まず地方紙『東奥日報』さんの記事から

巨大ステンドグラス 制作大詰め/2月下旬、青森空港に設置 原画・森本さん(三沢出身)出来栄え絶賛

  青森県三沢市出身のアートディレクター森本千絵さん(44)=東京都=が原画・監修を担当した大型ステンドグラス「青の森へ」が来月、青森空港に設置される。制作が大詰めを迎えた19日、森本さんは静岡県熱海市のクレアーレ熱海ゆがわら工房を訪れ、出来栄えを確認した。取材に対し「すごくきれい。想像を超えるクオリティー」と絶賛した。
 ステンドグラスは縦2.4メートル、横11.4メートル。森本さんは、切り絵の原画に、青森ねぶた祭のねぶたやハネト、太陽のように赤いリンゴ、十和田湖や奥入瀬、白神山地といった青森県の風景を描いた。
 原画を基に工房の職人6人が昨年5月、制作に着手。使用したガラスは約3200ピースにも及び、色は85種類を使い分け、中でもこだわった青系統は25種類を使用した。
 森本さんはこの日、十和田湖畔にある高村光太郎制作の「乙女の像」を描いた部分を自然光で確認し、形を整えるなどした。「毎年、青森に行っているが、昨年はねぶた祭りに行けず悔しい思いをした。作品は青森の方へのラブレターのつもり。この絵を通し新たなつながりが生まれたらうれしい」と話した。
 ステンドグラスは青森空港の公共スペースに2月下旬に設置される予定。今回の設置は、パブリックアート普及や、地元に縁のある作家の作品による地域活性化を目指し、全国の公共施設にアート作品を設置する日本交通文化協会(東京)の事業の一環。森本さんは第4回東奥文化選奨受賞者。
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010当方、森本さんが表紙を描かれた書籍を一冊持っております。平成27年(2015)刊行の『少女は本を読んで大人になる』(クラブヒルサイド・スティルウォーター編・現代企画室刊)。東京・代官山クラブヒルサイドさんにて、平成25年(2013)から翌年にかけ、全10回で行われた読書会「少女は本を読んで大人になる」の筆記を元にしたものです。

光太郎と交流のあった彫刻家舟越保武のご息女・末盛千枝子さんによる「高村光太郎著 『智恵子抄』を読む」が掲載されており、そのお話そのものも拝聴に伺いました。

森本さんも同じ講座の別の回で「赤毛のアン」を担当され、その筆録も収録されています。

調べてみましたところ、昨年11月にも『東奥日報』さんに今回のステンドグラス「青の森へ」制作の予告的な記事が出ていましたが、その折には「乙女の像」の語が含まれていなかったため、当方の検索網には引っかかりませんでした。

「青の森へ」、パブリックアート制作集団「クレアーレ熱海ゆがわら工房」さんのお仕事だそうです。公益法人日本交通文化協会さんのサイトで、「青の森へ」についての詳細な情報を発見しました

青森空港に大型パブリックアート作品設置 青森出身のアートディレクター森本千絵氏 原画・監修 ステンドグラス「青の森へ」 2021年2月完成予定

 当協会と青森空港ビル株式会社(青森県青森市、代表取締役社長:林哲夫)は、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受け、青森空港旅客ターミナルビル1階チケットロビーに大型ステンドグラス「青の森へ」を設置することが決定しました。2021年2月に完成を予定しています。
 青森空港は、毎年夏に開催される青森ねぶた祭や、青森県立美術館や十和田市現代美術館などへのアート鑑賞、世界遺産の白神山地をはじめとした自然などを目的に国内外から訪れる多くの観光客や、青森県民にとって重要な玄関口となっています。昨年旅客ターミナルビルの大規模リニューアル工事が完了し新しく生まれ変わった青森空港に本パブリックアート作品を設置し、訪れる人々を幻想的な青の光でお迎えします。
 この作品の原画・監修を務めるのは、青森県三沢市出身で、アートディレクターとして企業の広告制作やミュージシャンのアートワークを手掛けるなど多方面で活躍している森本千絵氏。青森県が誇る青森ねぶた祭のねぶたや跳人(ハネト)と呼ばれる踊り手、太陽のような赤いりんご、十和田湖や奥入瀬や白神山地など、人々を魅了してやまない青森の風物風景が表現されています。そして、森本氏が青森空港のために特別に制作した切り絵をもとに、「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)で6人のステンドグラス職人が製作します。
 本作品を空港利用者の大半が利用する場所に設置することで、多くの利用者に青森の風情を鮮烈に印象づけ、より一層の賑わいや心地よさをご提供できると考えています。設置後には、青森空港にて完成披露除幕式を行う予定です。

※このパブリックアートは、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受けて整備されています。

○当事業の目的
①アートディレクター・森本 千絵氏の切り絵をもとにしたステンドグラス作品により、パブリックアートの普及を促進
②パブリックアートを通じて気軽に芸術に慣れ親しむことで、人々の心を和ませ、元気づける空間を創出
③青森県に縁のある作家の作品によって地域の活性化、観光開発に貢献

○題名 「青の森へ」
○原画・監修 森本 千絵氏
○設置場所 青森空港旅客ターミナルビル1階チケットロビー
○規模と仕様 縦2.4m×横11.4m
○ステンドグラス製作
クレアーレ熱海ゆがわら工房(静岡県熱海市泉230-1)
建築家・隈研吾氏の設計によるクレアーレ熱海ゆがわら工房はステンドグラススタジオ、釉薬研究施設、焼成サンプル室、ショールームなども完備され、数多くのアーティストとのコラボレーションが展開される第一級のパブリックアートの創造拠点です。
○作家プロフィール 森本 千絵(もりもと・ちえ)
アートディレクター・コミュニケーションディレクター・武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科客員教授
1976年青森県三沢市で生まれ、東京で育つ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を経て博報堂入社。2007年、もっとイノチに近いデザインもしていきたいと考え「出会いを発見する。夢をカタチにし、人をつなげる」をモットーに株式会社goen°(ゴエン)を設立。現在、広告の企画、演出、商品開発、ミュージシャンのアートワーク、本の装丁、映画・舞台の美術や、動物園や保育園の空間ディレクションを手がけるなど活動は多岐にわたる。ニューヨークADC賞、東京ADC賞グランプリ、伊丹十三賞、日本建築学会賞など多数受賞。

「青の森へ」の原画も掲載されていました。
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上記『東奥日報』さん記事ではよく判らなかったのですが、かなり横長の作品なのですね。そしてほぼ中央に「乙女の像」。ありがたいことです。

当方、青森へも時々足を運びますが、いつも新幹線です。今度はこれを観るために空路を使ってみようかな、などと思いました。ただ、あまり飛行機に搭乗するのは好きではありませんで……(笑)。「あんな重たいものが空を飛ぶはずがない」などと非科学的なことは言いませんが、着陸態勢に入った際のツンツンツンと少しずつ高度を下げていくあの感覚が気持ち悪いのです。20年以上前になりますが、北海道に飛んだ際、濃霧のため新千歳空港になかなか着陸出来ず、1時間程も上空を旋回したことがあり、その際は酔いそうでした(笑)。

さて、続報に注意していたいと思います。

【折々のことば・光太郎】

〈(前の水田で蛙がしきりに啼く。美しき声なり。)〉〈夕方蝙蝠一匹軒をとぶ〉

昭和21年(1946)4月9日の日記より 光太郎64歳

田舎あるあるですね(笑)。当方も、以前、古い友人から夏の夜に電話がかかってきた際、受話器を通しても友人の耳には蛙の声が凄かったそうで「お前、どんな所に住んでるんだ?」と言われました。こちらは蛙の合唱など、慣れてしまってまったく気にならなかったのですが(笑)。

ついでに言うなら、コウモリも時折見かけます(笑)。