昨日に引き続き、光太郎の父・光雲がらみです。

花巻高村光太郎記念館さんにおいて、以下の展示等が行われます。 

光太郎の父 光雲の鈿女命(うずめのみこと)

期 日 : 2020年9月4日(金)~9月23日(水)
会 場 : 花巻高村光太郎記念館 花巻市太田3-85-1
時 間 : 8:30~16:30
休 館 : 期間中無休
料 金 : 一般 350円(300円)高等学校生徒及び学生 250円(200円)
      小学校児童及び中学校生徒 150円(100円)( )は20名以上の団体


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関連行事000

高村光太郎記念館講座 
「光太郎の父 高村光雲の彫刻に触れる」


 期 日 : 2020年9月15日(火) 
 会 場 : 花巻高村光太郎記念館
 時 間 : 10:00~12:00 
 料 金 : 受講料無料 (要観覧券)
 対 象 : 花巻市内在住・在勤者
 定 員 : 15名 (要予約・抽選)
 講 師 : 小山弘明(高村光太郎連翹忌運営委員会代表)


右は『広報はなまき』の8月15日号から。

昨年、光雲四男にして、藤岡家へ養子に入った孟彦(植物学者 明治25=1892~昭和52=1977)の子息であらせられる、横浜ご在住の藤岡貞彦氏(一橋大学名誉教授)から、光雲遺品の木彫「鈿女命」の寄贈がありました。保存状態が余り良くなく、後述しますが傑作とは言い難いものなのですが、それでも貴重な作であることに変わりはなく、ポンと寄贈なさったその心意気にはいたく感動いたしました。

当方、花巻市の担当の方と共に藤岡家に参じまして、現物を拝見。その後、いろいろと調査を進めました。

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題材は日本神話の八百万の神の一柱、天鈿女命(あめのうずめのみこと)。弟・素戔嗚尊(すさのおのみこと)の暴虐に心を痛めた天照大神が、天岩戸に籠もって世界が暗闇となった時、思金神(おもいかねのかみ)の発案により、天鈿女命が岩戸の前で扇情的な踊りを披露、はやし立てる神々の歓声を不思議に思った天照大神 が岩戸の隙間から顔を覗かせたところを、力自慢の天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が引き出したという神話が残っています。

おそらく桜材の一木造りで、銘は入って居らず、細かな仕上げも為されていないため、習作あるいは制作途中の作品である可能性が高いのですが、細部の表現の仕方等、光雲木彫の特徴がよく表れています。

各種の制作のために光雲が描いた下絵類の中に、天鈿女命を描いたものが現存しますが、これまでに光雲作の天鈿女命像は他に類例が確認できておらず、貴重な作です。

製作年は詳らかに出来ませんが、箱書きは光太郎の筆跡により、昭和10年(1935)に書かれています。前年に歿した光雲の形見分けとして孟彦に伝えられ、おそらく箱書きもその時点で為されたのでしょう。光太郎が自身の木彫を納める袱紗(ふくさ)や袋、 水墨で描いた絵画等に使った印が捺されています。

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展示では像と箱、それから光雲の代表作の写真を十数葉(当方がお貸ししました)並べます。

それから関連行事として、市民講座。光雲と光太郎について、いろいろお話しさせていただこうと思っております。

コロナ禍のため、今年に入ってからのこの手の仕事はこれまですべてキャンセルとなっており(この後予定されていたものでもキャンセルになったのがありますし)、久々の講師拝命です。やはりコロナ禍のため、定員は当初予定より大幅に少なくして15名。花巻市在住・在勤の方限定です(が、個人的に当方をよくご存じの方、応相談です(笑))。

展示期間があまり長くないのですが、ぜひ足をお運び下さい。


【折々のことば・光太郎】

新しい人達のものが満載してあるので、よむのがたのしみです。

散文「詩華集『航海』読後感」より 昭和4年(1929) 光太郎47歳

雑誌『詩集』第三巻第一号掲載。「読後感」といいつつ、受贈の礼状をそのまま引用したようです。光太郎、後進の若い詩人たちに対しては、常に温かいまなざしを送っていました。

詩華集『航海』は、前年に発行されたもので、池永治雄、岡田淑子、下條綾子、八百坂芳夫、佐野嶽夫、横堀真太郎の七人によるアンソロジーです。