本日も「最近手に入れた古いもの」シリーズです。

本日はアナログレコード。昭和38年(1963)リリースの「高石かつ枝愛唱集」。

006

過日ご紹介した「野口五郎 増刊号」同様、LPレコードです。レーベルはコロムビアさん。

全8曲中の「初恋」という歌が、「智恵子抄」、安達太良山、阿武隈川、そういった内容になっています。

009

作詞は丘灯至夫。智恵子の故郷・二本松にほど近い小野町の出身です。二代目コロムビア・ローズさんのヒット曲にして、二本松市民のソウルソング「智恵子抄」も丘の作詞でした。

ところが「智恵子抄」は昭和39年(1964)のリリースで、それより1年早く、この「初恋」を含む「高石かつ枝愛唱集」が出ています(「初恋」はシングルカットされていません)。いわば「智恵子抄」の原型のような感じですね。

「初恋」、平成22年(2010)発売の「青春スター~ときめきのヒロイン~3 高石かつ枝 旅の夜風」というCDに収録されており、以前に入手しているので、聴いたことはあったのですが、やはりオリジナルのレコードがほしい、と思って購入しました。

008

それから昨日気付きましたが、Youtubeにもあがっていますね。


ところで、光太郎最後の大作「十和田湖畔の裸婦群像(通称・乙女の像)」への讃歌として昭和28年(1953)に佐藤春夫が作詞し、本間千代子さんの歌でレコード化された「湖畔の乙女」(昭和39年=1964)という歌があります。当初は本間さんではなく、高石さんの歌でレコーディングまで済んでいたのが、高石さんの移籍(コロムビア→クラウン)に伴い、歌手が変更になったとのこと。



どちらもコテコテの「懐メロ」という感じですね。コテコテついでに(笑)二代目コロムビア・ローズさんの「智恵子抄」も貼っておきます。



ところで高石さん、「おとめの像」(昭和39年=1964)という歌も歌われています。こちらは十和田湖の乙女の像ではなく、北海道稚内にたつ「九人の乙女の像」(昭和20年=1945 8月20日に樺太の真岡郵便局で自決した9人の電話交換手の慰霊碑)をモチーフとした歌です。像(レリーフ)は、光太郎のDNAを受け継ぐ彫刻家の一人、本郷新が制作に当たりました。

NHKさんの朝ドラ「エール」で、この手の(現在のところ、もう少し前の時代ですが)懐メロに光が当たっています。ある部分では「文化遺産」的な要素もあるわけで、いずれは「保存」とか「伝承」とか「××遺産」とかいう話になっていくのでしょうか。


【折々のことば・光太郎】

美いづくにありや 美腹中にあり 
短句揮毫 戦後期 光太郎65歳頃

花巻温泉で色紙に揮毫した句です。