昨日のこのブログで、智恵子を主人公とした野田秀樹氏作の演劇「売り言葉」が、智恵子の故郷・福島二本松で上演されることをご紹介しました。今年はなぜか「売り言葉」が人気で、各地で上演が相次いだのですが、さすがにもう今年は打ち止めだろうと思っていたところ、まだありました。昨日になって気がつきました。 

演劇創造ユニット [フキョウワ] 第一回公演 売り言葉

期 日 : 2019年12月21日(土)/12月22日(日)
会 場 : 
フジハラビル(アートギャラリーフジハラ) 大阪市北区天神橋1-10-4
時 間 : 12/21 11:00/15:00/19:00  12/22 11:00☆/16:00☆
      ☆……アフタートーク有り
料 金 :  一般 2,500 円  U23 1,500 円  U18 1,000 円 ※全席自由席
      ※当日料金は各500円増 
出 演 : 雀野ちゅん(うんなま)
演 出 : 下野佑樹

“智恵子抄”を題材に、高村光太郎の妻・智恵子の狂気を野田秀樹氏独自の視点と愛情で描いた作品。
2002初演(作・演出:野田秀樹 主演:大竹しのぶ)
今回の演出では、智恵子が自殺未遂をした際の情景から得た着想を元に、舞台全面をカンバスに仕立て上げ、そこに智恵子の半生を塗り重ねていく。000

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ご都合の付く方、ぜひどうぞ。


【折々のことば・光太郎】

私くらゐの年配の読書人で、かつてドストエフスキイに捉へられ、魅惑せられ、魂を奪はれ、それから脱することの困難さと残り惜しさとを経験しなかつた者は少いであらう。此の渾沌たる魂の深淵をくぐりぬける事によつて人は霊につながる心の鍛錬をうける。

散文「『ドストエーフスキイ全集』推薦の言葉」より
 昭和16年(1941) 光太郎59歳

書評とはかくあるべし、というお手本のような文章ですね。豊富な語彙、その的確な用法、そして対象へのリスペクト。見倣いたいものです。