料理研究家の中野由貴さんから、『ワルトワラ』第45号が届きました。宮沢賢治ファンの方々による文芸同人誌のようです。

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中野さんご執筆の「イーハトーヴ料理館 賢治たちの自炊めし 二膳目 光太郎さんからの食アドバイス」が5ページにわたり掲載されています。

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昭和22年(1947)、光太郎が雑誌『農民芸術』第1巻第3号に発表した散文「玄米四合の問題」を中心に、光太郎の「食」に対する意識、光太郎から見た賢治の「食」などについて述べられています。

また、昨年の今頃、花巻高村光太郎記念館さんで開催されていた企画展「光太郎の食卓」のレポートなども。同展は、一昨年の秋に行われた同館主催の市民講座「実りの秋を楽しむ 光太郎の食卓 part .2」の内容を元にしたものでした。そちらの講師を当方が務めさせていただき、その際のレジュメを中野さんにお送りしたところ、いたく感謝されてしまい、かえって恐縮している次第です。

中野さんとはその後、昨春、いわき市立草野心平記念文学館さんでの企画展「草野心平の居酒屋『火の車』もゆる夢の炎」の関連行事として開催された「居酒屋「火の車」一日開店」でご一緒させていただきました。そんなこんなで今回の玉稿にも当方の名を出して下さっています。ありがたし。

それから、中野さんが監修された都内でのイベントのご案内も同封されていました。花巻市さんと小岩井農場さんのコラボ企画だそうで、題して「宮沢賢治のイーハトーブ花巻レストラン」。


2月8日(土)には、中野さん他によるトーク・朗読イベントもあるそうです。『ワルトラワラ』の件も含め、詳しくは中野さんのサイトをご参照下さい。


【折々のことば・光太郎】

さう言つても、他の人の「存在の理由」を否定するわけでは決してありません。人には各々天性がありますから。

散文「武者小路実篤氏」より 大正15年(1926) 光太郎44歳

この前段で、朋友・武者小路の人となり、芸術世界を激賞した後の一言です。

一昨日から、残念ながら他の人の「存在の理由」を否定し、「人には各々天性がありますから」と考えられなかった故に起こった凶悪犯罪の裁判が始まっています。その報道を読むにつけ、改めて心が痛みます。