5月26日(火)、いわき市立草野心平記念文学館さんに参上し、企画展「草野心平の詩 天へのまなざし」を拝見しましたが、そちらで入手したものをご紹介します。

昨日もちょいちょいご紹介しましたが、まず同展図録。A4判8ページの簡素なものですが、よくまとまっており、オールカラーで見やすく作られています。頒価300円でした。


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光太郎が題字を揮毫した心平詩集『富士山』(昭和18年=1943)、『天』(同26年=1951)の画像も載っています。

企画展拝見後、トイレに向かったところ、途中の掲示板にポスター。智恵子の故郷・二本松で開催されている「高村智恵子生誕祭」のそれでした。

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同一デザインのチラシも置いてありましたので、GET。生家2階部分の特別公開は終了していますが、「上川崎和紙で作る智恵子の紙絵体験」は今週末の30・31日に土日に最後の開催です。


もう一点。JR東日本さんの車内誌『トランヴェール』の2020年3月号が置いてありましたので、そちらもいただいてきました。特集が「常磐線、文学つまみ食い途中下車の旅」。東日本大震災による原発事故から永らく寸断されていたJR常磐線が3月14日(土)に全線復旧し、上野から仙台までまた繋がりました。それを受けての企画のようです。「高村光太郎」の文字は見あたりませんでしたが、光太郎と関わりの深かった面々の顕彰を行う文学館さんが紹介されていました。

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千葉県の我孫子。手賀沼のほとりに、柳宗悦、バーナード・リーチら白樺派の人々が移り住み、一種の芸術村となっていました。現在は志賀直哉の旧居、白樺文学館さんなどがあります。

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それから草野心平記念文学館さん。だから置いてあったのですね。

心平に関しては、常磐線沿線というわけではありませんが、川内村の天山文庫についても紹介がありました。

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その他、取手駅で柳田國男記念館苑さん、磯原駅で野口雨情記念館さん、勿来駅で勿来関、小高駅で埴谷雄高・島尾敏雄記念文学史料館さん、そして終点・仙台駅で仙台文学館さんが紹介されています。

緊急事態宣言も解除されたことですし、これらの文学館さん等もおいおい再開しているか、これからするかでしょう。まだまだ油断は禁物ではありますが、ぜひ足をお運び下さい。


ところで、全くの別件ですが、ラジオ放送の情報です。 

石丸謙二郎の山カフェ 選「春の山を感じよう!」8時台

NHKラジオ第一 2020年5月30日(土) 001午前8時05分~8時55分

山の日だまりで、朝日に輝く山々や森をながめつつ、コーヒーをいれてほっと一息・・・。そんなひとときをイメージしたラジオ番組が、「山カフェ」です。カフェのマスターこと、パーソナリティをつとめるのは、登山歴40 年になる石丸謙二郎。山を愛する多彩な方々をお客さまに迎え、飾らないトークを楽しみます。

山小屋や今まさに山に登っている方々と電話をつなぐ「山からおはよう」や、古今東西の山岳図書を紹介する「マスターの本棚」などのコーナーも。皆さんからの、心に残る山のエピソード、とっておきの写真も大募集しています。土曜の朝、いっしょに山に想いをはせてみませんか?

「山カフェ」3月14日「春の山を感じよう!」8時台の再放送です。みなさんの好きな春の山、おススメや思い出のお便りをご紹介しました。マスターの朗読で春山気分を味わう「空想登山」を、もう一度、登山気分でお楽しみください。「山からおはよう」は丹沢蛭ヶ岳山荘から。「マスターの本棚」は高村光太郎「山の春」をご紹介しました。

【司会】石丸謙二郎 山本志保

やはり新型コロナの影響でしょうか、「選」ということで、3月14日(土)に放送されたものの再放送です。当方、本放送は仙台からの帰りの愛車内、カーラジオで拝聴しました。司会の石丸氏による光太郎随筆「山の春」(昭和26年=1951)の朗読があります。

ぜひお聴き下さい。


【折々のことば・光太郎】

放送局ではその頃まで詩の朗読といへば必ず藤村、晩翠、白秋、露風といふやうな詩人の詩ばかり放送してゐて、それ以後の者の詩はまるで問題にしなかつたのでした。

散文「照井瓔三の思出」より 昭和24年(1949) 光太郎67歳

照井瓔三(本名・栄三)は盛岡出身の声楽家・朗読家。「その頃」は昭和9年(1934)。JOBK(大阪放送局)制作の「詩の夕」というラジオ番組で光太郎詩の朗読を照井が行ったことを指します。実際にはそれに遡る昭和4年(1929)には既にやはり照井により光太郎詩の朗読がラジオで放送されていましたが。

照井は光太郎以外にも、心平や宮沢賢治の詩の朗読も行ったそうです。