昨日に引き続き、雑誌系のご紹介をと思っていましたが、開催中の企画展示の情報が入ってきましたので、そちらを。


まず状況をわかりやすくするため、『朝日新聞』さんの京都版の記事。 

京都)戦時中のプロパガンダを紹介 中京区で28日まで

 戦時中の国威高揚のためのポスターや雑誌を展示した「戦争プロパガンダ展」が、京都市中京区壬生馬場町のおもちゃ映画ミュージアムで開かれている。元高校教諭の河田隆史さん(60)=大阪府高槻市=が、歴史の授業で使う平和教育の教材として約30年かけて集めたものだ。28日まで。
 国が発行していた週刊誌「写真週報」やアサヒグラフ(朝日新聞社発行、2000年休刊)、国の情報局などが作製したポスター(複製品)、国策宣伝のための映画作品のDVDなど約100点が展示されている。詩人・高村光太郎が詩を寄せている記事も紹介し、文学者を含む芸術家も戦争協力をしていた様子を伝える。河田さんは「国も民間も危機感をあおって、日本全体で戦争反対と言えない雰囲気をつくっていたことが分かる」と解説する。
 河田さんは現代も似た風潮を感じるという。「SNSでは自分が好む情報しか入ってこないし、世の中に反対意見は許さないという空気が漂っている。戦争はだめだというのは簡単だが、どうやったら本当に防げるのかを考えるきっかけになれば」と話している。
 午前10時半~午後5時。24日休館。入館料一般・高校生500円、中学生300円、小学生以下無料。問い合わせは同ミュージアム(075・803・0033)へ。(向井大輔)


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調べてみましたところ、詳細は以下の通りでした。 

戦争プロパガンダ展 ポスター・雑誌・映画

期  日 : 2019年12月4日(水)~12月28日(土)
会  場 : 
おもちゃ映画ミュージアム 京都市中京区壬生馬場町29-1
時  間 : 10:30~17:00
料  金 : 一般・高校生500円、中学生300円、小学生以下無料。
休館日 : 月曜、火曜


12月8日は太平洋戦争開戦記念日です。1941(昭和16)年12月8日早朝、日本軍がハワイのオワフ島真珠湾にあるアメリカ軍基地を奇襲攻撃し、3年半に及ぶ大東亜戦争対米英戦(太平洋戦争)が勃発しました。それから、日本が辿った歴史はよくご存じだと思います。
この記念日に合わせて、再び同じ過ちを繰り返すことがないよう、当団体理事でもある河田隆史さんのご協力で、「戦争プロパガンダ展」をします。


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似たような趣旨で開催されたのが、平成26年(2014)の「ヨコハマトリエンナーレ2014」中の「大谷芳久コレクション」。こちらは光太郎を含む10名ほどの有名詩人の翼賛詩集、多数の詩人達による翼賛詩アンソロジーなどが出品されました。

今回はポスターなどが多数出ているということで、ヴィジュアル的に非常なインパクトがありますね。この時代を批判するのはたやすいのですが、単に批判するだけでなく、なぜそうなってしまったのかを考える一助としたいものです。この時代をこそ範とするような輩が政権中枢に居座っている現在こそ、必要なことだと思われます。

光太郎がらみは具体的に何が出ているのかわかりませんが、光太郎は生涯に書いた詩およそ700篇中の200篇弱が翼賛詩といえるものですし(何を以て翼賛詩とするかの基準にも左右されますが)、生涯に刊行した詩集6冊(選詩集的なものを除きます)のうち、半数の3冊が翼賛詩集でした。詩以外でも、講演や散文などで国民を煽る発言のオンパレード。そういう意味では光太郎の翼賛活動に関わる展示物、いくらでも存在します。

そうした負の遺産も、次代への教訓、反面教師としての役割という点では、ひた隠しにされるべきものではありません。一部の詩人については、取り巻きや後の時代の狂信的なファンが「あれはなかったことにしよう」と隠蔽する動きがあるのですが……。

というわけで、ぜひ足をお運びください。


【折々のことば・光太郎】

私はあまりほめたりけなしたりするのを重要に思はない。ただ事実だけを見る。
散文「佐野嶽夫『棕梠の木』序」より 昭和3年(1928) 光太郎46歳

「ただ事実だけを見る」。意外と難しいことですね。