追記 新型コロナウイルス対策のため、本公演は8/10に延期となったそうです。

昨日、NHK FMさんの「ベストオブクラシック」で、1月25日(土)に開催された福島県棚倉町での公開収録「~小林沙羅&山本耕平デュオ・リサイタル」の件をご紹介しましたが、その小林さんのリサイタルをご紹介します。

期日が近づいたもう少し後に取り上げよう、と思っていたのですが、あちこち話題を転ずるよりは、ついでというと何ですけれど、一気に紹介してしまいます。 

小林沙羅 ソプラノ・リサイタル 日本の詩(うた)

期 日 : 2020年3月12日(木)
会 場 : 
浜離宮朝日ホール 東京都中央区築地5-3-2
時 間 : 19:00開演 21:00終演予定
料 金 : 一般5,500円 学生席2,700円 全席指定

出 演 : 小林沙羅(Sp)  河野紘子 (Pf)  見澤太基 (尺八)  澤村祐司 (箏)

曲 目 :
 武満徹 : 小さな空 (詩:武満徹)
 山田耕筰 : この道 (詩:北原白秋)
 山田耕筰 : 赤とんぼ (詩:三木露風)
 山田耕筰 : ペチカ (詩:北原白秋)
 中田章 : 早春賦 (詩:吉丸一昌)
 越谷達之助 : 初恋 (詩:石川啄木)
 武満徹 : 死んだ男の残したものは (詩:谷川俊太郎)
 中村裕美 : 「智恵子抄」より (詩:高村光太郎)
          或る夜のこころ  あなたはだんだんきれいになる  亡き人に

 早坂文雄 : うぐひす (詩:佐藤春夫)
 瀧廉太郎 : 荒城の月 (詩:土井晩翠)
 宮城道雄 : せきれい (詩:北原白秋)
 宮城道雄 : 浜木綿 (詩:宮城道雄)
 井上武士 : うみ (詩:林柳波)
 橋本国彦 : お六娘 (詩:林柳波)
 橋本国彦 : 舞 (詩:深尾須磨子)
 小林沙羅 : ひとりから (詩:谷川俊太郎)

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昨秋リリースされた3rdアルバム「日本の詩(うた)」のリリース記念だそうで、そちらとほぼほぼ曲目が一致していますが、プラスアルファもかなりあるようです。光太郎詩に曲をつけられたものも、「或る夜のこころ」はCDにも入り、棚倉町でのNHKさんの公開収録でも演奏されましたが、それ以外に「あなたはだんだんきれいになる」と「亡き人に」もラインナップに入っています。

「亡き人に」は、同じ浜離宮朝日ホールさんで、一昨年開催された「浜離宮ランチタイムコンサートvol.175 小林沙羅ソプラノ・リサイタル」が初演。「あなたはだんだんきれいになる」は、今回が初演なのではないかと思われます(違っていたらごめんなさい)。

3曲とも、『智恵子抄』収録の詩に、中村裕美さんという方が曲をつけて下さっています。ありがたいかぎりです。


それはそうと、新型コロナウイルスによるイベント等の中止、延期が相次いでいます。ちなみに最近、このブログでご紹介した光太郎関係イベントで、そのために中止になったという件はないようですが、これから紹介しようと思っていた光太郎がらみのイベントが、いくつか中止となっています。報道ではここ1、2週間がヤマだそうで、なかなか判断が難しいところだとは存じます。今のところ、こちらのリサイタルは予定通り行われるようですのでご紹介します。

追記 以下のイベントが中止/延期となりました。
「声に出してみる美しい日本語」ワークショップ・公演。
埼玉県加須市「斎藤与里没後60年特別展」。


4月2日(木)の第64回連翹忌は予定通り実施の方向です。もっとも、今後、パンデミック的な事態になってしまった場合には、あらためて考えますが。そうならないことを祈ります。

来る4月2日(木)に日比谷松本楼様に於いて予定しておりました第64回連翹忌の集い、昨今の新型コロナウイルス感染防止のため、誠に残念ながら中止とさせていただくことに致しました。


【折々のことば・光太郎】

時代の持つ一般生活と社会組織とに最も好都合であり、その集団分子の福祉の増進に最も適するやうな観念と行為とがその時代の日常倫理となる。それ故時代が進んでゐるにも拘らず前時代の日常倫理が残存して尚ほ相当な勢力を持つ場合、社会秩序の混乱と集団分子間の不都合とが一般的に感ぜられるのは当然である。

散文「日常倫理の問題」より 昭和15年(1940) 光太郎58歳

前時代の日常倫理が残存して尚ほ相当な勢力を持つ」永田町では、「お友達」や「支持者」だけの「福祉の増進」が考えられ、「社会秩序の混乱と集団分子間の不都合」なんぞ知ったこっちゃないと思っているようですが。