ただ、チラシは既に印刷済みだったため、3月からになっていました。 

期 日 : 2020年6月5日(金)~9月6日(日)
会 場 : メナード美術館 愛知県小牧市小牧五丁目250番地
時 間 : 10:00~17:00
休 館 : 月曜日
料 金 : 一般 900(700)円 高大生 600(500)円 小中生 300(250)円 ( )内団体料金

明治維新とともに日本では近代化が進み、急速な西洋文化の流入が始まりました。日本人の画家たちもまた、ヨーロッパの文化や芸術に衝撃を受け、自身の作品に多かれ少なかれ取り入れていくことになります。本展では、日本の洋画家たちの作品を中心とした約55点により、彼らがヨーロッパに抱いた憧れや葛藤の念から生み出した表現の数々をご覧いただきます。
画家たちそれぞれが感じた「欧羅巴(ヨーロッパ)」を、その作品の魅力とともにお楽しみください。

※7/20に一部展示替を行います

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展示構成

憧れの欧羅巴
日本洋画の黎明期であった明治時代。渡欧した画家たちは新しい美術の動向を日本に持ち帰り、自身の制作に活かしました。また、雑誌『白樺』(1910年創刊)ではルノワール、セザンヌなどが紹介され、日本の美術界に大きな影響を与えるとともに、画家たちに西洋美術に対する大きな憧れを抱かせました。しかし、画家たちは西洋から多くを吸収しつつも、同時に日本人であるという自己を見つめ直すことを忘れていませんでした。渡欧経験の有無に関わらずヨーロッパに憧れを抱き、その芸術や文化に学びつつも、日本人としての油彩画の表現を追求していったのです。

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ゴッホと日本
19世紀後半のパリで流行したジャポニスム。ゴッホは浮世絵などの日本美術に強く心酔しました。一方で、日本の洋画家たちはゴッホが日本に紹介されて以降、彼の作品や人生に魅了されていきます。ここでは、ゴッホからさまざまな形で影響を受けた洋画家たちの作品をゴッホの作品とともにご紹介します。さらに、ゴッホが模写をした浮世絵として知られる歌川広重《名所江戸百景・亀戸梅屋舗》を併せて展示します。

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仏蘭西(フランス)に集った画家たち
ヨーロッパ文化の中心となったフランス。とりわけ、1920年代のパリにはさまざまな国から画家たちが集います。主にモンマルトルやモンパルナスを活動拠点とし、「エコール・ド・パリ」と呼ばれました。日本からも明治時代以降、多くの洋画家たちが憧れを胸にフランスに渡りました。終生この地で活躍した画家、短い滞在ながらフランス美術に大きな影響を受けた画家、改めて自身の制作を見直すきっかけとした画家など、その関わり方はさまざまですが、いずれも日本洋画の発展に貢献しました。

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「憧れの欧羅巴(ヨーロッパ)」の項で、光太郎の木彫「鯰」(昭和6年=1931)が出ています。やはり同館所蔵で、これまでもたびたび展示されてきたものです。

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それから、昨日ご紹介したたましん美術館さん同様、光太郎と交流のあった作家の作品もずらり。ロダン、高田博厚、舟越保武、藤島武二、岡田三郎助、中村彝、安井曾太郎、梅原龍三郎、岸田劉生、藤田嗣治……。

ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

日本画はめちやめちやだと考へます。なぜ日本画々家は斯(か)う気取て居るのでせう。

散文「日本画はめちやめちや」より 大正元年(1912) 光太郎30歳

当方はそうも思わないのですが、どうも光太郎、同時代の日本画にはまったく価値を認めず、目の敵にしていました。

末盛千枝子さん。光太郎に私淑した彫刻家・舟越保武の息女にして、絵本作家・編集者としてご活躍。その活動を通じ、上皇后・美智子様とご親交がおありです。

「千枝子」というお名前は、光太郎が名付け親。「女の子の名前は「チエコ」しか思い浮かばない。だが、智恵子のような不幸な一生を送らないよう、字は変えましょう」とのことで。末盛さん、そうした経緯や、のちに光太郎と会った際の思い出などを、平成25年(2013)、代官山で開催された「読書会 少女は本を読んで大人になる 高村光太郎『智恵子抄』」や、翌年の第57回花巻高村祭での記念講演などでご披露されました。

また、読書会の記録集『少女は本を読んで大人になる』、単独のご著書『「私」を受け容れて生きる―父と母の娘―』でも、そのあたりに触れられています。

さて、その末盛さんの講演会、愛知県で行われます。 

朗読コンサート&講演会「人生に大切なことはすべて絵本から教わった」

期 日 : 2020年1月25日(土)
会 場 : ウィルホール(愛知県女性総合センターウィルあいち 4階)
      名古屋市東区上堅杉町1番地
時 間 : 午後1:30~
料 金 : 1,000円

[第1部] 白樺八靑朗読コンサート
 朗 読:白樺八靑(ボイスパフォーマー、ことばのまなびや主宰) 
 ピアノ:木須康一

[第2部] 末盛千枝子講演会「人生に大切なことはすべて絵本から教わった」
 講 師:末盛千枝子(3.11絵本プロジェクトいわて代表)

【チケット購入・問い合わせ】
 あいち女性連携フォーラム(事務局:(公財)あいち男女共同参画財団・企画協働課)
  TEL 052-962-2512   FAX 052-962-2477 


無題

末盛さんは彫刻家の娘として生まれ、高村光太郎に「千枝子」と名付けられたことからも、輝かしい人生をお持ちのように思いますが、作家の中江有里さんが「朝ドラのヒロインのような人生」とおっしゃるように波乱万丈に満ちています。
「本は子どもにとっても、大人にとっても、もちろん老人にとっても、さまざまな意味で、美しい宝の山だと思います」(『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』末盛千枝子著 本文より)
出版という仕事を通じて、人間の生き方の本当の美しさを伝えようとした末盛千枝子さんをお招きして、宝物のような絵本の数々と素晴らしい人々との出会いを語っていただきます。
白樺八靑さんの朗読コンサートでは、すえもりブックスの絵本の世界へ!ご一緒に楽しみましょう。



末盛さんのご講演は各地でよく開催されているようですが、案内に光太郎の名が入ったのは久しぶりではないでしょうか。光太郎に関するお話も出るものと思われます。

ご都合の付く方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

志賀直哉氏は私の遠くから景仰してゐる数少い芸術家の一人です。不思議に純粋な日本の伝統を内に持ちながら常に新鮮な方と思ひます。この位本気な魂を日本の文芸界はあまり沢山有たないやうです。

散文「志賀直哉氏」より 大正15年(1926) 光太郎44歳

志賀直哉は光太郎と同年、明治16年(1883)生まれです。『白樺』の活動で光太郎と交流がありましたが、同じ白樺派でも、有島兄弟や武者小路ほどには光太郎との距離は近くなかったようです。ただ、書簡のやりとり等はあった可能性が高いのですが、しかし、光太郎から志賀宛の書簡は現存が確認できていません。情報をお持ちの方はご教示いただければ幸いです。


早くにご案内を頂きながら、紹介するのを失念していました。 

なつやすみ所蔵企画展 え! からはじまる、ストーリー。

期 日 : 2018年7月3日(火)~9月24日(月・祝)
会 場 : メナード美術館  愛知県小牧市小牧五丁目250番地
時 間 : 10:00~17:00
料 金 : 一般 900円(700円)   高大生 600円(500円)   小中生 300円(250円)
         ( )内は20名以上の団体料金および前売料金
休館日 : 月曜日(祝休日の場合は直後の平日)

美術から物語へ、物語から美術へ ふたつが出会った時、いったい何が生まれるのか…。

 切っても切れない縁にある美術と物語。素晴らしい物語は、読めばその情景が鮮明に脳裏に浮かび、素晴らしい絵画は、画中で展開される物語を想像させます。
 画家たちもまた聖書やギリシア神話、オペラなどに触れ、浮かんだイメージを多くの絵画に残しており、文筆家たちはイメージを装幀そうていや挿画そうがはもちろん、情景描写など文学的表現そのものに活かそうとしました。
 互いの表現を求め合う美術と文学。本展は、このふたつの出会いによって生まれた新たな物語を当館のコレクションの「え(絵)」に探すものです。それは「え!」という驚きをともなうものかもしれません。

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同館に所蔵されている光太郎の木彫「001鯰」(昭和6年=1931)が出品されています。

現存が確認されている3点のうちのひとつです。残り2点は、上野の東京国立博物館さんに寄託されているものと、竹橋の国立近代美術館さん所蔵のもの。3点とも時々展示されますが、常設展示というわけではありません。

他にも同館の所蔵作品は逸品ぞろいで、出品リストによれば、今年、横浜美術館さんで大理石像が出て大きな話題となったロダンの「接吻」のブロンズをはじめ、岸田劉生、梅原龍三郎、藤田嗣治、佐藤忠良、松本竣介ら、光太郎と関わりの深かった作家の作がずらり。

この機会をお見逃しなく。


もう1件。

昨秋、北海道小樽にオープンした似鳥美術館さんからの情報です。 

新収蔵作品のお知らせ

似鳥美術館に、新しく作品が三点増えました。
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高村 光太郎《十和田湖畔裸婦像のための手》
詩人であり、彫刻家であった高村光太郎。
似鳥美術館二階で多数の作品を展示中の高村光雲は、実父である。
本作は、十和田湖畔にある裸婦像「乙女の像」制作にあたって習作として作られたもの。

 平櫛 田中《燈下萬葉良寛上人像》《仙桃》
高村光雲らと並ぶ、日本近代彫刻の代表的な作家の一人。
この度の新収蔵作品二点には、木彫への彩色が施されている。

 高村光雲に関わりのある作家の作品が、続けて新収蔵となりました。
ますます充実の似鳥美術館彫刻コレクションを、ぜひ観にいらしてください。

※高村 光雲《観音》は展示をお休み致します。


というわけで、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」(昭和28年=1953)のための習作です。光太郎歿後、何点かブロンズに鋳造されたうちの一点です。

大正7年(1918)制作の代表作「手」から連なる観音菩薩の「施無畏印」の形、荒々しい肉付けながらも優美さも内蔵するフォルムなど、公開を想定しなかった習作ではありますが、逸品です。

同館では、もともと光太郎の父・光雲やその弟子筋の作品の収集に力を入れて下さっており、そうした流れで購入されたようです。

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収蔵されている光雲作品は、左上→右下の順で、「魚籃観音像」(昭和9年=1934)、「聖観音像」(制作年不明)、「郭子儀」(昭和4年=1929)、「大黒天像」(大正13年=1924)、「投網打つ恵比寿像」(制作年不明)。弟子筋では米原雲海、山崎朝雲の作が収められており、さらにここに平櫛田中と光太郎の作が加わるわけで、なかなか充実のラインナップです。


それぞれぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

日本の今の作家の名を一々上げて、それに就いて論ずるとよく分るけれど、何だか不快(いや)だから止すが、一種のセンチメントを浮べる芸術にセンチメンタルなものの種々な着物を着せたものではつまらない。さう言ふ作に限つて、誰でも読者は引き入れられ易いものである。然し大した価値のある作でない事は勿論である。

談話筆記「センチメンタリズムの魔力」より 明治45年(1912) 光太郎30歳

文芸作品についての評です。大仰なセンチメンタリズムを前面に押し出した、ある意味、下らない小説などへの批判。造形芸術にもあてはまるような気がします。

演劇系の公演情報を二つ。

まずは先月から既に始まっていますが、かつて光太郎を主人公とした「暗愚小伝」を上演された劇団青年団さんの公演。 

青年団第79回公演 『日本文学盛衰史』

原作:高橋源一郎 作・演出:平田オリザ
2018年6月7日(木)- 7月9日(月) 32ステージ
会場:吉祥寺シアター
前売     一般:4,000円 ユース・シニア:3,000円 高校生以下:2,000円
予約・当日  一般:4,500円 ユース・シニア:3,500円 高校生以下:2,500円

文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、人には内面というものがあるらしい。そして、それは言葉によって表現ができるものらしい。しかし、私たちは、まだ、その言葉を持っていない。この舞台は、そのことに気がついてしまった明治の若者たちの蒼い恍惚と苦悩を描く青春群像劇である。

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夏目漱石、島崎藤村、田山花袋、石川啄木、芥川龍之介、北原白秋ら、近代の文豪達の群像劇だそうで、光太郎も登場人物の一人に名を連ねています。


もう1件。愛知長久手から。 
会 場 : 長久手市文化の家 
       愛知県長久手市野田農201番地
時 間 : 12:00~/19:00~
料 金 : 無料

高村光太郎「智恵子抄」の一編「レモン哀歌」を躍り・音楽・朗読で考察してみる、実験的な公演です。
【出演】細川杏子(フルート)藤島えり子(演劇)、豊永洵子(舞踊)ほか


「レモン哀歌」にしてもそうですが、詩は小説ほどに具体的な描写が為されているわけではなく、受け取る側が想像をふくらませることが可能です。登場人物の服装だの表情だの、もっと遡れば、場所、時間、人物の配置、その他。そしてその時その場所で何が起こったのか、人物がなんと言ったのか。小説ではそれらが細々と書き表されますが、詩ではそれらは読者の想像にゆだねられます。

それだけに、二次創作の題材としやすい部分もあるのでしょう。さまざまな分野の表現者の方々が、音楽、演劇、舞踊、漫画、小説、映像作品……美術系でも絵画やイラスト、伝統工芸、現代アートなどでさまざまに表現して下さいます。小説や漫画を元ネタにしたそれらは、元ネタの方が情報量が多く、ダイジェストになってしまいますが、詩から出発すると、そうはなりません。

当会顧問・北川太一先生もおっしゃっています。

 はじめこの詩集は光太郎の一方的な思いこみにすぎず、光太郎の声だけしか聞こえない単なる幻想の産物だと批判した者もあった。しかし智恵子に関する資料が徐々に発掘され、智恵子が肉声で語りはじめるにつれて、その生の軌跡はますますリアリティを加え、文学としての評論、創作はもとより、ドラマ、オペラ、歌曲、舞踊、邦楽等々芸術のあらゆる分野の作者、演技者を動かし、それぞれがそれぞれの思いを込めて、その問いかけに答えようとする。 
  (『芸術夢紀行シリーズ 智恵子抄アルバム』 芳賀書店 平成7年=1995)

今後とも、様々な分野の方に「智恵子抄」を取り上げていただきたいものです。ただし、そこにリスペクトの精神を以て、ですが。


【折々のことば・光太郎】

甘いものは飛んでしまひ、苦いもの、渋いもの、ゑがらつぽいもの、すべてけちけちした空気にたまるわらぢ虫のやうな心の中の塵埃は皆焼かれてしまふ。あとには出来たてのやうな心が眼をあける。心が本来の道にかへる。心は少し赤面しながら再び勇気を奮起させる。単に心を感奮させ、いはゆる襟を正させるものは世の中に少くないが、心を必ず原始の生きいきした姿にしてくれるものは、ざらにない。だが芸術にこれを求めないで、その外の何を求めよう。
散文「楽聖をおもふ ベートオヴエン百年忌を迎へて」より
大正15年(1926) 光太郎44歳

そこに病的なもの、頽廃的なものの入る余地を認めなかった光太郎が捉えた、文学音楽美術その他、あらゆる分野の「芸術」の存在意義が語られています。

期 日 : 2018年6月29日(金) ※主催者サイトで「2017年」となっていますが誤りです
時 間 : 18:30開演 18:00開場
会 場 : 名古屋市 昭和文化小劇場  名古屋市昭和区花見通1丁目41番地の2
料 金 : 3,000円(全席自由・税込)

プログラム  :

 クレールピアノトリオ Clair Piano Trio
  大上良子<ピアノ>/髙橋弥生<ヴァイオリン>/中西みか<チェロ>
  J.ハイドン:ピアノ三重奏曲 第39番 ト長調 “ジプシー”Hob.XV-25

 西村麻衣子<トリプルオカリナ> ピアノ:伊藤真理子
  A.マルチェルロ:オーボエ協奏曲 ニ短調 より アダージョ
  L.アルディーティ:くちづけ
  N.パガニーニ:ラ・カンパネラ
  G.ディニク:ホラ・スタッカート

 本庄由佳<ソプラノ> ピアノ:加藤詩乃
  W.A.モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」より “美しい思い出はどこへ”
  V.ベッリーニ:オペラ「カプレーティ家とモンテッキ家」より “ああ、幾度か”
  G.ドニゼッティ:オペラ「アンナ・ボレーナ」より “私の生まれたあのお城”

 岩井奈美<メゾ・ソプラノ> ピアノ:比果沙織
  T.ジョルダーニ:カーロ・ミオ・ベン  A.スカルラッティ:陽はすでにガンジス川から
  A.ストラデッラ:教会のアリア
  G.ヴェルディ:哀れな男/オペラ「ドン・カルロ」より “呪わしき美貌”
  なかにしあかね:いつだったか/今日もひとつ/二番目に言いたいこと
  E.クルティス:忘れな草
  R.レオンカヴァッロ:朝の歌  A.ブッチ=ペッツィオ:ロリータ

 野村 朗<作曲> バリトン:森山孝光/ピアノ:森山康子
  歌曲「樹下の二人」(髙村光太郎『智恵子抄』より)

 <クラリネットデュオ>
  上中花寿奈&三摩恵里
  F.プーランク:2本のクラリネットのためのソナタ
  B.H.クルーセル:クラリネット二重奏曲 第3番 ハ長調

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以前から光太郎詩に曲をつけた作品を発表なさっている、名古屋ご在住の作曲家・野村朗氏の「樹下の二人」が演奏されます。

この曲は、昨年、智恵子の故郷・福島二本松で開催された「震災復興応援 智恵子抄とともに~野村朗作品リサイタル~」において、メゾソプラノの星由佳子さん、ピアノで倉本洋子さんによる演奏で初演され、今年3月には東京墨田区のすみだトリフォニーホール さんでの「第29回 21世紀日本歌曲の潮流」で、今回と同じ森山孝光・康子夫妻により演奏されました。

今度は野村氏の地元・名古屋での初披露ということになるかと存じます。

お近くの方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

善い夢を見てゐる途中で眼がさめた、その先きが思はれてならないといふ感じである。荻原君は此から製作をする人であつた。荻原君を思ふと、此から先きの製作、まだ人の目に入つて来ない芸術の方が此までに作られたものよりも強く頭を刺激する。

散文「死んだ荻原守衛君」より 明治43年(1910) 光太郎28歳

この年4月、光太郎より4歳年長の荻原守衛は、おそらく静脈瘤の破裂により、数え32歳の生涯を突然閉じました。共に手を携え、この国に新しい彫刻を根付かせようとしていた同志の死に、光太郎は衝撃を隠せません。同じ文章では「その荻原君が死んだ。僕は近ごろ斯んな理不尽な目に逢つた事がない」とも記しています。

名古屋から企画展情報です。

明治150年記念 華ひらく皇室文化 ―明治宮廷を彩る技と美―

期 日 : 2018年4月17日(火)~5月27日(日)
会 場 : 徳川美術館名古屋市蓬左文庫 名古屋市東区徳川町1017
時 間 : 午前10時~午後5時
料 金 : 一般 1,400円・高大生 700円・小中生 500円 
      毎週土曜日は小・中・高生入館無料
      20名様以上の団体は一般200円、その他100円割引
休 館 : 月曜日

平成30年は明治維新から150年にあたる記念すべき年にあたり、明治期の宮廷文化にスポットを当てた展覧会を行います。明治政府と皇室は、欧米諸国との融和をはかるため、美をこらした鹿鳴館において、各国の使節をもてなすとともに日本独自の芸術品を広く海外に紹介しました。こうした動きは、日本の国際的地位を高める一方で、江戸時代から続く美術・工芸の保護育成に大きな役割を果たしました。本展では、華やかな明治期の宮廷を彩った調度品や染織品、帝室技芸員の絵画・工芸品を一堂に集め、日本の美と技の粋を堪能する機会とします。

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帝室技芸員の作品ということで、光太郎の父・高村光雲の作「魚籃観音像」が出品されています。出品目録に依れば、「個人蔵」ということです。

魚籃観音は、光雲がたびたび手がけた題材の一つで、最近では一昨年、三重県総合博物館さんで開催された「新津市誕生10周年特別展覧会 過去から未来へ~津のあゆみ~」に津市教育委員会さん所蔵の作が出ています。また、東京葛飾区の貞林院瑞正寺さんには、吸収合併された三田貞林寺旧蔵の作が所蔵されており、平成14年(2002)に三重県立美術館さん他を巡回した「高村光雲とその時代展」に出品されました。

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おそらくこれらと同様の構図のものでしょう。

その他、徳川家、皇室ゆかりの工芸品の数々が出品されています。最近流行の「超絶技巧」系で、宮川香山、濤川惣助、並河靖之らの作、さらに作者等不明ながら、皇室の方々の日用品的なものも多数。


こちらも全国巡回の予定で、以下の日程になっています。

 2018年7月21日〜9月2日/秋田市立千秋美術館
 2018年10月2日〜11月25日/京都文化博物館
 2019年3月16日〜5月10日/泉屋博古館分館
 2019年3月20日〜5月18日/学習院大学史料館

各会場、また光雲の作が展示されるようであれば、近くなりましたところでご紹介します。


【折々のことば・光太郎】

変な英語の看板は此頃少くなつたが、此次は文字を隣国人に軽蔑されない程度に高めたい。もう一つは一般大衆に美術を馴れしめる方法として公共建築(銀行、郵便局、諸官衙、学校、図書館、病院等)には必ず絵画なり彫刻なりを適当の程度に附随させるやうに定めること。

散文「適材 岸田氏に寄す」より 昭和15年(1940) 光太郎58

「岸田氏」は岸田国士。第二次近衛内閣下の新体制運動推進を目して結成された大政翼賛会の文化部長に任ぜられました。その岸田の推薦で、光太郎は中央協力会議の議員となり、どんどん戦時体制の歯車と化していくことにます。この後、一貫して光太郎は公共建築や工場等の美的環境保持といったことを提言していきます。

新春の企画展情報です。 

開館30周年記念コレクション名作展 30のテーマ Ⅱ期

期 日  : 2018年1月2日(火)~3月11日(日)
会 場  : メナード美術館 愛知県小牧市小牧五丁目250番地
時 間  : 10:00~17:00
料 金  : 一般 900円(700円)   高大生 600円(500円)   小中生 300円(250円)
                    ( )内は20名以上の団体料金および前売料金

休館日 : 月曜日(祝休日の場合は直後の平日)


1987年に開館したメナード美術館は、2017年10月に開館30周年を迎えます。それを記念し、Ⅰ・Ⅱ期あわせて「30のテーマ」を設定、現在所蔵する1,500余点のコレクションからそれぞれのテーマに合った作品を選び出して展覧会を構成します。代表作品によってコレクションの特徴や美術館の活動を振り返りながら、メナード美術館の魅力を再発見していただけたらと思います。

テーマ16~30で構成する「30のテーマ Ⅱ期」では、日本画や古筆、富士山を描いた作品により新春らしさを高めます。また、コレクションから最大と最小作品を並べて展示する「サイズ」や、「シュルレアリスム」「抽象」などバラエティに富んだテーマでお楽しみいただけます。

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光太郎の木彫「栄螺」(昭和5年=1930)と「鯰」(同6年=1931)が出ます。

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「栄螺」は平成15年(2003)に、約70年ぶりにその存在が確認され、大きく報じられました。その後、同館が買い取り、最近では平成25年(2013)の「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ」、昨年の「版画と彫刻コレクション 表現×個性」で展示されています。


「鯰」は複数の作品があり、現在、竹橋の東京国立近代美術館さんでの常設展示「MOMATコレクション」で、大正15年(1926)の「鯰」が出ています(1月14日まで)。東西二つの「鯰」を見比べてみてはいかがでしょうか。

東京国立近代美術館さんでは、「鯰」以外にも木彫「兎」(明治32年=1899)、ブロンズ「手」(大正7年=1918)も並んでいます。

メナードさんもそうですが、他にも逸品ぞろいです。ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

構造は比例である。比例は美である。

散文「家」より 大正10年(1921) 光太郎39歳

真性の彫刻家であった光太郎には、見る物すべての「構造」が気になって仕方がありませんでした。木彫「栄螺」も、初めは外面的な特徴のみを追って作ってもうまくゆかず、その構造に思いを馳せながら作ったところ、初めて納得の行くものになったとのこと。光太郎、彫刻に留まらず、絵画や書など、他の造型芸術にも、そうした意識を働かせていたのでしょう。

散文「家」。のちに評論集『美について』(昭和16年=1941)に収められましたが、初出掲載誌が不明です。情報をお持ちの方はご教示いただければと存じます。

一昨年に亡くなった、原節子さん主演の東宝映画「智恵子抄」の上映があります。今年亡くなった、土屋嘉男さんもご出演なさっていました。

市民名画劇場 智恵子抄

期   日 : 2017年10月12日(木)
時   間 : 午前10時から、午後1時30分から(開場は30分前)
会   場 : 豊川市ジオスペース館 愛知県豊川市諏訪1丁目63番地
定   員 : 100名(先着順)
申   込 : 当日会場まで
料   金 : 無料

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豊川市図書館さんの主催のようです。

同館では、定期的にこうした名画系の上映をなさっているとのこと。

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地元の方にとっては、ありがたいでしょうね。こうした動きがもっと各自治体に広まってほしいものです。

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【折々のことば・光太郎】

おれは草かげの湧き水で シヤベルやマンガを洗ひながら 「セルボーンの博物誌」をおもひ出す。 二百年も昔のイギリスの片田舎で 一人の牧師が書きとめた あのヨタカがそこにゐる。

詩「ヨタカ」より 昭和23年(1948) 光太郎66歳

ヨタカはその名の通り、夜行性の鳥。宮沢賢治も童話「よだかの星」で取り上げていますね。

『セルボーンの博物誌』は、18世紀後半、イギリスの片田舎セルボーンに住んでいた牧師、ギルバート・ホワイトの著書。その分野の古典として、今日でも読み継がれています。

「マンガ」は「馬鍬」ともいい、基本的には牛馬に引かせて田の代掻きなどを行う農機具ですが、人間用の「備中鍬」を「マンガ」と呼ぶ場合もあり、三畝の畑しかなかった光太郎が牛馬を使うはずもなく、おそらく後者でしょう。

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左が「馬鍬」、右が「備中鍬」です。

光太郎の父・高村光雲の作品が展示される企画展です。

ニッポンの写実 そっくりの魔力

期 日  : 2017年9月30日(土)~11月12日(日)
会 場  : 豊橋市美術博物館 愛知県豊橋市今橋町3-1(豊橋公園内)
時 間  : 午前9時~午後5時  (金土日祝は午後7時まで夜間開館)
料 金  : 一般・大学生 1000(800)円 小・中・高生 400(300)円
        ( )内前売りまたは20人以上の団体料金
休館日 : 月曜日  (10月9日は開館、翌10日休館)

 近年、緻密な技法で対象をリアルに表現した写実的な造形作品が大きな関心を集めています。美術の歴史をふりかえれば、対象を瓜二つに表現することは、洋の東西を問わず古くから多くの人々の関心を集め、作家たちは迫真的な表現をめざして様々な工夫を凝らしてきたことがわかります。
 本物「そっくり」に表現するという課題は、19世紀に写真が発明されたことで一見解決したかに思われました。しかし、いうまでもなく三次元を二次元に置き換える写真には限界があります。コンピューターや映像技術の進展は、そっくりな表現に新たな曲面を開きましたが、現代にあっても対象をそのまま表現するという課題は残っています。
 なぜ本物と見紛うばかりに表現しようとするのか、またなぜそうした表現に私たちはひきつけられるのか——–?、そこには表現、実在、視覚などをめぐる重要なテーマが存在します。
本展では「そっくり」をキーワードに、近年超絶技巧として注目を集めている安藤緑山・山﨑南海ら明治期の工芸作品にはじまり、岸田劉生らの大正リアリズム、野田弘志・礒江毅・諏訪敦の迫真的写実絵画、上田薫・三尾公三らのフォトリアリズム、須田悦弘・前原冬樹の立体造形など、工芸・立体・絵画・映像といった多種多様な写実作品約80点を紹介し、写しとることの意味とそれらを求める根源的な意識を探ります。

出品作家  
<絵画> 横山松三郎・高橋由一・鹿子木孟郎・岡田三郎助・岸田劉生・椿 貞雄・小絲源太郎・髙島野十郎・大澤鉦一郎・宮脇晴・山田睦三郎・水野正一・筧忠治・野田弘志・磯江毅・三栖右嗣・諏訪敦・水野暁・木下晋・星野眞吾・上田薫・三尾公三・鴫剛・岡田修二・山口英紀・橋爪 彩・宮本佳美

<立体> 高村光雲・石川光明・橋本平八・三宅一樹・須田悦弘・前原冬樹

<工芸> 安藤緑山・山崎南海・明珍正信・富木宗義・三浦鉚三郎・森田藻己・満田晴穂

<映像> 佐藤雅晴・伊藤隆介

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関連行事

●記念講演会「写実とはなんだろう」●
講師:野田弘志(本展出品画家)  日時:10月28日(土)午後2時~  会場:講義室(聴講無料/定員80名)

○アーティスト・トーク○
講師:佐藤雅晴(本展出品作家)  日時:10月14日(土)午後2時~  会場:展示室(申込不要/観覧料が必要)

●ワークショップ● 「みんなでつくる不思議な絵」
講師:宮本佳美(本展出品画家)  日時:11月3日(金・祝)午後1時30分~  会場:講義室
対象:小学生20名 参加料:500円

○ギャラリー・トーク○
講師:担当学芸員  日時:10月8日(日)、29日(日)、11月4日(土) 午後2時~
金曜イブニングツアー=10月13・27、11月10日 午後5時30分~  会場:展示室(申込不要/観覧料が必要)


光雲作品は三点、「天鹿馴兎(てんろくくんと)」(明治28年=1895・個人蔵)、「砥草刈(とくさがり)」(大正3年=1914・大阪市立美術館蔵)、「西行法師」(制作年不明・清水三年坂美術館蔵)の3点です。

「天鹿馴兎」は、京都で行われた第四回内国勧業博覧会に出品され、妙技三等賞を受賞した作品です。「砥草刈」と「西行法師」はこちら。

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同展は全国巡回で、6月から8月まで、北海道立函館美術館さんにて開催されていましたが、その際には情報を見落としていました。豊橋展終了後は、奈良県立美術館さんに巡回します。そちらはまた近くなりましたらご紹介します。


【折々のことば・光太郎】

受付にはウグヒス給仕には山兎、 守衛さんには月の輪熊に来てもらひ、 大に愉快なポラノのひろばにするのですか。

詩「山のひろば」より 昭和22年(1947) 光太郎65歳

「ポラノのひろば」は宮沢賢治の童話から採りました。元々、宮沢家の招きで花巻に疎開した光太郎。賢治の「イーハトーブ」の理念を受け継ぎ、郊外旧太田村に図書館や音楽堂などを作る、文化集落の建設的なことも考えていました。「楽天的」と行ってしまえばそれまでですが……。

このブログをお読みいただいた方から情報のご提供がありました。

第5回コーロ・フェリーチェ演奏会

期   日 : 2017年5月27日(土)
場   所 : 豊橋市民文化会館ホール 愛知県豊橋市向山大池町20-1
時   間 : 開場 16:00  開演16:30
指   揮 : 山田久美
ピ ア ノ : 野口奈津子 
料   金 : 1,500円
問い合わせ : 0532-63-2541(山本)

プログラム : 【Ⅰ部】女声合唱のための「日本叙情歌~さくらさくら~」
        【Ⅱ部】鈴木憲夫作品より「五月の森で」「昼の月 「レモン哀歌」
        【Ⅲ部】混声合唱組曲「心の四季」全曲 
            ≪賛助出演≫ 男声合唱団ふんけんクラブ

プログラムで見る限り、コーロ・フェリーチェさんは女声合唱団のようです。Ⅲ部で男声合唱団さんが賛助出演され、混声合唱組曲を演奏されますが、Ⅰ、Ⅱ部はフェリーチェさん単独での演奏でしょう。

となると、鈴木憲夫氏の「レモン哀歌」も女声版ですね。同曲には混声版、さらに独唱版もあります。女声版が最初に作曲されたようで、平成23年(2011)にカワイ楽譜さんから出版されています。続いて独唱版、混声版が翌年に刊行されました。女声版の初演は平成22年(2012)、市川市文化会館で女声合唱団コール・ベルさんによる委嘱作品としてでした。

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昨年、香川の高松混声合唱団さんの定期演奏会で、混声版が演奏されています。そちらを紹介した記事で、その前年、香川県合唱祭で同団がこの曲を演奏した際の動画を貼り付けておきましたが、再掲します。女声版の動画は見つかりませんでした。


昨年も書きましたが、途中でめまぐるしく転調したり、変拍子を多用したり、奇妙な不協和音をやたらとはさみこんだりといった最近流行の手法は用いず、奇を衒うことなく、最初から最後まで、ゆったりとした清澄な響きを保ち、安心して聴いていられる作品です。メロディーラインが美しく印象的ですし、高音を多用するピアノの伴奏も清澄な響きで好感が持てます。作曲者自身「ことさらに感情を煽るような作曲はせずに、行間に潜む光太郎の息づかいを思い作曲を進めていきました」と語っています。

しかし、ヴォカリーズ(歌詞がなく「a」や「o」などの母音での歌唱)の部分が多く、作曲者の指定では約7分40秒と長め(上記の高松混声さんはそれよりゆっくりのテンポで演奏されているようです)で、それほど簡単な曲ではありません。女声版は混声版と比べると、少し難易度が高そうです。女声合唱は通常ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの3パートで歌うものですが、ヴォカリーズの部分は基本的に4部で作られており、その中でぶつかりながら平行に移動する箇所があったりします。また、混声版でもそうですが、ソプラノにA(固定ドでの「ラ」)やG(同じく「ソ」)の持続音がけっこうあり、下手な合唱団では「悲鳴」になる音域です。

きちんと演奏できれば非常にいい曲ですので、広まってほしいものです。


【折々のことば・光太郎】

地震で東京から逃げて来た人達に 何も出来ない高原をあてがつた者があるのですなあ ジヤガイモを十貫目まいたら 十貫目だけ取れたさうですなあ

詩「彼は語る」より 昭和3年(1928) 光太郎46歳

「彼」は北海道弟子屈にいた詩人・アイヌ研究家の更科源三です。このフレーズの前後、更科の語った北海道開拓農民の実態が記されています。

「地震」は大正12年(1923)の関東大震災。ここで思い出すのは、東日本大震災による原発事故で、「自主避難」をしている人達に「自己責任」と言い放ったトンデモ発言。この国の体質は、90年近く経っても変わらないのですなあ。

6月も後半となりました。来月行われるイベント等、少しずつご紹介していきます。

まずは名古屋からの音楽イベント情報です 

2016年度 国際芸術連盟作曲賞&音楽賞 受賞記念コンサート

日 時 : 2016年7月1日(金) 19:00開演 18:30開場
会 場 : 名古屋市瑞穂文化小劇場  名古屋市瑞穂区豊岡通3丁目29番地
料 金 : 3,500円 (全席自由・税込)
出演/曲目
 野村 朗 <作曲>
  高村光太郎作詞  連作歌曲「智恵子抄」 バリトン:森山孝光 ピアノ:森山康子
  宮沢賢治作詞 混声合唱曲「永訣の朝」
   名古屋二期会合唱団  指揮:加藤 智 ピアノ:伊藤美砂子
 武田美保 <ソプラノ・ドラマティコ>
  マスカーニ:オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より“ママも知る通り”
  ヴェルディ:オペラ「オテロ」より “柳の歌”
  ヴェルディ:オペラ「アイーダ」より “勝ちて帰れ” 他
  ピアノ:池原陽子

申 込 : JILAチケットセンター Tel:03-3356-4140

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「智恵子抄」所収の詩歌にオリジナルの曲を付けた歌曲作品を世に問うている野村朗氏が、2016年度の国際芸術連盟作曲賞を受賞されたということで、その記念演奏会です。

野村氏から頂いたご案内を掲載させていただきます。

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お近くの方、ぜひどうぞ。

【折々の歌と句・光太郎】005

山峡の梅のはやしの緑くらき中に村あり機織る音満つ
大正13年(1924) 光太郎42歳

「山峡」は「さんきょう」と音読みにしてもいいと思いますが、やはり和語で「やまかい」と詠むべきかな、と感じます。

梅雨どきですが、「梅雨」の語源として、「梅の実が熟する頃に降り続く雨」だから、という説があります。

当方自宅兼事務所の裏山には、「梅林」というほどではありませんが、十数本まとめて植わっている場所が何カ所かあります。

今年の梅の実は、暖冬だった影響で収穫量が激減、という報道を見ました。確かに自宅兼事務所裏山の梅も、例年と比べると実が少ないように思われます。



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【折々の歌と句・光太郎】

いはほなすさゝえの貝のかたき戸のうごくけはひのほのかなるかも
昭和5年(1930) 光太郎48歳

昭和5年(1930)制作の木彫「栄螺(さざえ)」を収めるための絹の袋に認(したた)められた短歌です。

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この木彫「栄螺」、平成15年(2003)に、約70年ぶりにその存在が確認され、大きく報じられました。袋はおそらく智恵子が縫ったものと推定されています。

光太郎彫刻の中では、一つのエポックメーキングとなった作品です。これを作る前と後で、彫刻の概念そのものに大きな変化があったとのこと。

 栄螺も彫つたが、それを父に見せたら「この貝はよく見たら栄螺の針が之だけ出てゐるけれど一つも同じのがないね。」と言つた。実はその栄螺を彫る時に、五つ位彫り損つて、何遍やつても栄螺にならない。実物のモデルを前に置いてやつてゐるが、実に面倒臭くて、形は出来るのであるが、どうしても較べると栄螺らしくない。弱いのである。どうしてもその理由が分らないので、拵へ拵へする最後の時に、色々考へて本物を見てゐると、貝の中に軸があるのである。一本は前の方、一本は背中の方にあつて、それが軸になつてゐて、持つて廻すと滑らかにぐるぐる廻る。貝が育つ時に、その軸が中心になつて針が一つ宛殖えて行くといふことが解つた。だからその軸を見つけなければ貝にならない。成程と思つて、其処をさういふ風に考へながら拵へたら、丸でこれまでのと違つて確りして動きのない拠り所が出来た。それで私は、初めてかういふものも人間の身体と同じで動勢(ムウヴマン)を持つといふことが解つた。それ迄は引写しばかりで、ムウヴマンの謂れが解らなかつたが、初めて自然の動きを見てのみこまなければならないといふことを悟つた。
 それ以来、私は何を見てもその軸を見ない中には仕事に着手しない。ところがその軸を見つけ出すことは容易ではない。然し軸は魚にも木の葉にも何にでも存在する。それを間違はずに見つけ出すのは、なかなか大変ではあるが、結局自然の成立ちを考へ、その理法の推測のもとに物を見て、それに合へばいいし、さうでない時には又見直したりしてやるのである。木の葉一枚でもそれを見ないでやつたものは、本当の謂れが分らないから彫つたものが弱い。展覧会などにも、さういふ弱い作品が沢山あるが、形は本物と一寸も違はないけれども、その形の拠り所が分つてゐないから肝心のところで逃げてゐて人形のやうになつて了ふ。人形と彫刻とは丸で格段の違ひである。その違ふ製作的根拠をはつきりと気がついたのはその栄螺の彫刻の時だ。
(「回想録」 昭和20年=1945)


 さて、この「栄螺」、所蔵する愛知県小牧市のメナード美術館さんで、現在展示中です。いわゆる所蔵品展の形で開催されている「版画と彫刻コレクション 表現×個性」での展示です。

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さらに、メナードさんで所蔵するもう一点の光太郎木彫「鯰」(昭和6年=1931)も並んでいます。

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こちらにも作品を収めるための袱紗(ふくさ)が附いており、やはり智恵子の縫製と考えられます。

認(したた)められている短歌は、「表現×個性」展を3月にこのブログでご紹介した際に取り上げましたが、001

あながちに悲劇喜劇のふたくさの此世とおもはず吾もなまづも

という短歌です。


「栄螺」、「鯰」とも、平成25年(2013)に、やはりメナード美術館さんで開催された「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ 近代日本洋画」で並んで以来の公開です。メナードさん、なかなか他館に貸し出しをして下さいませんので、貴重な機会です。

ただ、「鯰」は他に2体存在が確認されており、東京竹橋の国立近代美術館さん所蔵のものが、この夏、信州安曇野の碌山美術館さんでの企画展「光太郎没後60周年記念 高村光太郎-彫刻と詩-展」で展示されます。関連行事は当方の講演です。

こちらは近くなりましたらまた詳細をお知らせします。


さて、メナード美術館さんの「表現×個性」、来月10日までの会期です。光太郎木彫以外にも、古今東西の逸品ぞろい。ぜひ足をお運びください。

愛知でのイベント情報です。開催はまだ先ですが、申し込み期限が近いのでご紹介します。 

福島大学うつくしまふくしま未来支援センター名古屋シンポジウム「ほんとの空が戻る日まで―震災・原発事故から5年を迎える福島を考える―」

東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故から5年を迎えようとしています。
福島では、コミュニティーの崩壊、震災関連死、中間貯蔵施設、廃炉、子ども達の孤立化、住民の帰町・帰村、食の安心安全、風評などの課題が未だ解決されていません。しかしながら、すでに、「福島」が風化しているとの声も聞かれます。地震・津波・原発事故という人類が初めて直面する複合震災からの復興に挑む福島が抱える課題は、これからの日本が21世紀を切り拓き持続可能な社会を創造する上でも重要な課題です。これを時間の経過の中に埋没させ「風化」させることは、人類の未来を拓こうとする一つの扉を見失うことにも等しく、こうした「風化」を看過することはできません。今回のシンポジウムにおいては、今の福島を中京圏の方々に正しく伝えることにより、福島の経験を「復興知・支援知」として活かし、これからの地方創生に繋げていくことを目的に開催いたします。

日 時 : 平成28年3月5日(土)13:00~17:30
会 場 : 愛知大学 車道キャンパスコンベンションホール  名古屋市東区筒井二丁目10-31
参加募集人数 : 200名
  参加費無料 事前申し込みが必要です。2月19日(金)までにお申し込みください。

【プログラム】

Ⅰ部 鼎談 「悲しみを乗り越え前に進む子ども達、進めずにいる子ども達」
 登壇者
  堀下さゆり氏 シンガーソングライター
  中田スウラ  福島大学うつくしまふくしま未来支援センター長
  本多環    福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任教授


Ⅱ部 福島の現状報告 「―震災・原発事故から5年を迎える福島を考える―」
  福島の現状と課題 中田スウラ センター長
    ~復興を拓く(学び合うコミュニティ)の形成に向けて~
  産業・街づくり支援担当報告       初澤敏生 地域復興支援部門長
     原子力災害被災地の復興の課題~避難者・まちづくり・産業~
  食・農復興支援担当報告         小松知未 特任准教授
     放射能汚染からの食と農の再生を~5年間の挑戦と到達点~
  放射能汚染対策担当報告                      河津賢澄 特任教授
     福島県における放射線(能)の現状


Ⅲ 部 パネルディスカッション
 モデレーター 山川充夫氏 帝京大学経済学部教授(福島大学名誉教授)
 パネリスト     松本幸英氏 楢葉町長
         林由美子氏 タカラ印刷株式会社 取締役会長
         土屋葉氏  愛知大学 文学部教授
         天野和彦  福島大学うつくしまふくしま未来支援センター客員准教授


○ 参加対象者  一般市民 大学関係者 学生 行政職員 福島県から避難している方 他
○ 主催     国立大学法人福島大学 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター
   共催     愛知大学 愛知大学中部地方産業研究所
   後援(予定)   文部科学省 復興庁 福島県 双葉地方町村会 公益社団法人経済同友会 他



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福島大学うつくしまふくしま未来支援センターさんによるシンポジウム。昨年のこの時期には京都秋には東京で開催されました。中京圏では初の開催です。

福島の現状、そして「ほんとの空」を取り戻すための数々の活動について知る良い機会だと思います。お近くの方、ぜひどうぞ。



【折々の歌と句・光太郎】

わたくしの悲みなれど極まればこれ万人の悲みと泣く

大正8年(1919) 光太郎37歳

もうすぐ東日本大震災から5年。今年1月の警察庁による発表では、直接震災により亡くなった方は15,894人、行方不明の方は 2,563人。さらに、復興庁によれば、負傷の悪化等により亡くなられた「震災関連死」と認定された方が、昨年9月現在で3,407人ということでした。

それぞれのご遺族、関係者に、それぞれの悲しみがあり、それが万人のものとして共有されるような優しい社会であってほしいものです。

名古屋から演奏会情報です。 

以前から光太郎の詩に曲を付けた独唱歌曲を連作されている野村朗氏の新作初演が含まれます。 
日  時 : 2016年1月31日(日)  開場 13:30  開演 14:00
会  場 : 電気文化会館 ザ・コンサートホール 名古屋市中区栄2-2-5
料  金 : 1,000円 全席自由
主  催 : Gruppo Giglio
後  援 : 名古屋音楽大学 名古屋音楽大学同窓会
   : 0561-76-5418 中村様
プログラム :
 Pfデュオ 杉本知世、中村あゆみ
  シベリウス:「クオレマ」より「悲しきワルツ」
  ベートーヴェン:「エグモント」より「序曲」
 ヴォーカルソロ・ピアノソロ 上木愛李、永坂夕貴
  グラナドス:「演奏会用アレグロ」/マスネ:「ウェルテル」より
 Pfソロ 鈴木まどか
  ショパン:「スケルツォ 第2番 変ロ短調」
 Pfソロ 柴田志穂
  グリーグ:「抒情小曲集 第3集 Op.43」
 トリオ (Vn)高嶋耕二 (Vc)小林 薫 (Pf)鹿島敬子
  シューマン:「ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調」より
 作曲 野村朗 バリトン 森山孝光 pf 森山康子
  連作歌曲「智恵子抄巻末の短歌六編より」

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野村氏からご案内を戴きました。

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演奏される森山夫妻、こうした場合の野村氏専属といった感があります。当方、5回ほど聴きましたが、素晴らしい技倆の持ち主で、野村氏が頼りにされるのもうなずけます。

下の動画は平成25年(2013)、日暮里サニーホールでの模様。野村氏の「連作歌曲 智恵子抄」です。



ぜひ足をお運びください。


【折々の歌と句・光太郎】

君が文よみつつをればそれとなくゆかしき人の息の香ぞする

明治33年(1900) 光太郎18歳

同年の雑誌『明星』に掲載されました。『明星』に載った最も古い短歌です。

愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館さんから、企画展の情報です。平塚市美術館さんから始まった同じ企画展の巡回です。 
会 期 : 2015 年11月17 日(火) ~12月20 日(日)
時 間 : 10:00 ~ 18:00(入場は17:30 まで)
会 場 : 碧南市藤井達吉現代美術館 愛知県碧南市音羽町一丁目1番地
休館日  月曜日( ただし11月23日(月・祝)は開館し、11月24日(火)は休館)
料 金 : 一般800(640) 円、高大生500(400) 円、小中学生300(240)円
       ※()は20名以上の団体

主 催 : 碧南市藤井達吉現代美術館、碧南市、碧南市教育委員会、読売新聞社、
      美術館連絡協議会

 古来、西洋では「絵は黙せる詩、詩は語る絵」といわれてきました。日本でも画賛(がさん)、詞書(ことばがき)が絵画の重要な役割を果たし、「詩書画」の一致を成してきました。一方、日本の近代洋画は、文学からの自立を目指した西洋近代美術の影響のもとで始まっています。特に印象派以後、新しい造形表現を積極的に取り入れた結果、実に多様な作品がうまれました。しかし、現実の生きた情感から浮き上がった作品が多く生まれたことも事実です。こうした中で、村山槐多、長谷川利行、古賀春江、三岸好太郎、山口薫などは、西洋近代美術に学びながらも、文学性、詩情を拠りどころとして優れた作品を残しています。さらにまた、詩の世界では宮沢賢治、立原道造、草野心平らが独自性のある絵を描いています。ある意味では、モダニズムが斥けてきた詩情、文学性を活かすことで、日本独自の絵画が成立したといえます。
  近年では、一部の画家たちが積極的に詩の世界に接近し、新しい表現を生み出そうとしています。本展は、明治から現代までの画家と詩人の絵画と詩を一堂にあつめ、絵画と詩の密接なつながりを検証するものです。
 
画家
 小杉未醒、青木繁、竹久夢二、萬鐡五郎、藤森静雄、恩地孝四郎、田中恭吉、中川一政、長谷川利行、古賀春江、川上澄生、村山槐多、谷中安規、三岸好太郎、棟方志功、長谷川リン二郎、難波田龍起、山口薫、香月泰男、南桂子、松本竣介、浅野弥衛、飯田善國、草間彌生、田島征三、芥川麟太郎、藤山ハン、難波田史男、イケムラレイコ、瓜南直子、O JUN、小林孝亘、鴻池朋子、村瀬恭子、伊庭靖子
 
詩人
 正岡子規、高村光太郎、北原白秋、木下杢太郎、萩原朔太郎、佐藤春夫、西脇順三郎、宮沢賢治、佐藤一英、尾形亀之助、稲垣足穂、岡崎清一郎、富永太郎、小熊秀雄、北園克衛、瀧口修造、草野心平、中原中也、長谷川四郎、まど・みちお、立原道造、三好豊一郎、新国誠一、木島始、春日井建、吉増剛造、田畑あきら子、山本陽子

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関連行事

■記念講演会 
<第1回>
 日 時 2015年11月21日(土) 午後2時~3時30分
 講 師 酒井忠康 氏 (世田谷美術館 館長)
 内 容  「画家の詩、詩人の絵」
 場 所 大浜まちかどサロン2階(美術館向かい)
 定 員 先着60名 (定員になり次第締切)
<第2回>
 日 時 2015年11月28日(土) 午後2時~3時30分
 講 師 馬場駿吉 氏 (名古屋ボストン美術館 館長)
 内 容 「詩と絵画」
 場 所 大浜まちかどサロン2階(美術館向かい)
 定 員 先着60名 (定員になり次第締切)
【申込方法】  聴講無料。2015年10月20日(火)より受付します。お電話にて、住所、氏名、電話番号、参加人数をお知らせください。

■ミュージアムコンサート ~セントラル愛知交響楽団メンバーによる室内楽コンサート~
 FM愛知”おはクラサタデー”などでもお馴染みの山本雅士ナビゲーターによるミュージアムコンサート。展示されている絵にちなんだ曲目を中心におもしろいエピソードを交えてお楽しみいただきます。
 日 時 2015年12月5日(土) 午後7時~午後8時
 出 演 セントラル愛知交響楽団 弦楽四重奏
 内 容 モーツァルト:ディベルティメントK.136より 宮澤賢治:星めぐりの歌ほか
 定 員 100名 
 参加費 無料(展覧会の観覧には観覧料が必要です)
 場 所 美術館1階 エントランスホール
【申込方法】  2015年10月20日(火)午前10時より受付を始めます。お電話にて、住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、参加人数をお知らせください(先着順)。参加費は当日徴収いたします。

■ワークショップ
 日 時 2015年12月6日(日) 午後1時~午後4時
 内 容 「木版で造るオリジナル便箋」
       自分だけの文様を彫った木版で、便箋やハガキを作ろう!
 対 象 中学生以上
 定 員 15名 (定員になり次第締切) ※汚れてもいい服装でお越しください
 参加費 500円
 場 所 美術館地下1階 創作室
【申込方法】  2015年10月20日(火)午前10時より受付を始めます。お電話にて、住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、参加人数をお知らせください(先着順)。参加費は当日徴収いたします。

★参加型プログラム
 日 時 2015年11月17日(火)~12月20日(日) 会期中随時
 内 容 「あなたも挑戦! ―語りかける絵、彩られた詩―」
      絵や詩から連想したことを自由に書いてみよう!
 参加費 無料
 場 所 展示室周辺
 対 象 ご観覧の方どなたでも 
※お申し込みは不要です。ご来館の際は是非お気軽にご参加ください。

■ギャラリー・トーク
当館学芸員が展示作品の解説を行います(約30分)。
 日 時 12月: 12日(土)、19日(土) 午後2時より
 備 考 予約不要・観覧券をお持ちの上、美術館2階ロビーにお集まりください。


光太郎の作品は3点展示されます。

大正3年(1914)に描かれた「日光晩秋」。それから同年に描かれた洋酒の瓶と果実を描いた「静物」、そして新潟・佐渡島の歌人・渡邊湖畔の息女を描いた「渡辺湖畔の娘道子像」(大正7年=1918)です。このうち「日光晩秋」は、図録に掲載があるものの、平塚市美術館さんでは展示されませんでした。今回は並ぶそうです。

同館は一昨年にやはり全国巡回の「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」展を開催して下さりました。館周辺の街並みも趣深く、いいところです。ぜひ足をお運びください。

この「画家の詩、詩人の絵-絵は詩のごとく、詩は絵のごとく」展、平塚市美術館さんを皮切りに、以下の日程で全国巡回が予定されています。

2015年11月17日(火)~12月20日(日)  愛知県碧南市藤井達吉現代美術館
2016年2月13日(土)~3月27日(日)  姫路市立美術館
2016年4月9日(土)~6月12日(日)   栃木足利市立美術館
2016年6月18日(土)~8月7日(日)   北海道立函館美術館


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 11月7日

昭和63年(1988)の今日、大和書房から精神科医・斎藤茂太の『ベスト・カップル ワースト・カップル―しあわせを呼ぶ相性判断』が刊行されました。

当時はまだ時代遅れとされていなかったクレッチマ000ーの性格類型論を元に、女性向けに書かれた恋愛論です。読み物としては面白いと思いました。

「あなたが百恵さんのような落ちついたタイプだったら」「あなたがおしんのようなしっかりタイプだったら」「キミが我の強いタイプ、たとえばスカーレットのような女性だったら」といった、時代を感じさせる項目(「スカーレット」はスカーレット・オハラ。『風と共に去りぬ』のヒロイン――昭和の頃は註も必要なかったのでしょう)に混ざって、「あなたが智恵子のような濃やかな人だったら」という章があります。ちなみにもう一つは「あなたがサザエさんタイプの明朗女性だったら」。

女性の皆さん、あなたは何タイプですか(笑)?

昨日からまたあちこち動き回っておりまして、先ほど千葉の自宅兼事務所に帰りました。

昨日は始発列車に乗り込み、まずは京都。ただ、こちらはまだ差し障りがありますので、報告できる段階になりましたらレポートいたします。

その後、名古屋。過日ご紹介したコンサート「作曲:野村朗・フルート:吉川久子 智恵子抄の世界を遊ぶ ~その愛と死と~」を拝聴して参りました。

会場は中区のドルチェ・アートホールNagoya。楽器店さんで持っている自前のホールで、100席あまりのキャパでしたが、なかなかいいホールでした。

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ホワイエには、野村氏が、光太郎の令甥、故・髙村規氏からご提供いただいた写真パネル。いい雰囲気を醸し出していました。

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当方も主催者の一人に名を連ねさせていただいており、早速、楽屋へ。本番前の楽屋の雰囲気というのは、当方、大好きです。

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野村氏と、フルートの吉川さんとは、以前から親しくさせていただいておりますが、野村氏の作品を演奏される森山夫妻とは、初めてお話しさせていただきました(ステージでの演奏は何度も拝聴していましたが)。

やがて開場。100席あまりがほぼぴったり満席となり、一同、胸をなで下ろししました。

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第1部は、森山夫妻の演奏による野村氏作品。

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野村氏の作曲の巧みさと、森山夫妻の熱のこもった演奏、何度聴いても胸を打たれるものがあります。

休憩を挟んで第2部が吉川さんのフルート演奏。伴奏は千代正行さんのアコースティックギター。千代さんは今年6月の吉川さんのコンサートでも伴奏を務められていました。

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吉川さん、演奏の合間にMCも担当され、大忙しです。

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オリジナル曲の他にも、智恵子の故郷・福島の子守歌、「故郷」や「浜千鳥」といったスタンダードナンバーも織り交ぜ、「智恵子抄」の世界を表現なさいました。

吉川さんの演奏も、昨年の第58回連翹忌を含め、5回目の拝聴ですが、何度聴いてもいいものです。


アンコールに、野村氏の新作「智恵子抄 巻末のうた」から「いちめんに松の花粉は浜をとび智恵子尾長のともがらとなる」をみなさんで演奏。

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「智恵子抄 巻末のうた」は六首の短歌から成りますが、この日の披露は1曲のみ。近々、全曲を披露されるそうです。楽しみです。

というわけで、素晴らしいコンサートでした。他のお客様も満足げに帰って行かれました。泉下の智恵子も喜んでいることでしょう。

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終演後、打ち上げに参加させていただきました。お話の中で、野村氏は二本松に、吉川さんは花巻を含む岩手に人脈をお持ちだそうで、そちらの方でも演奏会をやりたい、ということで盛り上がりました。ちなみに森山氏の健啖ぶりには驚きました(笑)。

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上記は吉川さんに関しての記事。クリック2回で拡大します。

そういうことであれば、当方の人脈もフル活用させていただきます。そちら方面のみなさん、ご協力よろしくお願いいたします。

さて、打ち上げ終了後、東海道新幹線にて、名古屋を後にしました。千葉には帰らず、東京で1泊。今朝は東北新幹線に乗り込み、二本松へ。智恵子のまち夢くらぶさん主催の「智恵子講座’15」及び智恵子記念館の紙絵実物展示と智恵子生家二階の限定公開に足を運びました。そのあたりはまた明日。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 10月12日

大正元年(1912)の今日、『やまと新聞』にアンケート「日本画はめちやめちや」が掲載されました。

文展(文部省美術展覧会)の評です。

彫塑には一つも佳(よ)いと思つたものがありません。洋画では坂本繁二郎氏の「うすれ日」を中々いゝ作だと思ひました。
日本画はめちやめちやだと考へます。なぜ日本画々家は斯(か)う気取て居るのでせう。

一刀両断ですね。この文展のアカデミズムに対抗する意味合いもあり、3日後の15日から、光太郎の参加した「ヒユウザン会展」が開幕します。

「智恵子抄」がらみのコンサート情報を2件、お伝えします。

開催順に、まずは都内から。 

ライフサイクルコンサート 雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅

   : 2015年10月6日(火) 11:00 開演(12:30終演予定)
会  場 : 第一生命ホール 東京都中央区晴海1-8-9 TEL 03-3532-3535
出  演 : 日時小林沙羅(ソプラノ) 河野紘子(ピアノ) 山野雄大(ご案内)
料  金 : 一般¥2,000  2公演(第3・4回)セット券¥3,000
 
      お友だち割¥1,500(同一公演3枚以上で1枚あたり)
*2公演セット券は「第4回 福川伸陽&三浦友理枝 ホルンとピアノの万華鏡」(12月15日(火))とのセットです。
曲  目 : ドイツの浪漫~ドイツ歌曲
         シューマン:おお紳士の皆様/ズライカの歌/ことづて
         R. シュトラウス:万霊節/ツェチーリエ
       優しき日本~日本歌曲
         山田耕筰:からたちの花  本居長世:白月
         中村裕美:「智恵子抄」より「或る夜のこころ」
         伊藤康英:あんこまパン
       麗しのイタリアへ!~イタリア歌曲からオペラ・アリアまで
         ベッリーニ:優雅な月よ トスティ:薔薇 マスカーニ:月 
         ドニゼッティ:歌劇≪連隊の娘≫より「さようなら」
         歌劇≪ドン・パスクアーレ≫より「騎士はあの眼差しを」


美しい声につつまれて‥‥心の旅はるか ドイツの浪漫、優しき日本、麗しのイタリアへ!

本物のクラシック音楽をもっと身近に!わかりやすいお話と共にもっと楽しく! 一流演奏家による珠玉の90分♪音楽ライターの山野雄大によるご案内でお届けします。

素敵な笑顔と、輝く美声をたっぷりと。ソプラノ歌手、小林沙羅さんが《雄大と行く 昼の音楽さんぽ》第3回に登場します。──お昼の時間帯に一流演奏家のみなさんをお迎えして、クラシック音楽をもっと身近に楽しんでいただこうというこのシリーズ、音楽ライター、山野雄大のご案内とともに、音楽家の愉しいトークと演奏と…オペラから歌曲から見事な表現力を魅せる小林さんが、ぜひこれを今こそお聴かせしたい!という選りすぐりのプログラムを組んでくださいました。

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小林沙羅  Kobayashi Sara  (ソプラノ)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。2011年度文化庁新進芸術家在外研修員。2014年度ロームミュージックファンデーション奨学生。ウィーンとローマにて研鑽を積む。『こうもり』アデーレ、『トゥーランドット』リュー、『ヘンゼルとグレーテル』グレーテル、千住明作曲『万葉集』(初演)、三枝成彰作曲『KAMIKAZE』(初演)等に出演。ヘンデル「メサイア」、ハイドン「天地創造」、フォーレ「レクイエム」、マーラー「交響曲第4番」等ソリストとしても活躍。2012年ソフィア国立歌劇場『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタ役で欧州デビュー、『愛の妙薬』プレミエ公演にアディーナ役で出演等、海外へも活動の幅を広げている。
オフィシャル・ウェブサイト
 http://sarakobayashi.com

河野紘子  Kohno Hiroko  (ピアノ)
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を経て同大学研究科を修了。ソロだけではなく、在学中より伴奏やアンサンブルにも力を入れており、特に声楽の分野ではメゾソプラノの波多野睦美氏をはじめ、共演者からの信頼も厚い。これまでに桐朋学園大学声楽科嘱託演奏員や二期会オペラ研修所ピアニストとして勤務。またフジテレビで放映されたドラマ「のだめカンタービレ」の主人公(上野樹里)の手・音の吹き替え、現場での指導を担当するなど、活動の幅を広げている。
オフィシャル・ウェブサイト
 http://www.hirokokohno.com

山野雄大  Yamano Takehiro  (ご案内/音楽ライター)
1971年東京生まれ。『音楽の友』『レコード芸術』『バンドジャーナル』などの音楽誌への連載、演奏会プログラムへの定期寄稿をはじめ、オーケストラやバレエの取材・撮影、CDの企画・ライナーノート執筆を多数手がける。NHK-FM《オペラ・ファンタスティカ》など放送出演も。

中村裕美さん作曲の「「智恵子抄」より「或る夜のこころ」」、昨秋、やはり小林さんの歌唱で初演されています。ただ、会員制のようなコンサートだったため、当方も拝聴できませんでしたし、このブログではご紹介しませんでした。

今回はNPO法人トリトン・アーツ・ネットワークさんの主催による公開公演ですので、当方もチケットを購入しました。今日現在、まだ空席があるようです。ぜひどうぞ。


もう1件、名古屋でのコンサート情報です。2日に分けてご紹介すべきところですが、やはり芸術の秋、文化の秋ということで、このブログでご紹介すべきイベント等が目白押し(昨秋もそうでしたが、半月先まで書く内容が決まっています)のため、書いてしまいます。 

作曲:野村朗・フルート:吉川久子 智恵子抄の世界を遊ぶ ~その愛と死と~

日  時 : 2015年10月11日(日) 14:00 開演 
会  場 : ドルチェ・アートホールNagoya 名古屋市中区栄2-2-35 Tel050-5807-3564
出  演 : バリトン:森山孝光 ピアノ:森山康子 フルート:吉川久子 ギター:千代正行
料  金 : 前売券 3,000円/当日券 3,500円 
主  催 : 智恵子抄実行委員会
共  催 : 野村朗 吉川久子フルートオフィス
曲  目 : 
  野村朗 編
  歌曲「冬の言葉」(詩:高村光太郎/曲:野村朗)
  連作歌曲「智恵子抄」全曲(詩:高村光太郎/曲:野村朗)
   1 歌曲「千鳥と遊ぶ智恵子」  2 歌曲「あどけない話」  3 歌曲「レモン哀歌」
   4 「間奏曲」  5 歌曲「案内」

  吉川久子 編
   ホラねんねんねろ(福島の子守歌) 故郷の空 ふるさと 森のささやき(オリジナル)
  月光(作曲作品) 浜千鳥 他


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名古屋在住の作曲家・野村朗氏。連翹忌のご常連で、一昨年、「連作歌曲「智恵子抄」」を発表され、以後、今回もご出演の森山夫妻による演奏で何度かコンサートが開催されています。また、CD、楽譜も発売されています。

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かたやフルート奏者の吉川久子さん。こちらも昨年の第58回連翹忌にて演奏していただきました。その前にやはり一昨年、横浜で「こころに残る美しい日本のうた 智恵子抄の世界に遊ぶ」というコンサートを開催されました。それを聴いた当方が、連翹忌へのご出演を依頼し、快諾なさって下さいまして、さらにそれがご縁で野村氏とのコラボが実現したというわけです。実は、以前にもそういうお話があったのですが、それぞれお忙しい方々ですので、なかなか実現しませんでした。

主催が「智恵子抄実行委員会」となっていますが、野村氏、吉川さんに加え、昨夏亡くなった光太郎の令甥・髙村規氏のご長男、髙村達氏、当会顧問の北川太一先生、それから当方もお名前を連ねさせていただいております(他にも10名ばかりいらっしゃいますが、個人情報だのなんだのが喧しいので載せませんが)。その会としての案内がこちら。おそらく野村氏が書かれました。

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こちらにあるとおり、二本松や花巻での公演もお考えとのこと。ぜひ実現してほしいものです。

さらにいうなら、他にも音楽系、朗読系、舞台芸術系などで光太郎智恵子の世界を扱われている方がたくさんいらっしゃいますので、そうした方々のご参加も賜えれば、などと勝手なことも考えております。000

さて、名古屋の方もぜひ足をお運び下さい。


【今日は何の日・光太郎 拾遺】 9月30日

昭和50年(1975)の今日、二玄社から光太郎書「蟬のうた」の軸装複製が発売されました。

光太郎と交流の深かった美術史家・奥平英雄所蔵の紙本半切を複製したもので、大正13年(1924)、雑誌『明星』に発表した短歌「飛びたつとき吾が手を掻きてゆきし蟬の足の力の忘られなくに」が印刷されています。揮毫自体は戦後のものですが、枯淡の境地というのは、まさしくこういうものではないのかな、と思わせる書です。

書といえば、過日のこのブログでご紹介したNHKEテレさんの「趣味どきっ!女と男の素顔の書 石川九楊の臨書入門」、NHKさんの公式サイトに情報がアップされました。また、テキストも刊行され、新刊書店に並んでいます。版元のNHK出版さんから贈っていただきまして、ぺらぺらの薄い冊子を想像していたのですが、とんでもない、非常に充実した内容で驚きました。これで1,000円+税は実にお買い得です。

放映(11/3)が近づきましたらまた詳しくご紹介します。

今のところ把握している9月のイベント情報、最後です。
 
まずは名古屋で活動されている名古屋・高村光太郎談話会さんの勉強会

名古屋・高村光太郎談話会 第5回勉強会

日時:2014年9月27日(土)15:30~18:00 ※先着順にて受付中
場所:サクラ カフェ、Uライブラリー 名古屋市千種区橋本町1-64  052-789-1110
  地下鉄東山線・名城線「本山」下車、②番出口から北へ「セブンイレブン」から右に入って徒歩2分
 ※近隣にコインパーキングがあります(有料)。
 ※年内は、同じ場所で第4土曜日の午後に開催の予定です。よろしくお願いいたします。
内容:①智恵子抄―ある愛のかたち⑤
     ―詩「或る夜のこころ」と「おそれ」について―
    大島龍彦(名古屋学芸大学教授・文学博士)
   ②「清浄なるスイスからイタリアを旅して」
     西浦  基(『雨男 高村光太郎』著者、高村光太郎研究会会員)    
   ③質疑応答・フリートーク
参加費:500円(お茶代込)
定員:15名 
 
 
同じく名古屋ご在住の作曲家・野村朗氏関連。

第16回TIAA全日本作曲家コンクール入賞者披露演奏会

2014/09/28(日) 13:30 開演
東京・日暮里サニーホール コンサートサロン
入場料 全席自由 前売2,000円 当日2,500円
お問い合わせ
 •メールアドレス:info@tiaa-jp.com
 •電話番号:03-3809-9712

  
プログラム:
末岡武彦 作曲/無伴奏チェロ ソナタ 演奏:杉田一芳(チェロ)
乙川利夫 作曲/ギターソナタ 第1番 ホ短調 Op.1 演奏:乙川利夫(ギター)
上江洲知恵 作曲/リードオルガンのための「つくり主を賛美します」による前奏曲 リードオルガンのための「聖なるかな」による前奏曲とその変奏曲 演奏:上江洲知恵(ピアノ)
小倉謙一 作曲/四季 演奏:小倉謙一(ピアノ)
下里博之 作曲/空想による舞曲 1.飛べない天使 2.機械仕掛けの街にて 二つの幻影 1.白い幻影 2.黒い幻影 演奏:下里 博之(ピアノ)
森円花 作曲/ソナタ 独奏チェロのための 演奏:森田啓佑(チェロ)
川田佳誠 作曲/Gothic... For Flute trio (ゴシック。。。フォー フルートトリオ) 演奏:石川楓(フルート) 中條里美(フルート) 橋口こず恵(フルート)
森川弘基 作曲/ヴィオラとピアノのためのソナタ「幻想と霧」 演奏:上野恵(ヴィオラ) 森千登世(ピアノ)
くどうゆうた 作曲/E・B・Aの動機による現代組曲 より「サングリアに恋して」 そらのあなたへ 思考力・判断力・表現力 演奏:北濱侑樹(フルート) くどうゆうた(ピアノ)
三浦良明 作曲/歌曲「向こう岸」 演奏:宮崎美翔(ピアノ) 片山沙也夏(ソプラノ) 田上絢子(アルト)
野村朗 作曲/連作歌曲「ひとを恋ふるうた」より 歌曲「すずしきうなじ」(三好達治 詩) 連作歌曲「ひとを恋ふるうた」より 歌曲「片恋」(北原白秋 詩) 歌曲「冬の言葉」(高村光太郎 詩) 演奏:森山孝光(バリトン) 森山康子(ピアノ)
大野雅夫 作曲/弔魂詩 演奏:新潟モンテヴェルディ室内合唱団 指揮:大野雅夫
 小野龍一 作曲/Speech(スピーチ) 演奏:小林修子(ヴァイオリンⅠ) 石井智大(ヴァイオリンⅡ) 松岡百合音(ヴィオラ) グレイ理沙(チェロ) 平塚拓未(コントラバス)
 
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【今日は何の日・光太郎 補遺】 8月29日
 
大正8年(1919)の今日、数寄屋橋の有楽座で、倉田百三作の演劇「出家とその弟子」を観ました。
 
光太郎が観たのは、劇団・創作劇場による初演興業でした。

愛知は碧南市から企画展情報です。
 
昨年、「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の巡回があった、碧南市藤井達吉現代美術館さんで、以下の企画展が始まります。 
 
光太郎の代表作の一つ、ブロンズの「手」も並びます。
 
9/13追記 残念ながら光太郎の代表作の一つ、ブロンズの「手」は、高岡展では展示されましたが、碧南には出ないそうです。すみません。

メタルズ!-変容する金属の美-

会  期 平成26(2014)年9月11日(木)から10月19日(日)まで
観覧時間  10:00-18:00
休 館 日 月曜日(ただし、9月15日(月・祝)及び10月13日(月・祝)は開館、翌日は休館)
観 覧 料 一般800(640)円 高校・大学生500(400)円 小学・中学生300(240)円
 
    ※()は20名以上の団体
 
関連イベント
■記念講演会 
日  時 2014年9月27日(土) 午後2時~3時30分 
講  師 村上隆氏(高岡市美術館館長/京都美術工芸大学教授)
内  容 「変容する金属の美」
場  所 大浜まちかどサロン2階(美術館向かい)
定  員 先着60名 (定員になり次第締切)
 
■ 美術講座
日  時 2014年10月4日(土) 午後2時~3時30分 
講  師 土生和彦(碧南市藤井達吉現代美術館学芸員)
内  容 「ブロンズによる人の姿」
場  所 大浜まちかどサロン2階(美術館向かい)
定  員 先着60名 (定員になり次第締切)
 
■ 工場見学と企画展観覧
ステンレスの製造工場を見学した後、担当学芸員とともに市内の野外彫刻、企画展を観覧します。
日  時 2014年9月28日(日) 午後2時~3時30分
対  象 中学生以上
昼 食 代 500円(企画展観覧には別途観覧料金が必要です。団体割引料金を適用します。)
定  員 先着20名 (定員になり次第締切)
 
■ ワークショップ 
銅板に好きな図案を鉄筆で描き、レリーフを作ります。
日  時 2014年10月5日(日) 
 1 小学生対象(12名まで):午前10時から正午まで
 2 一般(中学生以上12名まで):午後1時30分から4時30分まで
テ ー マ 銅のいぶしレリーフ
講  師 小島雅生氏(造形作家/東海学園大学准教授)
参 加 費 小学生:500円 一 般:2500円(展示用額付)
場  所 美術館地下1階創作室
 
■野外彫刻散歩
美術館周辺の野外彫刻を担当学芸員とともに歩いて巡ります。
日  時 2014年10月11日(土) 午前11時から12時30分まで
行  程 美術館出発→臨海公園野球場前→臨海体育館・水族館解散
参 加 費 不要
 
■ギャラリー・トーク
当館学芸員が展示作品の解説を行います。
日  時 9月:13日(土)、20日(土) 10月:11日(土)、18日(土)
 午後2時より(約30分)

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ぜひ足をお運びください。
 

【今日は何の日・光太郎 補遺】 8月25日
 
昭和18年(1943)の今日、詩人、佐藤惣之助の追悼文集『佐藤惣之助おぼえ帖』が櫻井書店から刊行されました。001
 
佐藤惣之助(明23~昭17)は、句誌『とくさ』、文芸誌『テラコツタ』などに依った詩人です。
 
作詞家としても活躍、「赤城の子守歌」(作曲・竹岡信幸/歌・東海林太郎)、「大阪タイガースの歌」(現・「阪神タイガースの歌」、通称「六甲おろし」 作曲・古関裕而)などをてがけました。
 
光太郎の「詩魔佐藤惣之助氏」が掲載されています。抜粋します。
 
個人的に往来する間柄でなかつた私にも、佐藤氏の寛𤄃な気性と、清濁併せ呑む気宇と、内に包蔵する取つて動かぬ 耿介の精神とにはいつも心を惹かれてゐた。山ほどあつたであらう其の為残した仕事を抱いたまゝ急逝された事は惜しい上にも惜しい。

昨年、6月の千葉市美術館さんを皮切りに、岡山県井原市田中美術館さん、愛知県碧南市藤井達吉現代美術館さんと、3館を巡回した「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」。好評のうちに12月15日、閉幕しました。
 
さて、その最後の会場となった藤井達吉現代美術館を運営する愛知県碧南市のサイト内に、碧南市長・禰宜田政信氏が動画で語るページがあり、毎月更新されています。自治体の首長が毎月動画でメッセージを発信するというのは、全国的に見ても珍しいのではないでしょうか。
 
昨日、今月分がアップされました。題して「高村光太郎と碧南市」。「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」、そして光太郎と交流のあった藤井達吉にからめ、約7分間のメッセージが流れます。


 
市長さんのお話によれば、碧南展での入場者数はのべ16,600人、1日平均420人だったそうです。
 
ぜひご覧下さい。
 
ちなみにバックナンバーを見ると、初期の頃を除き「××と碧南市」で統一されています。「××」は、愛知県という土地柄上、織田信長や徳川家康、武田信玄などの戦国武将が多いのはうなずけますが、光太郎や三島由紀夫、高浜虚子、富岡鉄齋といった文化人、そうかと思うとミスタードーナツ、アンコール遺跡など、「どういう関係があるんだ?」というものまで広範囲にわたっています。
 
また、碧南市の広報誌「広報へきなん」の今月号もネット上にアップされています。24ページもある豪華な広報誌ですが、15ページ目、「まちかどフォト ホットニュース」欄に「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」に関する記事があります。こちらもぜひご覧下さい。

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【今日は何の日・光太郎 補遺】 1月7日

平成6年(1994)の今日、TBS系テレビの「金曜ドラマ」枠で「いつも心に太陽を」の放映が始まりました。
 
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全11回の連ドラでした。スタッフ、キャストは同じ「金曜ドラマ」枠で、この1年前に放映されていた「高校教師」と共通する方が多用されていました。のちに全4巻のVHSテープが販売されました。
 
キャストは西田敏行さん、小林稔侍さん、観月ありささん、遠山景織子さんほか。『智恵子抄』を一つのモチーフとし、ヒロイン・観月さんの役名が「高井智恵子」、中盤には袴田吉彦さん演じる『智恵子抄』大好き文学青年が登場していました。ただ、後半にはまったく『智恵子抄』がらみの話はなくなってしまいました。
 
まだ無名だった大杉漣さんや温水洋一さんがほんのちょい役で出演なさっていて、笑えます。

昨日、名古屋在住の作曲家・野村朗氏から先月、愛知碧南市藤井達吉現代美術館で開催中の「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の関連行事として行われたリサイタルのDVD、パンフレットをいただいた件を書きました。
 
氏の「智恵子抄」系リサイタルパンフレットやチラシによく使われているイラストがあります。
 
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智恵子をイメージして描かれたものですが、前々から「なかなかいい絵だな」と思っていました。
 
そう思っていたところ、先般、野村氏から届いた荷の中に、こちらのイラストを描いた方が作られた来年のカレンダーが入っていました。
 
 
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作者はやはり名古屋在住(だと思われます)のイラストレーターで、西尾香美(くみ)さん。

カレンダーは2ヶ月で1枚になっているタイプで、野村氏のリサイタルで取り上げられた日本の詩をモチーフにしたイラストが描かれ、詩の一節が印刷されています。それぞれ素晴らしいイラストです。
 
名古屋イラストレーターズクラブさんのサイトで見ることができますが、ダイレクトにリンクが貼れません。
 
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7・8月のページが「レモン哀歌」。いいですね。
 
 
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名古屋市のセントラル画材さんで扱っており、セントラルアートビル本店画材売り場、及びセントラル出力センターにて1部500円で販売、とのことです。
 
オンラインで入手できないというのがちょっと残念です。
 
【今日は何の日・光太郎】 12月12日

昭和23年(1948)の今日、花巻郊外太田村山口の高橋家で、「法隆寺幻灯会」を行いました。
 
今で言うプロジェクタのように、スクリーンに静止画を映し出す機械として、スライド映写機がありました。そのスライド映写機や、その原型となった機械を「幻灯機」と言っていました。宮澤賢治の童話によく出てきます。
 
光太郎はその幻灯機と、ソフトとして法隆寺に関するフィルムを入手、村人に対して日本美術に関する講話を不定期に行っていた一環として、65年前の今日、「幻灯会」を行いました。

名古屋在住の作曲家、野村朗氏からいろいろいただきました。
 
氏は「智恵子抄」などの光太郎の詩に曲を付けた歌曲作品をいくつか作曲なさっています。

 
愛知碧南の藤井達吉現代美術館で現在開催中の「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の関連行事として、11月9日に行われた「連作歌曲「智恵子抄」全曲演奏会」のパンフレットと、当日の模様を撮影したDVD。
 
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早速拝見しました。
 
新曲として、「歌曲 「冬の言葉」」がラインナップに加わっていました。原詩は昭和2年(1927)の作。「智恵子抄」に含まれるものではありません。
 

   冬の言葉007

冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が洗ひ出すのは萬物の木地。

天はやつぱり高く遠く
樹木は思いきつて潔らかだ。

蟲は生殖を終へて平気で死に、
霜がおりれば草が枯れる。

この世の少しばかりの擬勢とおめかしとを
冬はいきなり蹂躪する。

冬は凩の喇叭を吹いて宣言する、
人間手製の価値をすてよと。

君等のいぢらしい誇りをすてよ、
君等が唯君等たる仕事に猛進せよと。
 
金銭はむかし貴族を滅却した。
君達は更に金銭を泥土に委せよと。

冬が又来て天と地とを清楚にする。
冬が求めるのは萬物の木地。

冬は鉄碪(かなしき)を打つて又叫ぶ、
一生を棒にふつて人生に関与せよと。
 
パンフレットに記された野村氏の言葉から。
 
 新作歌曲「冬の言葉」は、智恵子のこころが壊れて行く直前の作で、「人間の生き方」を問う作品です。人工透析を40年近く続けつつ作曲活動と市立大学法人職員の業務とを続けてきた私にとって、私の「生きる信念」と相通じるものがあり、強く励まされました。そして、光太郎が晩年、7年間の隠棲により「身をもって示した」ものも、この詩の中に予言されているように思います。願わくば、皆さんもご自身に問いかけてみて下さい、「一生を棒にふって人生に関与せよ」と。
 
その後は、以前にも演奏された「連作歌曲 「智恵子抄」」。「千鳥と遊ぶ智恵子」「あどけない話」「レモン哀歌」「間奏曲」「案内」の5曲でした。
 
演奏は3月に野村氏の地元・名古屋でのリサイタル、5月に東京日暮里であったリサイタルと同じ、森山孝光様、康子様でした。相変わらず熱のこもった好い演奏でした。
 
こういう形で光太郎智恵子の世界を広めていただけるのも非常にありがたいことです。
 
野村氏からは、もう一つ、素敵なものをいただきました。明日のこのブログでご紹介します。
 
【今日は何の日・光太郎】 12月11日

平成3年(1991)の今日、水道橋の宝生能楽堂でNHK能楽鑑賞会が催され、舞囃子「智恵子抄」が上演されました。
 
演者は観世流の皆さんでした。

もう1日、愛知ネタで書かせていただきます。
 
愛知碧南を訪れるのは先週末で3度目でした。以前の2回は日帰りで、目的地の藤井達吉現代美術館以外は立ち寄りませんでした。しかし先週末は、併せて小牧市のメナード美術館の「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ」にも行くので、1泊2日の日程を組みました。日帰りでも不可能ではなかったのですが、途中で電車の遅延等が発生すると困りますし、時間を気にしながら慌ただしく鑑賞するのはよくないと思ったからです。
 
それがやはり正解でした。特に2日目の午前中に歩いた碧南の街並みが非常にいい感じでした。太平洋戦争中に空襲の被害を受けなかったということで、古い街並みがよく残っているのです。その点、当方の暮らす千葉県香取市佐原地区とよく似ており、親近感を抱きました。
 
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カメラ好きの方などには非常におすすめです。
 
ただ、惜しむらくはせっかくのこうした街並みが活用されていないと感じること。ほとんどが現役の住居なので、なかなか内部を公開するというのは難しいのかも知れませんが、中を見られるところが少ないのです。それでも藤井達吉現代美術館のすぐ近くにある清澤満之記念館内の清澤旧宅や九重みりん時代館などは中に入れます。
 
それから電線。こうした街並みを活かそうと考えるなら、地中に埋設すべきですね。
 
手前味噌になりますが、当方の暮らす千葉県香取市佐原地区は、元々が商都だったこともあり、古い街並みの商家がそのまま営業していたり(創業数百年前という店も珍しくありません)、しもた屋もリフォームされてカフェやレストランになったりしていますし、電線の埋設も進んでいます。
 
ただ、逆にそれをやり過ぎると生活臭が薄れ、かえって人工的なテーマパークのようになってしまうので(F県A郡のO宿やS県K市の蔵作りの街並み、G県T市の街並みとG造りの集落などはそういう感じがします。申し訳ありませんが)、そういう意味では碧南の街並みは自然体でいい感じです。特に表通りから入った路地裏の感じは、今にも光太郎智恵子が街角からひょっと現れそうな雰囲気です。
 
「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」と併せ、碧南の街並みもぜひご覧下さい。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月26日

昭和28年(1953)の今日、花巻郊外太田村山口でブリヂストン美術館制作の美術映画「高村光太郎」のロケに参加しました。
 
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十和田湖畔の裸婦像の除幕式に参加したのが前月。その後、また東京中野のアトリエに戻りましたが、11月に一時的に花巻郊外太田村山口の小屋に帰っています。そして60年前の今日、太田村でのロケが行われました。
左上は山小屋の囲炉裏端、右上は山小屋近くの道、左下は「馬面電車」と言われた花巻電鉄の内部、右下は山小屋近くの民家の軒先です。
 
光太郎本人には、裸婦像完成後はまた太田村で暮らすつもりもあり、住民票も残していたのですが、健康状態がそれを許さず、結局は中野のアトリエに戻り、そこで終焉を迎えることとなります。

一昨日、愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館に行って参りました。「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」、碧南展は3回目の訪問です。ちなみに千葉展は3回、岡山展も1回行きましたので、つごう7回目でした。
 
一昨日は最後の大きな関連行事として、神奈川県立近代美術館館長の水沢勉氏による記念講演「高村光太郎 造型に宿る生命の極性」がありました。
 
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彫刻を中心に、光太郎の造形作品を取り上げ、その背景や意義などをわかりやすく解説され、非常に興味深く拝聴しました。単に即物的な彫刻の解説にとどまらず、人間・光太郎の道程を下敷きにし、さらに光太郎絵画と智恵子絵画の比較といった点まで踏み込まれ、ある意味目から鱗でした。光太郎の絵画はやはり彫刻家としてのそれで、対象の扱い方も彫刻家的、それにひきかえ智恵子の方がもっと自由に捉えており、もっと智恵子の造型にスポットがあたってもいいのではないか、など。
 
智恵子の油絵で現存するものは三点しか確認されていませんが、その他の造型作品として、デッサンが2点、雑誌の口絵として油絵をカラー印刷したものが2点、やはり雑誌のカット(ペン画?)や、今回も展示されている紙絵などが残されています。また、手芸作品なども。
 
来年は光太郎智恵子結婚100年(ついでにいうなら詩集『道程』出版100年)。美術館、文学館関係の方、こうした企画展示を計画されてはいかがでしょうか。
 
さて、「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」。6月に千葉市美術館で始まり、岡山井原市の田中美術館を経て、現在は最後の碧南市藤井達吉現代美術館ですが、碧南展も折り返しを過ぎました。いよいよ大詰めです。
 
折り返しを過ぎたところで入場者6,000名を超えたとのこと。後半はさらに伸びて欲しいものです。リピーターが多いそうで、ありがたいかぎりですが、まだの方にもぜひご覧いただきたく存じます。
 
下記は『岐阜新聞』さんのサイトから。
 
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さらにこちらは東海地区で載った『朝日新聞』さんの全面広告です。
 
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会期は12/15(日)まで。いよいよ大詰めです。本当に1人でも多くの方に観ていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月25日007

昭和22年(1947)の今日、戦後の詩2篇を補い、白玉書房から詩集『智恵子抄』を再刊しました。
 
オリジナルの『智恵子抄』は、昭和16年(1941)に龍星閣から刊行され、戦時にも関わらず13刷まで版を重ねましたが、やはり戦争の影響で龍星閣が休業、昭和26年(1951)に同じ龍星閣が復元版を出版しますが、その間、白玉書房版が刊行されていました。昭和25年(1950)の第5刷まで確認できています。
 
補われたのは「松庵寺」(昭和20年=1945)、「報告」(同21年=1946)の2篇でした。どちらも智恵子の命日(10月5日)に書かれたものです。
 
ただ、白玉書房の鎌田敬止は、元の版元である龍星閣の澤田伊四郎と十分に連絡を取っていなかったようで、この出版には若干のトラブルが生じました。

一昨日になりますが、愛知県小牧市のメナード美術館さんに行って参りました。
 
現在、同館では「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ 近代日本洋画」を開催中です。
 
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「近代日本洋画」といいつつ、彫刻や海外作家の作品も展示されています。チラシの表に印刷されていますが、光太郎の木彫「鯰」、そして「栄螺」も。下記画像は同館発行のポストカードです。
 
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同じく現在愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館で開催中の「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」に、この2点も並べさせて欲しかったのですが、メナードさんの「開館25周年記念 コレクション名作展」の目玉の一つとしたい、という意向でかないませんでした。まあ、仕方がないでしょう。
 
で、一昨日はこちらを観て参りました。当方、これを目にするのは10年ぶりでした。他の光太郎木彫にしてもそうですが、面の取り方、刀痕の冴えなど、舌を巻くような技術です。その技法がいやらしく目に付くことがなく、出来上がったものは実物以上に実物に見えます。
 
光太郎以外の出品物。下記が出品目録ですが、錚々たるメンバーの作品が並び、光太郎と交流のあった作家も多く、興味深く拝見しました。
 
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同展は12/23(月・祝)まで。
 
さて、同館を後にし、少し小牧市内を散策しました。館への道々、あちこちにのぼりが立っており、「小牧山城築城450年」とのことでした。織田信長が築き、後に徳川家康が小牧・長久手の戦で布陣した城ですね。行ってみました。
 
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うっかり写真を取り忘れましたが、なかなかの眺望でした。
 
その後、刈谷市で一泊、昨日は碧南に参りました。そのあたりは、また明日。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月24日

大正6年(1917)の今日、雑誌『週』に散文「巨匠ロダン翁」を発表しました。

18日に亡くなったロダンの追悼談話です。

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昨日から一泊で愛知でした。只今、帰りの新幹線車中です。

昨日は小牧市のメナード美術館さんに行って参りました。現在開催中の所蔵品展「近代日本洋画 時代を代表する巨匠たち」に、同館所蔵の光太郎木彫「栄螺」と「鯰」が展示されているためです。

そして今日は碧南の藤井達吉現代美術館さんへ。「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の関連行事として、神奈川県立近代美術館長・水沢勉氏の講演がありました。

なかなか有意義な二日間でした。詳しくは帰ってからレポートします。

【今日は何の日・光太郎】 11月23日

昭和11年(1936年)の今日、花巻羅須地人協会跡地に、光太郎揮毫になる宮澤賢治「雨ニモマケズ」詩碑が除幕されました。

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東海道新幹線のぞみ号車中にて書いております。真上の画像は名古屋駅で見た黄色い新幹線。正体はドクターイエロー」という保守点検用の車両で、あまりお目にかかれないものだそうです。たしかに当方、初めて見ました。「見ると幸せになれる」という都市伝説があるそうで、ラッキーでした。そこで、おすそ分けします(笑)。

今日は愛知碧南の藤井達吉現代美術館に行って参りました。現在開催中の「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」の関連行事として、同館学芸員の土生和彦氏による講演「木彫家・高村光太郎」を聴くためです。

土生氏、碧南の前に巡回だった岡山井原の田中美術館でも講演をされたのですが、それを聴き逃したので、今日、参上した次第です。

スクリーンに画像を映しつつ、碧南市が野外彫刻による町作りに力を入れていることに始まり、藤井達吉の紹介、光太郎との関わり、そして主に光太郎の木彫について、専門的な内容を実に分かりやすく語られました。

聴衆は地元の一般の方が大半だったと思いますが、十分にご理解頂けたのではないでしょうか。

おそらく搬入などの際に撮影されたらしい画像、手板の裏面など、めったに見られぬカットもありました。

企画展会期は来月15日迄。来週は神奈川県立近代美術館長・水沢勉氏の講演もあります。ぜひ足をお運び下さい。

【今日は何の日・光太郎】 11月16日

昭和61年(1986)の今日、二本松歴史資料館で開催された「光太郎・智恵子の世界―その愛と美の生涯―」展が閉幕しました。

もう1日、愛知碧南でのネタを書かせていただきます。
 
先日、藤井達吉現代美術館での「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展開会式・内覧会での出来事です。当方、まず正面玄関でなく地下1階の裏口的な所から入り、地階で木本文平館長や来賓の方々とお話をさせていただいてから、1階の開会式会場へ参りました。
 
すると、横切った正面玄関前に、ほぼ等身大のブロンズ彫刻がありました。光太郎像です。「こんなところにこんなものが」と驚きました。
 
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012光太郎展会場ですから光太郎像があってもおかしくはないのですが、今までに見たことのない光太郎像で驚いたわけです。ただ、その時は人が多く、また開会式が間もなく始まるのとで、近くでじっくり見られませんでした。
 
さて、内覧会後、問題の像に近寄ってよく見てみました。すると、光太郎像と思ったのは当方の早とちりで、藤井達吉の像でした。
 
左は晩年の光太郎の写真ですが、よく似ていると思いませんか。
 
禿頭、丸眼鏡、和服にちゃんちゃんこ……。ただし藤井像、よく見ると見事な髭があり、そこは違っていました。
 
同時代の交流があった芸術家同士、やはり似てくるものなのだな、と思いました。
 
「やはり」というのは理由があります。
 
やはり光太郎と同時代の歌人・斎藤茂吉と光太郎もその晩年の風貌が似ている、と、これは比較的よく言われることです。
 
下の画像は昭和21年(1946)2月の『週刊朝日』の記事です。「雪にもめげず 疎開の両翁を東北に訪ふ」という題での、山形に疎開していた茂吉と、花巻郊外太田村の光太郎の訪問記です。
 
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右の方に双方を拡大してみましたが、いかがでしょう。似ていますよね。上が茂吉、下が光太郎です。
 
話は変わりますが、開会式での木本館長のご挨拶の中で、光太郎が稀代の雨男である旨のお話がありました。
 
そのとおりで、光太郎はその生前、人生の節目節目に必ずといっていいほど雨、もしくは雪に見舞われています。
 
欧米留学に旅立った明治39年(1906)2月3日・雪。智恵子との結婚披露宴の大正3年(1914)12月22日・真冬にも関わらず土砂降り。十和田湖畔の裸婦像除幕式の昭和28年(1953)10月21日・雨。その終焉の日の昭和31年(1956)4月2日・春の大雪……数え上げればきりがありません。高村家でもそれは有名で、光太郎が何かやるときには雨や雪が降るので、「お印が来た」と言っていたそうです。
 
光太郎歿後もそれが続き、4月2日の連翹忌は雨が多いことで有名です。実際、昨年も今年も雨でした。その他、当方が光太郎顕彰に本格的に取り組んだ昨年から、光太郎がらみで遠出すると、本当に必ずといっていいほど雨か雪です。
 
開会式での木本館長のお話。今年の連翹忌が雨、碧南の前の巡回先だった岡山井原の田中美術館での開会式が雨、館長が再び井原に出向いての「日曜美術館」ロケの日も雨、ところが碧南での今日の開会式は晴れ。館長は晴れ男だそうで、「私が勝ちました」とおっしゃっていました。実際その日は朝からいい天気でした。
 
ところが内覧会が終わって、先の藤井達吉像を見ていると、館長が笑いながら近づいてきて、「やられました」。何事かと思ったら、外は雨。これには驚きました。天気予報では降水確率10パーセントぐらいっだったはず。光太郎、意地を見せました(笑)。
 
さて、明日は二本松の大山忠作美術館で開催中の「五星山」展での記念イベント、有馬稲子さんと一色采子さんのトークショーに行って参ります。
 
天気はどうなることやら……。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月3日

明治32年(1899)の今日、光太郎をかわいがってくれた祖父・兼吉が歿しました。
 
光太郎の彫刻作品に、祖父・兼吉のレリーフがあります。「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展にも並んでいます。

昨日から愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館において、「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展が開幕しました。
 
ところで館の名前に冠されている「藤井達吉」とは? 今日はそのあたりを書いてみます。
 
一言で言うなら、明治・大正・昭和三代に活躍した工芸家、ということになるでしょうか。
 
生まれは明治14年(1881)、現在の碧南市です。光太郎より2歳年上になります。
 
専門の美術教育は受けておらず、17歳で七宝工芸の店に入ります。折からの博覧会ブームで、明治36年(1903)には内国勧業博覧会、翌年にはセントルイス万国博覧会に出品。そうした中で新しい美術工芸への目を開かれ、店を辞め、作家として立つ道を選びました。
 
明治44年(1911)には、光太郎が経営していた日本初の画廊・琅玕洞に藤井の作品が並んでいます。琅玕洞の名目上の経営者は、光太郎の次弟・道利で、主にその道利の手になる琅玕洞の出納帳的なものが残っています(『高村光太郎全集』別巻に掲載)。そこには藤井作の「土瓶」「茶碗」「湯呑」「茶道具」などが記録されています。
 
さらに藤井は大正元年(1912)に結成されたヒユウザン会(のちフユウザン会)に加わっています。光太郎は同会の中心メンバーの一人でした。
 
実は、光太郎本人と藤井とのつながりはこの辺りまでしかたどれません。『高村光太郎全集』で藤井の名が出てくるのは先の琅玕洞文書だけなのです。光太郎から藤井宛の書簡なども確認できていません。ただ、今後、出てくる可能性がありますので、期待したいところです。
 
ただし、藤井はその後、光太郎の三弟で、鋳金家の豊周と密な関係になります。藤井も豊周も、工芸界の革新運動に取り組み、装飾美術家協会、无型(むけい)などの団体で歩を同じくしています。
 
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写真は昭和2年(1927)の无型第一回展同人。後列中央が藤井、前列左端が豊周です。
 
昭和43年(1968)に刊行された豊周の『自画像』、平成4年(1992)から刊行が始まった『高村豊周文集』(全五巻)には、藤井の名があちこちに出てきます。以下、『自画像』から。
 
富本憲吉のほかに、新興工芸の啓蒙期に忘れられない恩人は藤井達吉と津田青楓である。
(略)
藤井達吉も、伝統やしきたりに拘泥しないで、自由に材料を使って自分の作りたいものを作った。確か三笠という美術店で藤井達吉の個展を見たが、壁掛けに大変打たれた。それまで壁掛けというと、みんなエレガントな貴族趣味のものばかりだったが、藤井達吉の壁掛けは全く庶民的で、生地には普通の木綿やビロードやコールテンなどの端切れを、はぎ合わせたものが無造作に使われている。壁掛けのアップリケに竹の皮が使われているのを見て、私はあっと思った。模様も実に自由で、蝶々とか、とんぼとか、いろいろな野の草を表現し、今まで人が振り返りもしなかった題材や材料を使って、非常に新鮮な面白い効果をあげている。
(略)
藤井達吉のものは、ヨーロッパの影響はまず考えられない。彼は非常に多才な人で、染織も、刺繍も、木彫も、七宝もやった。木彫も全然今までの木彫のやり方に拘泥しないで、まったく自分の感じ方だけでやっている。新しい生命を吹き込むというか、作られたものは何も彼も生き生きとしていた。この人たちは、ようやく胎動期に入った新興工芸の先駆者とも恩人ともいうべきで、私たちばかりでなく、当時新しい工芸の行き方に煩悶していた若い工芸家に大きな影響を与えたといえよう。
 
今年の6月、京都国立近代美術館で開催された企画展「芝川照吉コレクション展~青木繁・岸田劉生らを支えたコレクター」を観て参りました。光太郎の水彩画が並んでいるというので行ったのですが、思いがけず藤井の作品もずらっと出ていました。当方、藤井の作品をちゃんと見るのはこの時が初めてでしたが、そのバリエーションの豊かさに驚きました。同展図録から画像を拝借します。
 
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いかがでしょうか。
 
さて、「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展、碧南市藤井達吉現代美術館で開催中ですが、四室中の一室のみ、常設展ということで藤井の作品も見られます(なんだか庇を借りて母屋を乗っ取っているようで心苦しいのですが)。併せてご覧下さい。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月2日

昭和45年(1970)の今日、TBS系テレビで「花王愛の劇場 智恵子抄」の放映が始まりました。
 
光太郎役は故・木村功さん、智恵子役は佐藤オリエさんでした。佐藤さんは光太郎を敬愛していた彫刻家・佐藤忠良のお嬢さんです。
 
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放映は月から金の13:00~13:30。この年大晦日が最終回だったそうです。
 
主題歌は西尾和子さんで「智恵子抄」。昭和39年(1964)の二代目コロムビア・ローズさんのカバーです。
 
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「流行歌」とか「テレビ映画」という語に昭和の薫りが色濃く漂っています(笑)。

今日から「生誕130年 彫刻家高村光太郎展」、最後の巡回先である愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館さんで一般公開が始まります。
 
昨日は開会式・内覧会ということで、お邪魔して参りました。

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ここに行くのは初めてでした。名古屋から東海道本線、名鉄線を乗り継ぎ、碧南駅から館まで歩きました。意外と駅から近く助かりましたし、古民家等が残る街並みがいい感じでした。館のすぐ近くには歴史のある味醂工場などもあるようで、再訪の際には街並み探訪もしてみようと思いました。
 
着くと、担当学芸員の土生和彦氏が出迎えて下さいました。館長室にて木本文平館長、それから6月から8月、同展が最初に公開された千葉市美術館の河合正朝館長もいらしていて、お話を伺いました。千葉展は結局2万人近くの方がいらしたそうでしたし、2館目の岡山井原市立田中美術館も、「日曜美術館」の放映後に入館者数が跳ね上がり、1万人以上とのこと。藤井達吉現代美術館も問い合わせ等非常に多いそうです。ありがたいかぎりです。
 
午後3時半から開会式。木本館長のごあいさつや来賓祝辞、担当学芸員の紹介などがあり、テープカットも行われました。
 
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その後、2階の会場へ。3館目ともなると、どのような展示の工夫をしているのかと、そちらがまず気になりました。
 
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入り口には巨大なパネル。今回はポスター、チラシ等、木彫の「柘榴」をメインに使っています。昨日もいらしていましたが、株式会社アーティカルの小島邦康氏の力作です。
 
会場は3室に分かれており、1室目はブロンズ彫刻が中心。光太郎以外にもロダンや荻原守衛など周辺作家の作品もあって、比較ができます。
 
2室目の前半は木彫が中心。鏡を使って「蟬」の腹部が見えるようにしてあったり、木彫を包んでいた袱紗や布を一緒に展示したりという工夫がされていました。ブロンズ同様、同時代の光雲や佐藤朝山の作品も並んでいます。2室目後半は光太郎晩年にスポットを当て、十和田湖畔の裸婦像試作などが中心でした。
 
1階の3室目は智恵子紙絵が26点並ん014でいます。面白いなと思ったのは、通常、壁に垂直に掛ける智恵子の紙絵を、展示ケースを使って床と水平に置き、いろいろな角度から観られる点。22点は壁に垂直の展示ですが、4点だけこのように展示しています。紙絵なので2次元の作品と思われがちですが、厚さコンマ何㍉ながら紙の重なりが感じられる展示方法でした。
 
また、同館は美術普及教育的な部分にも力を入れているそうで、子供向けの工夫も随所にされていて感心しました。入り口には「キッズガイド」というA4判二つ折りの冊子があり、それと対応して、いくつかの展示作品の低い位置に子供向けのキャプションが設置されています。小さい頃からいいものを観ることは大切だと思います。
 
さらに4室目として常設展。館の名前に冠されている藤井達吉の作品が展示されています。藤井は光太郎と縁の深かった工芸家。藤井については明日のこのブログで詳しく書きます。
 
会期は12月15日まで。月曜休館ですが、基本的に午後6時まで開館しています。何度も書いていますが、この機会を逃すと、これだけの光太郎彫刻が集められる機会がまたいつあるかわかりません。ぜひ足をお運び下さい。
 
【今日は何の日・光太郎】 11月1日

大正10年(1921)の今日、雑誌『明星』が復刊。光太郎は詩「雨にうたるるカテドラル」を寄稿しました。
 
「雨にうたるるカテドラル」は、パリ留学中に訪れたノートルダム寺院をモチーフにした長い詩(93行)です。壮大なゴシック建築、そこに刻まれた数々の歴史、それをとりまくイル・ド・フランスの空気、さらにそれと対峙する自己の姿を鮮やかに描き出しています。
 
光太郎は粘土で彫刻を作り、木で彫刻を作り、そしてこの詩のように言葉で彫刻を作ったとも言われています。

6月に千葉市美術館さんを皮切りに始まった「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展。8月には岡山井原市の田中美術館さんに巡回、先週日曜日に閉幕しました。
 
そしていよいよ今週金曜日、最後の巡回先である愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館さんで開幕します。
 
さて、同じ愛知県の小牧市にあるメナード美術館さんでは、「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ 近代日本洋画」が開催中です。
 
同館は常設展示は行わず、企画展のみ。時々このように館蔵名作展的なものを行っています。
 
「近代日本洋画」とタイトルにありますが、彫刻や西洋の絵画も展示されています。その彫刻作品の中に、光太郎の木彫「栄螺(さざえ)」と「鯰」があります。
 
栄螺」は永らく行方不明で、もはや失われてしまったとまで思われていたのが、平成15年に70余年を経て所在が明らかになったものです。

 
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「鯰」は現在3点の現存が確認されています。メナードのものは我々の世界では分類整理上「鯰3」とナンバリングしています。「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展では、千葉で「鯰2」、井原で「鯰1」と「鯰2」が展示されました。今度の碧南では「鯰1」のみ展示されます。それに対しての「鯰3」です。
 
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「鯰1」は個人蔵。「鯰2」は竹橋の東京国立近代美術館所蔵。そして「鯰3」がメナード美術館蔵というわけです。
「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展で、ぜひとも3尾の「鯰」を一堂に会させたかったのですが、こればかりは所蔵者の方々の都合もあり、どうしようもありません。
 
というわけで、碧南の「生誕130年 彫刻家高村光太郎」展、メナードの「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ 近代日本洋画」、併せてご覧下さい。ただ、同じ愛知県内ですが碧南~小牧は2時間近くかかるようです。
 
ちなみに「開館25周年記念 コレクション名作展Ⅴ 近代日本洋画」、日本洋画は岸田劉生、藤田嗣治、藤島武二、小出楢重、梅原龍三郎、熊谷守一、長谷川利行、佐伯佑三……まだまだメジャーな名前が続きます。西洋の作品もセザンヌ、モネ、ゴッホ、ピカソ、マチス、シャガール、ヴァン・ドンゲン、ルオー、ブラマンク……。彫刻の部も光太郎以外に高田博厚、佐藤忠良、舟越保武(すべて光太郎に関わる彫刻家です)。
 
会期は12/23までです
 
【今日は何の日・光太郎】 10月29日

昭和9年(1934)の今日、編者として名を連ね、装幀や題字を担当した文圃堂版『宮沢賢治全集』の刊行が開始されました。
 
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編集実務は草野心平。毎日のようにこのブログに心平の名が出てきますが、それだけ光太郎との縁が深かったということですね。

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