まずはテレビ放映情報から。 

プレミアムステージ「私たちは何も知らない」「チルドレン」

NHK BSプレミアム 2020年6月7日(日) 23時20分~27時53分

演劇、ミュージカル、古典芸能など、舞台芸術中継をお楽しみください。6月のプレミアムステージは、<前半>二兎社公演「私たちは何も知らない」。<後半>ルーシー・カークウッド作、栗山民也・演出「チルドレン」のアンコール放送。

23:20~ 永井愛・作・演出の二兎社公演「私たちは何も知らない」。明治末年から大正初年にかけて刊行された雑誌「青鞜」。その編集部をめぐり、活躍した平塚らいちょう、伊藤野枝らの人間模様を、史実に基づいて丁寧に描き出してゆく。

1:55~ ルーシー・カークウッド作、栗山民也・演出「チルドレン」のアンコール放送。

出演 朝倉あき 藤野涼子 大西礼芳 夏子 富山えり子 須藤蓮 枝元萌ほか

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昨年11月から今年2月にかけ、全国を巡回公演した二兎社さんの演劇「私たちは何も知らない」が放映されます。

智恵子がその創刊号の表紙絵を描いた雑誌『青鞜』をめぐる人間模様(キャストに智恵子の名はありませんが)です。各地での公演、かなり好評を博したようで、新聞には大きく取りあげられました。

『青鞜』関連――「二兎社公演43 私たちは何も知らない」評/谷崎由依『遠の眠りの』。

ぜひご覧下さい。


もう1件、若い方々にはテレビよりもこちらの方がなじみがあるかも知れませんが、ネットでの映像コンテンツ配信サービス。

YAHOO!さんのニュースサイトから。 

「僕等の図書室」滝口幸広ら出演の過去作配信、「智恵子抄」リモート朗読も

「僕等の図書室 リモート授業」が、6月6日にイープラスのライブ配信サービス・Streaming+で配信される。

「僕等の図書室」は2012年に初演されたリーディング公演で、国語の先生に扮した俳優たちが童話や文学作品を朗読するシリーズ。今回の「リモート授業」は、る・ひまわりによる“デジタ・るコンテンツ”の第1弾だ。4つのコンテンツからなる配信では、過去公演3作の映像を公開。1時間目「まぁくんの走れメロス」には大山真志、故・滝口幸広、井深克彦、2時間目「マッチ売りの少女原田」には原田優一、中村龍介、滝口、3時間目「たっきーの星の王子様」には滝口、三上真史、木ノ本嶺浩が出演している。また4時間目では「智恵子抄」のリモートリーディングが行われ、出演者には荒木健太朗、井澤勇貴、井深、大山、木ノ本、滝口、中村、原田、三上、村井良大が名を連ねた。なお公式サイトには「各授業の間の休憩時間には、先生から生徒の皆さんへお話があります」と記されている。

配信の視聴料金は税込4500円となり、チケットを購入すると6月6日12:00から14日23:59まで、アーカイブを視聴することができる。

■ デジタ・るコンテンツ 第1弾「僕等の図書室 リモート授業」
出演(五十音順):荒木健太朗、井澤勇貴、井深克彦、大山真志、木ノ本嶺浩、滝口幸広、中村龍介、原田優一、三上真史、村井良大

□ 1時間目「まぁくんの走れメロス」(僕等の図書室2)※2012年舞台収録映像
脚本:毛利亘宏
演出:板垣恭一
音楽:日野悠平
出演:大山真志、滝口幸広、井深克彦

□ 2時間目「マッチ売りの少女原田」(僕等の図書室 特別授業)※2016年舞台収録映像
脚本:加藤啓
演出:西森英行
音楽:伊藤靖浩
出演:原田優一、中村龍介、滝口幸広

□ 3時間目「たっきーの星の王子様」(僕等の図書室3)※2014年舞台収録映像
脚本:古川貴義
演出:板垣恭一
音楽:日野悠平
出演:滝口幸広、三上真史、木ノ本嶺浩

□ 4時間目「智恵子抄」※リモートリーディング
脚本:穴吹一朗
出演(五十音順):荒木健太朗、井澤勇貴、井深克彦、大山真志、木ノ本嶺浩、中村龍介、原田優一、三上真史、村井良大

(ステージナタリー)

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記事にあるとおり、「僕等の図書室」は、平成24年(2012)から始まった朗読劇公演で、昨秋亡くなった滝口幸広さんらによる「智恵子抄」が2度、演目に入っていました。それぞれDVD化もされています。かつては地方の映画館で上映もありましたが、時代は進み、ネットでの配信が為されるようになったとのこと。

どうも滝口さん追悼の意味合いもあるようで、かつて滝口さんが演じられた「智恵子抄」をお仲間の方々9人で「リモートリーディング」だそうです。これのみ新作で、あとは旧作を配信するようです。

こうしたリモート配信、コロナ禍の影響で劇場が使用できない中での代替措置として注目されていますが、今後、演劇等の新たな楽しみ方の一つとして定着していくのでは、といった内容を先日の報道番組で取りあげていました。劇場に足を運ぶことが困難、という場合の一つの選択肢としてはこういう試みもありなのでしょう。

詳細はこちらです。


【折々のことば・光太郎】

こんなところに一人でいるもんだから、みんな「おさびしいでしょう」なんてよくいうけれど、僕は一度だって淋しいなんて思ったことはない。つまらぬ交際もなく自分のしごとがうんと出来るんで、こんないいところはないよ。

談話筆記「〔高村光太郎の生活〕」より 昭和26年(1951) 光太郎69歳

「こんなところ」は戦後の7年間を過ごした花巻郊外旧太田村の山小屋です。戦時中の翼賛活動に対する贖罪の意味を持つ蟄居生活ではありましたが、「つまらぬ交際もなく自分のしごとがうんと出来る」というのも一つの本音でしょう。「自分というものとしっかり向き合える」と言う意味で。