今月16日、今年度の重要無形文化財保持者(人間国宝)認定の答申がありました。

「共同通信」さん。

人間国宝に新たに4人、琉球舞踊初認定 文楽勘十郎さんも

 文化審議会は16日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、琉球舞踊立方の宮城幸子さん(87)=那覇市=と志田房子さん(84)=東京都練馬区=ら4人を認定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。琉球舞踊の分野からの人間国宝は初めて。
 他の2人は人形浄瑠璃文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さん(68)=大阪市=と茶の湯釜の角谷勇圭さん(78)=大阪府東大阪市。政府は秋にも答申通り告示し、人間国宝は計114人となる。
 琉球舞踊は2009年に国の重要無形文化財に指定されたが、その技術を体得した個人を認定する人間国宝はいなかった。今回踊り手の「立方」2人が選ばれた。
 勘十郎さんの父は人間国宝の故宮永豊さん。勘十郎の名は父から継いだ。同じく人間国宝で女形遣いとして定評があった吉田簑助さんに師事し、立役(男役)が得意な父からも学んだことで役柄を広げた。伝統工芸の茶の湯釜は、保持者の死去で09年に解除されて以来となる。角谷さんは父も茶の湯釜の人間国宝だった。
 文化審はこのほか、指定済みの重要無形文化財の保持者団体構成員として、一中節保存会(東京・港)の1人の追加認定も求めた。一中節は三味線音楽の一種。

今回、認定のための答申があった4名の方のうち、文楽の桐竹勘十郎さん。NHK Eテレさんで放映中の「にほんごであそぼ」に準レギュラーとして時折出演され、文学作品の一節等を人形を遣いながら演じられています。

光太郎詩も、複数回。『智恵子抄』から、「人に」(大正元年=1912)と「あどけない話」(昭和3年=1928)。
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『日本経済新聞』さん。

「常に新しいことを」文楽・桐竹勘十郎さん人間国宝に

 「師匠からは電話で『おめでとう』と5回。大変うれしかった」人形浄瑠璃文楽の人形遣い桐竹勘十郎さんは認定を受けた喜びとともに、今年4月に引退した人間国宝の師匠吉田簑助さんへの思い、感謝の言葉を繰り返した。「その後、師匠の奥様から『現役の時に一緒になりたかったな』とおっしゃっていたとうかがいました」
 1953年、大阪生まれ。父は立役を中心に遣い豪快な芸風で鳴らした、二代目勘十郎さん。14歳の時、人形遣いになりたいと話すと父は屈指の女形遣いである弟弟子、簑助さんへの入門を指示した。父と師匠、2人の人間国宝の芸を継ぎ、立役、女形問わず命を吹き込む表現力、チャリ(笑いを誘う滑稽な演技)も我が物とする芸域の広さが高く評価される。
 54年間、芸を磨いてきた日々を「役、人形、文楽自体を好きになることが上達への一番の近道だった」と振り返る。「若い人たちにもそう伝えている。これからは後進の指導・育成を第一に。もっともっと力を入れていきたい」。次代への継承を担う責任と覚悟も新たにする。
 若い頃から他ジャンルとの交流や子供向けテレビ番組への出演、文楽では珍しい新作の執筆など魅力発信にも積極的に取り組んできた。今後も「文楽の未来のために(多くの人に)見に来て、喜んでいただける新作は必要だと思う」。「常に何か新しいことをやりたい。もうこれは性分。そのために健康で長く続けたい」とさらなる活躍を誓う。
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関西テレビさん。

人形浄瑠璃 文楽 桐竹勘十郎さん人間国宝に認定へ

 人形浄瑠璃文楽の桐竹勘十郎さんが国の重要無形文化財「人間国宝」に認定されることになりました。
 桐竹勘十郎さん(68)は、女方・立役を問わず抜きん出た表現力を持つ人形遣いで文楽の上演に欠かせない存在です。
 後進の育成にも尽力するなど業績が評価され秋にも「人間国宝」に認定されることになりました。
【桐竹勘十郎さん】
「日に日に身が引き締まるといいますか、これはえらいことになったなという感じです」
 師匠で人間国宝の吉田簑助さんは今年4月に引退したばかりでした。
【桐竹勘十郎さん】
 「おめでとうおめでとうおめでとう、ずっとおめでとうを言ってくれはったんです。それがものすごく嬉しかったんです」
 勘十郎さんは8月3日まで大阪の国立文楽劇場の公演に出演しています。
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今後とも、さらなるご活躍をなさることを祈念いたします。

【折々のことば・光太郎】

朝のみそ汁にハウレン草、山東菜を入れる。山東菜相当に育ち、間引にして汁に丁度よし。
昭和23年(1948)5月16日の日記より 光太郎66歳

「山東菜」は、白菜の仲間だそうです。育ちすぎるのを間引いて、汁の実にする、かしこいですね。